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18話 冒険者たちとの交渉(少しの飴と大きな鞭)
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菜緒虎の案内で、リュウイチとの謁見が叶ったのは牛銀とイヌガミだけだった。
他の4人は別室で待機である。
ただ、南方とはいえ初冬に青々とした広大な大麦畑。麦踏に勤しむスケルトン。
畑の外苑を巡回するスケルトンソルジャーにウルフ。要所であろう見張り台で警備するスケルトンアーチャーにその上空を旋回するロック鳥。
石を積み上げて壁を創るトロールなど、刺激が強すぎたらしく全員が魂の抜けたような顔をしていた。
「アルテミスさま入室」
リベッチオが、仰々しくアルテミスの入室を告げる。
「ひぃ」
牛銀が部屋に入って来たローブを着たスケルトンをみて今日、何度目かの悲鳴を上げる。
「ソウキ辺境騎士伯さま入室」
今度は、アルテミスが仰々しくリュウイチの入室を告げる。
「ひぃ?」
入って来たのが普通の子供だったことに、牛銀から別の意味で驚き変な声が漏れる。
イヌガミに肘で脇腹を突かれたので、それ以上は取り乱さなかったのは幸いだった。
「遠路はるばるようこそ。すべてはここにいるスケルトン賢者のアルテミスに任せている」
部屋の一段高くなったところに設えられている椅子の前に立ったリュウイチはそれだけ言うと深く椅子に腰かける。
「わたしは、冒険者ギルドの魏府王国支部に所属する、赤い鈴のリーダー牝牛人の牛銅香美というものです。こちらは…」
「冒険者ギルドの魏府王国支部に所属する、赤い鈴の副リーダー狼人のイヌガミ・ギョウブと申します」
二人は片膝をつきリュウイチに対し頭を垂れる。
「マッサチン国のソウキ辺境騎士伯代行のリュウイチです。お話は聞きました。アルテミス話を聞いて」
「はっ」
アルテミスが深く頭を下げると、リュウイチは満足そうに頷いて部屋を退出する。
「さて、ソウキさまの許可を受けましたのであなた方の要望を聞きましょう」
アルテミスの言葉に、牛銀とイヌガミは大きく息をのむ。
「どうした。無言では某が骨を折った意味がないぞ」
菜緒虎はポンと牛銅の肩を叩く。
「こ、殺さないでください」
片膝をついた状態のまま牛銅が飛び上がる。
判りやすいリアクションに、菜緒虎は苦笑いする。
「アルテミスさまは、アンデットだが生者を憎んだりしないし話の解るお方だぞ。対価は必要だが」
なぜか親指を立てしているアルテミスを見ないふりをして、菜緒虎は言葉をかける。
「最低限、我々のことを口外しなければ取り引きには応じましょう。ただし、2年以内に我々の存在が外部に漏れた場合は6人の連帯責任として犯罪奴隷として奉仕してもらいます」
菜緒虎から言葉を引き継ぐように、アルテミスはローブの袖から6枚の羊皮紙を取り出し牛銅に差し出す。
「もっとも、交渉が決裂しても我々のことを口外しないという契約はしてもらいますがね」
牛銅もイヌガミもただ頷くしかない。
「では、あなた方からまずここにサインを。なに、血を一滴たらすだけで構いません。それにサインするだけで」
アルテミスがパチンと指を鳴らすと2体のスケルトンが俵を抱えて入ってくる。
「この米俵だけは、交渉の成否にかかわらず、金貨五枚(青銅貨で50万枚)のところ四枚でお譲りしましょう」
スケルトンが俵を降ろすと、ドスンと重たい音がする。
アルテミスのお眼鏡からすると、6人は差額分の価値しかないのかと菜緒虎は理解する。
他の4人は別室で待機である。
ただ、南方とはいえ初冬に青々とした広大な大麦畑。麦踏に勤しむスケルトン。
畑の外苑を巡回するスケルトンソルジャーにウルフ。要所であろう見張り台で警備するスケルトンアーチャーにその上空を旋回するロック鳥。
石を積み上げて壁を創るトロールなど、刺激が強すぎたらしく全員が魂の抜けたような顔をしていた。
「アルテミスさま入室」
リベッチオが、仰々しくアルテミスの入室を告げる。
「ひぃ」
牛銀が部屋に入って来たローブを着たスケルトンをみて今日、何度目かの悲鳴を上げる。
「ソウキ辺境騎士伯さま入室」
今度は、アルテミスが仰々しくリュウイチの入室を告げる。
「ひぃ?」
入って来たのが普通の子供だったことに、牛銀から別の意味で驚き変な声が漏れる。
イヌガミに肘で脇腹を突かれたので、それ以上は取り乱さなかったのは幸いだった。
「遠路はるばるようこそ。すべてはここにいるスケルトン賢者のアルテミスに任せている」
部屋の一段高くなったところに設えられている椅子の前に立ったリュウイチはそれだけ言うと深く椅子に腰かける。
「わたしは、冒険者ギルドの魏府王国支部に所属する、赤い鈴のリーダー牝牛人の牛銅香美というものです。こちらは…」
「冒険者ギルドの魏府王国支部に所属する、赤い鈴の副リーダー狼人のイヌガミ・ギョウブと申します」
二人は片膝をつきリュウイチに対し頭を垂れる。
「マッサチン国のソウキ辺境騎士伯代行のリュウイチです。お話は聞きました。アルテミス話を聞いて」
「はっ」
アルテミスが深く頭を下げると、リュウイチは満足そうに頷いて部屋を退出する。
「さて、ソウキさまの許可を受けましたのであなた方の要望を聞きましょう」
アルテミスの言葉に、牛銀とイヌガミは大きく息をのむ。
「どうした。無言では某が骨を折った意味がないぞ」
菜緒虎はポンと牛銅の肩を叩く。
「こ、殺さないでください」
片膝をついた状態のまま牛銅が飛び上がる。
判りやすいリアクションに、菜緒虎は苦笑いする。
「アルテミスさまは、アンデットだが生者を憎んだりしないし話の解るお方だぞ。対価は必要だが」
なぜか親指を立てしているアルテミスを見ないふりをして、菜緒虎は言葉をかける。
「最低限、我々のことを口外しなければ取り引きには応じましょう。ただし、2年以内に我々の存在が外部に漏れた場合は6人の連帯責任として犯罪奴隷として奉仕してもらいます」
菜緒虎から言葉を引き継ぐように、アルテミスはローブの袖から6枚の羊皮紙を取り出し牛銅に差し出す。
「もっとも、交渉が決裂しても我々のことを口外しないという契約はしてもらいますがね」
牛銅もイヌガミもただ頷くしかない。
「では、あなた方からまずここにサインを。なに、血を一滴たらすだけで構いません。それにサインするだけで」
アルテミスがパチンと指を鳴らすと2体のスケルトンが俵を抱えて入ってくる。
「この米俵だけは、交渉の成否にかかわらず、金貨五枚(青銅貨で50万枚)のところ四枚でお譲りしましょう」
スケルトンが俵を降ろすと、ドスンと重たい音がする。
アルテミスのお眼鏡からすると、6人は差額分の価値しかないのかと菜緒虎は理解する。
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