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お父様の反省。
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「スクワード国王陛下。」
低く優しげな声が国王陛下の名を呼ぶ。コッペリウスは深く深く頭を下げた。
「申し訳ございません。」
(何なんッスか、ぱい先!! 怖いッス!! )
コッペリウスが頭を下げて謝るようすに恐怖を覚える。
「陛下が、即位してから行く数年。国内外と目を向けておりまして、肝心な処を蔑ろにしておりました。何たる失態。」
(そおッスね。国内外と不正をしている貴族達を嬉々として逮捕していきましたッスね。)
スクワードは目を閉じて即位してからの行く数年を思いだし、感涙する。怒涛の日々だったと、目が潤んできた。
(オレ、がんばったッス。本当は王様なんかになりたくはなかったッス。)
バチッとコッペリウスと目があった。
(嘘ッス、王族の血を引く者としての責務は果たすッス。)
ガタガタ震えながら目を逸した。
コッペリウスも無理やりスクワードを王座に添えたことを(ちょっこし)悪いと思っていた。だが他の者(王、王妃、側妃達。王太子、王子達&王女達)は、この国と民にとって害にしかならない者であった。だが市井で育ったスクワードは庶民の気持ちも苦労も知る唯一の存在だったので、仕方がなかったのだ。だからコッペリウスは出来るだけスクワードに負担を掛けないように、人一倍国の為に働いていた。
先輩の心、後輩知らずである。
確かにちょっぴり、いや少しは、ぶっちゃけかなり、嬉々として国に巣食う害虫を駆除していたが。
王を傀儡として政権を弄び暴利を貪っていた貴族達を宰相になった途端、コッペリウスは法務省 警邏隊 軍隊を使って駆除しまくっていたのだ。勿論、国王陛下スクワードの勅命の下に。
(あれ。オレ、傀儡になってないッスか? )
「少し考えれば分かる事なのに、すっかり失念しておりました。」
スクワードはジッとコッペリウスを見据えた。コッペリウスは再度深々と頭を下げている。
(オレ、ぱい先の書いた勅命書に疑いも持たずに署名捺印してるッス。)
スクワードは手を握り締めた。
(いや、違うッス。ちゃんと勅命書をぱい先に読まされてるッス、そんでもって感想と同意するかを聞かれてるッス。)
しかし先輩圧力屈して、署名捺印を考えなしにしていた。だが、国はいい方向に進んでいる。
(オレは王ッス。もし、ぱい先が暴利を貪ろうとしたら )
王として、スクワードは先輩であろうとコッペリウスを
その時、頭を上げたコッペリウスと目があった。
(ないッス!! ぱい先が暴利を貪るなんて、天地がひっくり返しても絶対にないッス!! その時は、国が滅ぶ時ッス!! )
むしろ自分が危ない、先の王のように贅沢の限りを尽くしたら、遠慮無しに首をすげ替えられるであろう。すげ替えられた先王達を見てきたスクワードは恐怖する。
何より、やはり先輩圧力に屈するスクワードであった。
「尊き御方の苗床が腐っておられれば、育った御方も腐るのは当然至極。先の御方達が腐っておられましたのに、何たる節穴。」
(ぱい先!! 腐ってた御方達て王族のことッスね。先王達のことッスよね、オレは違うッスね? オレは市井で、育ったッスですもんね。)
コッペリウスは自分の不甲斐なさに、顔を手で覆った。国王陛下は自分の事ではないよね、と縋った目でコッペリウスを見る。
「このこの事(娘の婚約破棄問題)が終わり次第、直ぐさま城内の内部監査に入ります。」
(特に教育係方面で、でッスね。あ、妃や馬鹿息子の周りの侍女と従者達もでッスか? 城内まるっと、人員の大掃除でッスね!! )
スクワードは目を瞑って、どれだけの人員が城から居なくなるかと想像する。
(閑古鳥ッスね。)
妃や王太子の周りの殆どの者が、解雇されるだろうと確信した。
城内まるっと大掃除の話を聞いて城内に娘や息子を務めさせている貴族達は、呆然と青ざめている。
「其れでは国王陛下、暫しの時間を頂戴致します。」
頭を下げ、一礼する。
そして、エベレート公爵達へと振り向いた。
「では、賠償問題の話に戻ろうではないか。」
