4 / 16
宰相閣下のお父様。
しおりを挟む
青ざめる国王陛下をよそに、話は進んでいく。
「アルプース男爵には、5億イエンでどうでしょうか? 」
男爵に対しての賠償金額も高額をコッペリウスは提示した。
「ご、5億イエン!? そ、そんなに!! 」
男爵は驚愕に声を荒げた。
「将来、公爵夫人となられる御令嬢の生家となられるですから当然かと。」
コッペリウスは淡々と話を進める。その金額提示に、周りの貴族達もまるで別人を見るように宰相閣下を見つめる。
コッペリウス宰相。
彼は『鉄壁の宰相』と呼ばれ、無駄な債務には決して公費を出さないで有名であった。決められた公費以外を使うにあたっては書類を申請させ、1イエン単位で計算させその理由を書かなければ金は出さない宰相。どんな圧力も偉功も彼の前では、塵芥であり鉄壁に護られた国庫であった。ただ、災害あった地域には手厚い手当を出すが、嘘がバレれば倍返し10倍返しと恐ろしい金額を提示し引き上げる恐ろしい総務省であった。
その仕事に対し、コッペリウスは自らも質素倹約(使う処を間違わない)生活を実行していた。
然るに、影では金を貰えない貴族達がフジ侯爵家を『しみったれ』『どケチ』『守銭奴』と陰口を叩いていた。
その最たる者が正妃と王太子であるとは国王陛下は知らなかった。
その宰相が自らの口で、公の場で高額賠償の金額を口にしたのだ。これは後から引っ込めることも、誤魔化すことも出來はしない。
「いかがでしょう? エベレート公爵、アルプース男爵。」
コッペリウスは淡々と、二人の承諾を待った。
「も、もちろんいいです!! 」
「無論、よい。」
アルプース男爵は前のめりに、エベレート公爵は御満悦に返事をした。
「「「「おおーーっ。」」」」
何処からともなく溜息と、驚きの声が漏れ出す。
「では、其のように書類を提出させていただきます。」
コッペリウスは皆の前で二人に頭を下げた。
「お父さま~、お金が入るの? ドレスを買って!! 買って!! 」
「ああ、お前のお陰だ。いくらでも買ってやる。」
アルプース男爵親子は嬉しそうにはしゃいでいる。
「この際だ、離宮を新築するか。婚姻後は暫くは二人で住むといい。」
「父上、有難う御座います。」
公爵もまだ手に入ってない賠償金の使い道を考える。
『取らぬ狸の皮算用』を始める。
「国王陛下、以上の賠償問題の証人となってもらえましょうか? 」
そんな中、コッペリウスは淡々と話を進めていく。国王陛下に証人となって貰いたいと顔を上げる。その顔は鉄面皮で、動かない。
(怒ってる~!! )
国王陛下には解った。コッペリウスは怒れば怒るほど表情筋が死ぬのであった。学友であった国王陛下しか知ることの出来ない事である。
「あははははっ、娘の失態に名誉を取り戻そうと必死だなコッペリウス宰相!! 」
「ええ、ほんとうに。」
(火に油を注ぐようなことを言うんじゃない、この馬鹿息子!! )
宰相の態度に何時も願いを邪魔されていた王太子と正妃は、笑った。そらにつられて、周りの貴族達もクスクスと笑いだした。
「名誉挽回の為にか。」
「必死にですわね。」
「あのみみっちい宰相殿が。」
「ざまぁですわ。」
(オー・マイ・ゴッドー!! )
馬鹿貴族達に、国王陛下は王座で頭を抱える。今まさに貴族達はペリウスを敵にまわした。
(お前らもう死んでいる。)
現実逃避したい、国王陛下であった。
「陛下。スクワード国王陛下、承認して頂けますか。」
深緑よりも深い、樹海の奥のような瞳で国王陛下を見やる。
(はい、名前付きですね。解りました、オッケーです。)
名前付きで呼ばれた時は、何があろうと了解しろと言う意味合いの圧力であった。
(オレ、国王なのに…… )
だが理不尽な事で了解を迫ることはないので、国王陛下も頷くしかなかった。
「私が証人となろう。其のように、進めろ。」
「有難う御座います、国王陛下。」
国王陛下の言葉に恭しく頭を下げる。そして振り返ると、
「高額ですので、一ヶ月の有余を設けます。一ヶ月後迄に、エベレート公爵家とアルプース男爵家はフジ侯爵家へと賠償を支払って貰いましょう。」
宰相閣下のコッペリウスの言葉に、会場の時は止まった。
「アルプース男爵には、5億イエンでどうでしょうか? 」
男爵に対しての賠償金額も高額をコッペリウスは提示した。
「ご、5億イエン!? そ、そんなに!! 」
男爵は驚愕に声を荒げた。
「将来、公爵夫人となられる御令嬢の生家となられるですから当然かと。」
