4 / 5
『初めての勧誘』
しおりを挟む初めてデスペナを倒せてから
1週間が経った。
すっかりこの前の怪我が治ったアキラと
一緒に討伐をこなせている。
今のところランクは10まで。
ちなみにこの前の闘牛は…
「は??あのデスペナ、ランク10??」
「そうねぇ~。速かっただけで威力が低かったわ♪」
「うっそだろーー。俺10にこんな怪我させられたなんて…。」
『いやあれはみなとくんを庇ったからで。』
「一生の不覚…。」
「あんたも修行が足らないわね♪」
「ルイ、明日から修行だ!」
『えー!!!!!僕も?』
なんて会話をごちそうを食べながらした。
こなせてるといってもランク5を2回だけど。
起きて外でストレッチしてると
アキラが来た。
「最近ちゃんと起きてんな。」
『疲れてるのかよく眠れるんだ。』
「修行のおかげかー?」
『そうかもね。』
アキラと修行を始めた。
農業部でお手伝いしたり、
走り込みしたり、
アキラと手合わせしたり。
ちなみに手合わせは全く歯が立たない。
そのおかげか寝つきはいい。
「朝飯いこーぜー。」
BARに向かった。
朝ごはんを食べていると
カオルさんが言った。
「今日は選ばれた子が来る日なのよ♪そこでルイ?勧誘をお願いできる?」
『僕ですか?それはアキラの方が…』
「アキラは今日別の仕事があんのよ♪ねっ?」
「え?なに?俺聞いてない。」
「いつものよ?」
「あー了解。」
いつものってなんだろう??
ってそこじゃない!!
『 勧誘ってどうしたらいいですか?』
「俺がやったみたいにすればいい。」
『あれは勧誘というか強制というか…』
「そうねぇ~。普段はちゃんと勧誘なのよ♪ルイはなぜか討伐部に選ばれたって決まってたのよ♪」
『えっ?』
「それは良くて、勧誘よねぇ。普通に討伐部をプレゼンしてくれればいいから♪」
『 プレゼン!?』
「じゃ!任せたわ♪」
『えっー!?』
ということで今日は1人勧誘しに行くことになった。
「メモ渡しとくわね♪」
あ、初日にアキラが見てたやつか。
(女、長い髪、木の下 名前 ナギサ)
え、女の子か。緊張する。
待ってそうじゃない。メモってこれだけ??
『メモこれだけですか?てかカオルさん達筆ですね。』
「そんだけよ♪探してきてね♪このメモ私じゃないわよ♪エンマが書いたやつ♪」
『えっ?エンマ様??』
「まっそのうちエンマにも会えるわ♪行ってらっしゃい♪」
『 えっ。』
何も分からないまま放り出された。
なんか情報量が多かったけど
とりあえず勧誘だな。
木の下といえば農業部か。
向かってみよう。
………。
あらかた木の下見てみたがいない。
みなとくんに聞いてみようかな。
『みなとくんこんにちわ。』
「おにいさん!こんにちわ!」
『聞きたいことがあるんだけど今大丈夫かい?半分持つよ。』
「ありがとう!」
みなとくんがたくさん抱えてたオレンジを半分持ちながら聞いた。
『長い髪の女の子見なかった?』
「みてないよ?うーん。ぶちょうさんにきいてみる?」
『いいの?』
「いいよ。これいまわたしにいくところだったし。」
オレンジを部長さんに渡しに行くとこだったらしい。付いていくことにした。
『こんにちわ。初めまして。討伐部のルイです。』
「やぁいらっしゃい。私は農業部の部長です。」
優しそうなおじさんだった。
『突然押しかけて申し訳ありません。長い髪の毛の女の子を探しておりまして。』
「あぁ勧誘ね。もしかしてあの子かい!?」
指を差す方向をみると
部屋の隅で小さくなってる女の子がいた。
「木の下でうずくまってたから保護して来たんだよ。知らない子だったから新入りさんだなと思って。だがしばらくあの調子だ。」
『あ、ありがとうございます。声掛けてみます!みなとくんもありがとう!』
「どういたしまして!おにいさんがんばってね!」
緊張する…。
女の子となんて話したことないよ。。
頑張れ僕!!
近づいて話しかけてみた。
『あの、、こんにちわ。ナギサさんですか?』
「なんでぇーー名前知ってるのー??怖いよー!!!ここどこーー!!いやー!!!!なぎ死ねてないのーー??」
あ、パニクってる完全に。
どうしよう。
『ナギサさんも死のうと思ったの?』
「うん。死のうとした。てか死にたかった。なのに転生してるううううう泣」
『転生じゃないよ?ここは「よみのくに」って言うところ。大丈夫。君も僕も死んでるよ。死ねてるよ!!』
「えっ?そうなの?じゃあなんで?」
『ちょっと外歩きながら話す?』
農業部さんたちの視線が痛かった。
そうだよね。みんなまだ子供だし。
その理由も今度ちゃんと聞かなきゃ。
あ、違う違う。
今はナギサさんを落ち着かせなきゃ!
「これオレンジ?」
木を見つめながらナギサさんは言った。
『そうだよ。ここのオレンジジュース美味しいよ?』
「飲んでみたいなぁ」
『じゃあカオルさんのとこに行こう!』
「カオルさん?」
『今ここでお世話になってる人。あ、男の人。びっくりするぐらい綺麗な人。』
「なぎ男の人怖い。」
一人称「なぎ」なんだ可愛いな。
あ、違う違う!!
『カオルさん怖くないよ。大丈夫。優しいよ。ん?てか僕も男だけど。あっ僕ルイです。よろしくね。』
「そうなの?確かにそうだねっ!でもルイはなんか平気。なぎはナギサでいいよ。」
『じゃあナギサで。もしかしてさっきおじさん怖かったからパニクってた?』
「そう。なぎおじさん嫌い。」
『そうなんだ。急にこんなとこに来て怖かったよね。』
「ここはなんなの?」
『「よみのくに」天国でも地獄でも転生でもない。僕はここで討伐部ってのに入ってる。』
「討伐部?」
『僕もよくわからないんだけど、あっちの方が地獄でそこから成仏されなかった怪物みたいなのを倒してる。』
「へぇ~なんか楽しそうっ!」
楽しそう??男の人は怖いのに
怪物は大丈夫なんだ…。
『さっき居たところは農業部であのおじさんは農業部の部長さんだから、怖い人じゃないよ。』
「そうなんだ。」
ナギサの顔が曇った。
『あれがカオルさんのBARだよ!』
カオルさんのBARに着いた。
ドアを開けるとカオルさんはいないようだった。
僕は冷蔵庫にからオレンジジュースをとりナギサに振る舞った。
『カオルさん忙しいのかなぁ。ごめんねせっかく来たのに。』
「ううん大丈夫。しかし美味しいねぇこのオレンジジュース。」
『さっきの農業部の子たちが育ててるんだよ。』
「えらいなぁ。」
『あの子たちを守るためにこの討伐部があるんだ。』
「怪物って怖いの?」
『うん。僕もようやく慣れてきた所だけど、初めて出会った時は動けなかった。』
「なんかルイっぽ~いっ!」
『なんかやだな。。』
「何で戦うの?その剣?」
ナギサは僕の背中にある太刀を指さした。
『うん。そうこれ。「ソウルロット」ってのがあって、選ばれた者だとその人にあった武器に変わるんだよ。』
「えっなにそれかっこいいっ!」
ナギサは目をキラキラさせて
こっちを見ていた。
『怪物ってのが「デスペナ」って言うんだけど倒したら僕たちにポイントが入るんだって。ポイントを貯めると「生まれ変われる」んだって。』
「生まれ変わる?」
さっきまでキラキラしてた目が暗くなった気がした。
生まれ変わりたくはないのだろうか。
『でも少し空を飛べるようにしたり生まれ変わり以外にも願いが叶うみたい。』
「そうなんだ…。」
『もう1人アキラって男の子がいてさぁ!生まれ変わるより少し空飛ぶのを選んだんだよ。あっ大丈夫。アキラも怖くないよ。』
「ルイがそういうんだったら、大丈夫なのかな…?」
もう僕を信頼してくれてるっぽい。
なんか嬉しいな。
と思っているとアキラとカオルさんが帰ってきた。
「あら♪勧誘は成功かしら??」
「ルイの初仕事は成功だな。」
『いや?まだ説明だけ…』
「なぎ討伐部やるよっ!よろしくっ!」
ナギサは僕の話を遮り立ち上がって
宣言してた。
ウジウジ考えてた僕と違って潔く決めてて
かっこよかった。
ナギサはカオルさんから再度説明してもらってた。
『アキラは何してたの??』
「まぁいろいろだな。」
『 教えてくれないんだ。へぇー。』
「まっそのうちなっ!てか初めてにしては勧誘上手くいったなぁ?」
『いや僕は説明しただけで…。なんか戦うとか元々好きそうな子だよ。でも男の人は怖いみたい。』
「なんだか珍しいなぁ。まぁ討伐部に選ばれたどうかはこれからだな。」
とアキラが言うとカオルさんが
「じゃあやるわよ」といって
みんなで外に出た。
「「導け」SOUL to SOUL」
相変わらずこの時のカオルさんはかっこいい。
「これがソウルロット?」
とナギサはソウルロットを受け取っていた。
ソウルロットは光を放ち、そして光が消えるとそこには…。
「えっ?操虫棍なんだけどっ!!!」
とまたまた見た事のある操虫棍と喜ぶナギサがいた。
「なぎ選ばれたってこと???」
『そうだね。よかったねナギサ!』
「てか操虫棍じゃんこれっ!モ〇ハンじゃん!」
というナギサに
「「えーーーっ!!ナギサもわかるのー!?」」
とカオルさんとアキラと僕は口を揃えて言っていた。
「なぎ操虫棍得意だよ?持ち武器っ♪持ち武器っ♪懐かしいなっ!なぎあの時ねぇ!!……あれっ?」
となってるナギサに
『わぁ!説明してなかった!!「よみのくに」はある程度記憶に制限がかかるんだって。僕も思い出せないこと多いんだ。』
と慌てて言う僕に
「まっいいやっ!」とナギサは笑って言った。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる