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ー辺境の花嫁ー ❉
カサンドラの夫。
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「弱!! なんだコレ。弱すぎ!! 」
襲いかかる近衛騎士をボコり、ついでに「であえ、であえ!! 」で増員した騎士達までもフルボッコにしてフランクは呟いた。
「なあ、コレ弱すぎないか? 」
フランクが強すぎるのもあるが、兎に角イグニスの王に近し騎士達は弱かった。フランク一人でフルボッコされた騎士達が数百人ほど床に転がっている。
「バ、バカな、バカな、バカな!! 」
太ももを応急処置された国王は声を驚きの声を上げた。
「ニスラスの精鋭部隊だぞ!! 」
「いや、雑魚だろ!! 」
どう見ても、どう見なくても雑魚である。持っていた剣は、華美に飾られなまくらである。近衛騎士は見た目重視の優男、フランクと違い中身も立派な優男。後から増員された騎士達の中には「騎士か!? 」と言いたくなるほどの国王に負けず劣らず肥え太った者もいる。
「ニスラスの高位貴族の由緒正しき騎士だぞ!! 」
「雑魚だな。」
由緒正しければ訓練せずとも立派な騎士になれる、はずはない。要はニスラスでは不要の高位貴族の三男や四男のご子息である。
「いや、コレがニスラスの精鋭なら既に国は何処ぞの国に乗っ取られてるだろ。」
フランクは舞踏会会場に整列させた特級階級の貴族達に話しかける。フランクを挟んで別れているイグニスの本来の貴族達と、ニスラスからの貴族達。
「あ、悪い。そっち、休んでていいぞ。」
フランクはずっと立たされていたイグニスの貴族達に顔を向けて言った。
「「「「……… 」」」」
しかし状況が分からないイグニスの貴族達は立ち尽くして、呆然と見ているだけ。
「着席!! 」
フランクの大きな声に、イグニス貴族達は床に着席した。体中の疲れがどっと彼等を襲う、無理もない半日は立ち通しだ。
「あ、トイレに行きたい人は行ってよし。」
フランクは遠足の引率者のように声をかける。数十人がよろよろと立ち上がり会場を出て行く。無理もない、半日も我慢していたのだ。粗相をしないよう、水分など控えていてもやはり我慢の限度はある。
「あー、みんな水分も取れよ。」
フランクの優しい言葉に涙する者もいた。フランクは戦場を離れれば通常人であり、すこぶる優しい人間であった。
あま、人によるが。
「そこ!! 誰が座っていいと言った!! 」
床に座ろうとする特級貴族を注意する。特級貴族達は酔いも冷めフランクの冷たい目に冷や汗をかいていた。何故自分達はぞんざいに扱われているのか納得はいかないが、フランクが恐くて言うことを聞いていた。
特級貴族達は、今の状態が、状況が理解出来ないでいた。
「バカな、バカな、バカな…… 」
肥え太った国王も起立させられながらも、今の状況を比定するように呟いていた。
「ニスラスが!! ニスラス国が許さないぞ!! 」
彼等の後ろ盾であり拠り所の国の名前を出す。
「これは侵略行為だ!! ニスラスが、他の国々も許さないぞ!! 宣戦布告もなしに攻め入るなど、違法だ!! 」
「「「そうだ、そうだ!! 」」」
国王の言葉に特級貴族達も声をあげた。
「ニスラスが、ニスラスが直ぐに助けに来てくれる!! そうすればお前など、一捻りだ!! 」
虎の威を借る狐のように、鼻息荒く言い切る。
「そうなれば、この傷の何倍もの痛みをお前に与えてやる!! 」
何時ものよう歪んだ笑みをフランクに向ける。フランクの精悍な顔をボコボコにする妄想で頭の中がいっぱいになる。
「みんなの前で、土下座をさせ痛めつけてやるからな!! ハハハハハ!! 」
下卑た笑い声を出す。
「無理だな。」
フランクは冷めた目で肥え太った国王を見る。
「うちの皇帝、抜け目ないから今頃元帥がイグニスとニスラスの国境に出張ってると思うぞ。」
その通り、既に帝国は動いていた。
「それに侵略ではない、只の王位継承の争いにでしかない。」
フランクは、明るい笑顔を国王と特級貴族達に向けた。
