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第1話 恋した相手は
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「ねぇ、今日は相手してくれる~?」
男うけしそうな甘い香水の匂い。腕に押し付けてくる豊満な胸。上目遣いで見つめながら太ももを触る彼女。誰が見ても誘っている。いつもの藤堂臣ならこれに乗り、ホテルへ直行していただろう。だが、今日の彼はいつもと違かった。
「今後、こういった誘いは断る」
「えぇ~! 何で~?」
彼女は諦めない。それどころか自慢の胸を更に押し付けてくる。
「駄目すよ! 藤堂さんは今、恋の花が咲いてんすから!」
二人の後ろから割って入ったのは二色大雅という男だ。二色は臣にまとわりつく女性を剥がす。
「それなら言ってよ~! え~! 藤堂さんをオトすなんてどんな人~?」
「喋れない子なんすよね!」
「うるさい」
頭を掴んでしゃがませる。
「話せないなら~会話とか~大変じゃないの~?」
「いや、大変じゃない。むしろ…」
臣の顔が綻ぶ。普段は強面で人を近づかせない彼の崩れた表情は見ようとして見れるものではない。
「明日デートなんすよ!」
臣の鉄拳がとぶ。その衝撃に二色は倒れる。
「お相手には言ってるの~?」
女性は空になった彼のグラスに酒を注ぎながら話す。
「…何を?」
「自分が~関東で一、二を争うヤクザ、藤堂組の若頭って事を~」
注がれた酒を一気に飲み干し、わざと音をたてて置く。先程まで楽しそうに話していた女性も黙ってしまう程の殺気を放つ。
「…言ってない」
その一言だけを残し、臣は席を立った。彼が席を立つと床に伸びていた二色も起き上がる。
「駄目すよ。藤堂さんの前で月城組の事言っちゃ。対立してんすから」
臣に聞かれないように小声で女性にアドバイスをする。彼女は涙をうかべながら静かに頷いた。
「二色」
「はいはーいっす!」
二色は駆け足で臣を追いかけ店から出た。
車内に戻り胸ポケットから煙草を一本取り出し咥える。
「煙草やめたんじゃないんすか?」
運転席に乗り込んだ二色に言われ、舌打ちと共に煙草を握り潰す。代わりにと差し出された飴玉を口の中で転がす。
「明日、楽しみすね!」
バックミラー越しに目を合わせ微笑む二色。
「..ああ」
街中を行き交うカップルを横目に早く明日にならないかと願う臣だった。
◇
翌日の昼過ぎ。臣の姿はとあるカフェの一角にあった。スーツでコーヒーを嗜む。彼以外の客の姿はない。
カラン。カラン。
ドアベルが鳴り、誰かが入って来たことを知らせる。臣は扉に目をやる。そこには肩まで伸びた栗色の髪を揺らしながら歩いてくる彼女の姿があった。黒のスキニーにパーカーというシンプルな装いの彼女。この女性こそ臣の待ち人、真白である。立ち上がり、ここだと手をあげた。彼女はお辞儀をして向かいに座る。
『すいません。待ちましたか?』
彼女は大きなハンドバッグからスケッチブックとペンを取り出し、そう綴った。
「いえ、俺も来たばかりなので。気にしないでください」
本当は一時間も前からここでコーヒーを飲んでいる。だが、そんな事は微塵も感じさせない。
「何か頼みますか?」
メニューを彼女に向けて差し出す。受け取った彼女は真っ先にデザートの箇所を開く。一通り目を通した後、フルーツのたくさん盛られたパンケーキを指でさした。店員を呼び、パンケーキと紅茶をセットで頼む。
『臣さんは?』
「甘い物は苦手で。コーヒーを飲んでいるので気にしないでください」
既にコーヒーを何杯も飲んでいる臣には何かを食べる余裕などなかった。真白はハンドブックと一緒に置いていた紙袋を臣へ差し出す。
『この前のコーヒーです。ありがとうございました』
「クリーニングまで…ありがとうございます」
