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かりんとうもどきの恋心
かりんとう屋の疑惑
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松太郎が寺子屋を替えたことで、田楽屋での親子の対面ができなくなったなみは、ひどく落胆した。
松太郎の寺子屋替えは、姑の独断だったようで、例によって父親は口を挟めないようだ。
朔太郎とのぶが橋渡ししていた文のやり取りは、倉之助、晃之進、のぶを介して続けている。もちろんなみは申し訳ないと固辞したが、皆、子を持つ親である。面倒だなどとは思わない。
そして今日、のぶのところへ文を受け取りにきたなみは、浮かない表情である。
前の通りで遊ぶ朔太郎とはなを悲しげに見つめてため息をついた。
「新しい寺子屋のお師匠さんはとっても厳しい方みたい。松太郎もつらいって……」
どうやら松太郎は、文で母親に新しい寺子屋のつらさを訴えているようだ。
「わたしも読むのがつらいくらい」
「隣町の寺子屋って、評判がいいんじゃなかったの? だからみんな変わっていったんでしょう?」
さちが首を傾げた。
「どうでしょう? わたしはちょっとその評判信じられないわ。松太郎は又三郎先生の方がよかったって言ってる。確かに学問の進みは早くなったけど、全然楽しくなくないみたい。少しでも字が乱れるとぴしりと手を叩かれるみたいで」
ため息まじりのなみの話に、さちは目を丸くする。
「え? 松太郎さんの字でも?」
ここで熱心に手習いをしていた松太郎の字は大人顔負けの整ったものだったのに。
「そうみたいね。寺子屋ではまたいつ叩かれるかとびくびくしているようよ。又三郎先生のところからうつってきた子たち皆、戻りたがってるって。松太郎も姑に頼んでるみたいだけどだめだって言われるみたいで」
「松太郎さんかわいそう……」
自身も子どもの頃、師匠と相性が悪かったさちは、心底同情している。のぶも同じ気持ちだった。毎日びくびくしながら通うなんてかわいそうだ。
「子どもたちが嫌がるような師匠のところへ行かせるなんて、ひどい話だとわたしは思うけど」
さちの言葉にのぶは複雑な気持ちで頷いた。かつてはのぶも、朔太郎をそこへ行かせてはどうかと思っていた。つくづくあの時、晃之進が止めてくれてよかったと思う。そんなところへやっていたなら、朔太郎は寺子屋そのものを嫌いになっていたかもしれない。
はじめて又三郎が来た日から、彼は一日おきに店に顔を出すようになった。寺子屋へ来いと言うわけでもなく、ちょっと寄ったという風で、小上がりで練習中の駒回しの腕前を朔太郎に披露する。
それに朔太郎は、あーでもないこーでもないと指導して、自分のやり方を見せたりしている。
はじめの日の仏頂面はどこへやら、今は又三郎が来ると思しき日は、店を閉めるやいなや駒を持って、そわそわと待っている。
昼間、店で過ごしている時の表情も明るくなった。又三郎が師匠でなかったら、こうはならなかっただろうと思うと、世間の評判などまったくあてにならないとのぶは思った。
「又三郎先生はあんなにいい方なのに、どうして隣町の寺子屋の方がいいなんて噂が流れるんだろう? 子供たちは楽しく通ってたのに……」
自分だってその評判に右往左往してたくせに、つい恨みがましい口調になってしまう。その評判のせいで、又三郎の寺子屋は、寺子が減り朔太郎が悲しい思いをすることになったのだ。
もう二度、世間の噂には惑わされない。そう決意しながらのぶはふたりの前に茶請けを置いた。
「評判には、尾ひれがつくからね。たいていの人は、聞いた時よりも大袈裟に話すものだからさ。どんどん話が大きくなっていく」
さちが訳知り顔でそう言って、のぶが出したかりんとうを口に放り込んだ。そして目を丸くする。
「美味しい! これかりんとう? でもなんか違うような……」
「わたしが作ったのよ。見よう見まねだけどね」
朔太郎の気持ちに寄り添ってやれなかったことを悔やんだのぶは、あの日以来、家で手習いをさせるのはやめにした。
今は彼の傷ついた心を癒す時期なのだと心に決めて、美味しいものを食べさせて、好きなだけ遊ばせている。そして朔太郎が気に入った、かりんとうをたくさん食べさせたいと思ったのだ。
けれどこのあたりには、かりんとう屋はない。ならばとのぶは試しに自分で作ってみることにした。水分を切った豆腐をちょうどよい大きさに切って、油で揚げ、熱いうちに水飴に絡めたものが、のぶ特製かりんとうもどきだ。
朔太郎が気に入って、もっと食べたいとせがむので、ここのところ毎日作っている。
「はー、やっぱりのぶのお菜の腕はさすがだね。かたくないから食べやすいよ。あとではなにも食べさせよう」
まずは自分が食べてみて、はなに食べさせてもよさそうだと思ったのだろう。
「あら嬉しい。たくさんあるからどんどん食べて」
「ありがとう。それにしても美味しい。この前の食べたかりんとうとは大違い。このかりんとうを食べさせたら、あのかりんとう屋はきっと裸足で逃げ出すよ」
「え、かりんとう屋があるの? どこに?」
ここのところ探していたかりんとう屋の話に、のぶは食いつく。が、さちは顔をしかめて首を横に振った。
「いやこれの方が美味しいから、わざわざ買う必要はない。それに親戚の法事で行った姑の実家の近くだから、ここからは行けないよ」
「なんだ」
がっかりとしてそう言うと、さちが「行かなくていいって」と言った。
「寺子屋の話じゃないけど、前評判なんてあてにならないね。その店もね、開く前はすごく評判がよかったんだ」
「へえ」
「なんでも上方で修行を積んだ職人が開く店だとか言って、近所に噂が流れてさ。うちの姑はそういうのに弱いから買ってきたんだよ。でもべつに普通だった。なんなら固くて食べづらいくらい。はなはひとつも食べなかったもん」
食べ物には好みもあると言うけれど、おやつなのに、子どもがひとつも食べないのは珍しい。
「店をはじめたばかりの頃は、評判を聞きつけた人で行列が出来てたって話だけど、すぐにそんなことはなくなって今は閑古鳥が鳴いているらしい。……で、聞くところによると、どうやらその噂が、眉唾物だったんだって」
眉唾物とは不穏な話だ。
「どういうこと?」
なみが興味をそそられたように問いかける。
「噂自体が意図的に流されたものだったのよ」
「意図的に?」
「そう、ほらどこにでもいるじゃない。人の事情を根掘り葉掘り聞きたがって、それをあっちこっちに言いまくる人」
いったいどういうからくりか、そういう人は町内にひとりはいるものだ。もちろん悪いことばかりではなく、防犯の上では役に立つこともあるにはある。
「でね、そういう人に金子を握らせて、今度かりんとうの店を出すから、評判を広めてほしいってあらかじめお願いしてあったらしい」
だから店を始めた途端に首尾よく人が殺到したというわけか。
「うまいこと考える人がいたものね」
なみが感心したように息を吐く。のぶも同じ気持ちだった。
評判は商売をする上では大切だ。
春に通ってくれていた宮大工も田楽屋の評判を聞いて来てくれたのだから。でもそれをわざと作ろうだなんて、のぶは思いもしなかったやり方だ。
とはいえ、今回はそれが裏目に出た。
「評判なんてあとからついてくるものなのに、わざと流すなんて悪手だよ。いい評判を聞いてたらそれだけ客の期待は大きくなる。並大抵の味じゃ納得できない」
自身も商売をしているさちの話に、のぶとなみは頷いた。
けれど、真っ当に商売していれば必ず客が来るというわけでもないのが難しいところで、多少無茶をしても、人を集めたいという気持ちはわからなくない。
「わざと評判を流すか……いろいろ考える人がいるものね」
呟くと、こつんと胸を叩かれたような心地がする。どうしてか、ひっかかりを覚えた。
わざと大袈裟な評判を流し、たくさんの客を呼び込む。けれど実体は、評判とは違っている……
のぶの中でその話が、近ごろ悩まされているある事柄と繋がった。
起こったことは逆だったけれど……
——もしかして、あれもそうだったのでは?