コッペリウスは淡々と話を進める。その金額提示に、周りの貴族達もまるで別人を見るように宰相閣下を見つめる。
コッペリウス宰相。
彼は『鉄壁の宰相』と呼ばれ、無駄な債務には決して公費を出さないで有名であった。決められた公費以外を使うにあたっては書類を申請させ、1イエン単位で計算させその理由を書かなければ金は出さない宰相。どんな圧力も偉功も彼の前では、塵芥であり鉄壁に護られた国庫であった。ただ、災害あった地域には手厚い手当を出すが、嘘がバレれば倍返し10倍返しと恐ろしい金額を提示し引き上げる恐ろしい総務省であった。
その仕事に対し、コッペリウスは自らも質素倹約(使う処を間違わない)生活を実行していた。
然るに、影では金を貰えない貴族達がフジ侯爵家を『しみったれ』『どケチ』『守銭奴』と陰口を叩いていた。
その最たる者が正妃と王太子であるとは国王陛下は知らなかった。
その宰相が自らの口で、公の場で高額賠償の金額を口にしたのだ。これは後から引っ込めることも、誤魔化すことも出來はしない。
「いかがでしょう? エベレート公爵、アルプース男爵。」
コッペリウスは淡々と、二人の承諾を待った。
「も、もちろんいいです!! 」
「無論、よい。」
アルプース男爵は前のめりに、エベレート公爵は御満悦に返事をした。
「「「「おおーーっ。」」」」
何処からともなく溜息と、驚きの声が漏れ出す。
「では、其のように書類を提出させていただきます。」
コッペリウスは皆の前で二人に頭を下げた。
「お父さま~、お金が入るの? ドレスを買って!! 買って!! 」
「ああ、お前のお陰だ。いくらでも買ってやる。」
アルプース男爵親子は嬉しそうにはしゃいでいる。
「この際だ、離宮を新築するか。婚姻後は暫くは二人で住むといい。」
「父上、有難う御座います。」
公爵もまだ手に入ってない賠償金の使い道を考える。
『取らぬ狸の皮算用』を始める。
「国王陛下、以上の賠償問題の証人となってもらえましょうか? 」
そんな中、コッペリウスは淡々と話を進めていく。国王陛下に証人となって貰いたいと顔を上げる。その顔は鉄面皮で、動かない。
(怒ってる~!! )
国王陛下には解った。コッペリウスは怒れば怒るほど表情筋が死ぬのであった。学友であった国王陛下しか知ることの出来ない事である。
「あははははっ、娘の失態に名誉を取り戻そうと必死だなコッペリウス宰相!! 」
「ええ、ほんとうに。」
(火に油を注ぐようなことを言うんじゃない、この馬鹿息子!! )
宰相の態度に何時も願いを邪魔されていた王太子と正妃は、笑った。そらにつられて、周りの貴族達もクスクスと笑いだした。
「名誉挽回の為にか。」
「必死にですわね。」
「あのみみっちい宰相殿が。」
「ざまぁですわ。」
(オー・マイ・ゴッドー!! )
馬鹿貴族達に、国王陛下は王座で頭を抱える。今まさに貴族達はペリウスを敵にまわした。
(お前らもう死んでいる。)
現実逃避したい、国王陛下であった。
「陛下。スクワード国王陛下、承認して頂けますか。」
深緑よりも深い、樹海の奥のような瞳で国王陛下を見やる。
(はい、名前付きですね。解りました、オッケーです。)
名前付きで呼ばれた時は、何があろうと了解しろと言う意味合いの圧力であった。
(オレ、国王なのに…… )
だが理不尽な事で了解を迫ることはないので、国王陛下も頷くしかなかった。
「私が証人となろう。其のように、進めろ。」
「有難う御座います、国王陛下。」
国王陛下の言葉に恭しく頭を下げる。そして振り返ると、
「高額ですので、一ヶ月の有余を設けます。一ヶ月後迄に、エベレート公爵家とアルプース男爵家はフジ侯爵家へと賠償を支払って貰いましょう。」
宰相閣下のコッペリウスの言葉に、会場の時は止まった。
52
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした
由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。
無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。
再び招かれたのは、かつて母を追放した国。
礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。
これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる