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1章:オラガ村にやってきた侯爵令嬢
閑話.追放令嬢の妹
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「あんのクソ王子!!!」
ガンッ!と侯爵の机が蹴り上げられ、自分の机を蹴られた侯爵もビクッとなってしまう。
王太子の婚約者として厳格に育てらた姉と違い、この妹のミィルフィアはサレツィホール侯爵領で大らかに育ってきた。
ただ、王都での姉の扱いを見てからは大らかというより苛烈になってきたのだが。
机を蹴り上げられた侯爵も文句を言いたい所だが、それも言えない。
何故なら目の前の怒鳴り散らしているルフィアは侯爵に対して散々とサッサと婚約破棄してしまえと言ってきた人物だからである。
エルシャの事はあの子が産まれた時から人並みの人生は歩ませてやれないのだと諦めて来た。
そして、王妃として自分達の上位の存在となるよう心を鬼にして育ててきたのだ。
いくらルフィアが、何度も何度も何度も何度もあの王太子はダメだと言った所で流石にそれは国のために受け入れられないと言い聞かせてきたのだが…
その結果がコレである…
今目の前で怒り狂ってる妹に対して侯爵ができる事と言えばタダ怒りが収まるのを待つだけである。
「大体始めて会った時から気に食わなかったのよ、お姉様をぞんざいに扱って(ガンッ!)」
「それなのにお姉様ったら自分が至らないからって、タダあのクソ王子が無能なだけだっての(ガンッ!)」
「しかもなに?パーティーで晒上げた??ハァ???誰のおかげで飯食えてると思ってんの?(ガンッ!ガンッ!ガンッ!)」
勿論、侯爵だってその報告を受けた時は激怒した…当たり前だ。
しかしだからと言って目の前の娘と一緒になって怒鳴り散らすほど子供でもないし、かといってそれをたしなめて火に油を注ぐ様な愚か者でもない。
怒ってヒステリーになっている女に男が出来る事などたかが知れているのである。
しばらくすると、ルフィアの攻撃色も薄くなっていつもの冷静沈着な彼女へと戻って行く。
こうなると姉に似て理知的な女に変わり素直に頼りになる。
むしろ王太子の婚約者として正攻法しか知らない姉よりもからめ手を使う事を躊躇わない彼女は優秀であるといえる。
「それで向こうはなんて言って来てるの?」
「…修道院送りか、どこかの遠くの下級貴族に嫁がせるか、処刑せよと「あん?(ガンッ!)」………」
だから自分を責めないで欲しいと切に思う侯爵ではあるが、この婚約を続けさせた事実をひたすら責められるので我慢するだけである。
一回いつものように騎士団に混じって剣でも振ってきてストレス発散して来てもらえないだろうかと思ったが…
いや、今それをするとそのまま王都へ向かって王太子を斬り殺そうとするかもしれない。
剣の才能はからっきしなのに殺気だけは一流なのだ…
「修道院ねぇ…セイルーン教国にでも送ればお姉様ならすぐ出世しそうだけど私は反対だわ。
下級貴族に嫁がせる…そうだ!私とフレポジェルヌ子爵家の御子息との縁談を変わってもらうとか…って無理か」
その縁談というのはとあるパーティーで出会った辺境の子爵家とのものであった。
本来であればそんな場所へ行く縁談など一瞥もくれたりしないのだが…
その夫婦と会った時、ルフィアの<直感>がけたたましく反応を示したのだ。
<直感>というのはルフィアのスキル…一般的な<鑑定術>では鑑定が出来なかったため<EXスキル>だと思われる。
この事は侯爵家の機密事項として外部には漏らしていないし、姉にも教えていない程である。
そんな<直感>の導きによって仲良くなった夫婦…その夫婦に息子がいて結婚相手を探している。
それを知った時、再度<直感>が反応したのだ…それも今までにないくらいの反応。
即座に父親を締めあげ婚約を結ばせたのだが…
「…いや、無理ではない。というよりもその方向で手を打った」
「…はぁ?いや、でも契約書で交わした約束でしょ?流石に騙すのはまずいのでは…」
大抵の事は侯爵家の威光でもみ消せるし言うことを聞かせられるが、既に成った婚約を捻じ曲げるのは不義理。
出来なくはないが契約の変更で時間がかかるのは必至。
そう思っていたのだが…
「これが契約書だ…」
侯爵家で保管してある婚約に関する契約書の写しであったが…
それを見たルフィアは愕然とした…ナンジャコリャ。
「サレツィホール侯爵家の娘とフィレポジェルヌ子爵家嫡男の婚約…って名前が書いてないんですけど…
しかも、相手は嫡男って書いてあるからうっかりケヴィン様が亡くなっても有効…」
「うむ…試しに書いてみたらあっさり了解を得られてしまってな。
正直な話、ルフィアを嫁がせるのは不安なので養子を取ることを考えていたのだが…」
「お父様!!」
たとえ養子でも娘であることは変わりない…
詐欺まがいの完全に一方的な契約であった。
ただ、王国の中枢と言っていい侯爵家と王国の最西端のド田舎子爵家という全くつり合いの取れていない縁談なのだからこれぐらいがちょうどいいとも言えるが…
だがそれはそれ。
ルフィアとしてもこの縁談は乗り気だったのだ。
夫人が言っていた食事や温泉、侯爵領ではできない馬を乗り回す生活…
子爵もただの気の合うおじさんであの人がお義父さんになるなど楽しみでしかない。
それを娘に許可も得ずに潰そうとしていたなど父親であろうと許せない。
本当であれば家出をして子爵邸へ乗り込み、話が伝わる前に結婚式を挙げ既成事実を作ってしまうところだ。
だが今回に限って言えば都合がいいと言わざるを得ない。
自分の婚約よりも姉の方が大事なのだから。
「ではお姉さまをフレポジェルヌに?」
「準備もあるのだからすぐに結婚とはならんだろう…
そもそもルフィアじゃない娘が送り付けられれば、いくらあの羊でも確認くらいするだろう。
その間にこちらで保護すればいい」
常識で言えばそうだろう、常識であれば…
だが、散々その常識に則った行動をして今があるのだ。
「お父様のその常識に従った判断は不安なんだけど…
私としてはそのまま結婚しちゃった方がお姉様のためになるんじゃないかと思うわ」
「それはお前の<直感>か?」
「ただの愛情。お姉様にこの先まともな縁談が舞い込んでくるとは到底思えないでしょ?
保護って要は"死んでもらう"ってことなんだから」
そうだろう、だがだからと言って追放のような形で辺境へ嫁入りさせるほど侯爵も非情でもない。
相手があの羊の息子でなければ、強行してでも別の方法を取っていただろう。
あの羊は良くも悪くも無害なのだ、それはもう貴族としてどうなのだ?と問いかけたいほどに。
そして侯爵には到底理解の及ばない人物でもある。
理解の範囲外でのほほんとしている羊…それがフレポジェルヌ子爵。
「ちなみに子爵領行きなら私の願望に左右される<直感>は働かないんじゃないかな…
嫁入りするにしてもしないにしてもあの子爵様なら悪いようにはしないと思っちゃってるから。
まあ、常識的に考えたら王位継承順位第三位、お母様を抜かすと実質二位の女を嫁にしようと思う男はそうそういないでしょうけど」
「それと、戻ってきたらカルグゥイユにでも嫁がせることも考えている」
「カールを?へぇ…いいんじゃない、彼昔からお姉さまに惚れこんでたし」
カルグゥイユはルフィアの護衛騎士である。
文武両道、眉目秀麗その上性格は真面目一筋。
姉がまだこの領で生活していた頃、家族旅行で海に行ったときに姉が海岸で拾った男の子が今では立派な青年騎士である。
その浅黒い肌がこの国の人間ではない事を表しているが、それが婦女子にはたまらないようでいつも注目の的になっているのだ。
そんな彼も自分の命を救ってくれた姉に心底惚れこんでいるようであった。
無論、それをあの石を通り越して鋼の頭を持つ姉が気づく事などありえないし、彼もその気持ちを封印しているようだった。
昔、一度だけ彼が姉に剣を捧げようとしたことがあったが…
堅物の姉は王太子の婚約者である自分が男を傍に置く事を良しとしなかったため断られたのだ。
その後、ルフィアの護衛騎士として収まり今に至る。
そんな彼だからこそ、ルフィアも認めて姉を任せることが出来ると考えていた。
というより、父親には暗にそうしろと何度も何度も何度も言ってきた。
まあ、鋼の頭を持っている堅物二人で心配になるというのはあるのだが…
「婚約の件は理解しました。落ち着いたら子爵に謝罪の手紙書かなきゃね」
とは言っても、侯爵領と子爵領では距離がある。
この問題が落ち着くのはきっとまだ先だろう、とため息をついてしまうルフィアだった。
「それで…元凶の方は?」
「形上は侯爵家が折れたのだ、国王陛下に仲裁をしてもらう予定だが…支援は減らさざるを得ないな。果たして今の王家が耐えられるか…」
一体何を考えているのだ…という言葉を飲み込んだ。
例え娘に対してであっても侯爵家を守る自分が相手の考えが分からないと思わせるのはマイナスにしかならない。
ルフィアもルフィアで攻め込んじゃえばいいのに…と考えても口には出さない。
どこに耳があるかもわからないのだ。
それにここで王家との関係を完全に絶ってしまったらエルシャの犠牲を無駄にしてしまう。
王家と侯爵家の間に打ち込まれた楔の効果を遅らせるための時間稼ぎ…
それが姉が"罪を認めた"理由なのだから。
本当…こっちの気持ちも考えてほしい。
「一応聞くがお前が王「死んでもイヤ」…だろうな」
今後の波乱を考えため息をつくしかない侯爵であった…
「陛下はクソ王子を男爵令嬢と結婚させるつもりなのかしら?キッチリ刺されてくれればよかったのに」
「あれはお前が指示したのか?それにしてはお粗末だったが…」
「え?違いますよ…あれ?お父様じゃないの?」
「「………???」」
ガンッ!と侯爵の机が蹴り上げられ、自分の机を蹴られた侯爵もビクッとなってしまう。
王太子の婚約者として厳格に育てらた姉と違い、この妹のミィルフィアはサレツィホール侯爵領で大らかに育ってきた。
ただ、王都での姉の扱いを見てからは大らかというより苛烈になってきたのだが。
机を蹴り上げられた侯爵も文句を言いたい所だが、それも言えない。
何故なら目の前の怒鳴り散らしているルフィアは侯爵に対して散々とサッサと婚約破棄してしまえと言ってきた人物だからである。
エルシャの事はあの子が産まれた時から人並みの人生は歩ませてやれないのだと諦めて来た。
そして、王妃として自分達の上位の存在となるよう心を鬼にして育ててきたのだ。
いくらルフィアが、何度も何度も何度も何度もあの王太子はダメだと言った所で流石にそれは国のために受け入れられないと言い聞かせてきたのだが…
その結果がコレである…
今目の前で怒り狂ってる妹に対して侯爵ができる事と言えばタダ怒りが収まるのを待つだけである。
「大体始めて会った時から気に食わなかったのよ、お姉様をぞんざいに扱って(ガンッ!)」
「それなのにお姉様ったら自分が至らないからって、タダあのクソ王子が無能なだけだっての(ガンッ!)」
「しかもなに?パーティーで晒上げた??ハァ???誰のおかげで飯食えてると思ってんの?(ガンッ!ガンッ!ガンッ!)」
勿論、侯爵だってその報告を受けた時は激怒した…当たり前だ。
しかしだからと言って目の前の娘と一緒になって怒鳴り散らすほど子供でもないし、かといってそれをたしなめて火に油を注ぐ様な愚か者でもない。
怒ってヒステリーになっている女に男が出来る事などたかが知れているのである。
しばらくすると、ルフィアの攻撃色も薄くなっていつもの冷静沈着な彼女へと戻って行く。
こうなると姉に似て理知的な女に変わり素直に頼りになる。
むしろ王太子の婚約者として正攻法しか知らない姉よりもからめ手を使う事を躊躇わない彼女は優秀であるといえる。
「それで向こうはなんて言って来てるの?」
「…修道院送りか、どこかの遠くの下級貴族に嫁がせるか、処刑せよと「あん?(ガンッ!)」………」
だから自分を責めないで欲しいと切に思う侯爵ではあるが、この婚約を続けさせた事実をひたすら責められるので我慢するだけである。
一回いつものように騎士団に混じって剣でも振ってきてストレス発散して来てもらえないだろうかと思ったが…
いや、今それをするとそのまま王都へ向かって王太子を斬り殺そうとするかもしれない。
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「修道院ねぇ…セイルーン教国にでも送ればお姉様ならすぐ出世しそうだけど私は反対だわ。
下級貴族に嫁がせる…そうだ!私とフレポジェルヌ子爵家の御子息との縁談を変わってもらうとか…って無理か」
その縁談というのはとあるパーティーで出会った辺境の子爵家とのものであった。
本来であればそんな場所へ行く縁談など一瞥もくれたりしないのだが…
その夫婦と会った時、ルフィアの<直感>がけたたましく反応を示したのだ。
<直感>というのはルフィアのスキル…一般的な<鑑定術>では鑑定が出来なかったため<EXスキル>だと思われる。
この事は侯爵家の機密事項として外部には漏らしていないし、姉にも教えていない程である。
そんな<直感>の導きによって仲良くなった夫婦…その夫婦に息子がいて結婚相手を探している。
それを知った時、再度<直感>が反応したのだ…それも今までにないくらいの反応。
即座に父親を締めあげ婚約を結ばせたのだが…
「…いや、無理ではない。というよりもその方向で手を打った」
「…はぁ?いや、でも契約書で交わした約束でしょ?流石に騙すのはまずいのでは…」
大抵の事は侯爵家の威光でもみ消せるし言うことを聞かせられるが、既に成った婚約を捻じ曲げるのは不義理。
出来なくはないが契約の変更で時間がかかるのは必至。
そう思っていたのだが…
「これが契約書だ…」
侯爵家で保管してある婚約に関する契約書の写しであったが…
それを見たルフィアは愕然とした…ナンジャコリャ。
「サレツィホール侯爵家の娘とフィレポジェルヌ子爵家嫡男の婚約…って名前が書いてないんですけど…
しかも、相手は嫡男って書いてあるからうっかりケヴィン様が亡くなっても有効…」
「うむ…試しに書いてみたらあっさり了解を得られてしまってな。
正直な話、ルフィアを嫁がせるのは不安なので養子を取ることを考えていたのだが…」
「お父様!!」
たとえ養子でも娘であることは変わりない…
詐欺まがいの完全に一方的な契約であった。
ただ、王国の中枢と言っていい侯爵家と王国の最西端のド田舎子爵家という全くつり合いの取れていない縁談なのだからこれぐらいがちょうどいいとも言えるが…
だがそれはそれ。
ルフィアとしてもこの縁談は乗り気だったのだ。
夫人が言っていた食事や温泉、侯爵領ではできない馬を乗り回す生活…
子爵もただの気の合うおじさんであの人がお義父さんになるなど楽しみでしかない。
それを娘に許可も得ずに潰そうとしていたなど父親であろうと許せない。
本当であれば家出をして子爵邸へ乗り込み、話が伝わる前に結婚式を挙げ既成事実を作ってしまうところだ。
だが今回に限って言えば都合がいいと言わざるを得ない。
自分の婚約よりも姉の方が大事なのだから。
「ではお姉さまをフレポジェルヌに?」
「準備もあるのだからすぐに結婚とはならんだろう…
そもそもルフィアじゃない娘が送り付けられれば、いくらあの羊でも確認くらいするだろう。
その間にこちらで保護すればいい」
常識で言えばそうだろう、常識であれば…
だが、散々その常識に則った行動をして今があるのだ。
「お父様のその常識に従った判断は不安なんだけど…
私としてはそのまま結婚しちゃった方がお姉様のためになるんじゃないかと思うわ」
「それはお前の<直感>か?」
「ただの愛情。お姉様にこの先まともな縁談が舞い込んでくるとは到底思えないでしょ?
保護って要は"死んでもらう"ってことなんだから」
そうだろう、だがだからと言って追放のような形で辺境へ嫁入りさせるほど侯爵も非情でもない。
相手があの羊の息子でなければ、強行してでも別の方法を取っていただろう。
あの羊は良くも悪くも無害なのだ、それはもう貴族としてどうなのだ?と問いかけたいほどに。
そして侯爵には到底理解の及ばない人物でもある。
理解の範囲外でのほほんとしている羊…それがフレポジェルヌ子爵。
「ちなみに子爵領行きなら私の願望に左右される<直感>は働かないんじゃないかな…
嫁入りするにしてもしないにしてもあの子爵様なら悪いようにはしないと思っちゃってるから。
まあ、常識的に考えたら王位継承順位第三位、お母様を抜かすと実質二位の女を嫁にしようと思う男はそうそういないでしょうけど」
「それと、戻ってきたらカルグゥイユにでも嫁がせることも考えている」
「カールを?へぇ…いいんじゃない、彼昔からお姉さまに惚れこんでたし」
カルグゥイユはルフィアの護衛騎士である。
文武両道、眉目秀麗その上性格は真面目一筋。
姉がまだこの領で生活していた頃、家族旅行で海に行ったときに姉が海岸で拾った男の子が今では立派な青年騎士である。
その浅黒い肌がこの国の人間ではない事を表しているが、それが婦女子にはたまらないようでいつも注目の的になっているのだ。
そんな彼も自分の命を救ってくれた姉に心底惚れこんでいるようであった。
無論、それをあの石を通り越して鋼の頭を持つ姉が気づく事などありえないし、彼もその気持ちを封印しているようだった。
昔、一度だけ彼が姉に剣を捧げようとしたことがあったが…
堅物の姉は王太子の婚約者である自分が男を傍に置く事を良しとしなかったため断られたのだ。
その後、ルフィアの護衛騎士として収まり今に至る。
そんな彼だからこそ、ルフィアも認めて姉を任せることが出来ると考えていた。
というより、父親には暗にそうしろと何度も何度も何度も言ってきた。
まあ、鋼の頭を持っている堅物二人で心配になるというのはあるのだが…
「婚約の件は理解しました。落ち着いたら子爵に謝罪の手紙書かなきゃね」
とは言っても、侯爵領と子爵領では距離がある。
この問題が落ち着くのはきっとまだ先だろう、とため息をついてしまうルフィアだった。
「それで…元凶の方は?」
「形上は侯爵家が折れたのだ、国王陛下に仲裁をしてもらう予定だが…支援は減らさざるを得ないな。果たして今の王家が耐えられるか…」
一体何を考えているのだ…という言葉を飲み込んだ。
例え娘に対してであっても侯爵家を守る自分が相手の考えが分からないと思わせるのはマイナスにしかならない。
ルフィアもルフィアで攻め込んじゃえばいいのに…と考えても口には出さない。
どこに耳があるかもわからないのだ。
それにここで王家との関係を完全に絶ってしまったらエルシャの犠牲を無駄にしてしまう。
王家と侯爵家の間に打ち込まれた楔の効果を遅らせるための時間稼ぎ…
それが姉が"罪を認めた"理由なのだから。
本当…こっちの気持ちも考えてほしい。
「一応聞くがお前が王「死んでもイヤ」…だろうな」
今後の波乱を考えため息をつくしかない侯爵であった…
「陛下はクソ王子を男爵令嬢と結婚させるつもりなのかしら?キッチリ刺されてくれればよかったのに」
「あれはお前が指示したのか?それにしてはお粗末だったが…」
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