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1章:オラガ村にやってきた侯爵令嬢
21.追放令嬢と信仰
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着替えを終え、ふと昨日の二人で開けたワインの事を思いだした。
折角だから、あのワインを女神の御前に奉納しようと考えケイトに祈りの間への案内を頼むことにした。
本来であればこの家に着いた際に真っ先に祈りの間で女神にご報告をしなければならなかったのだが、昨日のごたごたでそれが叶わなかったのだ。
ワインの瓶を持って祈りの間への廊下を進む。
ふと、窓の外を見るとそこには朝の鍛錬をしているケヴィンの姿があった。
その姿に思わず足を止めたエルシャ。
流れるような剣の軌跡に剣など握ったこともないエルシャもホゥと見とれてしまう…
目が離せなくなるような緩急のある美しい連撃。
時折、斬撃が飛んでいくように見えたり九個くらいの斬撃が同時に発生しているようにも見えてしまう。
流石にそれはエルシャが剣の鍛錬を見る機会が少なく、目で追えていないからだろうが…
ジッと見入ってしまったエルシャ、だが終わりもすぐ訪れた。
ケヴィンが剣を止めたかと思うと、こちらを振り返り手を振って近づいてきてしまったのだ。
てっきりこちらに気付いていないと思っていたのでビックリしてしまうエルシャ。
「ケイト、汗を拭うものを用意して…」
しまったと思いつつ過ぎてしまったことを悔いても仕方がない。
やるべきことをやるだけだ…と近づいてくるケヴィンを出迎える用意をする。
「朝の鍛錬お疲れ様です。覗くつもりはなかったのですが目についてしまったもので。
お邪魔をしてしまい申し訳ありません」
「別に邪魔ではないが」
「真剣に鍛錬なさっている場を、女が気まぐれに乱すべきではありませんから」
「え?普通、美人が見てた方がやる気出るだろ…」
(………何を言っているんだこの人?)
首を傾げるエルシャにケイトがささやく。
「ほらほら、見られてるからカッコつけてたってことですよ…」
そう言うが、ますますわからない。
だって、エルシャがケヴィンを見つめていたのはケヴィンの視界に入っていないため邪魔にならないと思っていたからだ。
ケイトの物言いだとまるで最初から見られているのがわかっていたかのようだ。
まさか後ろに目があるわけでもないだろうに…
「所で二人は…昨日のワイン?」
「はい、あまりを女神様に捧げようと思いまして」
「なるほど、それは縁起がいいな」
「じゃあ、それが終わったら朝飯一緒に食べよう」
「ああ、ケヴィン様はお祈りをもう済ませておいででしたか。それでは行ってまいりますね」
「イッショニイキマスヨ?」
もちろんここ数年ケヴィンが朝のお祈りを"省略"していたのは秘密だ…怒られそうだから。
――――――――――――――――
「ケヴィン様…最後にここを清めたのは?」
祈りの間に足を踏み入れたエルシャの第一声がそれだった。
積もった埃を思わず指でツーとなぞり、埃まみれになった指を見つめながら尋問するエルシャ。
「えぇ~とぉ~、お、おいケイトお前の仕事じゃないのか!?」
「うわっ!この男責任擦り付けやがりました、最低!」
母親に叱られる子供のように責任を押し付けあう二人。
「ケヴィン様、神前の管理は通常当主と嫡男の役目です。
目が行き届いていないのであれば当然それは管理者の責任ですよ?」
年の離れた妻に結婚二日目にして正論で説教されたケヴィン。
だが、エルシャの目が本気だったのでここで反論することは悪手なのは明らか。
素直に非を認めるケヴィンであった。
「………はぃ」
「出過ぎた真似ではありますが、我々を見守ってくださる女神様に関する事でしたので…
まずは簡単に清めても?」
コクコクと頷くケヴィンとケイト。
早速と部屋にあったハタキで女神像の埃を落とそうとするケイト。
しかしその腕を振り上げた瞬間、パシッと腕を掴むものがあった…それもプルプル震えながらかなりの力で。
「女神様の御尊顔をハタキで叩くなど正気ですか?」
ケイトはあまりのごっさむオーラに振り返ることが出来ず「い…ぁ…」と震えながら呟くのみ。
「…いつもこのようなやり方を?」
キッとケヴィンの方に顔を振ると高速で目線をそらすケヴィン。
「だ…だめじゃないか~いつも言ってるようにちゃんとしなきゃ~」
「ほ~ん!?じゃ!ぼっ…若様、やり方もう一度教えてみてくださいよ!?」
二人のやり取りに頭が痛くなってくる…
そもそも埃が積もっている事自体が問題なのだが言ってもしょうがない。
「本来はローレアの葉で落とすのが正式ですが、それが無い地方もあるのでその時は果実の木や麦藁で代用してかまいません。
豊穣の願掛けでもありますので作物の物がよいでしょう。」
「お?じゃあ、稲わらでもオッケーだな?」
「取ってまいります!!」
シュタッと敬礼をし、ダッシュで去っていくケイト。
敬礼の上に廊下を駆け出すという侍女にあるまじき行為にエルシャのお説教リストが追加されたのは言うまでもない。
残された二人はそれぞれ清掃に取り掛かる。
女神像の前に置かれたさまざまな神具が埃をかぶっており、ケヴィンもこれは酷いと思わず呟いてしまう。
「うわ…洗ってくる。」
溺れた後に液体が蒸発し残されたのであろう、お供え用のグラスの中の虫の死骸を見つめながらため息交じりに呟くエルシャ。
「そうですね…」
貴族とは民を守り歴史を継承する者、民の模範であり続けるために自らを高貴なる者と定義するのだ。
それ故に外敵に背を向けることを許されず、血を絶やすことを許されず、信仰を捨てることを許されない…それが貴族である。
そして貴族は税を取り法を課すがそれは土地や秩序を守るためであり、それも神の教えに則ったものでなくてはならない。
だからこそ、エルシャの胸中に不安が沸き起こるのだ。
女の視線で剣を止めたり女神を軽んじるケヴィンの姿は果たして夫として真に自分のすべてを捧げる貴族足り得るのかと…
昨日のワインを少量グラスに注ぎ酒瓶を捧げる。
これにも作法があり、その場にいる一番地位の高い女が酒を注ぐという事になっている。
これは神話において女神が華やかな女に酌をさせる事を好んだという逸話があるからだ。
友人感覚で酒を注ごうとするケヴィンから酒瓶を剥ぎ取り自らが酌をするエルシャ…
これでやっと祈りの時間に入れると、思わずため息をつきそうになる…
―――――――――――――――――
食事ができているという事なので、ゲッソリしたケヴィンとケイトの顔は気づかないことにして二人に連れられ食堂へ向かう。
すると、近づいて行くうちにだんだんと嗅ぎなれた匂いが漂ってくる。
「もしかしてパンですか?」
「ああ、しばらくは一日一食はパンを出すようお願いしてある。」
それは嬉しい。
慣れない食事というのはそれだけで精神をすり減らす。
偶にはなれた食事を食べたいと思うものだ。
このケヴィンの心遣いには素直に感謝した。
テーブルの上に並べられた料理はサラダとスープとスクランブルエッグとシンプルではあるが食べなれたメニューであった。
ケヴィンと共にテーブルにつくとふと目に留まった空席。
「アネス様とシスティーナ様は?」
「ああ、姉貴はまだ寝てるだろ。昨日飲みまくってただろうから起きるのは昼近くになるんじゃないか?
