明日の「具」足

社 光

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10話

10話「ぬかるむお粥」【2/3】

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「ふぅ……」

 雪というのは本当に降っているその瞬間くらいしか価値が無い。あんなに綺麗なホワイトクリスマスの残した跡は水気をたっぷりと含んだシャーベット。ジャバジャバと足を踏み入れるたびに足をからめとろうとする固体の沼地になっていて、寝起きの熱っぽい体もすぐにクールダウンさせてくれる。取り敢えず今年最後の勤務を終えるためにエビデンスの前にまでたどり着いた頃には頭の重さは8割方解消してたけど、体の妙な軽さ、そして胃袋の重苦しさがまだ隅に残っている感じ。あんなヘビーなものを食べてすぐに寝ればそうなるのも仕方がない。人間、食ってすぐ寝たら牛になるとは昔の人はよく言ったものだ。
 通用口を開けて店の裏から中に入ると場の空気は昨日と打って変わって静寂そのもの。休憩室を素通りしてホールへの入り口から中を覗き見るとお客さんは窓際のテーブル席に2人座っている奥様方だけだ。

「あっ!おはようございます!」

 会って早々、息を切らしながら快活な挨拶をしてくれる瀬戸せと君。ホールを覗く私の背後から現れた彼の手には清掃用のバケツとデッキブラシ、そしてゴム手袋がはめられたまま。そんなそそっかしい様を見たらたとえ向こうにそんな気が無かったとしても一応言っておかなくてはいけない。

「おはようございます。中に戻るんなら先に用具入れに道具は戻してくださいね」
「あっ、すいません!先に挨拶かなって思っちゃって……」
「これから覚えれば良いから。でも進んで挨拶してくれるのは嬉しいです、ありがとう」

 そう言われた彼は分かりやすく嬉しそうな顔をしながら一礼してトイレの方に戻って行った。少し忙しないのが気にはかかるけど、あぁいう風に素直な態度をとってくれると教えるこっちも嬉しくなる。悪くない気分で休憩室に戻ろうとしたところでキッチンから出て来た店長と対面して挨拶を済ませた。聞いてみたら遅番で私が入ったこの14時までお客さんは両手の指で数え切れる位しか来ておらず、早番で来ていた沙川さがわさんや他の人を帰しても、自分と瀬戸君だけで充分に回せるくらいだったらしい。

「では源さん、よろしくお願いします」
「こっちこそ、お願いします」

 いつもの調子で答えた店長の顔は若干嬉しそうに見えた。昨日の罪滅ぼしという訳じゃないけどバイトの身と言っても締めの一番くらいは悔いの無いようにやりたいし、個人的には嫌なことを頭から消すには体を動かして働くことが一番だと思う。頭の中に浮かぶ目障りなビジョンを上書きするために意気揚々とタイムカードを切り、上を制服のシャツとエプロンに着替えて準備完了。半袖の制服が人気の少ない今日の店内ではより寒々とする。無論、空調のせいではなく眠り過ぎて妙に熱っぽい私の身体のせいだ。隙間だらけの自律神経に喝を入れる為にも全力で行かせてもらう!

「じゃあ瀬戸さん、今日も卸しくお願いしますね!」
「は、はいっ!こちらこそお願いします!」

 戻ってきた瀬戸君と一緒にホール業務へ。客席への配膳、会計や挨拶。そして簡単な喫茶メニューの作り方まで。店に入って1ヶ月、かつて芽衣子にこってり絞られたであろう瀬戸さんはそれら1通りをある程度こなすことは出来ている。問題はその速さや精度じゃなく彼自身の気の持ちよう、落ち着きの無さだ。

「おっ、あっ違う……コーヒのお替わり、になっております!」
「お待たせいたしました」

 個人的に、お客に対しての言葉遣いなんてものは相手が不愉快にならずにこっちが伝えたいことが伝わっている限りどんないい方でも問題は無いと思ってる。でも瀬戸さんの場合は言おうとしている言葉が出てこないのと、その候補が頭の中でたくさん浮かんでしまうせいなのか”どもって”しまうことがとても多い。どんな言い方が正しいのか、相手に伝わりやすいか、そう言ったマニュアルの無いこの店ではみんな自分なりに考えて喋っていた。瀬戸君はそれらしい言葉を頭で組み立てながらもそのまま口に出しているようで、その過程で手元も疎かになりトレーの上でコーヒーのカップやパフェのスタンドがフラダンスを踊るのをこの1週間私は何度も目撃している。

「焦る気持ちは分かってるつもりだけど、1人で急いでも良い結果になることはあまり無いですよ。慣れない作業をする前には一度深呼吸をして、お客さんの前で緊張するようなら誰かに代わって貰っても大丈夫ですから」
「昨日みたいに、代わって貰えそうにない位に忙しいときは、どうすれば……」

 ごもっともな疑問。そしてそう言った疑問が出るところに彼の優しさが感じられる。こういう人と一緒に働けるのは嬉しい。少なくとも私みたいな口下手にとっては。

「そういう時は行ってもらうしかないです。でも、それでもし上手くいかなかったとして、それは貴方だけのせいじゃないから、深く気にしなくていいですよ」
「分かりました、あっ、あと……お客さんに『遅い』って怒られたら何て言えば……」

 そんな時は───

「その人をもう目にしたくないときは私とか他の先輩に、危なそうな人に見えたら店長に、そして『そんなことは無い!』って自分で思えているんなら、そのまま続けて欲しい……かな?」
「は、はぁ……」

 我ながら前時代的。昔のお局的スパルタ根性論を押し付けているような気がしないでもなかったけど、まず謂れの無い言葉を受けて傷つても跳ね返せる心を手に入れる方が、私は大事だと思う。まぁ彼はいまいちピンと来ていない様子だったけど。

「嫌なことは早く忘れて、慣れるのはゆっくり。その方が良いと思うから」
「そういうモノですか?」
「───多分ね」

 それから一緒に業務こなし、時計を流し見たら18時の5分前、中番の瀬戸さんが退勤する時間だ。指導に集中するばかりに特に忙しくも無い日でも時間はあっという間に過ぎていた。

「ふぁあ……」

 当の本人は退屈だったのかお客さんがいないのを見計らってカウンターの影で欠伸をこぼす。でもまぁしょうがない。誰だって実感していない欠点を指摘されるのは面白くないもの。

「じゃあアガリですか?」
「!?……ふぁ、ふぁい!」
「じゃあお疲れ様でした、良いお年を」
「お、お疲れ様です!ありがとうございました!」

 そう言って華奢なシルエットに面長の青年はアワアワと帰りの支度を始め、それをすぐに終えるとキッチンに籠っていた店長に挨拶を済ませて帰って行く。多分この1週間彼の仕事ぶりを見てきた中で、あの帰りの一連の動作が一番正確かつ素早い動きだ。私としてはそこも評価したい、帰れるときに帰れる者がこの現代で生き残るのだ───

「源さん」
「あっ!はい何でしょう!?」
「それではラスト、お願いします」

 そう言われた背後でカランと扉が開き、なにやらガヤガヤと気配の群れが近づくのを感じる。振り向いてみるとそこに見えたのはお年寄りの影。それも1人や2人ではない十数人の団体様だ!

「カッ……!」
「旭ヶ丘公園ゲートボール大会……」

 忘れていた……、隣町のゲートボール場で先週行われた年内最後のゲートボール大会。そこで燃え尽きることのできなかった闘志あふれる高齢者たちが集まって行う、真の年内最後のゲートボール大会。それが今日行われていたことを。

「あー!間に合った間に合った!」
「あぁんな競るとは思わなかったからなぁ~」
「みっちゃん遅くなってごめん!とりあえず人数分コーヒー宜しくぅ」
「あっ!私はアイスティーでいいわよ~。アッハハ!」

 人ごみからマシンガンの如く飛んでくる爽快・疲れ・注文。前に進み出て作り慣れない笑顔を浮かべながらぼそぼそと返事を返す店長は額に汗しながら私に目配せをする。そうコレが2人だけの最終決戦。芽衣子の居ない初めての真のXデーの始まりなのだ!