松太郎の寺子屋替えは、姑の独断だったようで、例によって父親は口を挟めないようだ。
朔太郎とのぶが橋渡ししていた文のやり取りは、倉之助、晃之進、のぶを介して続けている。もちろんなみは申し訳ないと固辞したが、皆、子を持つ親である。面倒だなどとは思わない。
そして今日、のぶのところへ文を受け取りにきたなみは、浮かない表情である。
前の通りで遊ぶ朔太郎とはなを悲しげに見つめてため息をついた。
「新しい寺子屋のお師匠さんはとっても厳しい方みたい。松太郎もつらいって……」
どうやら松太郎は、文で母親に新しい寺子屋のつらさを訴えているようだ。
「わたしも読むのがつらいくらい」
「隣町の寺子屋って、評判がいいんじゃなかったの? だからみんな変わっていったんでしょう?」
さちが首を傾げた。
「どうでしょう? わたしはちょっとその評判信じられないわ。松太郎は又三郎先生の方がよかったって言ってる。確かに学問の進みは早くなったけど、全然楽しくなくないみたい。少しでも字が乱れるとぴしりと手を叩かれるみたいで」
ため息まじりのなみの話に、さちは目を丸くする。
「え? 松太郎さんの字でも?」
ここで熱心に手習いをしていた松太郎の字は大人顔負けの整ったものだったのに。
「そうみたいね。寺子屋ではまたいつ叩かれるかとびくびくしているようよ。又三郎先生のところからうつってきた子たち皆、戻りたがってるって。松太郎も姑に頼んでるみたいだけどだめだって言われるみたいで」
「松太郎さんかわいそう……」
自身も子どもの頃、師匠と相性が悪かったさちは、心底同情している。のぶも同じ気持ちだった。毎日びくびくしながら通うなんてかわいそうだ。
「子どもたちが嫌がるような師匠のところへ行かせるなんて、ひどい話だとわたしは思うけど」
さちの言葉にのぶは複雑な気持ちで頷いた。かつてはのぶも、朔太郎をそこへ行かせてはどうかと思っていた。つくづくあの時、晃之進が止めてくれてよかったと思う。そんなところへやっていたなら、朔太郎は寺子屋そのものを嫌いになっていたかもしれない。
はじめて又三郎が来た日から、彼は一日おきに店に顔を出すようになった。寺子屋へ来いと言うわけでもなく、ちょっと寄ったという風で、小上がりで練習中の駒回しの腕前を朔太郎に披露する。
それに朔太郎は、あーでもないこーでもないと指導して、自分のやり方を見せたりしている。
はじめの日の仏頂面はどこへやら、今は又三郎が来ると思しき日は、店を閉めるやいなや駒を持って、そわそわと待っている。
昼間、店で過ごしている時の表情も明るくなった。又三郎が師匠でなかったら、こうはならなかっただろうと思うと、世間の評判などまったくあてにならないとのぶは思った。
「又三郎先生はあんなにいい方なのに、どうして隣町の寺子屋の方がいいなんて噂が流れるんだろう? 子供たちは楽しく通ってたのに……」
自分だってその評判に右往左往してたくせに、つい恨みがましい口調になってしまう。その評判のせいで、又三郎の寺子屋は、寺子が減り朔太郎が悲しい思いをすることになったのだ。
もう二度、世間の噂には惑わされない。そう決意しながらのぶはふたりの前に茶請けを置いた。
「評判には、尾ひれがつくからね。たいていの人は、聞いた時よりも大袈裟に話すものだからさ。どんどん話が大きくなっていく」
さちが訳知り顔でそう言って、のぶが出したかりんとうを口に放り込んだ。そして目を丸くする。
「美味しい! これかりんとう? でもなんか違うような……」
「わたしが作ったのよ。見よう見まねだけどね」
朔太郎の気持ちに寄り添ってやれなかったことを悔やんだのぶは、あの日以来、家で手習いをさせるのはやめにした。
今は彼の傷ついた心を癒す時期なのだと心に決めて、美味しいものを食べさせて、好きなだけ遊ばせている。そして朔太郎が気に入った、かりんとうをたくさん食べさせたいと思ったのだ。
