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マテック家にて、
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伯爵夫人は可愛らしいメロディをひと目で気に入った。
「まぁ、可愛らしい。」
確かにメロディは可愛らしかった。小さな鞄を抱き締め、マイカー男爵夫妻に促され挨拶をする。
「メロディです。宜しくお願いします。」
ペコリと頭を下げる姿は、伯爵夫人だけではなくクロウディアも騎士として(騎士ではないが)庇護欲にかきたてられた。
メロディをあずかったその日から伯爵夫人は彼女を連れ回した。流行遅れのドレスを見ては、
「可愛いドレスを買いに行きましょう。」
「えっ、でも……」
チラリとクロウディアを見る。クロウディアの姿は、ポニーテールにブラウスにズボン動きやすい男装の装いをしていた。
「いいのよ、あの娘はドレスなんかに興味はないんだから!! 」
伯爵夫人は責めるように娘を見る。コクリと、クロウディアは頷いた。
「きいーーぃ!! わたくし、貴方のような娘が欲しかったですわ!! 」
そう言うと、ぎゅっと伯爵夫人はメロディを抱きしめた。
それが、いけなかった。
メロディは伯爵夫人に抱きしめられながら、クロウディアを嘲るように見つめた。
そしてメロディは勘違いをしてしまった。まるで本当の娘のように振る舞い始めたのあった。
高級なドレスをねだったり、父や兄たちに甘えていた。
「「まるで妹が出来たようだ。」」
「うむ。」
兄たちと父の会話。
「私は、妹ですが。」
「「そうだったな。」」
「うむ。」
クロウディアと兄たちと父の会話、終了
母は、メロディを着せ替え人形のようにドレスを着せて嬉しそうだ。
「お母様が、嬉しそうですのでこれで良いかと。」
「「そうだな。」」
「うむ。」
クロウディアと兄たちと父の会話、終了。
彼らは、妻が、母が、喜ぶのならこれでいいと目を瞑った。
それもいけなかった。
メロディは益々増長した。彼らの前ではしおらしく、ゆいつ娘のクロウディアに対して敵視をして来た。
「キャ!! 」
廊下にうずくまるメロディ、それを見下ろすクロウディア。
「まあ、何があったの? 」
「わたし、クロウディアさまとぶつかってしまって。」
「あま大変。クロウディア、貴方は体が丈夫なのだから気をつけてあげてね。」
「わかりました、お母様。」
クロウディアは母の言葉に頷いた。確かにクロウディアは兄たちと共に剣の修行して普通の令嬢より体が丈夫であった。
伯爵夫人は娘より、メロディを労った。それもいけなかった。
「キャ!! 」
「あっ!! 」
メロディはよくクロウディアの前で転ぶようになった。そして、
「酷いですわ~、クロウディアさま。」
なぜか涙目で、クロウディアを見るようになった。クロウディアは首を傾げた。
「何があったの? 」
「クロウディアさまが、メロディを突き飛ばしたのです。」
伯爵夫人が、駆け寄るとメロディは嘘を吐いた。
「きっと、おばさまに可愛がられているメロディに嫉妬したのですわ。」
「まあ、本当なの? 」
(クロウディアが、嫉妬ですって。)
嬉しそうに夫人は見上げる。
「違います。」
(私は、突き飛ばしてはいません。)
クロウディアは速攻、応えた。
「きいーーぃ!! メロディに近づくんじゃありませんよ!! 」
伯爵夫人は奇声を上げた。
「行きましょう、メロディ。」
「はい。おばさま。」
去り行く時、メロディは不敵な笑みをクロウディアに見せた。しかし近づくなと言われても、メロディが近づいてくるのはクロウディアにはどうすることも出来なかった。
「クロウディア。メロディ嬢を突き飛ばしているのか。」
「違います。なぜか、彼女は私の前でよく転ぶのです。」
「足腰が弱いのだな。」
「うむ。」
長男シナモ、クロウディア、次男ロール、父の会話、終了。
彼らは、脳筋なのでメロディの戯れ言は通用しなかった。
伯爵夫人に庇われるのでメロディは益々図に乗った。そして、学園でもクロウディアの前で寸劇を始めるのであった。
「まぁ、可愛らしい。」
確かにメロディは可愛らしかった。小さな鞄を抱き締め、マイカー男爵夫妻に促され挨拶をする。
「メロディです。宜しくお願いします。」
ペコリと頭を下げる姿は、伯爵夫人だけではなくクロウディアも騎士として(騎士ではないが)庇護欲にかきたてられた。
メロディをあずかったその日から伯爵夫人は彼女を連れ回した。流行遅れのドレスを見ては、
「可愛いドレスを買いに行きましょう。」
「えっ、でも……」
チラリとクロウディアを見る。クロウディアの姿は、ポニーテールにブラウスにズボン動きやすい男装の装いをしていた。
「いいのよ、あの娘はドレスなんかに興味はないんだから!! 」
伯爵夫人は責めるように娘を見る。コクリと、クロウディアは頷いた。
「きいーーぃ!! わたくし、貴方のような娘が欲しかったですわ!! 」
そう言うと、ぎゅっと伯爵夫人はメロディを抱きしめた。
それが、いけなかった。
メロディは伯爵夫人に抱きしめられながら、クロウディアを嘲るように見つめた。
そしてメロディは勘違いをしてしまった。まるで本当の娘のように振る舞い始めたのあった。
高級なドレスをねだったり、父や兄たちに甘えていた。
「「まるで妹が出来たようだ。」」
「うむ。」
兄たちと父の会話。
「私は、妹ですが。」
「「そうだったな。」」
「うむ。」
クロウディアと兄たちと父の会話、終了
母は、メロディを着せ替え人形のようにドレスを着せて嬉しそうだ。
「お母様が、嬉しそうですのでこれで良いかと。」
「「そうだな。」」
「うむ。」
クロウディアと兄たちと父の会話、終了。
彼らは、妻が、母が、喜ぶのならこれでいいと目を瞑った。
それもいけなかった。
メロディは益々増長した。彼らの前ではしおらしく、ゆいつ娘のクロウディアに対して敵視をして来た。
「キャ!! 」
廊下にうずくまるメロディ、それを見下ろすクロウディア。
「まあ、何があったの? 」
「わたし、クロウディアさまとぶつかってしまって。」
「あま大変。クロウディア、貴方は体が丈夫なのだから気をつけてあげてね。」
「わかりました、お母様。」
クロウディアは母の言葉に頷いた。確かにクロウディアは兄たちと共に剣の修行して普通の令嬢より体が丈夫であった。
伯爵夫人は娘より、メロディを労った。それもいけなかった。
「キャ!! 」
「あっ!! 」
メロディはよくクロウディアの前で転ぶようになった。そして、
「酷いですわ~、クロウディアさま。」
なぜか涙目で、クロウディアを見るようになった。クロウディアは首を傾げた。
「何があったの? 」
「クロウディアさまが、メロディを突き飛ばしたのです。」
伯爵夫人が、駆け寄るとメロディは嘘を吐いた。
「きっと、おばさまに可愛がられているメロディに嫉妬したのですわ。」
「まあ、本当なの? 」
(クロウディアが、嫉妬ですって。)
嬉しそうに夫人は見上げる。
「違います。」
(私は、突き飛ばしてはいません。)
クロウディアは速攻、応えた。
「きいーーぃ!! メロディに近づくんじゃありませんよ!! 」
伯爵夫人は奇声を上げた。
「行きましょう、メロディ。」
「はい。おばさま。」
去り行く時、メロディは不敵な笑みをクロウディアに見せた。しかし近づくなと言われても、メロディが近づいてくるのはクロウディアにはどうすることも出来なかった。
「クロウディア。メロディ嬢を突き飛ばしているのか。」
「違います。なぜか、彼女は私の前でよく転ぶのです。」
「足腰が弱いのだな。」
「うむ。」
長男シナモ、クロウディア、次男ロール、父の会話、終了。
彼らは、脳筋なのでメロディの戯れ言は通用しなかった。
伯爵夫人に庇われるのでメロディは益々図に乗った。そして、学園でもクロウディアの前で寸劇を始めるのであった。
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