【R18】悪役令嬢は婚約者に囲われる。 (婚約者×悪役令嬢 R18短編集)

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【終章】アンリマユ×リラ編

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(これを見たらしばらく見ない。最後にする。だから…)

自分の快楽の為じゃない、ただヴァンの婚約者さんの無事を確かめたいだけだと自分に言い聞かせてリラは水晶を手に取った。
神聖力を流せば透き通った水晶の内部がぼやけて、ゆっくりと薄紅色に映像が浮かんでいく。

「ひっ……!?」

ヴァンの視界を反映して映し出された水晶の光景はリラにはあまりに刺激が強くて思わず声が漏れた。
薄紅色の正体は至近距離の女性器で、男性らしい節ばった太く長い指をのみこみ忙しなく収縮を繰り返している。その上にぴんっと主張する女性の一番弱い芯、クリトリスをザラザラの舌がピットリ全体を覆いべろべろと研磨するように舐めていた。

(え、すご、女の人のって、こんななんだ……っ)
(クリ、気持ちよさそう……、そんなっ…ずりずりしたら駄目なのに)
(さわりたい、これ、見ながらわたしも…。)

映像の中の女性からも、自分からも、どぷどぷと愛液が溢れる。人の行為を見てはいけないだとか貞淑だとか、そんなものはもうリラの頭にはなかった。
彼女の思考を遮るように水晶から男女の声が聞こえてくる。

『我慢しなくていいんだよルーシィ。君の好きなようにイっていいからね』
『ひっ、ひぃっ…っぃ………♡♡ヴァ、ン……♡』

鼻にかかった嬌声をあげて、ルーシィと呼ばれた女性は荒い呼吸で腹部を上下させていた。鋭い目つきはどろどろに溶けて長い金の髪を絡まることも気にしないでベッドシーツに広げている。
その顔を見てリラは彼女がヴァンの婚約者だとすぐにわかった。

『やすま、せて……っ、……ヴァン……』
『うん?少し疲れてしまった?いいよ、少し休憩しようか♡』

(この人……)

ルーシィと呼ばれた女性、以前見た彼女は水晶の中の人物よりもっと苛烈な雰囲気がある女性だった。
痩せ細っていた身体は健康的になって、誰も私に近付くなと言わんばかりだった眼光もない。
なぜだか野良猫が人に懐いて飼われた姿を彷彿とさせた。

水晶を通して、ヴァンのルーシィを想う気持ちが胸を焦がす様な熱になってリラの中を埋めていく。
″愛しい″と。
それは、リラが思っていたような甘く優しい感情じゃなくて、
自分も相手も乞い焦がすような、熱く重い激情だった。


(ねえ、どうか僕を捨てないで。)
(この手から離れないでくれ。)
(かわいそうな君を幸せに出来るのは僕だけだろ?)
(なんで君はあんな両親に固執するんだ。)
(あれらは君の富を横取りするばかりで、一度だって君を愛することはなかったじゃないか。)


不思議だった。
あれほど女性を侍らせていたヴァン侯爵が、彼女相手だとこんなに拗らせた感情を抱えていることが。ルーシィと関わりがないリラでさえ彼の感情に流されて彼女の関心が欲しいと欲が湧くくらいただただ″愛しい″という感情が胸を占める。

ヴァンにとってルーシィさんはこんなに愛しい存在なんだ…。
殿下も、クリスも、ジェードも、アランも、
彼女たちにこんな感情を重ねていたのかな。

(…私は、どうだろ……)

神子さまに言われた″愛してくれる人″という言葉が、あれからずっと引っかかってる。
愛だとか、運命の相手だとか、そんなの私にはまだ分からないけど。でもこんな感情を抱えて自分を思ってくれる人なんていないと思う。

(…育ててもらったのに、……聖女の役割も果たせない子でごめんね神子さま)

これほど真っ直ぐ愛されるルーシィ様が羨ましい。
どろどろの愛に溺れて世話されて幸せになって。
きっとこの人もヴァン様のことを愛してるんだろうな。
その心を覗き見したくなって、リラは水晶をルーシィの視界に移した。


『愛しているよ、ルーシィ』
(あい、して……、わたしを、あいしてる……)

『君のしたいことは全て私がさせてあげる。』
(そう、ヴァンはいつだって、私の好きなことをさせてくれた……)

『美味しいごはん、清潔なベッド、好きな研究に没頭できる環境』
(彼に飼育されて、なんでも与えられて……)

『あとは何が欲しい?』
(…………………)

目元を下げ愛しいものを見つめるヴァン。
心の中で彼の愛を復唱するルーシィ。
彼の真っ黒な瞳がゆらゆらと期待で揺らめいて、ルーシィの言葉を待っていた。




『私を……自由にして………』



彼女がそう口にした瞬間、
全ての感情を無くしたように彼の顔が無表情になった。


『ははっ…、それは……きけないよルーシィ』


どろり、真っ黒な瞳が怒りに染まる。


『なぜ君は、私から離れたいなんて思えるんだ?』


その質問の意図は、私には分からなかった。


『ほら、私の目を見て?ルーシィ』


ブラックオニキスのような瞳が見開いて、その中にルーシィを映すと共に、″ごぷっ″膣に指より太いヴァンの自身が埋まって息が止まる。


『私のことは好きかい?…ほら、答えて。』

『……す、き………』

『それは嬉しいな。ならなぜ″自由になりたい″なんて言うんだ?君の欲しいものはここに全てあるのに』

『ある、けど……っ…♡』

ソレはざらついた凹凸を擦りながら狭い媚肉を無理矢理押し広げた。


(ヴァンは、全てくれる…♡)
(わたしはこいつから欲しいなんて望んでないのに。)
(なんで?こんな気持ちになるんだろ。彼の手の中にいるのが一番しあわせなことなのに♡)
(ちがう、わたしは管理なんてされたくない。)
(みんなから愛されるヴァンがずっと羨ましかった。そのヴァンに自分だけが愛されて優越感は感じてたでしょ?♡)
(……わた………しは…………)