ティナはうちにいる時はマイペースだからな、サッサと飯食って散歩して風呂入るとかじゃないかな。」
言って、フォークに手を伸ばすケヴィンを遮るようにエルシャが食前の祈りを始める。
ケヴィンの顔が引きつっているように見えるのは気のせいであろう。
「あの、エルシャさん…他国には"いただきます"という便利な言葉があってな。
この一言で女神さまや作ってくれた人への感謝となるんだそ「ここは王国です」…はい。」
子供のような言い訳をエルシャの一言で撃墜され、諦めて食前の祈りを捧げるケヴィン。
それを見たケイトから思わず漏れる「よわ…」という言葉。
「今日この後の予定は決まっているか?」
「荷解きがありますが急ぐものではありませんので、何か御用がおありっですか?」
「ちょっと、デートにでも行こうかと思ってな、この辺りを案内するよ」
「そうですか…わかりました。それでは用意をいたしますね」
そんな風に今日の予定を立てつつも新鮮な食材で作られ素直に美味しいと思える朝食に舌鼓を打つのであった。
折角だから、あのワインを女神の御前に奉納しようと考えケイトに祈りの間への案内を頼むことにした。
本来であればこの家に着いた際に真っ先に祈りの間で女神にご報告をしなければならなかったのだが、昨日のごたごたでそれが叶わなかったのだ。
ワインの瓶を持って祈りの間への廊下を進む。
ふと、窓の外を見るとそこには朝の鍛錬をしているケヴィンの姿があった。
その姿に思わず足を止めたエルシャ。
流れるような剣の軌跡に剣など握ったこともないエルシャもホゥと見とれてしまう…
目が離せなくなるような緩急のある美しい連撃。
時折、斬撃が飛んでいくように見えたり九個くらいの斬撃が同時に発生しているようにも見えてしまう。
流石にそれはエルシャが剣の鍛錬を見る機会が少なく、目で追えていないからだろうが…
ジッと見入ってしまったエルシャ、だが終わりもすぐ訪れた。
ケヴィンが剣を止めたかと思うと、こちらを振り返り手を振って近づいてきてしまったのだ。
てっきりこちらに気付いていないと思っていたのでビックリしてしまうエルシャ。
「ケイト、汗を拭うものを用意して…」
しまったと思いつつ過ぎてしまったことを悔いても仕方がない。
やるべきことをやるだけだ…と近づいてくるケヴィンを出迎える用意をする。
「朝の鍛錬お疲れ様です。覗くつもりはなかったのですが目についてしまったもので。
お邪魔をしてしまい申し訳ありません」
「別に邪魔ではないが」
「真剣に鍛錬なさっている場を、女が気まぐれに乱すべきではありませんから」
「え?普通、美人が見てた方がやる気出るだろ…」
(………何を言っているんだこの人?)
首を傾げるエルシャにケイトがささやく。
「ほらほら、見られてるからカッコつけてたってことですよ…」
そう言うが、ますますわからない。
だって、エルシャがケヴィンを見つめていたのはケヴィンの視界に入っていないため邪魔にならないと思っていたからだ。
ケイトの物言いだとまるで最初から見られているのがわかっていたかのようだ。
まさか後ろに目があるわけでもないだろうに…
「所で二人は…昨日のワイン?」
「はい、あまりを女神様に捧げようと思いまして」
「なるほど、それは縁起がいいな」
「じゃあ、それが終わったら朝飯一緒に食べよう」
「ああ、ケヴィン様はお祈りをもう済ませておいででしたか。それでは行ってまいりますね」
「イッショニイキマスヨ?」
もちろんここ数年ケヴィンが朝のお祈りを"省略"していたのは秘密だ…怒られそうだから。
――――――――――――――――
「ケヴィン様…最後にここを清めたのは?」
祈りの間に足を踏み入れたエルシャの第一声がそれだった。
積もった埃を思わず指でツーとなぞり、埃まみれになった指を見つめながら尋問するエルシャ。
「えぇ~とぉ~、お、おいケイトお前の仕事じゃないのか!?」
「うわっ!この男責任擦り付けやがりました、最低!」
母親に叱られる子供のように責任を押し付けあう二人。
「ケヴィン様、神前の管理は通常当主と嫡男の役目です。
目が行き届いていないのであれば当然それは管理者の責任ですよ?」
年の離れた妻に結婚二日目にして正論で説教されたケヴィン。
だが、エルシャの目が本気だったのでここで反論することは悪手なのは明らか。
素直に非を認めるケヴィンであった。
「………はぃ」
「出過ぎた真似ではありますが、我々を見守ってくださる女神様に関する事でしたので…
まずは簡単に清めても?」
コクコクと頷くケヴィンとケイト。
早速と部屋にあったハタキで女神像の埃を落とそうとするケイト。
しかしその腕を振り上げた瞬間、パシッと腕を掴むものがあった…それもプルプル震えながらかなりの力で。
「女神様の御尊顔をハタキで叩くなど正気ですか?」
ケイトはあまりのごっさむオーラに振り返ることが出来ず「い…ぁ…」と震えながら呟くのみ。
「…いつもこのようなやり方を?」
キッとケヴィンの方に顔を振ると高速で目線をそらすケヴィン。
「だ…だめじゃないか~いつも言ってるようにちゃんとしなきゃ~」
「ほ~ん!?じゃ!ぼっ…若様、やり方もう一度教えてみてくださいよ!?」
二人のやり取りに頭が痛くなってくる…
そもそも埃が積もっている事自体が問題なのだが言ってもしょうがない。
「本来はローレアの葉で落とすのが正式ですが、それが無い地方もあるのでその時は果実の木や麦藁で代用してかまいません。
豊穣の願掛けでもありますので作物の物がよいでしょう。」
「お?じゃあ、稲わらでもオッケーだな?」
「取ってまいります!!」
シュタッと敬礼をし、ダッシュで去っていくケイト。
敬礼の上に廊下を駆け出すという侍女にあるまじき行為にエルシャのお説教リストが追加されたのは言うまでもない。
残された二人はそれぞれ清掃に取り掛かる。
女神像の前に置かれたさまざまな神具が埃をかぶっており、ケヴィンもこれは酷いと思わず呟いてしまう。
「うわ…洗ってくる。」
溺れた後に液体が蒸発し残されたのであろう、お供え用のグラスの中の虫の死骸を見つめながらため息交じりに呟くエルシャ。
「そうですね…」
貴族とは民を守り歴史を継承する者、民の模範であり続けるために自らを高貴なる者と定義するのだ。
それ故に外敵に背を向けることを許されず、血を絶やすことを許されず、信仰を捨てることを許されない…それが貴族である。
そして貴族は税を取り法を課すがそれは土地や秩序を守るためであり、それも神の教えに則ったものでなくてはならない。
だからこそ、エルシャの胸中に不安が沸き起こるのだ。
女の視線で剣を止めたり女神を軽んじるケヴィンの姿は果たして夫として真に自分のすべてを捧げる貴族足り得るのかと…
昨日のワインを少量グラスに注ぎ酒瓶を捧げる。
これにも作法があり、その場にいる一番地位の高い女が酒を注ぐという事になっている。
これは神話において女神が華やかな女に酌をさせる事を好んだという逸話があるからだ。
友人感覚で酒を注ごうとするケヴィンから酒瓶を剥ぎ取り自らが酌をするエルシャ…
これでやっと祈りの時間に入れると、思わずため息をつきそうになる…
―――――――――――――――――
食事ができているという事なので、ゲッソリしたケヴィンとケイトの顔は気づかないことにして二人に連れられ食堂へ向かう。
すると、近づいて行くうちにだんだんと嗅ぎなれた匂いが漂ってくる。
「もしかしてパンですか?」
「ああ、しばらくは一日一食はパンを出すようお願いしてある。」
それは嬉しい。
慣れない食事というのはそれだけで精神をすり減らす。
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このケヴィンの心遣いには素直に感謝した。
テーブルの上に並べられた料理はサラダとスープとスクランブルエッグとシンプルではあるが食べなれたメニューであった。
ケヴィンと共にテーブルにつくとふと目に留まった空席。
「アネス様とシスティーナ様は?」
「ああ、姉貴はまだ寝てるだろ。昨日飲みまくってただろうから起きるのは昼近くになるんじゃないか?
ティナはうちにいる時はマイペースだからな、サッサと飯食って散歩して風呂入るとかじゃないかな。」
言って、フォークに手を伸ばすケヴィンを遮るようにエルシャが食前の祈りを始める。
ケヴィンの顔が引きつっているように見えるのは気のせいであろう。
「あの、エルシャさん…他国には"いただきます"という便利な言葉があってな。
この一言で女神さまや作ってくれた人への感謝となるんだそ「ここは王国です」…はい。」
子供のような言い訳をエルシャの一言で撃墜され、諦めて食前の祈りを捧げるケヴィン。
それを見たケイトから思わず漏れる「よわ…」という言葉。
「今日この後の予定は決まっているか?」
「荷解きがありますが急ぐものではありませんので、何か御用がおありっですか?」
「ちょっと、デートにでも行こうかと思ってな、この辺りを案内するよ」
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