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ーアクアスパの花嫁ー ❆
「愛することが、できるかーー!! 」
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マリーナはベッドの上で、ぼろぼろと涙を流し泣き出した。
「うえぇぇぇ~~~ん!! マリーナ、嫌われちゃった!! 」
マリーナは両手で目を擦りながらベッドの上で大泣きをしだした。
「いや、嫌った訳ではなくてな!! 女性として、愛せないだけで!! 」
フランクはおろおろしながら、マリーナを慰める。だがフランクの大きな声に驚いて、マリーナはますます泣き出した。
「うえぇぇ~~ん!! パパ、ママ!! こわいよ~!! 」
「こ、こわくないよ~、マリーナちゃん。お兄さん、こわくないよ~。」
フランクはひきつった笑顔でマリーナを慰める。近くにあった白いウサギのぬいぐるみを手に持って。
「あんまり泣くとウサギの目になっちゃうぞ~ 」
ぬいぐるみのウサギは赤い目をしていた。死神と呼ばれた男は、可愛いウサギのぬいぐるみを振りながら幼妻マリーナを慰める。
(ふざけんな、ばかやろうーー!! こんな幼女と婚姻させやがって!! 初夜なんて、できるかーー!! )
ひきつった笑顔を8歳のマリーナに向けながら、心の中で叫んでいた。
(初夜、やったら変態だろうがーー!! 犯罪だろうがーー!! )
フランクは28歳、マリーナとは20歳も年が違う。20歳違いの年の差婚は貴族の中ではそれ程珍しいものではない。ただ、相手が成人か幼女では雲泥の差である。せめて、マリーナが18歳でフランクが38歳であったなら問題はなかった。
(婚姻はいいとしても、せめて成人してからつれてこいやーー!! )
其れなら初夜もできたかもしれない。
(18歳まで待ててか!? 育てろってか!? 親子ほど年が違うんだぞ、俺が育てたら情がうつって其れこそ愛することができる訳ないだろーー!! 娘だぞ、娘、何処かの光源氏の男のような変態じゃねえんだよ、俺は!! )
※光源氏とは、初恋の君に似ている幼女を育て妻しまった変態です。
(育てた娘と、できるかーー!! )
フランクの心の叫びであった。
(取り敢えず『白い結婚』だ。そして、マリーナが成人したら好きな人と結婚できるように婚姻を無効にしてやる。)
その頃には、平和の為の結婚も忘れ去られているだろう。
(大丈夫だ、俺が慈しんで育ててやる。立派な淑女として、結婚させてやるからな。)
フランクは妻と言うより、娘を持った気分であった。
「ぷっ…… 」
マリーナを慰めているフランクの耳に吹き出す声が届いた。見ると扉から見ている執事と侍女達が笑いをこらえている。
「お前ら!! 見てないで、助けろーー!! 」
「うわあぁぁぁ~~ん!! こわいよ~、パパ、ママ!! 」
「こ、こわくないよ~ お兄さん、こわくないよ~ マリーナちゃん。」
【完】
「うえぇぇぇ~~~ん!! マリーナ、嫌われちゃった!! 」
マリーナは両手で目を擦りながらベッドの上で大泣きをしだした。
「いや、嫌った訳ではなくてな!! 女性として、愛せないだけで!! 」
フランクはおろおろしながら、マリーナを慰める。だがフランクの大きな声に驚いて、マリーナはますます泣き出した。
「うえぇぇ~~ん!! パパ、ママ!! こわいよ~!! 」
「こ、こわくないよ~、マリーナちゃん。お兄さん、こわくないよ~。」
フランクはひきつった笑顔でマリーナを慰める。近くにあった白いウサギのぬいぐるみを手に持って。
「あんまり泣くとウサギの目になっちゃうぞ~ 」
ぬいぐるみのウサギは赤い目をしていた。死神と呼ばれた男は、可愛いウサギのぬいぐるみを振りながら幼妻マリーナを慰める。
(ふざけんな、ばかやろうーー!! こんな幼女と婚姻させやがって!! 初夜なんて、できるかーー!! )
ひきつった笑顔を8歳のマリーナに向けながら、心の中で叫んでいた。
(初夜、やったら変態だろうがーー!! 犯罪だろうがーー!! )
フランクは28歳、マリーナとは20歳も年が違う。20歳違いの年の差婚は貴族の中ではそれ程珍しいものではない。ただ、相手が成人か幼女では雲泥の差である。せめて、マリーナが18歳でフランクが38歳であったなら問題はなかった。
(婚姻はいいとしても、せめて成人してからつれてこいやーー!! )
其れなら初夜もできたかもしれない。
(18歳まで待ててか!? 育てろってか!? 親子ほど年が違うんだぞ、俺が育てたら情がうつって其れこそ愛することができる訳ないだろーー!! 娘だぞ、娘、何処かの光源氏の男のような変態じゃねえんだよ、俺は!! )
※光源氏とは、初恋の君に似ている幼女を育て妻しまった変態です。
(育てた娘と、できるかーー!! )
フランクの心の叫びであった。
(取り敢えず『白い結婚』だ。そして、マリーナが成人したら好きな人と結婚できるように婚姻を無効にしてやる。)
その頃には、平和の為の結婚も忘れ去られているだろう。
(大丈夫だ、俺が慈しんで育ててやる。立派な淑女として、結婚させてやるからな。)
フランクは妻と言うより、娘を持った気分であった。
「ぷっ…… 」
マリーナを慰めているフランクの耳に吹き出す声が届いた。見ると扉から見ている執事と侍女達が笑いをこらえている。
「お前ら!! 見てないで、助けろーー!! 」
「うわあぁぁぁ~~ん!! こわいよ~、パパ、ママ!! 」
「こ、こわくないよ~ お兄さん、こわくないよ~ マリーナちゃん。」
【完】
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