受け取る臣の表情は少し寂しそうだった。そう。今日はデートではない。こうやって会う事すらまだ二度目である。彼女はコートを渡しに来ただけなのだ。
「お待たせ致しました。フルーツパンケーキとダージリンです」
タイミングを計ったかのようにパンケーキと紅茶が机に並べられる。メニューの写真と同様にフルーツがたっぷりと盛られ、更にホイップクリームまで盛られたパンケーキに真白は目を輝かせる。合掌して口パクでいただきますと言う彼女。パンケーキを一口大に切り、頬張る。
「美味しいですか?」
頬に手を当て感動している彼女を見れば美味しい事など一目瞭然だ。それでも臣は聞かずにはいられなかった。臣の問いかけに何度も頷く。食べ進める彼女を臣はコーヒーを飲みながら眺める。このまま時が止まればいいのに。その願いも虚しく刻々と時は過ぎた。そして食べ終える頃には夕方になっていた。
「そろそろ出ましょうか」
店員にカードを渡し、会計を済ませる。真白もハンドバッグから財布を出すが、
「今回は俺が出します」
『自分の分払います』
急いで書いた文字が必死さを訴えている。
「では、次はご馳走になります」
臣にとっては賭けのような提案だった。顔は笑顔を保っている。しかし、その内面は不安でいっぱいだった。
『次は必ず私が出します』
その文字に安堵した。次があるのだと。
店から出ると黒塗りの車が止まられていた。臣が後部座席のドアを開ける。
「真白さんが良ければ送っていきます」
場違いな車に周囲が騒ぎ始める。居た堪れない真白は大人しく車に乗り込んだ。
「俺! 二色す! よろしくす!」
運転席から顔を出した二色。真白は頭を下げる。反対側のドアが開き臣が乗る。
「家はどこすか?」
問いかけに真白は自身のスマートフォンを出す。二色に画面を見せる。地図アプリが真白の家を示している。
「了解す! 安全運転で出発するっす!」
二色の声を合図に車はゆっくりと動き出した。
「…スマホ..持っていたのですね」
筆記での意思疎通だったため、スマホを持っていないと思っていた彼にとっては衝撃だった。真白は頷く。
「返事を紙に書くのはどうしてですか? スマホの方が楽でしょう?」
その問いかけに紙を出し綴り始める。
『スマホは打ったら消します。でも紙なら残るので誰と何を話したか覚えていられます』
「素晴らしい考え方ですね」
褒められた真白は微笑む。臣は彼女を撫でたい衝動に駆られたが拳を握りしめ、その衝動を抑える。それは自分のような人間が純粋無垢な彼女に触れていいと思っていないからだろう。そもそもこの二人は付き合っていない。
「俺と番号交換してくれませんか?」
臣の提案で互いの番号を交換した時、車が停車した。停車したのは一軒家の目の前だった。一見綺麗な家だが、誰かが住んでいるような気配はない。
「着いたっす!」
二色の声に真白は紙とペンを抱える。先に降りた臣が後部座席のドアを開けた。中からお辞儀をしながら真白が出てくる。
「それでは、また」
それだけを言い残し、また車内へ戻る。
『ありがとうございました』
紙にそう書いた真白を見ながら車は発進した。
「よかったっすね! 藤堂さん!」
「…ああ」
携帯に入っている彼女の番号を眺めながらニヤける表情をなんとか抑え込む臣だった。
ーーーーーーーーーーーーーー
臣を乗せた車がいなくなったのを確認してから真白は電話をかけた。
「今いなくなった」
通話を切るとすぐに一台のバイクが真白の前で止まる。
「迎えに来たぞ」
ヘルメットが渡される。バイクに乗った男の名は和海。真白と兄弟のように育てられた男だ。和海は彼女のハンドバッグをハンドルにかける。真白はヘルメットを装着し、彼の後ろに乗り込む。
「しっかり掴まってろ」
和海の腰に手を回す。
「じゃあ、帰ろう。俺達の家、月城組に」
バイクを発進させ、二人は帰路についたのだった。
