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2章:新婚旅行は幻惑の都で…(前編)
2.フレポジ夫人と交渉
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エルシャ達は三人でフレポジェルヌ子爵邸へと戻るとケイトにお茶を用意させ応接間で向かい合った。
道すがらケヴィンがトリ―ナー男爵から今回訪れた要件は聞いていた。
どうやらトリ―ナー領の村の一つが魔物に襲われ壊滅的な被害を受けてしまったのだそうだ。
それだけであれば、対処するのは男爵家の役目なのだが、今回は相手が問題なのだった。
聞くところによると大型の魔物が村を占拠してしまい手が出せない状況になってしまったのだとか。
現在、男爵の息子が対応にあたっているのだがその息子からケヴィンに対して救援要請を依頼されたのだ。
ちなみにアネスは今、仕事を終えてフラッとどこかへ行ってしまった。
ケヴィン曰くいつもの事だから気にしなくていいそうだ。
そして子爵夫婦も未だ帰って来ないためエルシャは挨拶すらまだできていなかった。
話をしている中、一言も喋らずにケヴィンの傍で控えるエルシャ。
ケヴィンも「おや?」と不思議に思ってはいたが、もしかして乗馬の練習を邪魔されてへそを曲げたのか?と以外に可愛い一面もあるじゃないかと思っていたのだが…
そんなケヴィンにトリ―ナー男爵が咳ばらいをしケヴィンに質問した。
「所でそろそろそちらのお嬢さんを紹介してもらいたいのだが?」
「………あ”っ」
慌ててエルシャの方を見るもそこにあったのは呆れた様子のエルシャの顔…
エルシャは先日まで侯爵家の娘であり侯爵家の持つ第三爵位である伯爵位を持っていたような女である。
ぶっちゃけ、トリ―ナー男爵やケヴィンなんかよりも遥かに格上であり本来遠慮が必要なのはこちらだったのだ。
ケヴィンとしてはエルシャの事だから勝手に自分で自己紹介が始まるだろうくらいの軽い気持ちだったのだが…
そ ん な 事 は 許 さ な い
エルシャの今の立場は子爵家嫡男であるケヴィンの妻だ。
先日まで持っていた伯爵位も結婚と同時に侯爵家へ返上…以後は妹が繰り上げで継ぐことになるだろう。
実態がどうあれ慣習上ではここでの立場が一番弱いのはエルシャであり、男爵家当主への勝手な発言も無礼にあたる。
ケヴィンに紹介されていない…それはつまり自分がこの場で会話をする事を許されていないと同義。
そんな慣習、田舎貴族で守っている奴いねーよなんて言ってもエルシャには通じない。
貴族が民衆を従えているという国家のあり方において序列というのは建前上絶対であり、貴族であるケヴィンの妻であるためには譲れない礼儀なのだ。
ケヴィンは忘れていた…エルシャという人間は"めんどくせー女"なのだ。
ちなみに、そんな侯爵家の娘であるエルシャが立てている夫に無礼を働いたらどうなるか…
そんな事は考えない方が良いだろう。
ただ、建前を建前として取れなければ"貴族失格"…とだけは理解するべきだ。
「ええと、少々バタバタしていて報告が出来ていませんでした。俺の妻のエルシャルフィールです」
「ケヴィン・フレポジェルヌの妻、エルシャルフィール・フェルエール・フレポジェルヌです。
父はサレツィホール侯爵でありその娘としてこの土地に嫁いでまいりました。
トリ―ナー男爵様とは長いお付き合いとなります、以後お見知りおきくださいませ」
「サレツィホール侯爵家の娘?それにケヴィン…お前本当に結婚したのか??」
美しい娘だとは思ってはいたが、サレツィホール家の娘だというのはまさかである。
そしてそれ以上に驚いたのがケヴィンが結婚したという事実…
エルシャとしては自分の出自よりもケヴィンが結婚した事の方が驚かれている事に驚いてしまうが…
領の村々を回った結果、大分慣れてきてはいた。
気を取り直して先程の交渉に戻る三人。
先程の討伐要請に改めて二つ返事で了承しようとするケヴィンに待ったをかけたのは堅物の妻であった。
「一つお聞きしますが、今回の救援についてどのような取り決めの下で行われるものなのでしょうか?」
「取り決め?」
「いや…そんなもんないな。たまにある事だしなぁ…」
「よくある事なのですか?」
「南の大樹海に面しているウチとトリ―ナー領では森の間引きはちょくちょくやるようになって大分魔物の被害ってのは少なくなったんだけどな…大物がたまに現れるとこうして支援を要請される事はある」
ゆるい…
そしてケヴィンの欠点を見つけた…である。
ケヴィンは元来人が良いのだろうが…貴族としてそれは美徳であり、また欠点でもある。
そしてエルシャにはケヴィンの様に相手の欠点を受け入れ受け流すという器用な芸当はできはしない。
出来るとすればその欠点を補う事、それだけである…
「何度も起きていて、これからも起きる可能性があるのに両者の間に取り決めがないのであれば、ソレは構造的欠陥です。
正直申し上げれば、今回の件はケヴィン様が手を出す事には反対いたします」
「へ?俺一人がちょちょいと行って片づけるだけだぞ」
「ケヴィン様が出陣なさるのであればソレは軍事協力です。
ケヴィン様がこの地を離れるという事はその間この土地が手薄になるという事に他なりません。
軍事力を無償で貸与できると思われては困ります」
「流石に大袈裟じゃないか?」
「ではどこからが大袈裟ではなくなるのですか?
自領で片付けられない問題を他領の人間に頼る…それが無条件で可能と考えているのであればソレは自身の貴族としての存在理由を否定されているのと変わらないのです」
ピシャリと言い放つエルシャの言葉に男二人はぐぅの音も出ない。
エルシャとて男二人にこのような事は言いたくはない。
なにしろ、エルシャは剣など振れないのだ、自分が命を賭けるわけでもないのに軍事に関しての話に我が物顔で介入する立場ではない。
だがしかし、その力が軽視され安易に振るわれるとなると、それは誰かが指摘をせねばならない。
「………ケヴィン、すごい嫁さん貰ったな?」
「そうでしょそうでしょ、美人で頭が良くて心も強い非の打ち所がない嫁さんですよ。いいでしょ?」
そう言ってエルシャを引き寄せるケヴィン
交渉の場で突然引き寄せられて「キャッ」という小さな悲鳴を上げてしまう。
「ケヴィン様…今は真面目な場ですので控えてください」
「…はい」
真面目なトーンで言われてしまいシュンとするも、すぐさま気を取り直してエルシャがどうすれば納得するのかを考える。
…何故自分が男爵と一緒になってエルシャを説得しようとしているのかは考えないこととする。
「ええと…つまりは何か対価が必要って話だな?」
「そうなります…何もないとなるとこちらも困るのです。
この地の物は如何なるものでもこの地の民が守り作り上げた物。
それを無償で貰えると思われたのでは、それは奴隷と代わりがありません。
そして、女神は時限的刑罰以外の奴隷を作る事を許してはおりません」
貧しくもゆる~い辺境で育ってきた二人はこのエルシャのガッチガチの思考に思わず口を引きつらせてしまう。
勿論反論など出来ようはずもない。
彼女の言葉は貴族であるなら当たり前の事なのだから…
「そう固く考えなくても構いません。
例えば助けた事に対してこの領の人間に感謝をしたという"歴史"であってもいいのです。
領民の自尊心を満たす事くらいには使えますからね…」
固いのは君の頭だよ…と一瞬頭に浮かんだが言うと怒られそうなので黙っておく。
「ただ感謝だけというのはおすすめはしません、それはつまりもう一方には劣等感を植え付ける行為と紙一重でもありますから」
ケヴィンはエルシャの話をじっくりと聞いた後、「ふむ…」と考え、そして「よしわかった」と立ち上がりエルシャに言った。
「魔物の討伐に行く事は変わらない、今助けなければならない人間はいるんだからな。
なので俺は準備してくる…後の話し合いはエルシャに任せた」
「へっ?」
そう言ってこの場をエルシャに任せて本当に部屋を後にしてしまったケヴィン。
取り残された二人は思わず顔を見合わせてしまった…
「信頼されておりますな?」
「信頼を作れる程の時間があったわけではありません、一方的な物です。
あの方は人を信頼する事に躊躇が無いのでしょう…裏切られる事すら些細な事と思っているようで。
ですから妻としてはその信頼を裏切るわけには参りません」
そう言うと先程までの夫に寄り添う妻の目から交渉人の目へと変わっていった。
それはまるで自分の羊を守る狼がもしこの羊に手を出そうとするならば喰い殺す…そう言わんばかりの覇気。
「お手柔らかに頼む」
そしてトリ―ナー男爵は思うのだった。
(取り合えずその固い頭による頭突きだけは本当に痛そうなので止めて頂きたい)
道すがらケヴィンがトリ―ナー男爵から今回訪れた要件は聞いていた。
どうやらトリ―ナー領の村の一つが魔物に襲われ壊滅的な被害を受けてしまったのだそうだ。
それだけであれば、対処するのは男爵家の役目なのだが、今回は相手が問題なのだった。
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現在、男爵の息子が対応にあたっているのだがその息子からケヴィンに対して救援要請を依頼されたのだ。
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そんなケヴィンにトリ―ナー男爵が咳ばらいをしケヴィンに質問した。
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「………あ”っ」
慌ててエルシャの方を見るもそこにあったのは呆れた様子のエルシャの顔…
エルシャは先日まで侯爵家の娘であり侯爵家の持つ第三爵位である伯爵位を持っていたような女である。
ぶっちゃけ、トリ―ナー男爵やケヴィンなんかよりも遥かに格上であり本来遠慮が必要なのはこちらだったのだ。
ケヴィンとしてはエルシャの事だから勝手に自分で自己紹介が始まるだろうくらいの軽い気持ちだったのだが…
そ ん な 事 は 許 さ な い
エルシャの今の立場は子爵家嫡男であるケヴィンの妻だ。
先日まで持っていた伯爵位も結婚と同時に侯爵家へ返上…以後は妹が繰り上げで継ぐことになるだろう。
実態がどうあれ慣習上ではここでの立場が一番弱いのはエルシャであり、男爵家当主への勝手な発言も無礼にあたる。
ケヴィンに紹介されていない…それはつまり自分がこの場で会話をする事を許されていないと同義。
そんな慣習、田舎貴族で守っている奴いねーよなんて言ってもエルシャには通じない。
貴族が民衆を従えているという国家のあり方において序列というのは建前上絶対であり、貴族であるケヴィンの妻であるためには譲れない礼儀なのだ。
ケヴィンは忘れていた…エルシャという人間は"めんどくせー女"なのだ。
ちなみに、そんな侯爵家の娘であるエルシャが立てている夫に無礼を働いたらどうなるか…
そんな事は考えない方が良いだろう。
ただ、建前を建前として取れなければ"貴族失格"…とだけは理解するべきだ。
「ええと、少々バタバタしていて報告が出来ていませんでした。俺の妻のエルシャルフィールです」
「ケヴィン・フレポジェルヌの妻、エルシャルフィール・フェルエール・フレポジェルヌです。
父はサレツィホール侯爵でありその娘としてこの土地に嫁いでまいりました。
トリ―ナー男爵様とは長いお付き合いとなります、以後お見知りおきくださいませ」
「サレツィホール侯爵家の娘?それにケヴィン…お前本当に結婚したのか??」
美しい娘だとは思ってはいたが、サレツィホール家の娘だというのはまさかである。
そしてそれ以上に驚いたのがケヴィンが結婚したという事実…
エルシャとしては自分の出自よりもケヴィンが結婚した事の方が驚かれている事に驚いてしまうが…
領の村々を回った結果、大分慣れてきてはいた。
気を取り直して先程の交渉に戻る三人。
先程の討伐要請に改めて二つ返事で了承しようとするケヴィンに待ったをかけたのは堅物の妻であった。
「一つお聞きしますが、今回の救援についてどのような取り決めの下で行われるものなのでしょうか?」
「取り決め?」
「いや…そんなもんないな。たまにある事だしなぁ…」
「よくある事なのですか?」
「南の大樹海に面しているウチとトリ―ナー領では森の間引きはちょくちょくやるようになって大分魔物の被害ってのは少なくなったんだけどな…大物がたまに現れるとこうして支援を要請される事はある」
ゆるい…
そしてケヴィンの欠点を見つけた…である。
ケヴィンは元来人が良いのだろうが…貴族としてそれは美徳であり、また欠点でもある。
そしてエルシャにはケヴィンの様に相手の欠点を受け入れ受け流すという器用な芸当はできはしない。
出来るとすればその欠点を補う事、それだけである…
「何度も起きていて、これからも起きる可能性があるのに両者の間に取り決めがないのであれば、ソレは構造的欠陥です。
正直申し上げれば、今回の件はケヴィン様が手を出す事には反対いたします」
「へ?俺一人がちょちょいと行って片づけるだけだぞ」
「ケヴィン様が出陣なさるのであればソレは軍事協力です。
ケヴィン様がこの地を離れるという事はその間この土地が手薄になるという事に他なりません。
軍事力を無償で貸与できると思われては困ります」
「流石に大袈裟じゃないか?」
「ではどこからが大袈裟ではなくなるのですか?
自領で片付けられない問題を他領の人間に頼る…それが無条件で可能と考えているのであればソレは自身の貴族としての存在理由を否定されているのと変わらないのです」
ピシャリと言い放つエルシャの言葉に男二人はぐぅの音も出ない。
エルシャとて男二人にこのような事は言いたくはない。
なにしろ、エルシャは剣など振れないのだ、自分が命を賭けるわけでもないのに軍事に関しての話に我が物顔で介入する立場ではない。
だがしかし、その力が軽視され安易に振るわれるとなると、それは誰かが指摘をせねばならない。
「………ケヴィン、すごい嫁さん貰ったな?」
「そうでしょそうでしょ、美人で頭が良くて心も強い非の打ち所がない嫁さんですよ。いいでしょ?」
そう言ってエルシャを引き寄せるケヴィン
交渉の場で突然引き寄せられて「キャッ」という小さな悲鳴を上げてしまう。
「ケヴィン様…今は真面目な場ですので控えてください」
「…はい」
真面目なトーンで言われてしまいシュンとするも、すぐさま気を取り直してエルシャがどうすれば納得するのかを考える。
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「そうなります…何もないとなるとこちらも困るのです。
この地の物は如何なるものでもこの地の民が守り作り上げた物。
それを無償で貰えると思われたのでは、それは奴隷と代わりがありません。
そして、女神は時限的刑罰以外の奴隷を作る事を許してはおりません」
貧しくもゆる~い辺境で育ってきた二人はこのエルシャのガッチガチの思考に思わず口を引きつらせてしまう。
勿論反論など出来ようはずもない。
彼女の言葉は貴族であるなら当たり前の事なのだから…
「そう固く考えなくても構いません。
例えば助けた事に対してこの領の人間に感謝をしたという"歴史"であってもいいのです。
領民の自尊心を満たす事くらいには使えますからね…」
固いのは君の頭だよ…と一瞬頭に浮かんだが言うと怒られそうなので黙っておく。
「ただ感謝だけというのはおすすめはしません、それはつまりもう一方には劣等感を植え付ける行為と紙一重でもありますから」
ケヴィンはエルシャの話をじっくりと聞いた後、「ふむ…」と考え、そして「よしわかった」と立ち上がりエルシャに言った。
「魔物の討伐に行く事は変わらない、今助けなければならない人間はいるんだからな。
なので俺は準備してくる…後の話し合いはエルシャに任せた」
「へっ?」
そう言ってこの場をエルシャに任せて本当に部屋を後にしてしまったケヴィン。
取り残された二人は思わず顔を見合わせてしまった…
「信頼されておりますな?」
「信頼を作れる程の時間があったわけではありません、一方的な物です。
あの方は人を信頼する事に躊躇が無いのでしょう…裏切られる事すら些細な事と思っているようで。
ですから妻としてはその信頼を裏切るわけには参りません」
そう言うと先程までの夫に寄り添う妻の目から交渉人の目へと変わっていった。
それはまるで自分の羊を守る狼がもしこの羊に手を出そうとするならば喰い殺す…そう言わんばかりの覇気。
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