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楽しい旅行。
『星降る丘で、出会ってラブラブ作戦』開始。
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旅行の最終日。
朝早くからシエリアとリョウは、ホテルの外で合っていた。父に気づかれない為だ。
「朝食が終わったら、エドワードさまを連れ出してね。」
「ああ、夕方頃に星降る丘に連れて行けばいいんだな。」
「そうよ、わたしもシアを星降る丘に連れ出すから。」
朝早く、露店を開いてる店前で堂々と二人は話している。朝早くても、けっこうな人通りである。
「きゃはは、あはは。」
と、朝早くからカップルが腕を組んで歩いている。
「本当だったら、シアもエドワードさまと『うふふっ、あはは』と歩いている筈だったのに。」
「……なんか、ごめん。」
エドワードの一世一代の大舞台を潰してしまったリョウは、つい謝ってしまう。
せめてあの日、最初のあの時にプロポーズを成功させていれば、今の状態でもエドワードは気持ちは浮かれまくっていたに違いない。
「シア&エドワードさまの『星降る丘で、出会ってラブラブ作戦』成功させるわよ!! 」
「おう!! 」
(酷いネーミングだな)
と、思ったが大人のリョウは笑顔で応えた。
ガシッと腕と腕を、クロスする。
「ちょっと、お嬢さん。足元、気おつけて。」
「えっ、きゃっ!! ごめんなさい!! 」
露店の前で話していたので、足元が疎かになっていた。道端に引いている布の端をシエリアは踏んでしまっていた。
布の上に陳列している商品には、無事だ。
「ごめんなさい。商品は大丈夫? 」
「ああ…… どうだい。お嬢さん、1つ。」
その場にしゃがんで店の人に謝るシエリアに、店の者は商品を勧める。布の上にはお手製のアクセサリーが売っていた。
「あっ、ねこたん!! 」
猫の顔をした銀の指輪がある目には、ピンクの硝子が飾られてある。シエリアは手に取って、買おうと思ったが財布を持って来るのを忘れてしまっていた。
「これ、後で買いに来るから取っておいてくれる? 」
「ああ、いいとも。」
店の人に返しながら、お願いをする。店の者も気前よく返事をしてくれる。小さな布で作った茶巾絞りの袋に入れて取っておいてくれる。
「猫、好きなのか? 」
「大好き!! 」
リョウの問いかけにシエリアは満面の笑みで応えた。
「ねこたんの、あの高速蹴り!! ためになるわ!! こう、こうよ!! 」
シエリアはその場で高速に蹴りを繰り出し続ける。
「猫と言えば、猫ぱんちだろ!! 」
リョウもその場で、ぱんちを繰り出す。
「ねこたんの蹴りは凄いのよ、抱きかかえて両足で拘束に何回も蹴りを繰り出すのよ!! こう、こう、こうよ!! 」
「猫ぱんちも早いぞ!! こう、こう、こうだ!! 」
シエリアは高速に蹴りを何度も繰り出す。負けずにリョウもぱんちを繰り出した。
目の前で少年少女が繰り返す蹴りとぱんちを、露店の亭主は茫然と見ていた。
「はっ、いけない!! こんなことをしている間に、お父さまに一服盛らなきゃ!! 」
「言い方、言い方!! 」
シエリアは走り出した。
少ししてリョウが追いついて、追い越す。
「ほら。」
リョウは小さな茶巾絞りの袋をシエリアに投げた。見事にシエリアはキャッチする。
「えっ、これ。」
それは、露店の人に取り置きを頼んだ物であった。
「記念だ、記念。好きなんだろ。」
してやったりと、リョウが笑うと。
「うん、ありがとう!! 」
シエリアも袋を両手で包み込みながら、満面の笑みで嬉しそうにお礼を言う。
「やるわよ!! シア&エドワードさま二人の『星降る丘で出会って、ラブラブ作戦』スタートよ!! 」
シエリアは元気よく飛び跳ねた。
