人形の家

第四章

打ち上げ

この中学の打ち上げは盛大に行われるらしい。

あんまり見た事がないような人も沢山来ていた。


（文化祭より、打ち上げのほうが派手なんじゃないか…）


教室から盛り上がっている校庭を見つめていた。


18時45分

（そろそろクラス打ち上げの時間だなぁ）

直美「なぎさー！！もう教室来てたの？」

渚「うん！人の多いところは苦手だからね！」

涼香「そうなんだ！」


そうして3人は席に座った。
ぞろぞろと集まるクラスメート。

19時

担任「おーみんな揃ってるかー？」

いよいよ、打ち上げが始まるようだ。


担任「じゃあ毎年恒例だな！1人づつ感想を言っていこう」


感想発表をするようだ。
発表は名前の順だが、渚は転校生のため
1番最後だった。

涙ぐむ子もいれば、笑いに持ってく子もいた。

そうして、渚の番がやってきた。

教卓の前に立つ渚。


「みんな、今日はとても楽しかったです。
転校生としてこの学校にきて、最初はみんなびっくりしたと思います。転校生なんて珍しいですからね。」

「でもみんなが暖かく見守ってくれたおかげで
楽しく学校生活を送ることができました。」

「とても忘れられない日々を送りました。絶対に忘れません。」


みんなニコニコして聞いてくれた。


「でも残念なことがありました。」

「私は嫌がらせを受けていたんです。
そして、みんな、忘れちゃったんですか？
私が初めてこのクラスに来た日。

中一の頃行方不明をふくらました、
「小野寺 咲」さん。

私と顔がそっくりな咲さんのこと。

「転校生」ってだけじゃ、あんなに驚かないよね？？

そして、私は咲さん同様、嫌がらせをうけていた。」


一気に静かになったクラス。


「さぁ、咲さんと私、誰に嫌がらせを受けていたでしょう？」

「私が今まであったことすべてお話します。」


渚と咲が重なって見えた。