32 / 45
楽しい旅行。
満天に輝く星の下では。
しおりを挟む
空にはきらきらと輝く星、その星を背にエリシアが立っていた。
「エドワード様…… 」
驚きながらも微笑んで近づいてくる。エドワードも引き寄せられるようにエリシアに近づく。
「じゃな!! 」
「ひゅー、ひゅー、ですわ!! 」
後ろから声をかけるリョウとシエリアは、ニヤつきながら離れていく。
「えっ、シエリア? 」
「リョウ。」
離れていくシエリア達をを見送る、エリシア。
「気を、きかせてくれたのかな。」
「えっ、 」
優しく微笑みながらエドワードはエリシアを見る。エリシアは戸惑いながら話す。
「エリーが、どうしても星降る丘に行きたいって…… 」
「ああ、リョウがどうしてもと。」
二人は、「ふふふっ」と見つめ合い笑った。
沈黙。
頬を染めて俯くエリシアに、そっと手を差し出すエドワード。右手を差し出すエリシアに、エドワードはエリシアの左手を持ち上げた。
「エドワード様? 」
不思議そうに見上げるエリシアに微笑みながら左手の指にそっと口づけをする。
「エド、エドワード様!! 」
ぼっと、エリシアは顔を真っ赤に染め上げる。
「ずっと、この指に指輪をはめたかった。」
エドワードはエリシアの左の薬指に、そっと指輪をはめる。指輪は、星の光のようにきらきらと品よく輝いている。
ピンク色のダイヤモンドだ。
意味合いは『完全無欠の愛』宝石言葉は、
「可憐、優美。エリシアにぴったりの意味あいの宝石だ。」
エドワードはうっとりしながら、エリシアを見つめる。
「婚約指輪。受け取って、くれるだろ? 」
少し不安そうにエドワードはエリシアに問いかける。
「はい。」
満面に輝く星よりも輝きのある笑顔で、エリシアは応える。そっと、指輪を守るように手で抱きしめる。
「エリシア、愛してる。」
「私も愛してます、エドワード様。」
エドワードは嬉しそうに微笑んで、エリシアの肩を掴み引き寄せる。そっとエドワードは右手をエリシアの頬にあてる。静かにエドワードの顔が近づいてくる。エリシアは、瞳を閉じた。
まるで物語の挿絵のような美しさ。満天の星空を背景に、二人の顔が、唇が近づく。
暗転。
「なに? みえない!? みえない!! 」
「お子様にはまだはやい。」
遠くの影でこっそり、のぞいていた、シエリアとリョウである。お子様にははやいと、リョウがシエリアの目を両手で塞いだのである。
「エドワードの奴、うまくやりやがって。絶対後で、からかってやる。」
「いや、みたい!! みたい!! みた…… 」
見たいと暴れるシエリアを抑えながら、リョウは素直に思いを言葉にする。
そのシエリアの動きが止まった。
「!? 」
(口はおさえてないぞ!? )
リョウは慌てて、シエリアを見る。手を離すと、そのままリョウに倒れかかってくる。
「おい!! 」
リョウはシエリアを支えた。
「ぐう…… 」
「ぐう? 」
リョウは眉間に皺を寄せて、シエリアを見てみると眠っていた。
そう、シエリアは9時になると眠ってしまう体質である。無理をして今まで起きていたが、目の前が暗転してしまったので睡魔がシエリアの意識をパックマンしてしまったのだ。
「眠ってるのか? こんな所で。」
リョウはシエリアを支えながら、エドワード達に目を向ける。仲良く寄り添う二人を見て、安心をする。
「よっこいしょ。」
シエリアをこのまま放って置くわけにはいかないので、リョウはシエリアを背に背負う。
「シア、おめで… とう…… 」
「ああ、エドワードおめでとう。」
背から聞こえるシエリアの祝福の言葉に、リョウも素直にエドワードに向けて祝福の言葉を呟く。
「まったく、世話が焼けるお嬢さんだな。」
シエリアを背負い帰路につくリョウの心は、ほっこりとしていた。
満天に輝く星の下では、誰もが幸せな気持ちになっていた。
「エドワード様…… 」
驚きながらも微笑んで近づいてくる。エドワードも引き寄せられるようにエリシアに近づく。
「じゃな!! 」
「ひゅー、ひゅー、ですわ!! 」