こつ♡ぐい~~~♡

『ルーシィの傲慢なところも私は好きだよ。でも、方向性が違うと思うんだ』
『っ……♡そ、こは………♡♡』

柔らかく熱い亀頭がポルチオの壁を押し付ける。
甘く腰が痺れるような感覚に足が震え筋肉が硬直した。
 
『自由になったとして、その先に君が求めるものはなに?人からの愛情と、君の好きな研究が出来る環境だろう?』
『っひぃ‼︎♡♡や、めっ‼︎♡♡♡ぇっ♡♡』

こりこりこりこり♡
ヴァンのもので子宮口をコリを解すように左右に揺すられるたび、ルーシィの視界はバチバチと点滅した。



『君は賢いんだから、いい加減理解してくれないかなぁ』



その声は地を這うように低く、怒気が滲み出ていて、
水晶越しに彼を見るリラでさえ無意識に身体を硬直させた。

それと同時に″バチュンッ″と粘着質な打撃音が聴こえて、彼のものが快楽で降りるポルチオを無理矢理元の場所へ押し戻す。
子宮を潰しながら短い膣に埋まりきったのを理解する間も無く、目の前が急に真っ白に染まり頭の中が感電でショートしたような深い絶頂がルーシィとリラの身を襲った。

ルーシィは知らない、彼の愛の貪欲さを。
リラは分かっている、愛を盾にヴァンは自分の欲しいものを決して手放そうとはしないことを。


『君の欲しいものは全部僕が与えると言っただろ?自由になって僕から離れて、一体君は誰から施しを与えられたいんだ?僕でない人間から?あのクソッタレな両親から?君が今まで生きてきた人生の中であいつらが君を真っ当に扱ってくれたことはあるかい?なあ。ルーシィ?答えろ。』
『ひぐッ♡♡ぁ、ぁ″、ぁ″~~~ッッ″⁈♡♡♡♡イ、ひぃッ♡♡~~~ッ♡♡♡♡♡♡』
『答えになってないよ。言葉も話せない赤子になったのかい?…君がボケて言葉も話せなくなっても僕は側にいるよ。下の世話でもなんでもしてあげる。こんなに愛情深い人間他にいないと思わないか?』
『ぃ、ひぃ♡イってる″ぅ″ッ‼︎♡♡♡ま″っ、でッ⁈♡♡♡くる、し……ッ~~~♡♡♡♡』
『いっそ、頭の中も全部溶けてしまえばいいのにね。そしたら君もきっと楽になれるよ。そうだろ?』



(だ、め♡こんな、拷問みたいに子宮口捏ねられて…♡これ、人が耐えれるものじゃない♡♡)
幕を下ろしたいのに、頭の中が情報処理をできてないコンピュータみたいにおかしくなってる。
水晶を手に持っているのに思うように神聖力をコントロール出来ないリラは、ルーシィの感覚を共有して彼女と同じように快楽を受け止め続けるしかなかった。




『君は僕に愛されて侯爵夫人になるんだ。行方不明だった君を見つけて僕が保護していたとご両親には伝えてあげる。あの馬鹿なやつらは尻尾振って喜ぶだろうねぇ、笑えるだろ?』






………この男の、ヴァンの世話にだけはなりたくないの。

だって、ヴァンって嫌なやつなんだ。

わたしはあの両親に愛されたいなんて今更願わない。
だってあの人たちにとって私は金のなる木で、どうでもいい消耗品で、侯爵家との縁を繋ぐだけの娘なんだから。
ずっとずっと物置で暮らしてた。
物置に、放置されてた。

ヴァンとの初対面は覚えてる。

貴族の女の人に跨られてるのに嫌な顔もせずに応じてた。
家族に愛されて、貴族中から寵愛されて、愛されることが当たり前すぎたこの子供は″性的搾取″という概念も理解できないんだと哀れに思った。
初めて、わたしより″気持ち悪くて可哀想な奴″を知った日だった。

そんな可哀想な人間に私が哀れだと思われるのは我慢できなかった。
彼が与える物も気持ちも環境も、施し全てが私の感情を逆撫でする行為でしかなかった。
愛を盾に搾取される子供は、愛を盾に搾取する男になって、
倫理観の外れた可哀想なやつのまま預言の通り″聖女様″とやらに救われてわたしの前から消えてくれたらよかったのに。



可哀想な奴同士の傷の舐め合いなんて、

周りから見たら滑稽でしょう。

見窄らしい私がお前の横に立ってたって、

″身の程知らず″って笑って誰も納得なんてしないわよ。



なのに、なんで、



わたしはわがままで、癇癪もちで、みんな私を嫌うのに。

なんでお前はいつだって、こんな女を欲しいなんて言ってくれるのよ。






『………考え事なんてしないでくれよ。お願いだから、君が私の手から離れるたび頭がおかしくなりそうなんだ。私を助けられるのは君だけだよ、ルーシィ』


苦しそうに胸を抑え顔を歪めるヴァン侯爵の顔は、
赦しを乞う断罪者のようだった。

しかし次の瞬間、驚きに目を見開いて彼は子供のようなあどけない顔で彼女を見下ろしていた。



『…………かわいそうな、おとこね……』



そう言って顔を綻ばせた彼女の表情は、世界の中でヴァン一人だけが知っている。



 

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