34 / 45
楽しい旅行。
シエリアとリョウの話し合い。
しおりを挟む
「いい? お父さまは色々と、警戒しているわ。だから、最後の日に油断をさせる為にエドワードさまを誘って。」
「て、何に警戒しているんだ!? 」
「そんなことも、分からないの? 」
シエリアはまたリョウを馬鹿にしたように見る。ムッとしながらリョウも睨み返す。
「お母さまの愛の抱擁とか、愛の足技とか、愛の扇子の素振りとか。」
「それ、愛がついてるだけだろ!! 」
「お父さまが、お母さまの愛で再起不能になっちゃう~~ 」
「落としにかかってるよな!! 」
シエリアは、鼻息荒く話をする。
多分。夫人が力強く抱擁すれば、肋骨がぽっきんするし。足技や素振りに巻き込まれたら、肋骨以外がぽっきんするおそれがある。いや、内臓がやられちゃうかも知れない。
「大丈夫よ、お父さまも愛に負けないように脂肪で体をガードしてるから。」
「太ってるのはそのせいか!! 」
そう、普通の人ならばっきんの処を脂肪ガードで父は肋骨のひびだけにおさえたのだ。
「でもお母さまの今の燃え盛る愛に、きっとお父さまは耐えられないわ!! ぽっきんよ、ぽっきん。」
シエリアは自分を抱きしめた。
「もう…… 再起不能で、いいんでないか。」
入院してくれた方がエドワードの邪魔にならないから、リョウとしては再起不能して欲しい。
「駄目よ!! 」
「なんでだ? 」
「そんなことも、分からないの? 」
シエリアはまたまたリョウを馬鹿にしたように見る。ムッとして、リョウは睨み返した。
「いい? 自分が動けなくなったらお父さま、護衛や密偵を雇うわ。それもたくさん、お金は有り余るほどあるもの。」
「この金持ちめ!! 」
リョウは卑屈に突っ込んだ。
「いくらお母さまが強くても、多勢に無勢。さばききれない、勝てないわ!! さすがお父さま、腹黒だわ。」
「いや、お前らいったい何と戦ってるんだ? 」
ひとりでは、大人数の敵を倒すことはできない。自分に向かってくるのなら、ともかく。対峙している間に、別の者が目的を果たしてしまうだろう。
「だから、なにと戦っているんだ!? 」
リョウの質問にシエリアは可愛らしく首を傾げた。シエリアも、分かってない。
「大体この婚姻はシュガレスさんからの持ちかけなのに、エドワードとの結婚に反対なのか? 」
「そんなことも、分からないの? 」
シエリアはまたまた、また、リョウを馬鹿にしたように見る。
リョウも負けずに、ムッとして睨み返す。
「結婚と、婚前交渉は全然違うでしょ!! 」
「女の子が、婚前交渉なんて言うな!! 」
シエリアの言葉に、リョウは真っ赤になって叫んだ。
「男はオオカミなのよ、気をつけなきゃ駄目なのよ!! 」
「うっ…… 」
リョウは怯んだ。
「年頃になったなら、慎まなき駄目なのよ。」
「うっ…… 」
迫るシエリアにリョウは一歩下がった。
「紳士の顔していても、心の中はオオカミが牙を剥く。そういうものなのよ!! 」
「うっ…… 」
男として否定できなく、リョウは二歩下がった。
「エドワードさまだけは、大丈夫だなんて。うっかり信じたら、ダメダメ、ダメ、ダメダメなのよ!! 」
リョウはシエリアの迫力に押し負けた。父の言葉を素直に信じている、シエリアである。
「お父さまは、エドワードさまに、シアがぱっくんちょされるのをおそれているのよ!! ぱっくんちょされた後に婚約解消されたらと。」
「エドワードはそんなことしないぞ、絶対。このお菓子を賭けてもいい。」
ポケットからお菓子を取り出す、リョウ。
「そんなことしたら、お父さまとお母さまが絶対許さないんだけどね。ふふふっ。」
「おい、悪い顔してるぞ。」
物理的と社会的が相手を葬ることはシエリアには分かっていた。
しかしエリシアとエドワードが、相思相愛なのは見ていてわかる。だからシエリアは、二人の力になりたかったのであった。(決してお金の為ではない)
「て、何に警戒しているんだ!? 」
「そんなことも、分からないの? 」
シエリアはまたリョウを馬鹿にしたように見る。ムッとしながらリョウも睨み返す。
「お母さまの愛の抱擁とか、愛の足技とか、愛の扇子の素振りとか。」
「それ、愛がついてるだけだろ!! 」
「お父さまが、お母さまの愛で再起不能になっちゃう~~ 」
「落としにかかってるよな!! 」
シエリアは、鼻息荒く話をする。
多分。夫人が力強く抱擁すれば、肋骨がぽっきんするし。足技や素振りに巻き込まれたら、肋骨以外がぽっきんするおそれがある。いや、内臓がやられちゃうかも知れない。
「大丈夫よ、お父さまも愛に負けないように脂肪で体をガードしてるから。」
「太ってるのはそのせいか!! 」
そう、普通の人ならばっきんの処を脂肪ガードで父は肋骨のひびだけにおさえたのだ。
「でもお母さまの今の燃え盛る愛に、きっとお父さまは耐えられないわ!! ぽっきんよ、ぽっきん。」
シエリアは自分を抱きしめた。
「もう…… 再起不能で、いいんでないか。」
入院してくれた方がエドワードの邪魔にならないから、リョウとしては再起不能して欲しい。
「駄目よ!! 」
「なんでだ? 」
「そんなことも、分からないの? 」
シエリアはまたまたリョウを馬鹿にしたように見る。ムッとして、リョウは睨み返した。
「いい? 自分が動けなくなったらお父さま、護衛や密偵を雇うわ。それもたくさん、お金は有り余るほどあるもの。」
「この金持ちめ!! 」
リョウは卑屈に突っ込んだ。
「いくらお母さまが強くても、多勢に無勢。さばききれない、勝てないわ!! さすがお父さま、腹黒だわ。」
