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10話 ナオの評価ナオの価値
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大陸歴3182年冬。
木の上から平原をみていたナオは目的のもの…六体の大猪の群れを見つける。
大猪は簡単にいえばイノシシだ。ただ20センチの長い牙とお尻付近に生える1メートル近い長さの棘のような毛のもつ攻撃力が洒落にならない。
とくに1メートル近い長さの棘はそのまま短槍として利用できるほど硬くて鋭い。
そのため大猪の退治は大変な労力を強いられる。
すっすっとハンドサインをそれぞれ十数メートル離れた所にいる一体のスケルトンソルジャーと二体のとスケルトンアーチャーに送る。
因みにスケルトンソルジャーには四体の長い棒を装備したスケルトン。スケルトンアーチャーには四体のスリングを装備したスケルトンが部下として控えている。
ハンドサインで示された大猪までの距離と大猪の移動速度。予想される進路を元にスケルトンソルジャーとスケルトンアーチャーが動き始める。
ナオは担いでいた長弓を構え矢を番える。
スケルトン達が予定位置に就いたのを確認して…
ぎりっ
ナオは弓を引き絞る。
そして群れの一番後ろにいる大猪の頭に狙いを付け、前に移し、上に向けて放つ。
しゃっ
矢を放つと共に鋭く風を切る音が響く。
しゃっしゃっ
立て続けに二発、今度は後ろから二番目の大猪の頭目掛けて矢を放つ。
ぷぎぃいぃ
悲鳴があがる。
後ろから二番目の大猪の頭に二本の矢が突き立っていた。
一瞬、大猪の群れがばらける…が。
とすっ
一番後ろにいる大猪の頭に上空から一本の矢が降ってきて眉間を打ち抜く。
一番後ろにいた大猪の悲鳴は一瞬だった。
方向の違う攻撃に警戒した大猪が円陣を組む。
じゃ
矢や石が大猪に降り注ぐのと同時にスケルトンソルジャーと四体のスケルトンが飛び出す。
スケルトンソルジャーがロングソードを振り下ろす。
ぷぎぃいぃ
顔面を割られた大猪がスケルトンソルジャーに突進する。
がしっ
大猪の牙をスケルトンソルジャーは盾で受け止めた。
ばしばしばし
三体のスケルトンが顔面を割られた大猪に向かって長い棒を振り下ろす。
残る一体のスケルトンは他の大猪が助けに入らないように牽制だ。
がす
スケルトンソルジャーのロングソードが再び大猪の顔面にヒットする。
ばしばしばし
三体のスケルトンの長い棒が再び振り下ろされる。
どうっ
大猪が倒れた。
しゃ
二本の矢が刺さっていた大猪にさらに三本の矢が刺さり石が降り注ぐ。
三体目の大猪が倒れる。
あっという間に群れの半分を失い三体の大猪が遁走を開始した。
しゃ
空を切り裂き一本の矢が一体の大猪の足に命中する。
大猪はつんのめるように地面に倒れた。
わらわらと四体のスケルトンが長い棒を振り上げながら大猪に殺到する。
ぷぎぃいぃぷぎぃいぃ
断末魔の悲鳴をあげ四体目の大猪が倒れた。
「追撃は棘の反撃があるからこれまでだな。ご苦労様でした」
木の上から狩猟の場にやって来たナオが手を上げると長い棒に大猪を括り付けていたスケルト達が深く頭を下げる。
ちなみにこの大猪は牙はアクセサリーに棘は短槍に皮は鎧の材料に肉は加工食品となってソロモン送りだ。
今年は良い値で売れるはずだとナオは皮算用を弾きながら村に戻る。
「なかなかの戦果ですね。これなら安心して部隊指揮を任せられます」
四体の大猪を持って村に凱旋したナオをアルテミスが大袈裟に褒める。
「部隊指揮ですか?」
ナオの目が点になる。
「今回狩りの手際を聞き判断しました。年季明けになりますが正式に貴女をスカウトします。このことはソウキさまの許可も受けております」
そういってアルテミスは一枚の羊皮紙をナオに差し出す。
そこには税を抜いて月に金貨一枚の俸給。住宅と畑とスケルトン十五体の供与と書かれていた。
「取りあえずこれを最低の条件として提示します。またスケルトン十五体は今日同行した者たちを貴女の下につけます」
アルテミスの言葉にすかさずナオは頭を下げる。
「条件は詰めるとして、お話は受けさせていただきます。ただ最低条件の報酬を前倒しでいただけませんか?」
一旦言葉を切る。
「畑はなるべく早く手を入れたいのです。それと、年季が開けたとき名前を変えたいと思っています」
ナオは深く頭を下げてお願いをする。
「この1年間、鍛えた甲斐がありました。いいでしょう。好きにしなさい」
