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楽しい旅行。
リョウちんとエリちんの話。
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『婚約を認めよう。』
その言葉はリョウにとって、青天の霹靂である。
いや、寝耳に水、足元から鳥が立つ、驚天動地、鳩が豆鉄砲を食ったよう、 藪から棒。
要するに、すっごくびっくらこいたのである。
「えっ、なんの話!!! 」
「きゃあああぁぁーーー!!! おめでとう、シエリア!!! 」
叫んだリョウの声は、エリシアの歓喜の悲鳴でかき消される。
「リョウちんと? 」
シエリアにとってもびっくりであった。エリシアに抱きしめられながら、聞き返す。
「そうよ、お父様が認めてくださったのよ!! 」
「お父さまが? 」
シエリアは父を見る。
「ま、まだ、結婚は認めた訳じゃないんだからな!! 」
「あなた、婚約=結婚よ。」
「うっ、うおお~ん!! うおお~ん!! 」
父は泣き出した。
愛しい娘が二人とも結婚に進んだ事に、涙と共に悲しみが溢れ出す。
「幸せにしないと、許さないんだからな~~!! 」
泣き続ける父にエリシアと妻は寄り添う。
「リョウちんと、結婚? 」
「そうよ、エリー!! 」
エリシアは自分の事のように喜んだ。
「ずっと楽しかったでしょう。」
「うん。」
母の言葉にシエリアは頷く。
彼女にとって、この旅行は楽しいものであった。どんなに走り回っても、リョウちんは付き合ってくれるのだ。今までシエリアは全力を出し切って遊んだことはなかった。
(シエリア。今迄辛い思いをさせてごめんなさいね。)
母は心の中で思う。
自分が言った何気ない一言。
『おっぱい星人なんて、エリシアに近づけては駄目よ!! 』
素直に母の言葉を聞いて、実行していたシエリア。
(嫌な思いをさせて、ごめんなさい。)
その一言をいった自分は憶えていなかった。
(なのに、辛くあたってしまって。)
エリシアに近づく男性を、ことごとく誘惑? していったシエリアである。
そしてその男性は二手に別れた。
残ったのは友達になった者。『ついていけない!! 』とエリシアに戻ろうとしたフザけた者達は、いつの間にやら消えていた。
(社会的に抹殺しましたけどね。あの人が、ふふっ。)
この旅行に来て、シエリアが黒髪の少年と楽しそうに全力で走り回っている姿を見た母は思った。
逃がしてなるものかと。
例え少々年下の男の子でも構わない、シエリアの幸せの為に必ずゲットしょうと。
そしたら、なんとシエリアより年上であった。しかもしっかり働いている社会人&おっぱい星人ではない。
シエリアの体力に付き合える貴重な存在。
(これは神様が与えてくれた、奇跡だわ。)
『割れ鍋に綴じ蓋』のように、シエリアに相応しい相手を与えてくれたと。
「やったーー!! リョウちんと結婚だーー!! 」
「「おめでとう、シエリア。」」
「うお~~お~~ん!! うお~~お~~ん!! 」
エドワードとリョウをそっちのけで、盛り上がる家族。
「ちっ、ちょっと待ってください。何の話ですか??? 」
盛り上がる家族にリョウはもの申す。知らぬ間に自分の結婚が決まってしまいそうなのである。
「リョウちんとエリちんの話。」
「結婚の話よ。」
「まだ、婚約だ!! 」
バンザイをしてリョウの方に振り向くシエリアに、母と足掻く父。
「だから何の話!?? 」
リョウには分からない。
「婚約=結婚よ、あなた。ふふふっ、シエリアの新居はアスレチックコースのついた庭のマッスル邸がいいわ。」
「わーーい!! マッスル、マッスル!! 」
既に二人が住む家まで考える母に、喜ぶシエリア。
マッスル邸、つまりシエリアは屋敷付きお嬢でリョウちんは玉の輿である。
「マッスル邸なら、私の新居リリー邸と近いからいいわ。」
さらりと、コチラもエリシアがエドワード玉の輿発言をする。
「な、なにっ!! 一緒に住むのではないのか!? マスオさんになるのではないのか!!! 」
※マスオさんとは『サザエさん』の旦那さんで妻の実家でサザエさんのご両親と一緒に住んでいる。
「あなた、新婚さんには酷な事を言わないの。それに、マスオさんも最初は別々に暮らしてたのよ。」
※何かの都合で、マスオさんは妻のご両親と住むことになったのである。
「エリシアとシエリアの婿は、社長になる二人を支える為に一緒に住んでもらわなければ困るぞ!! 」
父はエドワードとリョウに顔を向け言い切った。
「「何の話!?? 」」
エドワードとリョウは声を合わせて、聞き返した。
その言葉はリョウにとって、青天の霹靂である。
いや、寝耳に水、足元から鳥が立つ、驚天動地、鳩が豆鉄砲を食ったよう、 藪から棒。
要するに、すっごくびっくらこいたのである。
「えっ、なんの話!!! 」
「きゃあああぁぁーーー!!! おめでとう、シエリア!!! 」
叫んだリョウの声は、エリシアの歓喜の悲鳴でかき消される。
「リョウちんと? 」
シエリアにとってもびっくりであった。エリシアに抱きしめられながら、聞き返す。
「そうよ、お父様が認めてくださったのよ!! 」
「お父さまが? 」
シエリアは父を見る。
「ま、まだ、結婚は認めた訳じゃないんだからな!! 」
「あなた、婚約=結婚よ。」
「うっ、うおお~ん!! うおお~ん!! 」
父は泣き出した。
愛しい娘が二人とも結婚に進んだ事に、涙と共に悲しみが溢れ出す。
「幸せにしないと、許さないんだからな~~!! 」
泣き続ける父にエリシアと妻は寄り添う。
「リョウちんと、結婚? 」
「そうよ、エリー!! 」
エリシアは自分の事のように喜んだ。
「ずっと楽しかったでしょう。」
「うん。」
母の言葉にシエリアは頷く。
彼女にとって、この旅行は楽しいものであった。どんなに走り回っても、リョウちんは付き合ってくれるのだ。今までシエリアは全力を出し切って遊んだことはなかった。
(シエリア。今迄辛い思いをさせてごめんなさいね。)
母は心の中で思う。
自分が言った何気ない一言。
『おっぱい星人なんて、エリシアに近づけては駄目よ!! 』
素直に母の言葉を聞いて、実行していたシエリア。
(嫌な思いをさせて、ごめんなさい。)
その一言をいった自分は憶えていなかった。
(なのに、辛くあたってしまって。)
エリシアに近づく男性を、ことごとく誘惑? していったシエリアである。
そしてその男性は二手に別れた。
残ったのは友達になった者。『ついていけない!! 』とエリシアに戻ろうとしたフザけた者達は、いつの間にやら消えていた。
(社会的に抹殺しましたけどね。あの人が、ふふっ。)
この旅行に来て、シエリアが黒髪の少年と楽しそうに全力で走り回っている姿を見た母は思った。
逃がしてなるものかと。
例え少々年下の男の子でも構わない、シエリアの幸せの為に必ずゲットしょうと。
そしたら、なんとシエリアより年上であった。しかもしっかり働いている社会人&おっぱい星人ではない。
シエリアの体力に付き合える貴重な存在。
(これは神様が与えてくれた、奇跡だわ。)
『割れ鍋に綴じ蓋』のように、シエリアに相応しい相手を与えてくれたと。
「やったーー!! リョウちんと結婚だーー!! 」
「「おめでとう、シエリア。」」
「うお~~お~~ん!! うお~~お~~ん!! 」
エドワードとリョウをそっちのけで、盛り上がる家族。
「ちっ、ちょっと待ってください。何の話ですか??? 」
盛り上がる家族にリョウはもの申す。知らぬ間に自分の結婚が決まってしまいそうなのである。
「リョウちんとエリちんの話。」
「結婚の話よ。」
「まだ、婚約だ!! 」
バンザイをしてリョウの方に振り向くシエリアに、母と足掻く父。
「だから何の話!?? 」
リョウには分からない。
「婚約=結婚よ、あなた。ふふふっ、シエリアの新居はアスレチックコースのついた庭のマッスル邸がいいわ。」
「わーーい!! マッスル、マッスル!! 」
既に二人が住む家まで考える母に、喜ぶシエリア。
マッスル邸、つまりシエリアは屋敷付きお嬢でリョウちんは玉の輿である。
「マッスル邸なら、私の新居リリー邸と近いからいいわ。」
さらりと、コチラもエリシアがエドワード玉の輿発言をする。
「な、なにっ!! 一緒に住むのではないのか!? マスオさんになるのではないのか!!! 」
※マスオさんとは『サザエさん』の旦那さんで妻の実家でサザエさんのご両親と一緒に住んでいる。
「あなた、新婚さんには酷な事を言わないの。それに、マスオさんも最初は別々に暮らしてたのよ。」
※何かの都合で、マスオさんは妻のご両親と住むことになったのである。
「エリシアとシエリアの婿は、社長になる二人を支える為に一緒に住んでもらわなければ困るぞ!! 」
父はエドワードとリョウに顔を向け言い切った。
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エドワードとリョウは声を合わせて、聞き返した。
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