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ー辺境の花嫁ー ❉
王座奪還。
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「アノ死にぞこないは、死なずについたか!? 」
肥え太った国王は下卑しながら笑った。
「安心するがいい。無事到着し、俺の第一夫人と仲良くしている。」
フランクは目を細めながら言った。
「今日は素晴らしい花嫁を送ってくれた、国王陛下に結納を贈りに来た。」
「グハハハハハッ、王叔母が素晴らしいと!? その方、なかなかの熟女好きと見える!! 」
「「「まあ、熟女好きですの? 」」」
「「「陛下の大叔母であろう? 熟女過ぎぬか。」」」
国王と特級階級の貴族達は笑いながら、フランクを下卑する。
「俺からの結納は、いらないか? 」
「結納? おお、結納か!! 」
国王は目を輝かせた。
「その方なかなか、殊勝であるな。ニスラスに、とりなしてやっても良いぞ!! 」
国王は上から目線で、フランクに言った。
「「「結納ですって。」」」
「「「アラスタからのニスラスへの贈呈だな。」」」
「して、われに贈る結納とはなんだ? 」
彼等はアラスタ帝国までも下に見ていた。
「命だ。」
フランクの表情が先程と変わった。今、フランクは戦場の中に身を置いた。
「貴様の命だ。ありがたく受け取り、この国を去れ。」
「なっ!! 」
威圧的な笑顔を国王へと向ける。割れたワインボトルで、フランクは自分の肩を軽く叩いていた。
「何を言うか!! 」
国王は真っ赤になって憤って怒鳴った。
「俺に、素晴らしいイグニス王女カサンドラを花嫁として贈ってくれた礼だ。ありがたく受け取りこの国を、去れ。」
「な、何を!! 」
余りの怒りに言葉が出ない。
「俺の花嫁の持参金に、この国を返してもらう。」
フランクは冷めた目で笑った。
「その方に、何の権利があって!! 」
「「「そうですわ、何の権利があるのです!! 」」」
「「「ニスラスが、黙ってないぞ!! 」」」
国王を支援するように特級階級の貴族達が声をあげる。
奥に立ち尽くしているイグニスの貴族達は呆然と顔を上げた。
「俺はイグニスの王女カサンドラの花婿だ。」
ゆっくりとフランクは足を一歩出した。ジャリと散らばった硝子が踏み潰される。
「正当なるイグニスの血筋の王女に国を返してもらう。何かおかしなことを俺は言ったか? 」
「そ、そんな事はニスラスが許すはずはない!! 」
国王はフランクの言葉に反論する。フランクは国王に詰め寄った。
「ニスラス? 何を言っている、此処はイグニスだ。」
国王の肩に割れたワインボトルをそっと置いた。
「俺の妻の憂いを取るのは、夫として当たり前だ。妻のモノを返して貰うのは夫の勤めだろ。」
フランクは当然のように言ってのける。
「そ、そんなのはニスラスが許しは ギャアァ!! 」
フランクはワインボトルの割れた部分を国王の太ももに刺した。
「おっと、手が滑った。」
転げ回る国王を見て、フランクはなんのきなしに言った。
「おかしいな、俺の時は割れただけだったのに。」
先程の硝子の割れた音は、フランクが自ら太腿にワインボトルをあてて割った音だった。彼は鍛えているので、平気だった。
「な、何をしている!! 此奴を殺せ!! 」
転げ回るながら、国王は近衛騎士に叫んた。呆然と見ていた近衛騎士達も、気が付いたようにフランクを囲みに入った。
フランク達黒騎士は王城に入る所で武器である剣を没収されていて、今は丸腰であった。
「殺せ!! 殺せ!! 痛めつけて殺せ!! 」
国王は叫ぶ。
丸腰で数も五人、近衛騎士達は余裕をもってフランク達に近づいていった。
「はぁ…… 」
フランクは溜息をついた。
「舐められたものだな。たかが、数十人で俺が殺せると? 」
武器は持たずとも数十人程度【死神】の名を持つフランクには、造作もないモノであった。それは共にいる黒騎士も同様である。