コッペリウスは淡々と話に戻る。
(ぱい先、怖いッス!! )
低く優しげな声が国王陛下の名を呼ぶ。コッペリウスは深く深く頭を下げた。
「申し訳ございません。」
(何なんッスか、ぱい先!! 怖いッス!! )
コッペリウスが頭を下げて謝るようすに恐怖を覚える。
「陛下が、即位してから行く数年。国内外と目を向けておりまして、肝心な処を蔑ろにしておりました。何たる失態。」
(そおッスね。国内外と不正をしている貴族達を嬉々として逮捕していきましたッスね。)
スクワードは目を閉じて即位してからの行く数年を思いだし、感涙する。怒涛の日々だったと、目が潤んできた。
(オレ、がんばったッス。本当は王様なんかになりたくはなかったッス。)
バチッとコッペリウスと目があった。
(嘘ッス、王族の血を引く者としての責務は果たすッス。)
ガタガタ震えながら目を逸した。
コッペリウスも無理やりスクワードを王座に添えたことを(ちょっこし)悪いと思っていた。だが他の者(王、王妃、側妃達。王太子、王子達&王女達)は、この国と民にとって害にしかならない者であった。だが市井で育ったスクワードは庶民の気持ちも苦労も知る唯一の存在だったので、仕方がなかったのだ。だからコッペリウスは出来るだけスクワードに負担を掛けないように、人一倍国の為に働いていた。
先輩の心、後輩知らずである。
確かにちょっぴり、いや少しは、ぶっちゃけかなり、嬉々として国に巣食う害虫を駆除していたが。
王を傀儡として政権を弄び暴利を貪っていた貴族達を宰相になった途端、コッペリウスは法務省 警邏隊 軍隊を使って駆除しまくっていたのだ。勿論、国王陛下スクワードの勅命の下に。
(あれ。オレ、傀儡になってないッスか? )
「少し考えれば分かる事なのに、すっかり失念しておりました。」
スクワードはジッとコッペリウスを見据えた。コッペリウスは再度深々と頭を下げている。
(オレ、ぱい先の書いた勅命書に疑いも持たずに署名捺印してるッス。)
スクワードは手を握り締めた。
(いや、違うッス。ちゃんと勅命書をぱい先に読まされてるッス、そんでもって感想と同意するかを聞かれてるッス。)
しかし先輩圧力屈して、署名捺印を考えなしにしていた。だが、国はいい方向に進んでいる。
(オレは王ッス。もし、ぱい先が暴利を貪ろうとしたら )
王として、スクワードは先輩であろうとコッペリウスを
その時、頭を上げたコッペリウスと目があった。
(ないッス!! ぱい先が暴利を貪るなんて、天地がひっくり返しても絶対にないッス!! その時は、国が滅ぶ時ッス!! )
むしろ自分が危ない、先の王のように贅沢の限りを尽くしたら、遠慮無しに首をすげ替えられるであろう。すげ替えられた先王達を見てきたスクワードは恐怖する。
何より、やはり先輩圧力に屈するスクワードであった。
「尊き御方の苗床が腐っておられれば、育った御方も腐るのは当然至極。先の御方達が腐っておられましたのに、何たる節穴。」
(ぱい先!! 腐ってた御方達て王族のことッスね。先王達のことッスよね、オレは違うッスね? オレは市井で、育ったッスですもんね。)
コッペリウスは自分の不甲斐なさに、顔を手で覆った。国王陛下は自分の事ではないよね、と縋った目でコッペリウスを見る。
「このこの事(娘の婚約破棄問題)が終わり次第、直ぐさま城内の内部監査に入ります。」
(特に教育係方面で、でッスね。あ、妃や馬鹿息子の周りの侍女と従者達もでッスか? 城内まるっと、人員の大掃除でッスね!! )
スクワードは目を瞑って、どれだけの人員が城から居なくなるかと想像する。
(閑古鳥ッスね。)
妃や王太子の周りの殆どの者が、解雇されるだろうと確信した。
城内まるっと大掃除の話を聞いて城内に娘や息子を務めさせている貴族達は、呆然と青ざめている。
「其れでは国王陛下、暫しの時間を頂戴致します。」
頭を下げ、一礼する。
そして、エベレート公爵達へと振り向いた。
「では、賠償問題の話に戻ろうではないか。」
コッペリウスは淡々と話に戻る。
(ぱい先、怖いッス!! )
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