Angel or Reaper 〜正義と悪〜

くらげ

文字の大きさ
9 / 29

第9話

しおりを挟む
━━━━━ザブレス襲撃から数日後

ラジャル「ふぅ....一件落着....と言いたいけど、中々難しいねぇ....」
アオ「はい」
ラジャル「新人達に怪我は?」
アオ「軽傷で済んでます」
ラジャル「なら良かった。アオにもハルマ達にも迷惑掛けたね」

あの襲撃を起こしたテロ組織は壊滅し、この件は終わりを迎え、報告を処理する段階に来ていたのだが....ハルマ達の無事は安心したものの、難しい顔をしていた。

ラジャル「ん~~....やっぱり敵が現れ方が気になるね」

襲撃時、敵はなんの前触れもなく急に現れ、アオ達を囲んだ。

アオ「えぇ、どこかに隠れていたとしても隠れられる場所も無いし、訓練所の入口には足跡1つなかった」

ザブレス達の登場の仕方は不自然でしかなかった。

ラジャル「まぁ間違いなく協力者が居るよね。それも能力者」
アオ「ということは、その能力者に命令されて動いたんでしょうか」
ラジャル「いや、それは無いと思う。ダクラ達の行動原理は能力者ゴッドギフトに対する差別意識だからね。あくまで協力するだけ、指揮権はテロ組織側にあったと思う」
アオ「なるほど」
ラジャル「はぁ、問題が解決してもまた別の問題がそこから生まれてくる....めんどくさいもんだな....何はともあれ今後とも警戒は必要だから、ハルマ達にもそう言っておいて」
アオ「了解です」

アオは少し心配だった。
それはあの時ザブレスがアオ達に放った言葉。
お前たちは悪魔だという言葉。
その発言には持ち得るだけの憎悪を込めていたように見えた。
ハルマ達はそんなこと言われる筋合いは全く無い、だけど気にするなと言う方が無理だ。
そういう心配が拭いきれない。
でも、今は信じるしかないというのも理解していた。



━━━━━次の日
ハルマ達10人は全員揃って訓練に出てきた。

ラジャル「おはよう!みんな!」
一同「おはようございます!」
ラジャル「元気が良いねぇ、この調子で毎日行こう、訓練に入る前に君たちに言いたいことがある」

そう言ってラジャルは真剣な顔になった

ラジャル「本当に....怪我が無くて良かった.....君たちには本当に怖い思いをさせてしまったと思っている」
ハルマ「.....ラジャルさん、やめてください、アオさんも何も悪いことなんて無いです」
ケイタ「そうだぜ、むしろ俺たちは助けられた側なんだ」
ジョーカー「あぁ、むしろ私達はお礼を言わなきゃならねぇ」
アイズ「本当にありがとうございます」

10人は全員が頭を下げてきたのだ。

アンデ「あの襲撃を受けたあと、全員で誓ったんだ、強くなろうって」
アオ「あなた達.....」

アオとラジャルは見くびっていたようだ。
ハルマ達はこれで折れる事は無かった。
むしろ、全員で強くなる覚悟が見える顔をしていた。

ラジャル「......俺は君達を本当に誇りに思うよ、さぁ!頑張るよ!」

覚悟を決め、彼らは再び歩き始めようとしていた。



━━━━━とある組織の拠点。

オニメ「.....しくじったようじゃの」
「ようじゃのって....軽いなお前」
オニメ「まぁ予想通りじゃったからの...それはお主も一緒であろう、ビャクヤ」
ビャクヤ「まぁそうだけどよ....でも俺はまだ優しい方だぜ、あいつに関しては興味無さすぎて寝てるからな」
レイカ「はぁ、起きろコサラ」
コサラ「ん~?もう朝?」
ビャクヤ「もう夜だぞ....ったくよ」
コサラ「あらぁ....お腹すいたな、なにか無い?ルビア」
ルビア「....自分で作ればいい」
コサラ「えぇ.....ねぇ、クウラ」
クウラ「なんで僕に言うんだよ.....はい、これ饅頭」
コサラ「おぉ!ありがとう!」
ビャクヤ「にしても、こうも容易く潰されるとはなぁ....俺たちにでかい態度とってた割には大したことなかったな」
「仕方ないさ、おかしなプライドを持っていたヤツらだったからな」
オニメ「帰ってきてたのか、ガイア」
ガイア「まぁな....まぁなんでもいい、あいつらの考えは俺たちにとっても弊害になってたからな、変に敵対するよりかは潰された方がマシだ」
ビャクヤ「相変わらず冷たいな」
ガイア「優しくする義理もない、俺たちは俺たちで....進めていくぞ」

次から次へと、まだまだ問題は続く。
この世界で何が起きているのか、ザブレスが放った現実は、まだほんの一部でしかない。
それを身をもって....知ることになる。


To be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

こうしてある日、村は滅んだ

東稔 雨紗霧
ファンタジー
地図の上からある村が一夜にして滅んだ。 これは如何にして村が滅ぶに至ったのかを語る話だ。

処理中です...