【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて

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愛しい娘の死。

娘が死んだ。

愛してやまない娘が。

俺の愛するアニタが命をかけて産んだ娘が。

俺の野獣の血を嫌って、自ら命をたった。

まだ、十八歳と若い命を散らした。

俺の所為で、俺の呪われた血の所為で、愛する娘を失った。

愛する娘リフィル。愛するアニタが命がけで残してくれた俺の宝。

小さい小さいリフィル、壊れそうだ。俺に笑顔で向けてくれる、小さい手で俺に触れてくれる。

リフィル、ああ愛しい、愛しい。

乳母を探さなくてはいけない。俺の娘を実の子のように愛し育ててくれる者を。母親代わりになれる者を。

アニタの妹? 愛するアニタの妹なら間違いない。丁度リフィルと同じ生まれたばかりの赤子がいる。彼女に頼もう、自分の子と同じように愛してくれるだろう。

リフィルが俺に笑う。小さな子は俺を怖がる、俺のこの野獣のような目を恐れるのに。

ああ、なんて愛おしい。なんて愛らしい。

俺の一族もリフィルに夢中だ。そうだろう、リフィルは俺たちを怖がらない。野獣の血を引く俺たちを。

『パパ』と、リフィルが俺をパパと呼んだ。アニタに恋をした時と同じように心が射抜かれる。

愛おしい、愛おしい。

近頃帝国と言う奴らが鬱陶しい、リフィルが怖がってしまう。滅ぼしてしまおうか? だがそんな時間はない、リフィルの傍にいたい。

アニタの妹が何かを言っている。王都で育てる? 俺からリフィルを奪うつもりか? 殺してしまうか。

帝国と言う奴らの所為でリフィルが怖がっていると、王都で暮せばアニタような女性に育つと。あの素晴らしい愛しい人のように。

仕方がない、アニタが暮らしていた所もリフィルに見せてやりたい。

王都に暮らすには、王国民にならないといけないと? 俺の住んでる場所が、辺境と呼ばれ伯爵という爵位をもらった。
 
リフィルは王都にアニタの妹と娘と住む。俺は帝国の侵略を阻止するために変わらずあの場所に住むのが条件だ。

ああ、会うたびにアニタに似て美しく育っていく。リフィル俺の愛しい娘。 

だが、なぜ笑わない? 俺から目を背ける。俺が怖いのか? 野獣の血を恐れていると? まさか、まさか。

それでも愛してるのだ、リフィルに嫌われても俺はリフィルを愛している。愛しい愛しい俺の娘。

第二王子と婚約だと? まだ十歳の子供だぞ俺は許さない。俺からリフィルを奪うのか? 滅ぼしてしまおうか。

王子が好きだと? ならば仕方がない。リフィルの住むこの地を俺は守ろう、総てのものから。愛しい娘のために。

会いたい、会いたい、俺の愛しい娘。愛するアニタのように美しく育っているだろう。手紙の返事をくれ、リフィル。愛しい俺の娘。





娘が死んだ。

俺の愛しい娘のリフィルが。

俺の愛するアニタが命がけで残してくれた、愛する娘のリフィルが。

俺の野獣の血を疎んで、自ら命をたった。

俺の所為で、この血の所為で。

亡骸にも会えなかった。余りにも酷い姿だったそうだ。渓谷から川に飛び込み、体はぼろぼろになっていたそうだ。あの愛らしいリフィルが、愛しいリフィルが。

忌まわしい俺。リフィルの代わりに俺が死ねばよかった。俺さえいなければリフィルは生きていたのか? なんと忌まわしい。












だが違った。
愛しい娘は、リフィルは殺された。

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