「言っただろ。俺はイグニス国の正統なる血統、カサンドラ王女の夫だと。」
襲いかかる近衛騎士をボコり、ついでに「であえ、であえ!! 」で増員した騎士達までもフルボッコにしてフランクは呟いた。
「なあ、コレ弱すぎないか? 」
フランクが強すぎるのもあるが、兎に角イグニスの王に近し騎士達は弱かった。フランク一人でフルボッコされた騎士達が数百人ほど床に転がっている。
「バ、バカな、バカな、バカな!! 」
太ももを応急処置された国王は声を驚きの声を上げた。
「ニスラスの精鋭部隊だぞ!! 」
「いや、雑魚だろ!! 」
どう見ても、どう見なくても雑魚である。持っていた剣は、華美に飾られなまくらである。近衛騎士は見た目重視の優男、フランクと違い中身も立派な優男。後から増員された騎士達の中には「騎士か!? 」と言いたくなるほどの国王に負けず劣らず肥え太った者もいる。
「ニスラスの高位貴族の由緒正しき騎士だぞ!! 」
「雑魚だな。」
由緒正しければ訓練せずとも立派な騎士になれる、はずはない。要はニスラスでは不要の高位貴族の三男や四男のご子息である。
「いや、コレがニスラスの精鋭なら既に国は何処ぞの国に乗っ取られてるだろ。」
フランクは舞踏会会場に整列させた特級階級の貴族達に話しかける。フランクを挟んで別れているイグニスの本来の貴族達と、ニスラスからの貴族達。
「あ、悪い。そっち、休んでていいぞ。」
フランクはずっと立たされていたイグニスの貴族達に顔を向けて言った。
「「「「……… 」」」」
しかし状況が分からないイグニスの貴族達は立ち尽くして、呆然と見ているだけ。
「着席!! 」
フランクの大きな声に、イグニス貴族達は床に着席した。体中の疲れがどっと彼等を襲う、無理もない半日は立ち通しだ。
「あ、トイレに行きたい人は行ってよし。」
フランクは遠足の引率者のように声をかける。数十人がよろよろと立ち上がり会場を出て行く。無理もない、半日も我慢していたのだ。粗相をしないよう、水分など控えていてもやはり我慢の限度はある。
「あー、みんな水分も取れよ。」
フランクの優しい言葉に涙する者もいた。フランクは戦場を離れれば通常人であり、すこぶる優しい人間であった。
あま、人によるが。
「そこ!! 誰が座っていいと言った!! 」
床に座ろうとする特級貴族を注意する。特級貴族達は酔いも冷めフランクの冷たい目に冷や汗をかいていた。何故自分達はぞんざいに扱われているのか納得はいかないが、フランクが恐くて言うことを聞いていた。
特級貴族達は、今の状態が、状況が理解出来ないでいた。
「バカな、バカな、バカな…… 」
肥え太った国王も起立させられながらも、今の状況を比定するように呟いていた。
「ニスラスが!! ニスラス国が許さないぞ!! 」
彼等の後ろ盾であり拠り所の国の名前を出す。
「これは侵略行為だ!! ニスラスが、他の国々も許さないぞ!! 宣戦布告もなしに攻め入るなど、違法だ!! 」
「「「そうだ、そうだ!! 」」」
国王の言葉に特級貴族達も声をあげた。
「ニスラスが、ニスラスが直ぐに助けに来てくれる!! そうすればお前など、一捻りだ!! 」
虎の威を借る狐のように、鼻息荒く言い切る。
「そうなれば、この傷の何倍もの痛みをお前に与えてやる!! 」
何時ものよう歪んだ笑みをフランクに向ける。フランクの精悍な顔をボコボコにする妄想で頭の中がいっぱいになる。
「みんなの前で、土下座をさせ痛めつけてやるからな!! ハハハハハ!! 」
下卑た笑い声を出す。
「無理だな。」
フランクは冷めた目で肥え太った国王を見る。
「うちの皇帝、抜け目ないから今頃元帥がイグニスとニスラスの国境に出張ってると思うぞ。」
その通り、既に帝国は動いていた。
「それに侵略ではない、只の王位継承の争いにでしかない。」
フランクは、明るい笑顔を国王と特級貴族達に向けた。
「言っただろ。俺はイグニス国の正統なる血統、カサンドラ王女の夫だと。」
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