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楽しい旅行。
テンプレ(1)絡まれる。
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エドワードとエリシアは二人っきりを満喫していた。恋人つなぎで、恋人に人気な場所へと向かう。その場所で何故か走り込んできたシエリアに出会う。直に、御札を渡してお祓いしていた。
かなりな量のお札が消えていったが、エリシアとの二人っきりには仕方のない事だと割り切っていた。
このまま夜に星降る丘に向かい昨日のリベンジをエドワードは考えていた。だが、こうもシエリアに度々合うとその気持ちが萎えてくる。
(このまま夜を待っていていいのか? 今二人っきりのこの時に実行するべきではないのか? )
また邪魔が入る前にエリシアに婚約指輪を渡すべきではと、エドワードは悩んでいた。
今場所は昨日最初に降り立った丘の下、船の停留所。キラキラと輝く海の波間の地平線に帆船が見え隠れする。自分と同じようにカップルが海を見ながら語り合っている。
(今ここで、指輪を。)
邪魔者もいない絶好の場面。
(妥協していいのか? )
妥協という言葉が、エドワードを押し留める。
(だが、嫌な予感がする。)
この旅行には試練が多いい。父親の反対にシエリアの同行、そしてリョウの存在。そのリョウの後ろに見え隠れする独身者の怨念。
お札によってお邪魔虫を追い払っているが、嫌な予感はひしひしとのしかかって来る。
そしてその予感は、確かにエリシアに当たった。
「きゃぁ。」
「エリシア? 」
エドワードが少し考えて目を離している内にエリシアが、テンプレのチンピラに絡まれているのであった。
「おう、おう、おう、おう!! この地の領主様のご子息ヨナン様にぶつかるとはいい度胸じゃないか!? 」
「ご、ごめんなさい…… 」
なよっとした茶髪の男性を取り囲むように、倔強のチンピラ達が6人ほどたむろっている。
「やめろカシラ。お嬢さんが怖がっているじゃないか。」
なよっとしたヨナンは、エリシア前に進み出てキザったらしく微笑んだ。
「美しいお嬢さん、僕達と付き合わないか。」
「そりゃいいですね、ヨナン様。光栄に思うんだな、お嬢ちゃん。」
「ヨナン様と付き合えるなんてな!! 」
『ガハハハハ』と、エリシア笑いながら取り囲もうとするチンピラ達。
「ご、ごめんなさい…… 」
恐怖で縮こまって、動くことができないエリシア。
「すまない。彼女は、俺の婚約者なんだ。」
「エドワード様。」
エリシアを守るように割って入るエドワード。ほっとした顔でエリシアはエドワードの後ろに庇われる。
「彼女が、ぶっかった事は俺が謝る。すまなかった、許して欲しい。」
「ごめんなさい、ぶつかってしまって。」
エドワードと共にエリシアも頭をヨナンに下げる。しかしテンプレのチンピラ達がココでおれるはずもなく。
「男はいらねーんだよ!! 」
「どこか、失せなニイちゃん。」
「痛い目、会いたくないだろ。」
3人の男がエドワードに凄んでくる。それを他の者達は笑ってみている。
「すみません!! 許して下さい!! 」
エドワードはその場で、膝を付き土下座をした。
「情けねえ男だなーー。」
「恥ずかしくないのか!! 」
「「「「ギャハハハ!! 」」」」
チンピラ達は、面白がって大声で笑う。
「御願いします、このとおりです!! 」
エドワードは大地に頭を擦り付ける。チンピラ達が笑う中、ヨナンが進み出る。
「お嬢さん。こんな情けない男は置いて僕と、」
見るとそこにはエリシアはいなかった。
「おい、女はどこだ!! 」
ヨナンの声に、チンピラ達がエドワードから目を逸して周りを探す。丘を登ろうとするエリシアが目に入った。
「あ、あそこに!! 」
「くそっ、捕まえろ!! 」