「いや、お前らいったい何と戦ってるんだ? 」
ひとりでは、大人数の敵を倒すことはできない。自分に向かってくるのなら、ともかく。対峙している間に、別の者が目的を果たしてしまうだろう。
「だから、なにと戦っているんだ!? 」
リョウの質問にシエリアは可愛らしく首を傾げた。シエリアも、分かってない。
「大体この婚姻はシュガレスさんからの持ちかけなのに、エドワードとの結婚に反対なのか? 」
「そんなことも、分からないの? 」
シエリアはまたまた、また、リョウを馬鹿にしたように見る。
リョウも負けずに、ムッとして睨み返す。
「結婚と、婚前交渉は全然違うでしょ!! 」
「女の子が、婚前交渉なんて言うな!! 」
シエリアの言葉に、リョウは真っ赤になって叫んだ。
「男はオオカミなのよ、気をつけなきゃ駄目なのよ!! 」
「うっ…… 」
リョウは怯んだ。
「年頃になったなら、慎まなき駄目なのよ。」
「うっ…… 」
迫るシエリアにリョウは一歩下がった。
「紳士の顔していても、心の中はオオカミが牙を剥く。そういうものなのよ!! 」
「うっ…… 」
男として否定できなく、リョウは二歩下がった。
「エドワードさまだけは、大丈夫だなんて。うっかり信じたら、ダメダメ、ダメ、ダメダメなのよ!! 」
リョウはシエリアの迫力に押し負けた。父の言葉を素直に信じている、シエリアである。
「お父さまは、エドワードさまに、シアがぱっくんちょされるのをおそれているのよ!! ぱっくんちょされた後に婚約解消されたらと。」
「エドワードはそんなことしないぞ、絶対。このお菓子を賭けてもいい。」
ポケットからお菓子を取り出す、リョウ。
「そんなことしたら、お父さまとお母さまが絶対許さないんだけどね。ふふふっ。」
「おい、悪い顔してるぞ。」
物理的と社会的が相手を葬ることはシエリアには分かっていた。
しかしエリシアとエドワードが、相思相愛なのは見ていてわかる。だからシエリアは、二人の力になりたかったのであった。(決してお金の為ではない)
32
あなたにおすすめの小説
王女に夢中な婚約者様、さようなら 〜自分を取り戻したあとの学園生活は幸せです! 〜
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
王立学園への入学をきっかけに、領地の屋敷から王都のタウンハウスへと引っ越した、ハートリー伯爵家の令嬢ロザリンド。婚約者ルパートとともに始まるはずの学園生活を楽しみにしていた。
けれど現実は、王女殿下のご機嫌を取るための、ルパートからの理不尽な命令の連続。
「かつらと黒縁眼鏡の着用必須」「王女殿下より目立つな」「見目の良い男性、高位貴族の子息らと会話をするな」……。
ルパートから渡された「禁止事項一覧表」に縛られ、ロザリンドは期待とは真逆の、暗黒の学園生活を送ることに。
そんな日々の中での唯一の救いとなったのは、友人となってくれた冷静で聡明な公爵令嬢、ノエリスの存在だった。
学期末、ロザリンドはついにルパートの怒りを買い、婚約破棄を言い渡される。
けれど、深く傷つきながら長期休暇を迎えたロザリンドのもとに届いたのは、兄の友人であり王国騎士団に属する公爵令息クライヴからの婚約の申し出だった。
暗黒の一学期が嘘のように、幸せな長期休暇を過ごしたロザリンド。けれど新学期を迎えると、エメライン王女が接触してきて……。
※長くなりそうだったら長編に変更します。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
ローザとフラン ~奪われた側と奪った側~
水無月あん
恋愛
私は伯爵家の娘ローザ。同じ年の侯爵家のダリル様と婚約している。が、ある日、私とはまるで性格が違う従姉妹のフランを預かることになった。距離が近づく二人に心が痛む……。
婚約者を奪われた側と奪った側の二人の少女のお話です。
5話で完結の短いお話です。
いつもながら、ゆるい設定のご都合主義です。
お暇な時にでも、お気軽に読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
もう何も信じられない
ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。
ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。
その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。
「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」
あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。
番ではなくなった私たち
拝詩ルルー
恋愛
アンは薬屋の一人娘だ。ハスキー犬の獣人のラルフとは幼馴染で、彼がアンのことを番だと言って猛烈なアプローチをした結果、二人は晴れて恋人同士になった。
ラルフは恵まれた体躯と素晴らしい剣の腕前から、勇者パーティーにスカウトされ、魔王討伐の旅について行くことに。
──それから二年後。魔王は倒されたが、番の絆を失ってしまったラルフが街に戻って来た。
アンとラルフの恋の行方は……?
※全5話の短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる