追放令嬢とフレポジ男:婚約破棄を告げられ追放された侯爵令嬢はあてがわれたド田舎の男と恋に落ちる。

唯乃芽レンゲ

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2章:新婚旅行は幻惑の都で…(後編)

43.フレポジ夫婦と守護

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「本日よりジェジルの代わりにこの『黄金の稲穂』のクランハウスで勤める事になりましたバーベラです」
「メイド長…」

エルシャの下に挨拶に来たのは皇室メイド長、バーベラであった。
皇宮の仕事を引退しこのクランハウスで勤める事になるのだそうだ。

「エルシャルフィール様は…エメルさんとは同一人物という事でよろしかったでしょうか?」
「はい、事情があったとはいえ騙すような真似をしてしまい申し訳ありません」
「いいえ、こちらも警戒はしておりましたし、何よりコーデリア様の大切なご友人ですから。
個人的にはスカウトできない事が残念ではありましたが…」

自分をメイドとして雇う…その斬新な発想にはエルシャはキョトンとしてしまう。

「…やはり皿洗いが問題だったでしょうか?」
「左様でございますね」

そう言って二人はクスリと微笑む。


ジェジルの葬儀はエルシャが眠っている間に速やかに行われたそうだ。
数日しか世話になっていない間柄なので、待ってもらえないのは当然ではある。
死者の弔いは速やかに、そして生ある者は明日へ歩みを進めなければならない。
それがロアリスの教え…人は死者の為に生きてはいけないのだから。

「それで、ジェジル殿の後をメイド長が引き継ぐのですね」
「ジェジルのやり残した仕事は私が片づけなければなりませんから」
「やはり面識がおありでしたか…皇宮の執事だったのでしょう?」
「はい、というより…昔の恋人というやつです」

バーベラとジェジルは昔、婚約までした恋人関係であった。
しかし、バーベラが病を患い子供が出来なくなってしまった、貴族である二人にとって子を為せない結婚など無意味…
ジェジルはそれでもと言ってくれたが、結局バーベラはその婚約を破棄したのだった。

「そうでしたか…」
「ああ、誤解なきよう言わせていただきますが、人並みにロマンスはございましたよ?」
「…そうなのですか?」
「ええ、ジェジルに他に良い人が現れたなのならば身を引くつもりではありましたが…
もし奇跡でも起こって子供を宿せたのならば…という悪あがき」

「それと…そうですね」
「正直に申しますと、やはり他の女性に自分の男が盗られるのは良い気はしないものです…」
「…はい」

そして、お互い恋などという年でもなくなり仕事を生き甲斐とするようになっていった…
これが貴族であるジェジルとバーベラのロマンス。

「人というのはこんなにもあっさりと別れが訪れる物なのですね…」
「…歴史書に書き綴られた英雄たちが為した偉業の様に、ジェジル殿の執事としての技術は弟子たちの中で受け継がれていくと信じましょう」
「それを色褪せぬ様にする…それが生ある者の努め、でございますね」
「はい、彼の者が女神の望む世界を作る一助になったのだと示すために…」

女神の花園へと旅立った者達の記憶は生ある者達の為に…
だからこそエルシャは祈るのだ。

「ですが、突然の引継ぎで大変でしょう。良ければ今後の教育方針の参考までにこの館の使用人についての評価をお伝えしましょうか?」
「まあ、それは大変ありがたい事です…サレツィホール家の方からの評価などという貴重な機会そうそうある者ではありません。皆の宝となりましょう…」

この時には既に二人の中で不思議な感覚が芽生えていた…

((親近感を感じるのは何故だろうか…?))

…と。

そして、傍で二人の話を聞いていたメイド達は悟った。
エルシャがこの館に滞在する残りの数日間、そこは自分達にとっての楽園では決してないだろうという事を…


――――――――――――――――――――

モブールは自分が置かれた状況に戸惑っていた。

目が覚めた時には独房に放り込まれていた。
三日ほど臭い飯を食わされていたのだが、昨日突然に独房から出され別の牢へと移動させられたのだ…

そしてその牢なのだが…それが何処の高級ホテルなのだと言いたくなるような豪華な場所であった。
貴族の取り調べを行うための拘留施設なのだとかで奇麗なベッドに今まで食べた事の無いような豪華な食事と酒まで出る高待遇。

もしかしたら自分は処刑されるのではないかとビクビクしながら食器を片づけに来たメイドに訊ねてみた。
すると、あのお姫様が手を回してくれたという話を聞くことが出来た。

どうやらお姫様、上手くやったようだ。
でなければ自分の様な人間がここまでの高待遇を受けれるはずは無い。
モブールはホッと胸をなでおろした。
それは自分が報酬をちゃんと貰えるという安堵もあったが、何よりあのお姫様が無事であるという事の方が何故だか大きく感じた。

それからしばらく、メイドが暇つぶしにどうぞと置いて行ってくれた本のページをパラパラとめくり、挿絵からこの本に何が書いてあるかを当てるゲームに興じていた。
すると突然、扉をノックする音がした後に牢の扉が開いた。

今日あたりあのお姫様が引き取りに来てくれると言っていたのできっとソレだろうと立ち上がるモブールであったが…
そこに立っていたのは見知らぬ女であった。

「外に出て行かれると後で探すのが大変だったのでここで待ってもらいましたが、窮屈でしたでしょう?」
「いや、暇だけど飯が美味いから別にいいよ…それよりあんた誰?」

その回答に女は心底驚いた様子…いや、感動している?

(何なんだこの女…?)

女を訝しげ見ながら、その後ろの気配に目を配る…
するとそこには見知った顔があった。

「あっ!てめぇケヴィンじゃねぇか!こないだはよくもやってくれたな!!」

一瞬で頭に血が上り掴みかかろうとするのだが、そこに待ったがかかった。

「控えなさいモブール!!貴族に手を出せばその場で手打ちですよ!?」
「っ!!」

その言葉で体を硬直させるモブール。
この雰囲気…そして貴族然とした態度。

「………あんたもしかしてあのお姫様か?」
「はへ!?ええ、そうですが………よくわかりましたね?」
「???いや、その口調とか偉そうな態度とかで…でもこんな顔だったっけか???」
「ああ、なるほど。"エメル"の方の顔もうろ覚えだったけど、関係性だけは覚えていたと…」
「…バカにしてんのか?」
「いえ、そんな事はありません(そうは思っておりますが)」

「なあエルシャ…本当にコレを扱えたのか?」
「自分でもビックリしているので言わないで下さい」
「ああ、バカにしてんなこれ…」

モブールだって自分の頭の出来がいいとは思ってはいない。
だが、だからと言って面と向かって馬鹿にされたら腹も立つ。
そして一番腹立たしいのはあのお姫様が旦那を連れだって自分を馬鹿にしに来た事だ…

「チッ…なあお姫さんよ、そろそろこっから出してくれんだろ?」
「雇い主に対する態度ではありませんね?」
「ンだとこらぁ?散々待たせておいてまだ何か…「では報酬はいらないのですね?」態度デカくてごめんなさい」

報酬をぶら下げられた瞬間にモブールが立てた腹は一瞬で引っ込んだ。
何せ金貨十枚である、そんな大金の前ではモブールの安いプライドなどいくらでも捨てて見せるだろう。
これにはケヴィンも呆れた顔で声をかける。

「ったく、金貨十枚なんて上手くやったな?」
「へへ、いいだろ…牢屋で寝てるだけで金貨十枚だぜ?」
「………???」

「あの…パーティー会場に乱入してきた事、本当に覚えていないのですか?」
「ん?ああ、なんか変な女騎士にも聞かれたな…お姫さんと別れた後取り調べを受けてた所までは覚えてるんだけどな」
「コルノディエ殿の調書は拝見しましたが…」
「な、なあ…そんな事よりほら」
「ああ…そうですね」

モブールの事で考え込んでしまったエルシャであったが、そんな事よりもモブールにとってはお金の方が重要であった。
催促するような仕草をするモブール。

「その事なのですが、報酬の方は冒険者ギルドを介してお支払いする事に致しました」
「はぁ?…なんでそんな面倒臭い事、ギルドの連中に余計に金取られるだけだろ」
「これは貴方にも問題があるのですよ?…私が約束したのは金貨十枚と名声です」
「それが何だってんだ?」
「金貨十枚は手渡しでもいいのですが、名声の方が問題なのです」

本来であれば、コーデリア皇女を通して勲章ないし感謝状の一つでも…と考えていたのだが、身辺調査の結果このモブールという男、あまりにも素行が悪すぎてそれらを渡す事が出来なかったのである。

「なので、今回の仕事は正式に皇室からの指名依頼として処理する事にしてもらいました」
「皇室…って皇帝の野郎って事か?」
「野郎って…陛下とお呼びしなさい。…正確には皇帝陛下ではなくコーデリア皇女殿下の依頼となりました」
「ほ~ん?」

絶対わかってないと分かるとぼけた顔をするモブールに何故分からないのかが分からず苦々しい顔になるエルシャ。
そんな二人を見てヤレヤレとケヴィンが助けに入った。

「あ~、お前みたいのだと縁が無いだろうから教えてやるが、皇室からの依頼って冒険者ギルドの功績度がべらぼうに高いんだよ」
「そうなのか…?」
「ああ、どれくらいかってーとそれなりに経験がある冒険者ならDランクからあっという間にCランクに昇格しちまう位にな」
「それってつまり…」
「正式な決定は冒険者ギルドから聞く事になりますが、ほぼ確定でしょう…Cランクへの昇格おめでとうございます」

突然の昇格を聞いて清々しい程の呆然を披露するモブールであった。

「それと、私が捨てさせた剣なのですけど…」
「ん?…ああ、そういえばどうなった!?」
「見事に無くなっていたそうです…」
「………だよな」
「コホン…ですので代わりの物をケヴィン様に用意していただきました。気に入ればいいのですが」
「おう、お前の力でぶん回すだけの頭にピッタリの剣を選んだぞ」

そう言ってケヴィンが見せたのは普通の剣より一回り大きなトゥーハンデッドソード。

「塩梅には悩んだが、少ないがミスリルも含有しているCランク冒険者なら持ってもおかしくない逸品だ。まあ気に入らないのなら売ってその辺のナマクラ買うんだな」
「………マジ?」
「マジだよ、これでも感謝してるんだぜ?なんたって俺の妻であるエルシャが世話になったんだからな」

ケヴィンがその剣を鞘から抜いて見せるとその刀身にモブールの眼がたちまち引き寄せられる。
その瞳は先程まで金貨十枚に傅いていた下種な男の物ではない。
その剣を手に取り命がけの冒険をする…そんな姿を夢想し胸を高鳴らせる少年の瞳であった。

ケヴィンは剣を鞘に納めると、それを重いぞと言うようにそっとエルシャに渡たした。

「…っとと。重いですね」

剣を持つのは、兄がいたずらでエルシャを騎士団の訓練場まで連れ出しコッソリ持たせてもらった時以来だ。
あの時はその重さにビックリしてうっかり落としてしまった。
剣が落ちた音があまりにも大きかったため、オロオロと慌てているのを見られ兄に笑われたものだ。
そのため、重さに覚悟しながら持ったのだが…
それは小さい頃に持った剣よりも重いと感じる程大きな剣であった。

「おいモブール、貴族から物貰う時は跪いておけよ」
「なんでだよ?」
「その方が貴族のサービス良くなるんだよ」
「お、おう…?」

言われるがままに膝をついて頭を下げる。
跪くというには不格好であるが、平民であればこれでも問題は無いだろう。
要は貴族に対して礼を尽くすことが重要なのだ。
冒険者が剣を振るうように、貴族は権威を振りかざして戦うのだから。

エルシャは自分に対して素直に礼を尽くしてくれるモブールに語り掛けた。

「モブール、あなたは自身の<スキル>について何か聞かされておりますか?」
「<スキル>?んにゃ、俺はそんなもん持ってないぞ。孤児院にいた時に鑑定してもらったから確かだ」
「そうですか…実はコルノディエ殿の調書にはあなたに<スキル>の発現が見られたありました」
「はぁ!?嘘だろ…一体どんな???」

皇国、王国共に鑑定は一般的に成人前に魔術師によって行われる。
そしてその鑑定とは意識的、無意識的に関わらず既に発現した<スキル>のみを調べることが出来る。
貴族の場合は幼少期に様々な経験を積ませる事によって<スキル>の発現を試す事が多い。
勿論それでも<スキル>を持つ人間は少ないのだが…

そして、幼少期に発現しなくとも、稀にその後の人生で何かをトリガーにして<スキル>が発現する事がある。
モブールの場合はそれに該当するのだが…
問題はそのトリガーが何か…である。

「モブール…あなたは守るべきものを持ちなさい」
「何だいそりゃ?」
「何でも良いのです…名誉、お金、意地、恩人、恋人、家族…何か一つ、命を賭けてでも守らねばならぬものです…
そして、それが脅かされた時…その時に感じる感情」

「それが"誇り"です」

「女神が貴方に授けたのは、その"誇り"を守るための<守護>のスキルです」
「俺に…<守護>のスキル?………でも俺に守る物なんて」
「女神の間違えか、女神の気まぐれか、それとも…なんて、それは私の領分ではありませんね」

エルシャの言葉を聞いて考える。
そしてモブールはポケットから一枚の金貨取り出し握りしめた。
あの時いったい自分は何を掴もうとしていたのか…
しばし考えて、その結果とある結論に達した。

「なあ…それってやっぱり伏せカードなんじゃねーの?」
「あら、伏せカードで戦うのは得意なのでしょう?」
「…ああ、それしかやり方を知らない程度にはな」

クスリと笑うエルシャ。
そして、剣を手渡した。

「あなたに女神の加護がありますように…」

「たまにはお祈り行かなきゃなんなくなったな」




「ああ、言い忘れておりました」

別れる直前、エルシャが何かを思い出したように立ち止まる。

「あなたが今後何か事件を起こしてフレポジェルヌやサレツィホール、皇家などの名に傷をつけた場合、名誉のために処分致しますのでそのつもりで」
「あん?」
「分かり易く言うと冒険者ギルドの方に問題を起こしたら厳正な処分を行うよう既に伝えております…」
「…マジ?」
「………???」
「いや、こういうのって普通問題起こしたら口利きしてくれるとかじゃねーの!?」
「問題を起こさないのが普通ですよ?」

当たり前だろ?と首を傾げるエルシャの姿に確信した。
自分はこの先永遠に、問題を起こしたら罪が重くなるデバフを受けたのだという事を…

………

……



「なんでアイツに<守護>なんていう嘘教えたんだ?」
「調書を読んだ限り、彼の<怒り>のスキルは恐らく何かの為に"怒り"を感じた時に発動するスキルと推察しました。
でなければあの短気な性格で今まで発現しなかった事に説明が付きません。ならば伝え方が違うだけで一緒でしょう?」

「それで、なんでそんな回りくどい事を?」
「私は彼が粗暴な人間である事を知っているからです…<スキル>は人を傲慢にさせますソレは今の彼にとっては害でしかないでしょう?」
「<スキル>は人を傲慢にさせる…か。それは分かるな」
「………???」
「でもすぐにバレるんじゃないか?鑑定を使える魔術師って結構いるぜ?」
「構いません、私がそう教えた事が重要なのですから」

重要なのは真実ではなく、何を伝えたかったかだけなのだから。



ちなみにこの後エルシャが利用した服飾店にも寄ったのだが…
エルシャが本物のサレツィホール侯爵家の娘であり、なんとあの『黄金の稲穂』のSランク冒険者、"百戦百敗"のケヴィンの妻であるという事を知った店員達。
サレツィホール家関連施設への紹介状を手に貴族街に勝鬨があがったのは言うまでもない。

…容姿が違う?
そんな"貴族様の戯れ"に対する指摘など無粋なのだ。
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