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2章:新婚旅行は幻惑の都で…(後編)
35.紅薔薇と皇子
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パーティ―会場に『邪神の結界』が出現した事で、城は一時的に混乱に陥いる。
そしてその混乱に乗じて『赤き血潮』は後宮への潜入を試ていた。
皇帝と皇太子が集るそこを襲撃、暗殺に成功すればハーケーンは大きく揺れる。
皇国が混乱すればそれは女神を愚弄する皇室への不信へと繋がり、それは女神ヴェルイードへの理解へとつながるだろう。
何としてもやり遂げなければならない。
『赤き血潮』達は事前に地図を入手し確認した後宮へのルートを進む。
そして、この時間帯には人が少ない大后の庭園へと足を踏み入れると何やら甘い香りが漂って来た。
(趣味が悪い匂いだ…)
そんな事を思いながら歩いていると次第に体がピリピリとした感覚に変わっていく…
最初は気のせいと無視していたが段々と体が重くなっていき、ついにはその歩みを止めてしまった。
「なんだ?体が…」
そんな呟きをしたかと思うと、次の瞬間先頭を歩いていた一人の頭がメイスに砕かれていた。
「…は?」
倒れ込む男を呆然と見つめる他のメンバー達。
すぐさま何が起こったのかを理解した。
庭園の植木の影から一人の女が現れ問答無用で男の頭をメイスでカチ割ったのだ。
「な、なんだ貴様!…お前は『紅薔薇』のリーダー!?」
ハッとなって周りに目を凝らすと『紅薔薇』のメンバー達に囲まれているではないか。
「な、何故!?」
その問いにニタニタと心底楽しそうな笑顔と共に吐き捨てるリディア達。
「『紅き血潮』のバカどもが取立てしてこないってのはあり得ないんだよバーカ!!」
「姐さん、これって借金チャラって事っすよね!!」
「酔ってイカサマ使えない時の話をネチネチと…天罰だ、ざまぁ見ろ!!」
「キャー!徳政令よ徳政令!!感謝します女神様!!!」
冒険者を引退し情報を何も持っていない彼女達からしても、この『赤き血潮』達が本物でない事は一目瞭然であった。
何故なら自分達が旦那に黙ってギャンブルでうっかり作ってしまった借金の催促をしてこなかったから。
そして追ってきた理由も単純明快、借金の踏み倒しである。
これに抗議の声をあげるのは『赤き血潮』の面々である。
「な、仲間を傷つけるつもりか!?」
しかし、この抗議には一同眉をひそめてしまう。
「はぁ?仲間ってどういう事だ???」
「わかんねぇっす…冒険者に仲間なんているんすかねぇ?」
「たまに協力した事はあるけど…利害が一致した時くらいかなぁ?」
「あとは足を引っ張る時には良く使うけど…それくらい?」
勿論個人の感想である。
ここまで他人を信用していないチンピラはそうそういないのだ。
「とりあえず後宮に近づこうとする不埒物をぶっ殺しとかなきゃな?」
「わ、我々は任務が…」
「ああーそういうのいいわー、とりあえず口きけなくした後調べるから」
「そうそう、仮に問題なかったとしても喋らなければどうという事は無いしね…」
「私達は貴族で『赤き血潮』はただの冒険者だし?」
貴族と平民の格差…そんな不条理がフィフティフの頭に浮かんだがすぐに消え、すぐに理解した。
彼女たちは決して貴族だから自分達の言葉を聞かないわけではないのだ。
彼女たちはこの世の全てを見下している…
圧倒的な"クズ"なのだから…
そしてそこからは単なる殺戮であった。
「死ね死ね死ねー!!ギャハハハハ!!!」
「姐さんそいつもう動いてないっすよ?あ、こっちもーらい!!
『エンチャント・ウェポン』バッター振りかぶって…うりゃ、ほーむらん!」
「新しい毒を試したいんで一匹もらいますねぇー、中身一緒だと違いが分かり易くていい」
「『ネガティブ・ヒール』…ほらほら、が~んばれ!が~んばれ!」
ちなみに彼女たちの夫も戦闘になる事を覚悟し剣を抜きついて来ていたのだが…
戦いの前には場合によっては彼女たちの盾となる事を辞さない気持ちでついて来た彼ら。
しかし今は剣を鞘にしまい祈りを捧げていたのであった。
「「「「おお、女神よ…彼女らに救いを与えたまえ…」」」」
『Gya!Gya!Gya!』というゴブリンの鳴き声でも聞いているかのような彼女たちの歓声…
せめて彼女達に人の心が残されている事…ただそれだけを祈るのだ。
………
……
…
しばらくして近衛騎士団が到着するのだが既に事は終わっていた…
「これは………一体どういう状況だ?」
「あれ、コルノディエ近衛騎士団長…どうかしたんですか?
うちらは不審者をぶっ殺してるとこなんですが」
「不審者………」
言われてチラリと現状を確認するのだが…
そこにあったのは、醜い肉塊とどうやら冒険者の血が騒いでしまったらしく殺した獲物から身ぐるみを剥ぐ淑女?達の姿であった。
「後宮に誘い込んで包囲する予定だったのだが…どうやら失敗したようだな」
大后のお気に入りの庭園が血に染まるのを見て騎士団長は頭を抱えた。
どうやら近衛騎士団の仕事はこの庭園に散らばる肉片の掃除になりそうだ…
―――――――――――――――――
「クソクソクソ!!一体どうなっているんだ!?」
皇族を暗殺しパーティー客を一気に支配、第四皇子を皇帝にし傀儡とする…
だが結果は暗殺には失敗し訳のわからない結界でパーティー会場は塞がれ状況が全く分からなくなった。
全く計画とは違う今の状況…
(やはりあのような者達を使うべきではなかったのだ!)
ロ―マック伯爵家がハーケーン皇国で日陰に追いやられている昨今。
邪教徒どもを利用し一発逆転を狙ったはずが、その邪教徒共の計画はことごとく失敗。
状況不明の中、ロ―マックは第四皇子の寝室へと急いだ。
「ロ―マック伯爵、このような時間にどうなされたのですか!?」
「予定が変わった…すぐにここを発たねばならない。
皇子を連れて行く、部屋にいるな?」
「っ!?…は、はい…おります。どうぞお入りください」
ロ―マックは開かれた扉の中へと進みベッドへと近づく。
(皇子さえ保護しておけば後はどうにか…)
そして、掛布団をめくるのだが…そこはもぬけの殻。
「おい!これはどういうことだ!?」
振り返るロ―マックであったが、そこには侍女の姿は既に無い。
代わりにいたのは…
「おやおや、これはロ―マック伯爵…このような時間にいかようか?」
「!!―――コルディーニ皇子」
その姿にドッと汗が噴き出して来るロ―マック。
何とかこの場を誤魔化さねばならないのだが…
「パーティー会場に賊が侵入したようなのでな…皇子を避難させようとしたまで…」
「ふむ…だがそれは近衛の仕事…貴殿がこのような場所に訪れる理由にはなるまい」
わざとらしく少し腑に落ちないとというような仕草をした後、すぐに後ろに控えている人物に話を振った。
「まあよい、バーベラ…どうだった?」
「はい、ジェジルと接触があった人間全員の調査をした結果、ロ―マック伯爵邸から例の腕輪の類似品が多数押収された上、側近から教団への関与の供述が取れております」
「―――だそうだ。ちなみに先程の侍女は私が口説いたらすぐに態度を改めてくれたぞ?
いやぁ、フォズがいなくなって顔を青くしている所を慰めただけなのだがなぁ。
いやはや、私も罪な男だ…ああ、この場合罪があるのは貴公になるのか?」
クククと笑いながらロ―マックに対して現状を突きつけるコルディーニ。
「何か申し開きはあるか?」
フルフルと震える体…
全てを知られたからには死罪は免れないだろう。
何とか生き延びたい…その為に咄嗟に剣を引き抜くも、近衛が入室してくると観念した。
カランと剣を落とすと怒鳴り声をあげた。
「シュージーン公爵め…あの男さえいなければっ!!忌々しい!!」
ロ―マック伯爵が吐いたその名を聞いてもコルディーニ皇子は何の驚きも無かった。
本人が目立とうとしなくても勝手に光を浴びてしまう人間。
その結果影となってしまう人間にとってはこれ程憎い相手もいないのだろう。
「妹の婚約者殿も苦労が絶えないな…連れて行け」
まあ、そもそも面倒な皇帝という地位を兄に押し付けたい自分に原因があると言えなくもない。
目下目障りな第四皇子派にダメージを与えるために、ヒイロが作ってしまった人工ルビーをこっそり売りさばいたのだ。
案の定特産品のルビーが思うように売れなくなり皇国での地位が沈んで来たロ―マック伯爵が自滅してくれたわけだ。
後は人工ルビーの方は気づかれない内にフェードアウトさせ伯爵領の領地を没収するだけであった…
「バーベラ手間を取らせたな、ここはもういいぞ」
「それでは失礼いたします」
バーベラは一礼しその場から離れていった。
そしてその混乱に乗じて『赤き血潮』は後宮への潜入を試ていた。
皇帝と皇太子が集るそこを襲撃、暗殺に成功すればハーケーンは大きく揺れる。
皇国が混乱すればそれは女神を愚弄する皇室への不信へと繋がり、それは女神ヴェルイードへの理解へとつながるだろう。
何としてもやり遂げなければならない。
『赤き血潮』達は事前に地図を入手し確認した後宮へのルートを進む。
そして、この時間帯には人が少ない大后の庭園へと足を踏み入れると何やら甘い香りが漂って来た。
(趣味が悪い匂いだ…)
そんな事を思いながら歩いていると次第に体がピリピリとした感覚に変わっていく…
最初は気のせいと無視していたが段々と体が重くなっていき、ついにはその歩みを止めてしまった。
「なんだ?体が…」
そんな呟きをしたかと思うと、次の瞬間先頭を歩いていた一人の頭がメイスに砕かれていた。
「…は?」
倒れ込む男を呆然と見つめる他のメンバー達。
すぐさま何が起こったのかを理解した。
庭園の植木の影から一人の女が現れ問答無用で男の頭をメイスでカチ割ったのだ。
「な、なんだ貴様!…お前は『紅薔薇』のリーダー!?」
ハッとなって周りに目を凝らすと『紅薔薇』のメンバー達に囲まれているではないか。
「な、何故!?」
その問いにニタニタと心底楽しそうな笑顔と共に吐き捨てるリディア達。
「『紅き血潮』のバカどもが取立てしてこないってのはあり得ないんだよバーカ!!」
「姐さん、これって借金チャラって事っすよね!!」
「酔ってイカサマ使えない時の話をネチネチと…天罰だ、ざまぁ見ろ!!」
「キャー!徳政令よ徳政令!!感謝します女神様!!!」
冒険者を引退し情報を何も持っていない彼女達からしても、この『赤き血潮』達が本物でない事は一目瞭然であった。
何故なら自分達が旦那に黙ってギャンブルでうっかり作ってしまった借金の催促をしてこなかったから。
そして追ってきた理由も単純明快、借金の踏み倒しである。
これに抗議の声をあげるのは『赤き血潮』の面々である。
「な、仲間を傷つけるつもりか!?」
しかし、この抗議には一同眉をひそめてしまう。
「はぁ?仲間ってどういう事だ???」
「わかんねぇっす…冒険者に仲間なんているんすかねぇ?」
「たまに協力した事はあるけど…利害が一致した時くらいかなぁ?」
「あとは足を引っ張る時には良く使うけど…それくらい?」
勿論個人の感想である。
ここまで他人を信用していないチンピラはそうそういないのだ。
「とりあえず後宮に近づこうとする不埒物をぶっ殺しとかなきゃな?」
「わ、我々は任務が…」
「ああーそういうのいいわー、とりあえず口きけなくした後調べるから」
「そうそう、仮に問題なかったとしても喋らなければどうという事は無いしね…」
「私達は貴族で『赤き血潮』はただの冒険者だし?」
貴族と平民の格差…そんな不条理がフィフティフの頭に浮かんだがすぐに消え、すぐに理解した。
彼女たちは決して貴族だから自分達の言葉を聞かないわけではないのだ。
彼女たちはこの世の全てを見下している…
圧倒的な"クズ"なのだから…
そしてそこからは単なる殺戮であった。
「死ね死ね死ねー!!ギャハハハハ!!!」
「姐さんそいつもう動いてないっすよ?あ、こっちもーらい!!
『エンチャント・ウェポン』バッター振りかぶって…うりゃ、ほーむらん!」
「新しい毒を試したいんで一匹もらいますねぇー、中身一緒だと違いが分かり易くていい」
「『ネガティブ・ヒール』…ほらほら、が~んばれ!が~んばれ!」
ちなみに彼女たちの夫も戦闘になる事を覚悟し剣を抜きついて来ていたのだが…
戦いの前には場合によっては彼女たちの盾となる事を辞さない気持ちでついて来た彼ら。
しかし今は剣を鞘にしまい祈りを捧げていたのであった。
「「「「おお、女神よ…彼女らに救いを与えたまえ…」」」」
『Gya!Gya!Gya!』というゴブリンの鳴き声でも聞いているかのような彼女たちの歓声…
せめて彼女達に人の心が残されている事…ただそれだけを祈るのだ。
………
……
…
しばらくして近衛騎士団が到着するのだが既に事は終わっていた…
「これは………一体どういう状況だ?」
「あれ、コルノディエ近衛騎士団長…どうかしたんですか?
うちらは不審者をぶっ殺してるとこなんですが」
「不審者………」
言われてチラリと現状を確認するのだが…
そこにあったのは、醜い肉塊とどうやら冒険者の血が騒いでしまったらしく殺した獲物から身ぐるみを剥ぐ淑女?達の姿であった。
「後宮に誘い込んで包囲する予定だったのだが…どうやら失敗したようだな」
大后のお気に入りの庭園が血に染まるのを見て騎士団長は頭を抱えた。
どうやら近衛騎士団の仕事はこの庭園に散らばる肉片の掃除になりそうだ…
―――――――――――――――――
「クソクソクソ!!一体どうなっているんだ!?」
皇族を暗殺しパーティー客を一気に支配、第四皇子を皇帝にし傀儡とする…
だが結果は暗殺には失敗し訳のわからない結界でパーティー会場は塞がれ状況が全く分からなくなった。
全く計画とは違う今の状況…
(やはりあのような者達を使うべきではなかったのだ!)
ロ―マック伯爵家がハーケーン皇国で日陰に追いやられている昨今。
邪教徒どもを利用し一発逆転を狙ったはずが、その邪教徒共の計画はことごとく失敗。
状況不明の中、ロ―マックは第四皇子の寝室へと急いだ。
「ロ―マック伯爵、このような時間にどうなされたのですか!?」
「予定が変わった…すぐにここを発たねばならない。
皇子を連れて行く、部屋にいるな?」
「っ!?…は、はい…おります。どうぞお入りください」
ロ―マックは開かれた扉の中へと進みベッドへと近づく。
(皇子さえ保護しておけば後はどうにか…)
そして、掛布団をめくるのだが…そこはもぬけの殻。
「おい!これはどういうことだ!?」
振り返るロ―マックであったが、そこには侍女の姿は既に無い。
代わりにいたのは…
「おやおや、これはロ―マック伯爵…このような時間にいかようか?」
「!!―――コルディーニ皇子」
その姿にドッと汗が噴き出して来るロ―マック。
何とかこの場を誤魔化さねばならないのだが…
「パーティー会場に賊が侵入したようなのでな…皇子を避難させようとしたまで…」
「ふむ…だがそれは近衛の仕事…貴殿がこのような場所に訪れる理由にはなるまい」
わざとらしく少し腑に落ちないとというような仕草をした後、すぐに後ろに控えている人物に話を振った。
「まあよい、バーベラ…どうだった?」
「はい、ジェジルと接触があった人間全員の調査をした結果、ロ―マック伯爵邸から例の腕輪の類似品が多数押収された上、側近から教団への関与の供述が取れております」
「―――だそうだ。ちなみに先程の侍女は私が口説いたらすぐに態度を改めてくれたぞ?
いやぁ、フォズがいなくなって顔を青くしている所を慰めただけなのだがなぁ。
いやはや、私も罪な男だ…ああ、この場合罪があるのは貴公になるのか?」
クククと笑いながらロ―マックに対して現状を突きつけるコルディーニ。
「何か申し開きはあるか?」
フルフルと震える体…
全てを知られたからには死罪は免れないだろう。
何とか生き延びたい…その為に咄嗟に剣を引き抜くも、近衛が入室してくると観念した。
カランと剣を落とすと怒鳴り声をあげた。
「シュージーン公爵め…あの男さえいなければっ!!忌々しい!!」
ロ―マック伯爵が吐いたその名を聞いてもコルディーニ皇子は何の驚きも無かった。
本人が目立とうとしなくても勝手に光を浴びてしまう人間。
その結果影となってしまう人間にとってはこれ程憎い相手もいないのだろう。
「妹の婚約者殿も苦労が絶えないな…連れて行け」
まあ、そもそも面倒な皇帝という地位を兄に押し付けたい自分に原因があると言えなくもない。
目下目障りな第四皇子派にダメージを与えるために、ヒイロが作ってしまった人工ルビーをこっそり売りさばいたのだ。
案の定特産品のルビーが思うように売れなくなり皇国での地位が沈んで来たロ―マック伯爵が自滅してくれたわけだ。
後は人工ルビーの方は気づかれない内にフェードアウトさせ伯爵領の領地を没収するだけであった…
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