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第二章 ルクバトにて
第二十九話 休日の朝
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翌朝。
早朝覚醒してしまった私は、まだ眠っているオクト君を起こさないようにベッドから出た。
ゆっくりと時計を見ると、午前六時だった。
備え付けの洗面所に行き、顔を洗う。だいぶ慣れたけど、まだ自分の顔だと思うのには違和感がある。
下ろしていた髪をハーフアップにし、部屋に戻る。
そういえば、この世界にも暦や時計があるんだよね……。まあ、ゲームの世界? 厳密には違うらしいけど、ともかく、それなら似てるというか同じでもおかしくないのかな?
そう思いながら、私は壁に貼られているカレンダーを見た。
確か、暦は独特だったんだよね。えーっと……『アスケラの上月』、『アスケラの下月』、『ナマルサデアの上月』、『ナマルサデアの下月』、『ヌンキの上月』、『ヌンキの下月』、『プリマの上月』、『プリマの下月』、『ボレアリスの上月』、『ボレアリスの下月』、『ポリスの上月』、『ポリスの下月』か。
正直、何語かわかんないけど上月と下月がつくのはどうなんだろうね? まぁ、ファンタジーっぽくていいのかな? ちょうど十二ヶ月あって、私的には助かるしね!
確か今は『ナマルサデアの下月』だから……元の世界に換算すると四月かな? ……私よくそんな中、海にいたな! そして風邪引かなかったな!
頑丈な身体にしてくれたことに感謝しつつ、私はオクト君が起きるまで何をしようか迷い……昨日寝る前にオクト君が貸してくれた本を読むことにした。
題名は『基礎から始める剣術その壱』だ。なんとも、男臭い。でも、『男らしく』なるなら、必須だしな……。
私はパラパラとめくりながら、時間を潰した。
****
「う~ん、ふぁ……うん?」
二段ベッドからオクト君の寝ぼけた声がする。私は本を閉じ、オクト君に向けて声をかけた。
「おはよう」
「ん~、ああ、はよ~」
今ので完全に起きたらしい、ベッドから降りてくると、オクト君は顔を洗いに行った。ガシガシと頭をかく姿が男らしいと思った。
「ふぅ~、今何時よ?」
「今は……九時かな?」
「もうそんな時間か~。どうっすかな……」
そう言って少し考えた後、オクト君が私に向かって声をかけてきた。
「んじゃ、着替えて出ようぜ? 案内がてら飯も食ってよ!」
「そうだね。改めて、よろしく!」
私達は身支度を早々に終えて、部屋を出た。
ちなみに、オクト君は黒の袖がベルトで締まったフリルシャツに黒のパンツにブーツで、私は昨日ランベールさんからもらった、白の袖口がふんわりしたフリルシャツに紺色のパンツにブーツだ。
「お、似合ってんじゃん! やっぱランベールさんに頼んで正解だったな!」
「あはは、ありがたいよ」
そんな話をしながら、一階に降りると玄関付近でランベールが、ホウキを持って掃除をしていた。
「ランベールさん、おはようございます!」
「おはようございます」
オクト君と私が挨拶をすると、ランベールさんが優しく微笑む。
「おはようございます。オクタヴィアン卿、イグナート卿。お出かけですか?」
「はい。イグナートがルクバトを案内して欲しいってんで!」
「ほう、それはいい事ですね。ルクバトは美しい。ぜひ、堪能してください。それから……」
言葉を切って、私の方をへ視線を向ける。
「ふふふ、予想以上にお似合いですよ?」
「あ、え……ありがとうございます!」
唐突に褒められると、かなり照れてしまうな……。
「まぁお前、顔は男前だもんな! ……仕草だけだな、問題は!」
……明るく指摘された。そりゃ、『元女』のキャラメイク『イケメン』ですから!
内心で弁明しつつ、ランベールさんから離れて、私達は街へとくり出した。
早朝覚醒してしまった私は、まだ眠っているオクト君を起こさないようにベッドから出た。
ゆっくりと時計を見ると、午前六時だった。
備え付けの洗面所に行き、顔を洗う。だいぶ慣れたけど、まだ自分の顔だと思うのには違和感がある。
下ろしていた髪をハーフアップにし、部屋に戻る。
そういえば、この世界にも暦や時計があるんだよね……。まあ、ゲームの世界? 厳密には違うらしいけど、ともかく、それなら似てるというか同じでもおかしくないのかな?
そう思いながら、私は壁に貼られているカレンダーを見た。
確か、暦は独特だったんだよね。えーっと……『アスケラの上月』、『アスケラの下月』、『ナマルサデアの上月』、『ナマルサデアの下月』、『ヌンキの上月』、『ヌンキの下月』、『プリマの上月』、『プリマの下月』、『ボレアリスの上月』、『ボレアリスの下月』、『ポリスの上月』、『ポリスの下月』か。
正直、何語かわかんないけど上月と下月がつくのはどうなんだろうね? まぁ、ファンタジーっぽくていいのかな? ちょうど十二ヶ月あって、私的には助かるしね!
確か今は『ナマルサデアの下月』だから……元の世界に換算すると四月かな? ……私よくそんな中、海にいたな! そして風邪引かなかったな!
頑丈な身体にしてくれたことに感謝しつつ、私はオクト君が起きるまで何をしようか迷い……昨日寝る前にオクト君が貸してくれた本を読むことにした。
題名は『基礎から始める剣術その壱』だ。なんとも、男臭い。でも、『男らしく』なるなら、必須だしな……。
私はパラパラとめくりながら、時間を潰した。
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「う~ん、ふぁ……うん?」
二段ベッドからオクト君の寝ぼけた声がする。私は本を閉じ、オクト君に向けて声をかけた。
「おはよう」
「ん~、ああ、はよ~」
今ので完全に起きたらしい、ベッドから降りてくると、オクト君は顔を洗いに行った。ガシガシと頭をかく姿が男らしいと思った。
「ふぅ~、今何時よ?」
「今は……九時かな?」
「もうそんな時間か~。どうっすかな……」
そう言って少し考えた後、オクト君が私に向かって声をかけてきた。
「んじゃ、着替えて出ようぜ? 案内がてら飯も食ってよ!」
「そうだね。改めて、よろしく!」
私達は身支度を早々に終えて、部屋を出た。
ちなみに、オクト君は黒の袖がベルトで締まったフリルシャツに黒のパンツにブーツで、私は昨日ランベールさんからもらった、白の袖口がふんわりしたフリルシャツに紺色のパンツにブーツだ。
「お、似合ってんじゃん! やっぱランベールさんに頼んで正解だったな!」
「あはは、ありがたいよ」
そんな話をしながら、一階に降りると玄関付近でランベールが、ホウキを持って掃除をしていた。
「ランベールさん、おはようございます!」
「おはようございます」
オクト君と私が挨拶をすると、ランベールさんが優しく微笑む。
「おはようございます。オクタヴィアン卿、イグナート卿。お出かけですか?」
「はい。イグナートがルクバトを案内して欲しいってんで!」
「ほう、それはいい事ですね。ルクバトは美しい。ぜひ、堪能してください。それから……」
言葉を切って、私の方をへ視線を向ける。
「ふふふ、予想以上にお似合いですよ?」
「あ、え……ありがとうございます!」
唐突に褒められると、かなり照れてしまうな……。
「まぁお前、顔は男前だもんな! ……仕草だけだな、問題は!」
……明るく指摘された。そりゃ、『元女』のキャラメイク『イケメン』ですから!
内心で弁明しつつ、ランベールさんから離れて、私達は街へとくり出した。
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