これは対立する二組、藤堂組の若頭・藤堂臣と月城組・真白の恋の物語である。
男うけしそうな甘い香水の匂い。腕に押し付けてくる豊満な胸。上目遣いで見つめながら太ももを触る彼女。誰が見ても誘っている。いつもの藤堂臣ならこれに乗り、ホテルへ直行していただろう。だが、今日の彼はいつもと違かった。
「今後、こういった誘いは断る」
「えぇ~! 何で~?」
彼女は諦めない。それどころか自慢の胸を更に押し付けてくる。
「駄目すよ! 藤堂さんは今、恋の花が咲いてんすから!」
二人の後ろから割って入ったのは二色大雅という男だ。二色は臣にまとわりつく女性を剥がす。
「それなら言ってよ~! え~! 藤堂さんをオトすなんてどんな人~?」
「喋れない子なんすよね!」
「うるさい」
頭を掴んでしゃがませる。
「話せないなら~会話とか~大変じゃないの~?」
「いや、大変じゃない。むしろ…」
臣の顔が綻ぶ。普段は強面で人を近づかせない彼の崩れた表情は見ようとして見れるものではない。
「明日デートなんすよ!」
臣の鉄拳がとぶ。その衝撃に二色は倒れる。
「お相手には言ってるの~?」
女性は空になった彼のグラスに酒を注ぎながら話す。
「…何を?」
「自分が~関東で一、二を争うヤクザ、藤堂組の若頭って事を~」
注がれた酒を一気に飲み干し、わざと音をたてて置く。先程まで楽しそうに話していた女性も黙ってしまう程の殺気を放つ。
「…言ってない」
その一言だけを残し、臣は席を立った。彼が席を立つと床に伸びていた二色も起き上がる。
「駄目すよ。藤堂さんの前で月城組の事言っちゃ。対立してんすから」
臣に聞かれないように小声で女性にアドバイスをする。彼女は涙をうかべながら静かに頷いた。
「二色」
「はいはーいっす!」
二色は駆け足で臣を追いかけ店から出た。
車内に戻り胸ポケットから煙草を一本取り出し咥える。
「煙草やめたんじゃないんすか?」
運転席に乗り込んだ二色に言われ、舌打ちと共に煙草を握り潰す。代わりにと差し出された飴玉を口の中で転がす。
「明日、楽しみすね!」
バックミラー越しに目を合わせ微笑む二色。
「..ああ」
街中を行き交うカップルを横目に早く明日にならないかと願う臣だった。
◇
翌日の昼過ぎ。臣の姿はとあるカフェの一角にあった。スーツでコーヒーを嗜む。彼以外の客の姿はない。
カラン。カラン。
ドアベルが鳴り、誰かが入って来たことを知らせる。臣は扉に目をやる。そこには肩まで伸びた栗色の髪を揺らしながら歩いてくる彼女の姿があった。黒のスキニーにパーカーというシンプルな装いの彼女。この女性こそ臣の待ち人、真白である。立ち上がり、ここだと手をあげた。彼女はお辞儀をして向かいに座る。
『すいません。待ちましたか?』
彼女は大きなハンドバッグからスケッチブックとペンを取り出し、そう綴った。
「いえ、俺も来たばかりなので。気にしないでください」
本当は一時間も前からここでコーヒーを飲んでいる。だが、そんな事は微塵も感じさせない。
「何か頼みますか?」
メニューを彼女に向けて差し出す。受け取った彼女は真っ先にデザートの箇所を開く。一通り目を通した後、フルーツのたくさん盛られたパンケーキを指でさした。店員を呼び、パンケーキと紅茶をセットで頼む。
『臣さんは?』
「甘い物は苦手で。コーヒーを飲んでいるので気にしないでください」
既にコーヒーを何杯も飲んでいる臣には何かを食べる余裕などなかった。真白はハンドブックと一緒に置いていた紙袋を臣へ差し出す。
『この前のコーヒーです。ありがとうございました』
「クリーニングまで…ありがとうございます」
受け取る臣の表情は少し寂しそうだった。そう。今日はデートではない。こうやって会う事すらまだ二度目である。彼女はコートを渡しに来ただけなのだ。
「お待たせ致しました。フルーツパンケーキとダージリンです」
タイミングを計ったかのようにパンケーキと紅茶が机に並べられる。メニューの写真と同様にフルーツがたっぷりと盛られ、更にホイップクリームまで盛られたパンケーキに真白は目を輝かせる。合掌して口パクでいただきますと言う彼女。パンケーキを一口大に切り、頬張る。
「美味しいですか?」
頬に手を当て感動している彼女を見れば美味しい事など一目瞭然だ。それでも臣は聞かずにはいられなかった。臣の問いかけに何度も頷く。食べ進める彼女を臣はコーヒーを飲みながら眺める。このまま時が止まればいいのに。その願いも虚しく刻々と時は過ぎた。そして食べ終える頃には夕方になっていた。
「そろそろ出ましょうか」
店員にカードを渡し、会計を済ませる。真白もハンドバッグから財布を出すが、
「今回は俺が出します」
『自分の分払います』
急いで書いた文字が必死さを訴えている。
「では、次はご馳走になります」
臣にとっては賭けのような提案だった。顔は笑顔を保っている。しかし、その内面は不安でいっぱいだった。
『次は必ず私が出します』
その文字に安堵した。次があるのだと。
店から出ると黒塗りの車が止まられていた。臣が後部座席のドアを開ける。
「真白さんが良ければ送っていきます」
場違いな車に周囲が騒ぎ始める。居た堪れない真白は大人しく車に乗り込んだ。
「俺! 二色す! よろしくす!」
運転席から顔を出した二色。真白は頭を下げる。反対側のドアが開き臣が乗る。
「家はどこすか?」
問いかけに真白は自身のスマートフォンを出す。二色に画面を見せる。地図アプリが真白の家を示している。
「了解す! 安全運転で出発するっす!」
二色の声を合図に車はゆっくりと動き出した。
「…スマホ..持っていたのですね」
筆記での意思疎通だったため、スマホを持っていないと思っていた彼にとっては衝撃だった。真白は頷く。
「返事を紙に書くのはどうしてですか? スマホの方が楽でしょう?」
その問いかけに紙を出し綴り始める。
『スマホは打ったら消します。でも紙なら残るので誰と何を話したか覚えていられます』
「素晴らしい考え方ですね」
褒められた真白は微笑む。臣は彼女を撫でたい衝動に駆られたが拳を握りしめ、その衝動を抑える。それは自分のような人間が純粋無垢な彼女に触れていいと思っていないからだろう。そもそもこの二人は付き合っていない。
「俺と番号交換してくれませんか?」
臣の提案で互いの番号を交換した時、車が停車した。停車したのは一軒家の目の前だった。一見綺麗な家だが、誰かが住んでいるような気配はない。
「着いたっす!」
二色の声に真白は紙とペンを抱える。先に降りた臣が後部座席のドアを開けた。中からお辞儀をしながら真白が出てくる。
「それでは、また」
それだけを言い残し、また車内へ戻る。
『ありがとうございました』
紙にそう書いた真白を見ながら車は発進した。
「よかったっすね! 藤堂さん!」
「…ああ」
携帯に入っている彼女の番号を眺めながらニヤける表情をなんとか抑え込む臣だった。
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臣を乗せた車がいなくなったのを確認してから真白は電話をかけた。
「今いなくなった」
通話を切るとすぐに一台のバイクが真白の前で止まる。
「迎えに来たぞ」
ヘルメットが渡される。バイクに乗った男の名は和海。真白と兄弟のように育てられた男だ。和海は彼女のハンドバッグをハンドルにかける。真白はヘルメットを装着し、彼の後ろに乗り込む。
「しっかり掴まってろ」
和海の腰に手を回す。
「じゃあ、帰ろう。俺達の家、月城組に」
バイクを発進させ、二人は帰路についたのだった。
これは対立する二組、藤堂組の若頭・藤堂臣と月城組・真白の恋の物語である。
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