何より腐りきった今のイグニスの騎士や兵士が彼等の相手になるはずはなかった。
肥え太った国王は下卑しながら笑った。
「安心するがいい。無事到着し、俺の第一夫人と仲良くしている。」
フランクは目を細めながら言った。
「今日は素晴らしい花嫁を送ってくれた、国王陛下に結納を贈りに来た。」
「グハハハハハッ、王叔母が素晴らしいと!? その方、なかなかの熟女好きと見える!! 」
「「「まあ、熟女好きですの? 」」」
「「「陛下の大叔母であろう? 熟女過ぎぬか。」」」
国王と特級階級の貴族達は笑いながら、フランクを下卑する。
「俺からの結納は、いらないか? 」
「結納? おお、結納か!! 」
国王は目を輝かせた。
「その方なかなか、殊勝であるな。ニスラスに、とりなしてやっても良いぞ!! 」
国王は上から目線で、フランクに言った。
「「「結納ですって。」」」
「「「アラスタからのニスラスへの贈呈だな。」」」
「して、われに贈る結納とはなんだ? 」
彼等はアラスタ帝国までも下に見ていた。
「命だ。」
フランクの表情が先程と変わった。今、フランクは戦場の中に身を置いた。
「貴様の命だ。ありがたく受け取り、この国を去れ。」
「なっ!! 」
威圧的な笑顔を国王へと向ける。割れたワインボトルで、フランクは自分の肩を軽く叩いていた。
「何を言うか!! 」
国王は真っ赤になって憤って怒鳴った。
「俺に、素晴らしいイグニス王女カサンドラを花嫁として贈ってくれた礼だ。ありがたく受け取りこの国を、去れ。」
「な、何を!! 」
余りの怒りに言葉が出ない。
「俺の花嫁の持参金に、この国を返してもらう。」
フランクは冷めた目で笑った。
「その方に、何の権利があって!! 」
「「「そうですわ、何の権利があるのです!! 」」」
「「「ニスラスが、黙ってないぞ!! 」」」
国王を支援するように特級階級の貴族達が声をあげる。
奥に立ち尽くしているイグニスの貴族達は呆然と顔を上げた。
「俺はイグニスの王女カサンドラの花婿だ。」
ゆっくりとフランクは足を一歩出した。ジャリと散らばった硝子が踏み潰される。
「正当なるイグニスの血筋の王女に国を返してもらう。何かおかしなことを俺は言ったか? 」
「そ、そんな事はニスラスが許すはずはない!! 」
国王はフランクの言葉に反論する。フランクは国王に詰め寄った。
「ニスラス? 何を言っている、此処はイグニスだ。」
国王の肩に割れたワインボトルをそっと置いた。
「俺の妻の憂いを取るのは、夫として当たり前だ。妻のモノを返して貰うのは夫の勤めだろ。」
フランクは当然のように言ってのける。
「そ、そんなのはニスラスが許しは ギャアァ!! 」
フランクはワインボトルの割れた部分を国王の太ももに刺した。
「おっと、手が滑った。」
転げ回る国王を見て、フランクはなんのきなしに言った。
「おかしいな、俺の時は割れただけだったのに。」
先程の硝子の割れた音は、フランクが自ら太腿にワインボトルをあてて割った音だった。彼は鍛えているので、平気だった。
「な、何をしている!! 此奴を殺せ!! 」
転げ回るながら、国王は近衛騎士に叫んた。呆然と見ていた近衛騎士達も、気が付いたようにフランクを囲みに入った。
フランク達黒騎士は王城に入る所で武器である剣を没収されていて、今は丸腰であった。
「殺せ!! 殺せ!! 痛めつけて殺せ!! 」
国王は叫ぶ。
丸腰で数も五人、近衛騎士達は余裕をもってフランク達に近づいていった。
「はぁ…… 」
フランクは溜息をついた。
「舐められたものだな。たかが、数十人で俺が殺せると? 」
武器は持たずとも数十人程度【死神】の名を持つフランクには、造作もないモノであった。それは共にいる黒騎士も同様である。
何より腐りきった今のイグニスの騎士や兵士が彼等の相手になるはずはなかった。
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