アルテミスはカラカラと歯を鳴らして笑った。
あと3カ月ほどでナオの年季は終了する。
木の上から平原をみていたナオは目的のもの…六体の大猪の群れを見つける。
大猪は簡単にいえばイノシシだ。ただ20センチの長い牙とお尻付近に生える1メートル近い長さの棘のような毛のもつ攻撃力が洒落にならない。
とくに1メートル近い長さの棘はそのまま短槍として利用できるほど硬くて鋭い。
そのため大猪の退治は大変な労力を強いられる。
すっすっとハンドサインをそれぞれ十数メートル離れた所にいる一体のスケルトンソルジャーと二体のとスケルトンアーチャーに送る。
因みにスケルトンソルジャーには四体の長い棒を装備したスケルトン。スケルトンアーチャーには四体のスリングを装備したスケルトンが部下として控えている。
ハンドサインで示された大猪までの距離と大猪の移動速度。予想される進路を元にスケルトンソルジャーとスケルトンアーチャーが動き始める。
ナオは担いでいた長弓を構え矢を番える。
スケルトン達が予定位置に就いたのを確認して…
ぎりっ
ナオは弓を引き絞る。
そして群れの一番後ろにいる大猪の頭に狙いを付け、前に移し、上に向けて放つ。
しゃっ
矢を放つと共に鋭く風を切る音が響く。
しゃっしゃっ
立て続けに二発、今度は後ろから二番目の大猪の頭目掛けて矢を放つ。
ぷぎぃいぃ
悲鳴があがる。
後ろから二番目の大猪の頭に二本の矢が突き立っていた。
一瞬、大猪の群れがばらける…が。
とすっ
一番後ろにいる大猪の頭に上空から一本の矢が降ってきて眉間を打ち抜く。
一番後ろにいた大猪の悲鳴は一瞬だった。
方向の違う攻撃に警戒した大猪が円陣を組む。
じゃ
矢や石が大猪に降り注ぐのと同時にスケルトンソルジャーと四体のスケルトンが飛び出す。
スケルトンソルジャーがロングソードを振り下ろす。
ぷぎぃいぃ
顔面を割られた大猪がスケルトンソルジャーに突進する。
がしっ
大猪の牙をスケルトンソルジャーは盾で受け止めた。
ばしばしばし
三体のスケルトンが顔面を割られた大猪に向かって長い棒を振り下ろす。
残る一体のスケルトンは他の大猪が助けに入らないように牽制だ。
がす
スケルトンソルジャーのロングソードが再び大猪の顔面にヒットする。
ばしばしばし
三体のスケルトンの長い棒が再び振り下ろされる。
どうっ
大猪が倒れた。
しゃ
二本の矢が刺さっていた大猪にさらに三本の矢が刺さり石が降り注ぐ。
三体目の大猪が倒れる。
あっという間に群れの半分を失い三体の大猪が遁走を開始した。
しゃ
空を切り裂き一本の矢が一体の大猪の足に命中する。
大猪はつんのめるように地面に倒れた。
わらわらと四体のスケルトンが長い棒を振り上げながら大猪に殺到する。
ぷぎぃいぃぷぎぃいぃ
断末魔の悲鳴をあげ四体目の大猪が倒れた。
「追撃は棘の反撃があるからこれまでだな。ご苦労様でした」
木の上から狩猟の場にやって来たナオが手を上げると長い棒に大猪を括り付けていたスケルト達が深く頭を下げる。
ちなみにこの大猪は牙はアクセサリーに棘は短槍に皮は鎧の材料に肉は加工食品となってソロモン送りだ。
今年は良い値で売れるはずだとナオは皮算用を弾きながら村に戻る。
「なかなかの戦果ですね。これなら安心して部隊指揮を任せられます」
四体の大猪を持って村に凱旋したナオをアルテミスが大袈裟に褒める。
「部隊指揮ですか?」
ナオの目が点になる。
「今回狩りの手際を聞き判断しました。年季明けになりますが正式に貴女をスカウトします。このことはソウキさまの許可も受けております」
そういってアルテミスは一枚の羊皮紙をナオに差し出す。
そこには税を抜いて月に金貨一枚の俸給。住宅と畑とスケルトン十五体の供与と書かれていた。
「取りあえずこれを最低の条件として提示します。またスケルトン十五体は今日同行した者たちを貴女の下につけます」
アルテミスの言葉にすかさずナオは頭を下げる。
「条件は詰めるとして、お話は受けさせていただきます。ただ最低条件の報酬を前倒しでいただけませんか?」
一旦言葉を切る。
「畑はなるべく早く手を入れたいのです。それと、年季が開けたとき名前を変えたいと思っています」
ナオは深く頭を下げてお願いをする。
「この1年間、鍛えた甲斐がありました。いいでしょう。好きにしなさい」
アルテミスはカラカラと歯を鳴らして笑った。
あと3カ月ほどでナオの年季は終了する。
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