後ろから声をかけるリョウとシエリアは、ニヤつきながら離れていく。
「えっ、シエリア? 」
「リョウ。」
離れていくシエリア達をを見送る、エリシア。
「気を、きかせてくれたのかな。」
「えっ、 」
優しく微笑みながらエドワードはエリシアを見る。エリシアは戸惑いながら話す。
「エリーが、どうしても星降る丘に行きたいって…… 」
「ああ、リョウがどうしてもと。」
二人は、「ふふふっ」と見つめ合い笑った。
沈黙。
頬を染めて俯くエリシアに、そっと手を差し出すエドワード。右手を差し出すエリシアに、エドワードはエリシアの左手を持ち上げた。
「エドワード様? 」
不思議そうに見上げるエリシアに微笑みながら左手の指にそっと口づけをする。
「エド、エドワード様!! 」
ぼっと、エリシアは顔を真っ赤に染め上げる。
「ずっと、この指に指輪をはめたかった。」
エドワードはエリシアの左の薬指に、そっと指輪をはめる。指輪は、星の光のようにきらきらと品よく輝いている。
ピンク色のダイヤモンドだ。
意味合いは『完全無欠の愛』宝石言葉は、
「可憐、優美。エリシアにぴったりの意味あいの宝石だ。」
エドワードはうっとりしながら、エリシアを見つめる。
「婚約指輪。受け取って、くれるだろ? 」
少し不安そうにエドワードはエリシアに問いかける。
「はい。」
満面に輝く星よりも輝きのある笑顔で、エリシアは応える。そっと、指輪を守るように手で抱きしめる。
「エリシア、愛してる。」
「私も愛してます、エドワード様。」
エドワードは嬉しそうに微笑んで、エリシアの肩を掴み引き寄せる。そっとエドワードは右手をエリシアの頬にあてる。静かにエドワードの顔が近づいてくる。エリシアは、瞳を閉じた。
まるで物語の挿絵のような美しさ。満天の星空を背景に、二人の顔が、唇が近づく。
暗転。
「なに? みえない!? みえない!! 」
「お子様にはまだはやい。」
遠くの影でこっそり、のぞいていた、シエリアとリョウである。お子様にははやいと、リョウがシエリアの目を両手で塞いだのである。
「エドワードの奴、うまくやりやがって。絶対後で、からかってやる。」
「いや、みたい!! みたい!! みた…… 」
見たいと暴れるシエリアを抑えながら、リョウは素直に思いを言葉にする。
そのシエリアの動きが止まった。
「!? 」
(口はおさえてないぞ!? )
リョウは慌てて、シエリアを見る。手を離すと、そのままリョウに倒れかかってくる。
「おい!! 」
リョウはシエリアを支えた。
「ぐう…… 」
「ぐう? 」
リョウは眉間に皺を寄せて、シエリアを見てみると眠っていた。
そう、シエリアは9時になると眠ってしまう体質である。無理をして今まで起きていたが、目の前が暗転してしまったので睡魔がシエリアの意識をパックマンしてしまったのだ。
「眠ってるのか? こんな所で。」
リョウはシエリアを支えながら、エドワード達に目を向ける。仲良く寄り添う二人を見て、安心をする。
「よっこいしょ。」
シエリアをこのまま放って置くわけにはいかないので、リョウはシエリアを背に背負う。
「シア、おめで… とう…… 」
「ああ、エドワードおめでとう。」
背から聞こえるシエリアの祝福の言葉に、リョウも素直にエドワードに向けて祝福の言葉を呟く。
「まったく、世話が焼けるお嬢さんだな。」
シエリアを背負い帰路につくリョウの心は、ほっこりとしていた。
満天に輝く星の下では、誰もが幸せな気持ちになっていた。
91
あなたにおすすめの小説
王女に夢中な婚約者様、さようなら 〜自分を取り戻したあとの学園生活は幸せです! 〜
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
王立学園への入学をきっかけに、領地の屋敷から王都のタウンハウスへと引っ越した、ハートリー伯爵家の令嬢ロザリンド。婚約者ルパートとともに始まるはずの学園生活を楽しみにしていた。
けれど現実は、王女殿下のご機嫌を取るための、ルパートからの理不尽な命令の連続。
