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赤色の彼は暇なようで
しおりを挟むここは、沢山の色が集まる街。
カラー街。
絵師は勿論、デザイナーなど、色やデザインに関することにはどこの街にも負けない場所だった。
ん?ネーミングセンスが無さすぎる、って?
そんなこと俺に言われても困るなぁ。
昔の市長はそれくらい適当な人だったってことなんじゃないの?
っと、その事は置いといて~。
俺は今、物凄い危機を感じている、今までに感じたことのない危機感だ。
それは…。
「暇すぎる!!」
そう、この俺、赤羽 新は今、とてつもなく暇なんだ。
ここは俺が建てた事務所。
赤羽事務所。
まあ、事務所と言えるほど立派なものでは無い。簡単に言えば何でも屋だ。
俺は、元々、警察署のほうで働いていたが、あまりにも面白くなかったからこの事務所を建てたっていうのに。
「結局変わってねえじゃん。」
暇なことには変わりなかったよ。
ここの事務所はやたら広い。
二階建てで二階が事務所本部で1階が事務員などの部屋?みたいなところにしたんだけど...。
事務員は居ないし、依頼も来ない...。
「ここまで、悲しい事務所あるか!?」
無駄に広い部屋に、俺の悲しみの声が響いた。
こんなに叫んでも虚しいだけだ...ということで俺は寝る。
おやすみ。
机に突っ伏し、さて、今日はどんな夢を見るのかと考えているときだった。
ピーンポーン
「んん、なんだ?優雅な眠りにつこうとしていた時に~。」
渋々、顔を上げると、椅子から降りて玄関に向かう。
「はーい。」
扉を開けると、さすが危険な猛暑と言われる今年の夏。
熱気が俺を襲う。
そんな中、働いているせいか、黒と水色の服を着た男は、汗だくだった。
「お手紙でーす!」
そんな外見とは裏腹に、男は元気な声でそう言うと、俺に手紙を差し出してきた。
「あっ、ありがとうございます」
お礼を言うと、男はお辞儀したあとすぐに走って、よく見る赤いバイクに乗って、いってしまった。
「手紙?誰からだろ。」
手紙なんて、ここの事務所を建ててから一度も、来たことはなかった。
不思議そうに表裏を確認しながら、椅子に座る。
「え、色署から?」
色署とは、色彩警察署の略だ。
何故、略したのか?
いや、だからね、俺に聞かれてもわからないのよ。
封を切ると、赤と青が乱雑に混じっている紙が一枚だけ入っていた。
さすが、カラー街といったところだ。
開くとパソコンで打ったであろう、あまりにも整い過ぎている字列を見て、なんのことやらと考えながら読んでいく。
赤羽 新様。
前略
今回、お手紙を送らせて頂いた理由は強盗犯を捕まえて欲しいのです。
ここ最近、小さな商店街で強盗が多発しております。
犯人は現在逃走中。
こちら側だけでは捕まえられそうにないので、ご協力をお願いします。
「強盗犯ねぇ~。」
拙い文章を読み終えると呟いた。
俺はゆっくり寝たいんだけどなー。
ん?待てよ。
こういう、強盗ってのは大体夜間に行動する...。
ということは、夜までは暇ってわけだ。
「おやすみ。」
そうして、また、机に突っ伏した。
まさかこれから、この退屈な日々が変わるとも知らずに。
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