「させるか!! 」
一人のチンピラの声にヨナンが支持を出す。走り出そうとしたチンピラの足をエドワードは掴んだ。
足を掴まれて、チンピラ達の3人ほどがその場に転がった。
かなりな量のお札が消えていったが、エリシアとの二人っきりには仕方のない事だと割り切っていた。
このまま夜に星降る丘に向かい昨日のリベンジをエドワードは考えていた。だが、こうもシエリアに度々合うとその気持ちが萎えてくる。
(このまま夜を待っていていいのか? 今二人っきりのこの時に実行するべきではないのか? )
また邪魔が入る前にエリシアに婚約指輪を渡すべきではと、エドワードは悩んでいた。
今場所は昨日最初に降り立った丘の下、船の停留所。キラキラと輝く海の波間の地平線に帆船が見え隠れする。自分と同じようにカップルが海を見ながら語り合っている。
(今ここで、指輪を。)
邪魔者もいない絶好の場面。
(妥協していいのか? )
妥協という言葉が、エドワードを押し留める。
(だが、嫌な予感がする。)
この旅行には試練が多いい。父親の反対にシエリアの同行、そしてリョウの存在。そのリョウの後ろに見え隠れする独身者の怨念。
お札によってお邪魔虫を追い払っているが、嫌な予感はひしひしとのしかかって来る。
そしてその予感は、確かにエリシアに当たった。
「きゃぁ。」
「エリシア? 」
エドワードが少し考えて目を離している内にエリシアが、テンプレのチンピラに絡まれているのであった。
「おう、おう、おう、おう!! この地の領主様のご子息ヨナン様にぶつかるとはいい度胸じゃないか!? 」
「ご、ごめんなさい…… 」
なよっとした茶髪の男性を取り囲むように、倔強のチンピラ達が6人ほどたむろっている。
「やめろカシラ。お嬢さんが怖がっているじゃないか。」
なよっとしたヨナンは、エリシア前に進み出てキザったらしく微笑んだ。
「美しいお嬢さん、僕達と付き合わないか。」
「そりゃいいですね、ヨナン様。光栄に思うんだな、お嬢ちゃん。」
「ヨナン様と付き合えるなんてな!! 」
『ガハハハハ』と、エリシア笑いながら取り囲もうとするチンピラ達。
「ご、ごめんなさい…… 」
恐怖で縮こまって、動くことができないエリシア。
「すまない。彼女は、俺の婚約者なんだ。」
「エドワード様。」
エリシアを守るように割って入るエドワード。ほっとした顔でエリシアはエドワードの後ろに庇われる。
「彼女が、ぶっかった事は俺が謝る。すまなかった、許して欲しい。」
「ごめんなさい、ぶつかってしまって。」
エドワードと共にエリシアも頭をヨナンに下げる。しかしテンプレのチンピラ達がココでおれるはずもなく。
「男はいらねーんだよ!! 」
「どこか、失せなニイちゃん。」
「痛い目、会いたくないだろ。」
3人の男がエドワードに凄んでくる。それを他の者達は笑ってみている。
「すみません!! 許して下さい!! 」
エドワードはその場で、膝を付き土下座をした。
「情けねえ男だなーー。」
「恥ずかしくないのか!! 」
「「「「ギャハハハ!! 」」」」
チンピラ達は、面白がって大声で笑う。
「御願いします、このとおりです!! 」
エドワードは大地に頭を擦り付ける。チンピラ達が笑う中、ヨナンが進み出る。
「お嬢さん。こんな情けない男は置いて僕と、」
見るとそこにはエリシアはいなかった。
「おい、女はどこだ!! 」
ヨナンの声に、チンピラ達がエドワードから目を逸して周りを探す。丘を登ろうとするエリシアが目に入った。
「あ、あそこに!! 」
「くそっ、捕まえろ!! 」
「させるか!! 」
一人のチンピラの声にヨナンが支持を出す。走り出そうとしたチンピラの足をエドワードは掴んだ。
足を掴まれて、チンピラ達の3人ほどがその場に転がった。
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