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第2話
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今日は入隊式、それぞれの志を抱いたゴッドギフトの若者たちが集まる日である。
それぞれが訓練を受けここまでやってきた。
その者たちが切り開く未来のスタートラインが、ここにある。
ハルマ「はぁ.....緊張するなぁ」
アンデ「あぁ、俺もだ」
ケイタ「そうか?俺はそんなに緊張しないけどな!」
期待を抱くものと、不安を抱くもの、気持ちに関係なくスタートまでの時間は刻々と近づく。
ケイタ「それにしてもよ、向こう見てみろよ」
ハルマ「ん?どれ?」
ケイタ「めちゃくちゃ凄そうな人達が集まってるぜ」
ハルマ「ほんとだ」
その場に居た大人たちは紛れもない軍の強者たち。
その姿を見るだけで威圧されるようだ。
だが.....
アンデ「.....席が一つ空いてんな」
ケイタ「ん~?あ、ほんとだ、なんでだろうな」
急な欠席だろうか....そう思っていた3人。
そうこう考えているうちに、入隊式にアナウンスが流れた。
「大変長らくお待たせ致しました。ただいまより、入隊式を開式させていただきます。司会は、アオ・センシルが務めて参ります、よろしくお願いします。」
会場の拍手が鳴り、遂に入隊式が始まる。
アオ「それではまず、国軍総本部長 ブラット・カザリアスより、歓迎のお言葉をいただきます」
国軍総本部長その名の通り、軍のトップを務める男だ。
歳をとり、前線から退いたものの、その男の歩く姿にはとてつもない存在感を漂わせる。
ブラット「新隊員諸君、改めて我々の力になると決めてくれた君たちに感謝を申す。これから君たちに背負わせるものの大きさを考えると申し訳なさもあるが、どうかそれを背負う勇気と覚悟をこれから見せて欲しい」
圧巻だ。
この場にいる新隊員は皆、そう思いながら聞いていた。
ブラット「今日が初顔合わせであろう周りの仲間たちと共に任務を全うし、共に訓練をし、高め合って、この世界を共に守っていこう。私からは以上だ」
この上ない拍手を皆が送った。
これが総本部長。
アオ「ありがとうございました、では続きまして国軍団長ラジャル・アリベラからもお祝いの言葉をいただきたいのですが.....」
ケイタ「な...なんか.....めちゃくちゃ怒ってる」
ハルマ「な、なんか見えるはずないんだけど、怒りのオーラが見える気がする......」
どうやらさっき見た空席の人物のようだ、司会者の反応を見るに無断で居ないようだ。
アオ「自分の番までには間に合うとか言ってたのに....」
手元にある進行用の用紙がぐちゃぐちゃだ。
相当怒っている。
ブラット「はぁ......やれやれじゃな」
正式な場所なだけあり、ちょっとまずい気がする....
ラジャル「いやぁ、すまないすまない!」
その瞬間、声の方向に全員が振り向く。
アンデ「な、なんだ.....あの人」
ラジャル「いやぁ、ごめんねぇ、思った以上に混んでてさぁ」
ハルマ「もしかして.....あの人が」
そう、今現れた男こそが、国軍団長 ラジャル・アリベラである。
ブラット「口を慎め、正式な場所じゃぞ」
ラジャル「あ.....そうだった」
ブラット「それより....あっちを見てみろ」
ラジャル「あっち?......っ!!!!」
司会役の顔はまさに鬼の形相。
ブラット「わし、知らんからな」
ラジャル「そ、そんなぁ....」
アオ「ごほん!!!」
咳払いにしては、とてつもない殺気も込められていたような。
会場の雰囲気が別の意味で静まり返った。
アオ「......それでは国軍団長ラジャル・アリベラより、新隊員へのお祝いの言葉をいただきます」
その声には明らかな怒気が含まれていた。
ラジャル「は.....はい.....」
ハルマ(こ、この人が......軍団長......全然見えない)
さっきの総本部長とはうってかわって、なんともいい加減な男のように感じた。
ラジャル「まず、遅れてきたことをこの場にいる全員に謝罪したい、申し訳ない!」
ラジャル「そして、新隊員の諸君、入隊おめでとう!」
決して悪い人ではない.....それは分かったのだが....なんとも軍団長ぽくない。
それがハルマの正直な感想だった。
ラジャル「まぁ長々と話すのは俺も得意じゃないから、端的に話していくね。これからは君たちの訓練は俺が見ていくことになる。厳しいことも沢山あると思うが、一緒にがんばろう。これから君たちは俺の部下であり、仲間になるんだからね!お互いを大切にして共に守ろう!以上!」
近所の性格の良いお兄さん。
それが良く似合う男だ。
だが、ハルマたち新隊員達でもこの男の噂は度々聞くほどの有名人である。
国軍団長 ラジャル・アリベラ
最強、怪物、化け物....こういった言葉はこの男のために存在していると言われるほどの実力者。
紛れもない、国軍....いやもしかすると、人類最強の人間であるかもしれない。
少なくとも現時点で、この世界で最も幸運なのはこの男が敵じゃないということは断言出来る。
アオ「ありがとうございました、短い時間ではございますが、以上をもって入隊式を閉式いたします......あと 」
アオ「軍団長はあとで私のところに来るように....」
彼こそが.....最強......