「「いらっしゃいませぇ~」」





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





 やっと終わった、そして帰っている。閉店までの魔の2時間、全員分の飲み物を提供し終わってから誰が何を頼むかを戦々恐々としながら待ち構えたあの時間、そこだけでフルタイム分の精神力を使ったと思う。結局2、3人がケーキとサンドイッチを頼んだだけで全員が閉店時間ぴったりに帰って行ったけど、その頃には私も店長も精神力を使い果たして抜け殻のようになっていた。今日のラッシュに今日のフェイント。閉店作業を終えた頃にはもうお互いに吹けば飛ぶような灰の如く……。

「榊さん、待ってるのかな……」

 時刻は21時13分。公務員どころかサービス残業後のサラリーマンですら流石に帰宅し始める時間帯だ、と思う。通り過ぎる家々からは煌々と明かりが漏れて、時々年末のバラエティ番組特有のの軽妙な効果音に連動した笑い声が漏れ聞こえてくる、そんな時間。「明日に持ち越せない」という理由で店長にお土産として持たされた白米のパックを片手に急ぎ足で家に向かう途中も、かなりの時間待たせてしまっているであろう事を考えるだけで胸が詰まりそうだ。
 もう幾つ電柱を過ぎたか?そんなことを考えながら前に踏み出す足はそのペースを増々上げていく。ビチャビチャとしぶきと冷気が歩くたびに吹きあがるみぞれ雪の上をそんな急いた心持で歩くものだから自然と足もとへの注意は疎かになる。

「あっが!」

 気付いた時には膝は折れて真下を向いていた。咄嗟に前に突き出した右手のお陰でアスファルトとキスをすることだけは避けられたけど、その代償に庇った右手首の方にはズシンと生っぽい衝撃が走り、そのまま歩道の横に広がる薄灰色の海に顔面から突っ込んだ。

「っべぇー……」

 顔を起こすと感じる痛みと苦みとつらみ。顔から上着、シャツ、そして下着にまで侵食してきたの冷たさが、すり減った気力の上から生命力までを削り取ってきて、おまけに咄嗟に突き出した右手首はジンジンと熱を持っていて直感で捻挫だと分かってしまった。まさに泣きっ面に蜂だ、んなる。
 でも今はこんなことは気にしてられない!私は一刻も早く帰らなくてはいけないのだ、大事な想い人の待つ我が城に!重たい体を引き起こし、パックの入った袋を肘までずり下げて手首を抑えながらジャッジャッジャ!。歩く走る駆ける!昼間に死蔵していた予備の体力に点火しとにかく足を前へ前へ。風で冷やされる胸元に震えあがりながらもそうやって必死に帰路に向かって食らいつき、ようやく我が家コミヤグランパレスを視界に捉えた!

「あぁ……」
 
 部屋の窓、道路に面した2階の角部屋の窓には煌々と明かりが灯っていた。予想した通りの結果でも凹むことは凹む。更に心苦しいのは遅れたことを謝ったとしても榊さんは笑いながら許してくれそうなところだ。こういう場合、遅れた側は思い切って叱り飛ばしてくれた方が気が楽だったりする。

『哀ったらおっそーい!』

「っく!」

 ブンブンと頭を振って現実を直視しつつ階段を慎重に1段ずつ上り、ついに部屋の前に着く。インターホンを押さずに自前の鍵でカギを開け、ゆっくりとドアを引き開けた。張り裂けそうになる心と口から飛び出そうになる謝罪の言葉を抑えつけながら。

「ムッ!?」

 その時だったドアを開けた瞬間に香ってきた香ばしい香り。深みやコクのようなプラスの方面の香ばしさじゃなく確実に何かが焦げているバーベキューじみた香りが鼻をつき、私が思わず漏らした声に目の前のキッチンに立っていた背中は一瞬で振り向いた。

「あぁ……」
「さ、榊さん?」

 そこに居たのはまだタグも切ってない真新しいエプロンをYシャツ姿のまま身に纏い、グラグラと音を立てながら多量の湯気を放つ大鍋をかき回していた榊さんだった。
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