「かつらと黒縁眼鏡の着用必須」「王女殿下より目立つな」「見目の良い男性、高位貴族の子息らと会話をするな」……。
ルパートから渡された「禁止事項一覧表」に縛られ、ロザリンドは期待とは真逆の、暗黒の学園生活を送ることに。
そんな日々の中での唯一の救いとなったのは、友人となってくれた冷静で聡明な公爵令嬢、ノエリスの存在だった。
学期末、ロザリンドはついにルパートの怒りを買い、婚約破棄を言い渡される。
けれど、深く傷つきながら長期休暇を迎えたロザリンドのもとに届いたのは、兄の友人であり王国騎士団に属する公爵令息クライヴからの婚約の申し出だった。
暗黒の一学期が嘘のように、幸せな長期休暇を過ごしたロザリンド。けれど新学期を迎えると、エメライン王女が接触してきて……。
※長くなりそうだったら長編に変更します。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
旦那様に学園時代の隠し子!? 娘のためフローレンスは笑う-昔の女は引っ込んでなさい!
恋せよ恋
恋愛
結婚五年目。
誰もが羨む夫婦──フローレンスとジョシュアの平穏は、
三歳の娘がつぶやいた“たった一言”で崩れ落ちた。
「キャ...ス...といっしょ?」
キャス……?
その名を知るはずのない我が子が、どうして?
胸騒ぎはやがて確信へと変わる。
夫が隠し続けていた“女の影”が、
じわりと家族の中に染み出していた。
だがそれは、いま目の前の裏切りではない。
学園卒業の夜──婚約前の学園時代の“あの過ち”。
その一夜の結果は、静かに、確実に、
フローレンスの家族を壊しはじめていた。
愛しているのに疑ってしまう。
信じたいのに、信じられない。
夫は嘘をつき続け、女は影のように
フローレンスの生活に忍び寄る。
──私は、この結婚を守れるの?
──それとも、すべてを捨ててしまうべきなの?
秘密、裏切り、嫉妬、そして母としての戦い。
真実が暴かれたとき、愛は修復か、崩壊か──。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 いいね❤️励みになります!ありがとうございます!
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
もう何も信じられない
ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。
ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。
その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。
「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」
あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。
ほんの少しの仕返し
turarin
恋愛
公爵夫人のアリーは気づいてしまった。夫のイディオンが、離婚して戻ってきた従姉妹フリンと恋をしていることを。
アリーの実家クレバー侯爵家は、王国一の商会を経営している。その財力を頼られての政略結婚であった。
アリーは皇太子マークと幼なじみであり、マークには皇太子妃にと求められていたが、クレバー侯爵家の影響力が大きくなることを恐れた国王が認めなかった。
皇太子妃教育まで終えている、優秀なアリーは、陰に日向にイディオンを支えてきたが、真実を知って、怒りに震えた。侯爵家からの離縁は難しい。
ならば、周りから、離縁を勧めてもらいましょう。日々、ちょっとずつ、仕返ししていけばいいのです。
もうすぐです。
さようなら、イディオン
たくさんのお気に入りや♥ありがとうございます。感激しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる