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9話 飛蝗の害
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事件の落とし前は、ミカワヤの利権をそっくりそのままナオ達の主人であるリュウイチに譲渡することでケリが付いた。
もっとも譲り受けたのはソロモンのミカワヤの建物とそこで商売する権利だけ。
ミカワヤが溜め込んでいた金や表向きの商品は商業ギルドが引き取り、ミカワヤが関わっていた違法奴隷の解放と賠償に使われることになったからだ。
また商業ギルドの調査によりナオ達のエルフ村の生き残りはミカワヤの地下にいた3人とナオとリベッチオの5人だけだったことが判明する。
そのためエルフ村に隠された食料は回収されてソロモンで現金化。
その金を頭金にしてソロモンに一軒家が購入される。
これはアルテミスの提案によって、ソロモンで手に入れた商店で村の余剰分の食料を販売することになりエルとアールの姉妹が店員として雇われることになったからだ。
そしていまエルとアールの首には経済奴隷の首輪が装着されている。
ソロモンで購入した家の残金をリュウイチに借金したという形である。
借金を返済して自由になり何もない村に戻るより、経済奴隷としてある程度の期間をリュウイチたちに保護してもらって、街で暮らす基礎を作ることを選んだのだ。
そしてアルテミスがソロモンでのミカワヤの建物とそこで商売する権利しか受け取らなかった理由が判ったのはナオ達が来て9カ月が過ぎた初秋の頃だった。
「今日の収穫です」
ナオはドンと机の上に袋をふたつ置く。
袋の口が開き中から零れたのは羽が切り飛ばされた褐色の飛蝗。別名ダイミョウイナゴ。
※本来、飛蝗とはトノサマバッタやサバクトビバッタの群生相のことを指します。
「ダメにしたのは?」
「五袋です。最近ロック鳥が餌を沢山くれる人だと認識して懐いてきました」
アルテミスの問いにナオは肩を竦めて答える。
「二袋ぶんの飛蝗。少しは剣に自信が付きましたか?」
その問いにナオはほんの少しですがと小さく呟いて頭を下げる。
この9カ月間ナオは剣をリベッチオは弓を徹底的に仕込まれ鍛え上げられていた。
とくにここ一週間、大量に襲来してきた飛蝗の羽だけを切り落とすという無茶な特訓がナオを一段階上に押し上げていた。
「アルテミスさまはこの事態を予想されていたのですか?」
「去年の異常気象で蟲害の下地は出来ていたしアルファから幼体の目撃報告もあったからね」
情報収集のため北の魏府王国に出向いている男エルフの名前が出てくる。
「ソロモンのミカワヤを手に入れたのは…」
「貴女たちのお蔭で村の存在をぼやかしたうえで商売ができ儲けることができました。感謝しています」
アルテミスは机の上の飛蝗をみて右手の壁の地図をみる。
地図には大陸北東部に一か所。大陸の中央に一か所。緑のピンが止められていてその周囲が赤く塗られていた。
これは飛蝗の被害地域でありソロモンとリュウイチの村はその範囲に入っている。
リュウイチの村ではナオを中心に大量のスケルトンによる昼夜を問わない人海戦術で飛蝗を駆除していたので大きな被害は出ていなかったが、ソロモンとその周辺の村々では作物に壊滅的な被害が出ていた。
2年続きの飢饉、いや大飢饉が予想されており、それを見込んでそこそこの値段で売り出されたリュウイチの店の食料はあっという間に完売していたのだ。
「綺麗な飛蝗はいつものように佃煮に加工して売りますから工房に、それでどうします?」
「三割を現品でください。七割を借金の棒引きでお願いします」
過酷な修行の末に昆虫食をマスターしていたナオであった。
もっとも譲り受けたのはソロモンのミカワヤの建物とそこで商売する権利だけ。
ミカワヤが溜め込んでいた金や表向きの商品は商業ギルドが引き取り、ミカワヤが関わっていた違法奴隷の解放と賠償に使われることになったからだ。
また商業ギルドの調査によりナオ達のエルフ村の生き残りはミカワヤの地下にいた3人とナオとリベッチオの5人だけだったことが判明する。
そのためエルフ村に隠された食料は回収されてソロモンで現金化。
その金を頭金にしてソロモンに一軒家が購入される。
これはアルテミスの提案によって、ソロモンで手に入れた商店で村の余剰分の食料を販売することになりエルとアールの姉妹が店員として雇われることになったからだ。
そしていまエルとアールの首には経済奴隷の首輪が装着されている。
ソロモンで購入した家の残金をリュウイチに借金したという形である。
借金を返済して自由になり何もない村に戻るより、経済奴隷としてある程度の期間をリュウイチたちに保護してもらって、街で暮らす基礎を作ることを選んだのだ。
そしてアルテミスがソロモンでのミカワヤの建物とそこで商売する権利しか受け取らなかった理由が判ったのはナオ達が来て9カ月が過ぎた初秋の頃だった。
「今日の収穫です」
ナオはドンと机の上に袋をふたつ置く。
袋の口が開き中から零れたのは羽が切り飛ばされた褐色の飛蝗。別名ダイミョウイナゴ。
※本来、飛蝗とはトノサマバッタやサバクトビバッタの群生相のことを指します。
「ダメにしたのは?」
「五袋です。最近ロック鳥が餌を沢山くれる人だと認識して懐いてきました」
アルテミスの問いにナオは肩を竦めて答える。
「二袋ぶんの飛蝗。少しは剣に自信が付きましたか?」
その問いにナオはほんの少しですがと小さく呟いて頭を下げる。
この9カ月間ナオは剣をリベッチオは弓を徹底的に仕込まれ鍛え上げられていた。
とくにここ一週間、大量に襲来してきた飛蝗の羽だけを切り落とすという無茶な特訓がナオを一段階上に押し上げていた。
「アルテミスさまはこの事態を予想されていたのですか?」
「去年の異常気象で蟲害の下地は出来ていたしアルファから幼体の目撃報告もあったからね」
情報収集のため北の魏府王国に出向いている男エルフの名前が出てくる。
「ソロモンのミカワヤを手に入れたのは…」
「貴女たちのお蔭で村の存在をぼやかしたうえで商売ができ儲けることができました。感謝しています」
アルテミスは机の上の飛蝗をみて右手の壁の地図をみる。
地図には大陸北東部に一か所。大陸の中央に一か所。緑のピンが止められていてその周囲が赤く塗られていた。
これは飛蝗の被害地域でありソロモンとリュウイチの村はその範囲に入っている。
リュウイチの村ではナオを中心に大量のスケルトンによる昼夜を問わない人海戦術で飛蝗を駆除していたので大きな被害は出ていなかったが、ソロモンとその周辺の村々では作物に壊滅的な被害が出ていた。
2年続きの飢饉、いや大飢饉が予想されており、それを見込んでそこそこの値段で売り出されたリュウイチの店の食料はあっという間に完売していたのだ。
「綺麗な飛蝗はいつものように佃煮に加工して売りますから工房に、それでどうします?」
「三割を現品でください。七割を借金の棒引きでお願いします」
過酷な修行の末に昆虫食をマスターしていたナオであった。
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