異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

文字の大きさ
151 / 266
第6章……復讐の勇者編

142話……協力

しおりを挟む
「という訳で協力して欲しい」

 王国と帝国の聖女に【聖浄化結界】の展開をお願いして頭を下げる。
 あっさりと了承して貰えたのでついでとばかりに【聖女の祈り】の使用を禁止するようお願いしたら戸惑いながらも了承してくれた。

 どうやらヒソヒソしていたのはどちらが【聖浄化結界】を使いどちらが【聖女の祈り】を使うかの相談をしていたらしい。

 面白いのはどちらも自分が【聖女の祈り】を使うと主張していた点だろう。
 サーシャの言っていた通り聖女は【聖女の祈り】を使ってナンボということだろう。

 3人の合意が得られたので先に進もう。

 あと残っていて強敵になりうるのは四天将の最後の一人くらいだろう。
 道中の敵はウルトに任せて先を目指すことを優先する。

「魔王の位置も特定出来てるのか?」
『もちろんです。この城の最上階に一際大きな反応があります。その途中にそこそこ大きい反応が1つ、おそらく四天将の生き残りかと』
「そうか……」

 ここは通さぬ!  みたいな感じで出てくるのかな。

「ウルト、外の音声を拾うようにしておいて。最後の四天将がどんな口上を述べるのか少し気になる」
『かしこまりました、お耳汚しになりかねませんので直前までは聞こえないようにしておきます』

 ホント気の利くトラックだよ。

 勇者たちの相手をした広間を抜けさらに奥へと侵攻していく。
 道中たくさんの魔物や魔族が行く手を阻もうと襲いかかってくるがウルトはそれらを歯牙にもかけず全てを粉砕して進む。

「す、すごい……」
「なにこれ……」

 ウルト初乗車の聖女2人はあまりの光景に驚いている。
 無理もない……普通の人間には絶対勝てなさそうな魔物や強大な力を感じさせるような魔族が目を剥いて襲いかかってくる光景だけでも恐怖でどうにかなりそうなのにそれらをなんの問題も感じさせずにはじき返すウルトを見て驚かない方がおかしいのだから。

「そういえば【聖浄化結界】の効果ってレベル関係あるの?」
「詳しくは分かりませんがおそらくあるかと……レベルが上がるにつれて聖女の力が増しているような気がするので」

 無関係では無さそうか……

「サーシャはレベルいくつだっけ?  あとそっちの2人もレベル教えてくれる?」
「私は53ですね。以前グリエルでの事が終わってから確認してそれから上がっていませんね」

 サーシャはレベル53か、2人はどうだろう?

「あたしはレベル42です」
「私は……すみません、レベル27です……」

 王国の聖女、名前は確か……忘れたな、まぁいいか、王国の聖女はレベル42、帝国の聖女はレベル27か……低いな。

 王国の聖女はそこそこだし気にしなくてもいいか、サーシャが頼りだな。

「分かった。まぁ大丈夫だとは思うからよろしく」
「「「はい!」」」

 とてもいい声で元気よく揃えて返事してくれるのはなんか微笑ましいんだけどその背後でスプラッターな光景が繰り広げられているので台無しである。

「ねぇウルト、後ろの扉開けてもらえるかしら?」
『リン様どうされましたか?』
「後ろからも来てるからちょっと吹き飛ばそうかと思って」

 邪魔になるでしょ?  と杖をクルクルと手で弄びながら軽く言う。

『かしこまりました……どうぞ』

 観音扉が開いて射線が通る。

 リンは炎、雷、氷の3つの属性の極大魔法を発動、後ろから迫ってきていた魔物たちを一掃する。

「すごい威力ですね……リンさん魔力は大丈夫なのですか?」
「言ってなかったかしら?  あたしも暴食の力を手に入れたから魔力切れとは無縁になったのよ」

 袖を捲って腕輪を見せる。
 そこには黒光りする宝玉が1つ付いていた。

「クリード様の腕輪の宝玉とは色違いですね」
「クリードの腕輪には憤怒と色欲、傲慢の3つの宝玉が付いてるから数は違うのよ?」
「3つも!?  前に見た時は1つでしたが……」

 色欲と傲慢はサーシャが攫われたあとだから見たことないのも当然だな。

「サーシャが攫われたあと力を求めてね……確実に助けるためにも力が必要だと思ったんだ」

 鎧と作業服を【無限積載】に積み込んでシャツの袖を捲ってサーシャに見せる。

 憤怒の赤、色欲の紫、傲慢の金色、3つの宝玉が嵌った腕輪を見てサーシャは感心しているようだ。

「傲慢……色欲?」
「何の話でしょうか……」

 またも聖女2人がヒソヒソし始めた。

「迷宮を攻略したら手に入る力だよ。これらの力があったからサーシャを、キミたちを助けることが出来たんだよ」

 一応共に魔王と戦う仲間でもあるわけだから軽く説明しておく。

「迷宮を……」
「攻略?」

 迷宮攻略出来たことに驚いているようだがそこまでは説明しなくてもいいだろう。
 面倒だし納得させる必要も感じない。

 それからも魔物を撥ね飛ばし、魔族を轢き殺し、扉をぶち破り進んでいく。

 横道や後ろから追いかけてくる魔族や魔物はリンの魔法で焼き付くし吹き飛ばし貫いて撃破、挟撃を受けないよう対処しておく。
 されたところで問題は無いだろうけど実際されたら面倒そうだし非常に有難い。

 いくつかの階段を駆け上がりいくつ目かの扉をぶち破る直前に停止。突然外部の音声が聞こえるようになった。
 この扉の向こうに四天将の最後の1体が居るのだろう。

『マスター、この扉の向こうです』
「よし、突入」
『かしこまりました』

 凄まじい音を立てながらウルトは扉を破壊、中に踏み込んだ。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく

竹桜
ファンタジー
 神社のお参り帰りに異世界召喚に巻き込まれた主人公。  巻き込まれただけなのに、狂った姿を見たい為に何も無い真っ白な空間で閉じ込められる。  千年間も。  それなのに主人公は鍛錬をする。  1つのことだけを。  やがて、真っ白な空間から異世界に戻るが、その時に至っていたのだ。  これは異世界で至った男が帰還した現実世界でファンタジーに巻き込まれていく物語だ。  そして、主人公は至った力を存分に振るう。

処理中です...