けれどこのあたりには、かりんとう屋はない。ならばとのぶは試しに自分で作ってみることにした。水分を切った豆腐をちょうどよい大きさに切って、油で揚げ、熱いうちに水飴に絡めたものが、のぶ特製かりんとうもどきだ。
朔太郎が気に入って、もっと食べたいとせがむので、ここのところ毎日作っている。
「はー、やっぱりのぶのお菜の腕はさすがだね。かたくないから食べやすいよ。あとではなにも食べさせよう」
まずは自分が食べてみて、はなに食べさせてもよさそうだと思ったのだろう。
「あら嬉しい。たくさんあるからどんどん食べて」
「ありがとう。それにしても美味しい。この前の食べたかりんとうとは大違い。このかりんとうを食べさせたら、あのかりんとう屋はきっと裸足で逃げ出すよ」
「え、かりんとう屋があるの? どこに?」
ここのところ探していたかりんとう屋の話に、のぶは食いつく。が、さちは顔をしかめて首を横に振った。
「いやこれの方が美味しいから、わざわざ買う必要はない。それに親戚の法事で行った姑の実家の近くだから、ここからは行けないよ」
「なんだ」
がっかりとしてそう言うと、さちが「行かなくていいって」と言った。
「寺子屋の話じゃないけど、前評判なんてあてにならないね。その店もね、開く前はすごく評判がよかったんだ」
「へえ」
「なんでも上方で修行を積んだ職人が開く店だとか言って、近所に噂が流れてさ。うちの姑はそういうのに弱いから買ってきたんだよ。でもべつに普通だった。なんなら固くて食べづらいくらい。はなはひとつも食べなかったもん」
食べ物には好みもあると言うけれど、おやつなのに、子どもがひとつも食べないのは珍しい。
「店をはじめたばかりの頃は、評判を聞きつけた人で行列が出来てたって話だけど、すぐにそんなことはなくなって今は閑古鳥が鳴いているらしい。……で、聞くところによると、どうやらその噂が、眉唾物だったんだって」
眉唾物とは不穏な話だ。
「どういうこと?」
なみが興味をそそられたように問いかける。
「噂自体が意図的に流されたものだったのよ」
「意図的に?」
「そう、ほらどこにでもいるじゃない。人の事情を根掘り葉掘り聞きたがって、それをあっちこっちに言いまくる人」
いったいどういうからくりか、そういう人は町内にひとりはいるものだ。もちろん悪いことばかりではなく、防犯の上では役に立つこともあるにはある。
「でね、そういう人に金子を握らせて、今度かりんとうの店を出すから、評判を広めてほしいってあらかじめお願いしてあったらしい」
だから店を始めた途端に首尾よく人が殺到したというわけか。
「うまいこと考える人がいたものね」
なみが感心したように息を吐く。のぶも同じ気持ちだった。
評判は商売をする上では大切だ。
春に通ってくれていた宮大工も田楽屋の評判を聞いて来てくれたのだから。でもそれをわざと作ろうだなんて、のぶは思いもしなかったやり方だ。
とはいえ、今回はそれが裏目に出た。
「評判なんてあとからついてくるものなのに、わざと流すなんて悪手だよ。いい評判を聞いてたらそれだけ客の期待は大きくなる。並大抵の味じゃ納得できない」
自身も商売をしているさちの話に、のぶとなみは頷いた。
けれど、真っ当に商売していれば必ず客が来るというわけでもないのが難しいところで、多少無茶をしても、人を集めたいという気持ちはわからなくない。
「わざと評判を流すか……いろいろ考える人がいるものね」
呟くと、こつんと胸を叩かれたような心地がする。どうしてか、ひっかかりを覚えた。
わざと大袈裟な評判を流し、たくさんの客を呼び込む。けれど実体は、評判とは違っている……
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