よみのくに

あーたん

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『ナギサのお話』

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朝目覚めると外から声が聞こえた。

「よーっし!次はこれだぁ!!」
「かかってこい!!」

「うわーアキラ強すぎっ!!!」

ナギサとアキラだ。
僕は外に出て言った。
2人は手合わせしてた。
アキラの圧勝だったけど。

『2人とももう仲良しなんだね。』

「昨日ソウルロットが操虫棍に変わってさっ!覚えてる範囲でアキラとゲームの話してたの!ルイも誘おうとしたんだよ??でもグースカピー寝てたじゃんっ!!」

昨日は初めての勧誘で疲れて覚えてないくらい早く寝た。

『ごめんごめん!男の人怖いって言ってたからアキラ大丈夫かな?って思ってたから』

「ルイが大丈夫って言ったんでしょー?」

『そうだね。よかった。』

「あと、やってたゲームの話してたら大体同じ年くらいだねってなって!なぎ怖いの年上の人だから!カオルさんは年上っぽいけどほとんど女の子だから平気っ!」

「俺ら年思い出せねぇだろ?」
とアキラは言った。

『確かに。でも学生ではあった。なんの学校だったのかまでは出てこないけど』

「俺もそうだな。」「なぎも。」
とアキラとナギサは続けて言った。

「朝ごはんよー♪」とカオルさんが呼んでいるのでBARへ向かった。

朝ご飯を食べ終えると

「虫さんにあげる虫餌を探さなきゃ!」
と操虫棍を撫でるナギサに
「農業部にあると思うぞ?」とアキラが言ったので今日も農業部へ行くこととなった。

『どの辺にあるかわかるの?』
「いや今まで操虫棍のヤツは居なかったからわかんねぇ」とアキラが言ったので

みなとくんに聞いてみることにした。

「おにいさんたち!このまえのおねえさんもこんにちわ!」

「「こんにちわ!」」3人声を揃えて言った。

「おっきいむしさんだね!かわいい!」
とみなとくんがナギサに話しかけた。

「そうでしょーっ!おねえさんの虫さんなんだよ!あっ、おねえさんはナギサだよっ!みなとくんかな?よろしくね!」

「うん!ぼくみなと!よろしくね!」

「みなとくん、虫さんの餌を探しているんだけど、どこかありそうな場所わかるかな?」

「あっちのほうにおはなばたけがあるよ!あのへんにないかなぁ?でもぼくこれからさぎょうだから…。」

と悲しそうに言うみなとくんに

『またくるから大丈夫だよ。』と僕は言い

「みなとありがとな!」とアキラはみなとくんの頭を撫でた。

「うん♪またね!!」とみなとくんは笑顔になって去っていった。

みなとくんの言っていたお花畑に向かうことにした。

「わーっ!!めっちゃ綺麗だよっ!」
とお花畑に着くとナギサははしゃいでいた。
するとナギサの虫が動き出し
花へ向かっていった。

すると虫は1度黄色く光り
虫餌を補給したようだった。

「なんか自分で出来るみたいっ!少し休もうか!」
とナギサは言い、虫が満足するまで近くにあったベンチに座ることにした。

「俺ちょっと寝るわ~」とアキラはあくびしながらベンチの後ろで寝そべり始めた。

『おやすみ~。アキラ疲れてんだなぁ。』
「夜中まで話してて朝早起きだったもん。」
『ナギサは大丈夫なの?眠くない?』
「うん。あんまり寝ないのは慣れてるから…」と顔が曇った。

どうしよう。と僕があたふたしてると

「大丈夫だよ?てか聞いてもいい?」
とナギサが言った。
僕がうんと頷くとこう続けた。

「ルイさ、昨日なぎにナギサさんも死のうと思ったの?って聞いたよね?ということはルイも自分で?」

『う、うん。そうだよ。記憶の制限かかるくせにこういう嫌な記憶は残ってるんだよねぇ。』

「なぎもそれ思った。なぎも覚えてるからさ。なんで?って聞いてもいい?」

『う、うん。まぁ、あの、いじめだよ。』

「そうなんだ。辛かったね。ごめんねこんなこと聞いて。ルイすんごくいい子だからどうしてだろ?って思っちゃって。」

『うん。大丈夫だよ。ずっと友達もいなくて、一人ぼっちだったんだ。両親には友達のいるフリをしてたんだ。それが辛くて。』

泣きそうになってるナギサに僕は

『でもね?父さん母さんは悲しんでるかもしれないけど、でも僕は死んでここに来て、アキラやカオルさん、みなとくん、そしてナギサ。みんなに出会えて今人生で1番幸せ!人生ってもう死んでるんだけど。』と笑って言った。

「ならよかった。」とナギサも笑った。

『ナギサはなんで?って聞いてもいい?』
と僕が聞いた。

「うん。こっちが先に聞いたんだしちゃんと話すね?なぎのママとパパは離婚してるの。それでなぎのママ、別の男の人と再婚してその人がなぎの新しいお父さんになったの。」

『もしかして年上の男の人が怖いって話に繋がってくる?』と僕が聞くと

「うん。ご想像通りだよ。ママ看護師さんで夜勤で夜いないから。お父さんに夜の相手をさせられてた。でもママすごく幸せそうだったから。ずっとお父さんとは仲良いフリしてた。本当は辛かった。だからね首吊っちゃった。」

とナギサは静かに涙を流してた。

何も言えなかった僕にナギサは
涙を拭いながら

「ごめん!ごめん!てかあれだねっー!フリしてた同士だねっ!」と明るく言った。

『そうだね。』と言葉を振り絞り
ナギサの頭を撫でた。
また泣き始めたナギサを泣き止むまで
撫で続けた。

『ごめん。頭触っちゃって』というと
「えっ?いいよ?全然。嬉しかった。昔本当の方のパパにもなでなでされたの思い出したっ!」
『話して大丈夫だった?』と聞くと
「うん!誰にも話したことなかったけど、なんかルイには話せたっ!だって死ぬのがダメだって言う人が多いのに、昨日「大丈夫!死ねてる!!」って言うんだもん。なんか面白くてさ。嬉しかったんだよね。」と笑いながら言った。

ふと後ろに目をやると
寝てたはずのアキラは起きてた。
というか寝たふりしてるなこれ。
と思ってると

「アキラもーっ!!信用してますよっ!だから大丈夫ですよーっ!!」
とナギサがいい
「バレてたのかよ。盗み聞きするつもりはなかった。すまん。」
とアキラは言った。

しばらく3人で談笑してると
ナギサの虫が帰ってきた。

「てかこいつに名前付けねぇ?」
とアキラが言い
虫の名前を考えることになった。

『クワガタ?だよね?』
「ガタちゃんでよくね?」
「えっー?普通すぎない??」

と言ってるとお花畑の奥が暗くなった。

「デスペナだな。」とアキラが言い
「いよいよ初出勤ですかっー!いくよ!ガタちゃん!」とナギサは言った。
『ガタちゃんで決まりなのね。』と僕はポツリと言って
デスペナの元へ急いだ。

『戦い方は大丈夫なの?』と僕の問いに
「余裕っ!余裕っ!」とナギサは言った。

着くとそこには

「う、うさぎっ?ウルク…」
「おっと皆まで言うな」とアキラはナギサの言葉を遮って言った。

ナギサが「なぎちょっと時間かかるから」といいアキラは頷き

「「こがせ」SOULl to SOUL」と唱えた。

なぎはエキスを取ってるようだ。
アキラは飛び上がると
「「萩!!」」と攻撃をしたが
すばしっこいうさぎデスペナに避けられた。

「くそっ!!外したか。」

デスペナはこっちに向かってきたので僕も

「「こがせ」SOUL to SOUL」

突進のタイミングに合わせ

「「柳」」

下から上へ太刀を振り上げたが
すこし急所がズレたようだった。

その時聞こえた。

「「こがせ」SOUL to SOUL」ナギサの声だ。

黄色い光がナギサの左手に宿り
操虫棍にかざしていた。ガタちゃんも黄色く光った。そして大きく飛び上がりこう叫んだ。

「「牡丹」」

上から突き刺すように降りてきた
ナギサの武器はデスペナを貫いた。
ガタちゃんが追加ダメージを与えている。

「パンッ!!」と音と共に
デスペナは消滅した。

「ナイスー!ナギサー!」
『ナギサ!おつかれー!』
「サンキューっ!!」

と3人でハイタッチした。

そうすると「さすがねぇ~♪」と
カオルさんの声が聞こえた。

「いつからいたんだよ。」というアキラに
「えっ?ずっといたわよ?」とカオルさん。

『全然気づかなかった。』
「気配がしなかった。」と僕とナギサは言い

「今日もごちそうねっ♪」とカオルさんは言った。

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