目が覚めたら黒髪黒目至上主義の世界に転生していたみたいです

抹茶もち

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どうやら僕は転生してしまったらしい

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ちょっとずれた事を考えながら呑気にレモン水を飲んでいる僕と真面目な顔をしたサムを、ポカンとした顔のまま交互に見るセオドアにぃ様。

「本当に、記憶が無いのか?」

ポカンとしたお顔をキュッと深刻そうなお顔にしたセオドアにぃ様にそう聞かれたので、ストローから口を離してコクンと頷く。

「全く、何も覚えていないと?」

セオドアにぃ様の凄く深刻そうなお顔に、またもや忘れてしまった事が申し訳なくなってしまう。しょんぼりと下がった眉をそのままに再度コクリと頷いた。

「……本当に全く、何も、覚えていない、と。それで俺に名前を呼んで欲しいなどと言ったのか……。本当に、俺が、名前を呼んでもいいのか?」

……ん?なんだかセオドアにぃ様の眉間がまたしわっしわになってきた。それにすっごく大事なことを聞くみたいにゆっくり確認されて。そのお顔とは裏腹に本当は僕のお名前呼びたかったのかなって思っちゃうような言い方にちょっと戸惑う。

「へ?う、うん。僕、せおどあにぃ様にお名前呼んでもらいたいです」

お兄ちゃんってなんか憧れるし、お名前呼んでもらえる方が仲良しっぽくて嬉しいもんって思いながらまたコクリと頷いたんだけど。


「おぉ……!神よ……!」


セオドアにぃ様がおかしくなった!

目元を隠すように手を当てて上を仰ぎ見ながら神への感謝を言い続けているセオドアにぃ様。
その様子にえ?え?ってこれまた戸惑う。セオドアにぃ様どうしちゃったの?

「セオドア様、お気持ちは大変理解できますがノア様が戸惑っておられますよ」
「……はっ!す、すまない」

サムの言葉にハッとしたセオドアにぃ様は、僕の方を向いて慌てたように謝ってくれて。

「ノ、ノア……!」

なぜだか目元を赤くして僕の名前を力いっぱい叫んだんだ。

その大きな声にビックリしておめめはまん丸になっちゃったけど、セオドアにぃ様にお名前を呼んでもらえたのがすっごく嬉しくって。へにゃーってお顔が緩んじゃった。

だってさっきまでいつか呼んでもらえたらいいなぁって思っていたのに、こんなにすぐ呼んでもらえるなんて思っていなかったんだもん!セオドアにぃ様と少し仲良くなれたみたいですっごい嬉しい!

「はいっ!せおどあにぃ様っ!」
「うぐ……っ!」

ふんにゃりへんにゃりな締まりのないお顔のままそうやってお返事したら、セオドアにぃ様が左胸のあたりの服をギュって握りしめて苦しそうにうつむいてしまって。

「せおどあにぃ様……!?だいっだいじょうぶですかっ!?くるし?お胸が痛い?」
「あ、あぁ、すまない、平気だ。ノ、ノアの、愛くるしさに動悸が激しくなってしまっただけなんだ。それよりセオドアにぃ様じゃ長くて大変だろう?俺の事はセオにぃ様と呼んでくれないか」

愛くるしさ?とちょっとコテリと首を傾げてしまったけど。それよりもセオにぃ様って呼んでいいってことは愛称呼びを許してもらえたって事だよね?また一歩仲良しになれたみたいで嬉しい。

なんだかすっごく緊張して僕の反応を待っているセオにぃ様。こんな嬉しい提案断るわけないよっ!ってお顔がふんにゃりへんにゃり緩んじゃった。

「せおにぃ様……、せおにぃ様っ!僕、嬉しいです。ありがとうございますっ!」

お口の中でちっちゃく呟くように一度呼んだ後、にっこにこのままセオにぃ様に聞こえるように呼んだ後、酷い事を言ったはずなのにこうやって歩み寄ってくれたセオにぃ様に感謝の気持ちをいっぱい込めてありがとうを伝えたんだ。

そしたらまたお胸のあたりを掴んでうぐぅって呻いちゃったセオにぃ様。もしかしたら持病的な何かがあるのかもしれない。僕が頼りないから教えてくれないのかも。あとでおじいちゃん先生に聞いてみようって僕は心の中でこっそりと決意したのだった。

────────────────────
こんにちは、こんばんは抹茶もちですm(__)m
この作品を選んで読んでいただきありがとうございます。
二点お知らせがありましたので文末にお邪魔致しました。

・サミュエルの肩書を専属執事見習いから専属侍従に修正いたしました。
・登場人物にサミュエルとセオドアを追加しています!よければご覧くださいませ。

以上お知らせでした~!

ペコメ、ペスタも嬉しく拝見させて頂いております!皆様いつもありがとうございますm(__)m
のんびりまったりと進んでいく予定ですが、今後もお付き合いいただけると嬉しいです!
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