「おう!! 」
(酷い、ネーミングだな。)
リョウものって、元気よく飛び跳ねるのであった。
朝早くからシエリアとリョウは、ホテルの外で合っていた。父に気づかれない為だ。
「朝食が終わったら、エドワードさまを連れ出してね。」
「ああ、夕方頃に星降る丘に連れて行けばいいんだな。」
「そうよ、わたしもシアを星降る丘に連れ出すから。」
朝早く、露店を開いてる店前で堂々と二人は話している。朝早くても、けっこうな人通りである。
「きゃはは、あはは。」
と、朝早くからカップルが腕を組んで歩いている。
「本当だったら、シアもエドワードさまと『うふふっ、あはは』と歩いている筈だったのに。」
「……なんか、ごめん。」
エドワードの一世一代の大舞台を潰してしまったリョウは、つい謝ってしまう。
せめてあの日、最初のあの時にプロポーズを成功させていれば、今の状態でもエドワードは気持ちは浮かれまくっていたに違いない。
「シア&エドワードさまの『星降る丘で、出会ってラブラブ作戦』成功させるわよ!! 」
「おう!! 」
(酷いネーミングだな)
と、思ったが大人のリョウは笑顔で応えた。
ガシッと腕と腕を、クロスする。
「ちょっと、お嬢さん。足元、気おつけて。」
「えっ、きゃっ!! ごめんなさい!! 」
露店の前で話していたので、足元が疎かになっていた。道端に引いている布の端をシエリアは踏んでしまっていた。
布の上に陳列している商品には、無事だ。
「ごめんなさい。商品は大丈夫? 」
「ああ…… どうだい。お嬢さん、1つ。」
その場にしゃがんで店の人に謝るシエリアに、店の者は商品を勧める。布の上にはお手製のアクセサリーが売っていた。
「あっ、ねこたん!! 」
猫の顔をした銀の指輪がある目には、ピンクの硝子が飾られてある。シエリアは手に取って、買おうと思ったが財布を持って来るのを忘れてしまっていた。
「これ、後で買いに来るから取っておいてくれる? 」
「ああ、いいとも。」
店の人に返しながら、お願いをする。店の者も気前よく返事をしてくれる。小さな布で作った茶巾絞りの袋に入れて取っておいてくれる。
「猫、好きなのか? 」
「大好き!! 」
リョウの問いかけにシエリアは満面の笑みで応えた。
「ねこたんの、あの高速蹴り!! ためになるわ!! こう、こうよ!! 」
シエリアはその場で高速に蹴りを繰り出し続ける。
「猫と言えば、猫ぱんちだろ!! 」
リョウもその場で、ぱんちを繰り出す。
「ねこたんの蹴りは凄いのよ、抱きかかえて両足で拘束に何回も蹴りを繰り出すのよ!! こう、こう、こうよ!! 」
「猫ぱんちも早いぞ!! こう、こう、こうだ!! 」
シエリアは高速に蹴りを何度も繰り出す。負けずにリョウもぱんちを繰り出した。
目の前で少年少女が繰り返す蹴りとぱんちを、露店の亭主は茫然と見ていた。
「はっ、いけない!! こんなことをしている間に、お父さまに一服盛らなきゃ!! 」
「言い方、言い方!! 」
シエリアは走り出した。
少ししてリョウが追いついて、追い越す。
「ほら。」
リョウは小さな茶巾絞りの袋をシエリアに投げた。見事にシエリアはキャッチする。
「えっ、これ。」
それは、露店の人に取り置きを頼んだ物であった。
「記念だ、記念。好きなんだろ。」
してやったりと、リョウが笑うと。
「うん、ありがとう!! 」
シエリアも袋を両手で包み込みながら、満面の笑みで嬉しそうにお礼を言う。
「やるわよ!! シア&エドワードさま二人の『星降る丘で出会って、ラブラブ作戦』スタートよ!! 」
シエリアは元気よく飛び跳ねた。
「おう!! 」
(酷い、ネーミングだな。)
リョウものって、元気よく飛び跳ねるのであった。
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