ソウキ王朝偽典・菜緒虎伝

那田野狐

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11話 巨人族の捕獲依頼

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大陸歴3183年月正げっしょう(1月)。

「ナオちょっといいかな?昨日、アタラカ山脈の麓で発見された巨人族らしいモンスターを捕まえてきて欲しい」
数体のスケルトンと共に木製の鍬で地面を掘り返していたナオにリュウイチが声をかける。
首にタオルのようなものを引っかけていること昼前であることから日課にしている基礎体力作りを終えた帰りだと推測できる。
ナオが村人になると口約束ながら明言してから、なにかにつけてリュウイチから話しかけてくることが多くなった。

「巨人族らしいモンスターですか」
ナオは村の北側に2段ほど巡らせている馬防のための堀と柵を眺める。
昨秋。蝗害の発生で今年の冬も飢饉が大陸北部を中心に発生することが確実で実際に山間部の村では餓死者が出ているという。

北からの難民が盗賊団の南下を促し、この村から北東にある港湾都市ジャンと北西の山岳にある鉱山都市ソロモンが襲われる可能性がある。
村の防御力の向上…具体的には壁や柵、堀の構築が近々の課題となっている。
巨人族を確保するのはこの大規模工事の労働力確保の一端だ。

「報酬はどうなります?」
「成功すれば金貨3枚」
「太っ腹過ぎですが、やりましょう」
ソウキが指を3本立てるのを見てナオは即答する。

「拘束と護送の手段はアルテミスに聞いて」
「判りました」
ナオは頭を下げる。

バキバキ

木の枝が折れる乾いた音と地面を踏みしめる音が響く。
ナオは姿勢を低くして音のする方に向かって走る。
今回、木の上には登らない。トロールという種族が巨人族の中では一番小さいがそれでも平均で身長が3メートルになる。
木の上は彼らにとって警戒すべき高さだ。

すっ

ナオは剣を抜き木の陰からそっと出す。
刀身に緑色の巨人の背中が映る…巨人は肌の色で大体の種族が推測できる。
青は水系。有名なのは氷の巨人フロストジャイアント。赤は火系で火の巨人ファイアジャイアントと属性に準じることが多い。
で、緑は森の巨人フォレストジャイアントもしくは巨人族下位種族であるトロールだ。
ちなみにこの世界に子供のジャイアントというものは存在しない。すべて下位種族であるトロールからの進化である。
住んでいる場所で進化先が変わると言われているが真偽は不明である。

名前 トロール
種族 巨人
性格 ニュートラル-カオス
能力:山岳地帯での移動ペナルティなし。
魔法:なし
特殊能力:超回復(体力が1桁になったとき一度だけ最大値まで体力が回復する。)
動きは鈍いがその一撃は脅威である。
弱点:火、酸によるダメージは倍になる。

名前 フォレストジャイアント
種族 巨人
性格 ニュートラル-ニュートラル
能力:山岳地帯での移動ペナルティなし。
魔法:なし
特殊能力:体力回復(体力が半分になったとき最大値の1/10の体力が毎秒に一回回復する。)
動きは鈍いがその一撃は脅威である。
弱点:火、酸によるダメージは倍になる。

ナオはレクチャーされたデータからトロールとフォレストジャイアントを引っ張り出す。
厄介なのはダメージを受けたときの体力の超回復。
それと、あれがトロールだとして行動基準が中立ニュートラルいわゆる俺がルールブック。
目的の基準が混沌カオス…感情優先なことだ。
簡単にいうとヘソを曲げると感情に任せて暴れる。
ナオは一方的にボコって心を折ってから言うことを聞かせるのが最適解と判断することにした。
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