ラジャル「あ、死んじゃうなこれ」
なのか.....???
To be continued
それぞれが訓練を受けここまでやってきた。
その者たちが切り開く未来のスタートラインが、ここにある。
ハルマ「はぁ.....緊張するなぁ」
アンデ「あぁ、俺もだ」
ケイタ「そうか?俺はそんなに緊張しないけどな!」
期待を抱くものと、不安を抱くもの、気持ちに関係なくスタートまでの時間は刻々と近づく。
ケイタ「それにしてもよ、向こう見てみろよ」
ハルマ「ん?どれ?」
ケイタ「めちゃくちゃ凄そうな人達が集まってるぜ」
ハルマ「ほんとだ」
その場に居た大人たちは紛れもない軍の強者たち。
その姿を見るだけで威圧されるようだ。
だが.....
アンデ「.....席が一つ空いてんな」
ケイタ「ん~?あ、ほんとだ、なんでだろうな」
急な欠席だろうか....そう思っていた3人。
そうこう考えているうちに、入隊式にアナウンスが流れた。
「大変長らくお待たせ致しました。ただいまより、入隊式を開式させていただきます。司会は、アオ・センシルが務めて参ります、よろしくお願いします。」
会場の拍手が鳴り、遂に入隊式が始まる。
アオ「それではまず、国軍総本部長 ブラット・カザリアスより、歓迎のお言葉をいただきます」
国軍総本部長その名の通り、軍のトップを務める男だ。
歳をとり、前線から退いたものの、その男の歩く姿にはとてつもない存在感を漂わせる。
ブラット「新隊員諸君、改めて我々の力になると決めてくれた君たちに感謝を申す。これから君たちに背負わせるものの大きさを考えると申し訳なさもあるが、どうかそれを背負う勇気と覚悟をこれから見せて欲しい」
圧巻だ。
この場にいる新隊員は皆、そう思いながら聞いていた。
ブラット「今日が初顔合わせであろう周りの仲間たちと共に任務を全うし、共に訓練をし、高め合って、この世界を共に守っていこう。私からは以上だ」
この上ない拍手を皆が送った。
これが総本部長。
アオ「ありがとうございました、では続きまして国軍団長ラジャル・アリベラからもお祝いの言葉をいただきたいのですが.....」
ケイタ「な...なんか.....めちゃくちゃ怒ってる」
ハルマ「な、なんか見えるはずないんだけど、怒りのオーラが見える気がする......」
どうやらさっき見た空席の人物のようだ、司会者の反応を見るに無断で居ないようだ。
アオ「自分の番までには間に合うとか言ってたのに....」
手元にある進行用の用紙がぐちゃぐちゃだ。
相当怒っている。
ブラット「はぁ......やれやれじゃな」
正式な場所なだけあり、ちょっとまずい気がする....
ラジャル「いやぁ、すまないすまない!」
その瞬間、声の方向に全員が振り向く。
アンデ「な、なんだ.....あの人」
ラジャル「いやぁ、ごめんねぇ、思った以上に混んでてさぁ」
ハルマ「もしかして.....あの人が」
そう、今現れた男こそが、国軍団長 ラジャル・アリベラである。
ブラット「口を慎め、正式な場所じゃぞ」
ラジャル「あ.....そうだった」
ブラット「それより....あっちを見てみろ」
ラジャル「あっち?......っ!!!!」
司会役の顔はまさに鬼の形相。
ブラット「わし、知らんからな」
ラジャル「そ、そんなぁ....」
アオ「ごほん!!!」
咳払いにしては、とてつもない殺気も込められていたような。
会場の雰囲気が別の意味で静まり返った。
アオ「......それでは国軍団長ラジャル・アリベラより、新隊員へのお祝いの言葉をいただきます」
その声には明らかな怒気が含まれていた。
ラジャル「は.....はい.....」
ハルマ(こ、この人が......軍団長......全然見えない)
さっきの総本部長とはうってかわって、なんともいい加減な男のように感じた。
ラジャル「まず、遅れてきたことをこの場にいる全員に謝罪したい、申し訳ない!」
ラジャル「そして、新隊員の諸君、入隊おめでとう!」
決して悪い人ではない.....それは分かったのだが....なんとも軍団長ぽくない。
それがハルマの正直な感想だった。
ラジャル「まぁ長々と話すのは俺も得意じゃないから、端的に話していくね。これからは君たちの訓練は俺が見ていくことになる。厳しいことも沢山あると思うが、一緒にがんばろう。これから君たちは俺の部下であり、仲間になるんだからね!お互いを大切にして共に守ろう!以上!」
近所の性格の良いお兄さん。
それが良く似合う男だ。
だが、ハルマたち新隊員達でもこの男の噂は度々聞くほどの有名人である。
国軍団長 ラジャル・アリベラ
最強、怪物、化け物....こういった言葉はこの男のために存在していると言われるほどの実力者。
紛れもない、国軍....いやもしかすると、人類最強の人間であるかもしれない。
少なくとも現時点で、この世界で最も幸運なのはこの男が敵じゃないということは断言出来る。
アオ「ありがとうございました、短い時間ではございますが、以上をもって入隊式を閉式いたします......あと 」
アオ「軍団長はあとで私のところに来るように....」
彼こそが.....最強......
ラジャル「あ、死んじゃうなこれ」
なのか.....???
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