54 / 78
第1章
第54話 馬に蹴られてしまえばいい
しおりを挟む
エディは、自室に戻ると何とか昂ったそれを落ち着かせようと身体中に魔力を巡らせた。
魔力は時間が経つごとに回復する。己を律するために鎮静の魔法を使える程度には既に回復している。
一緒に風呂に入りたいと言ったのは、確かに下心もあるが本当に心配だったからだ。自分が風呂に入っている間、レイが気を失ってしまうのも怖かったから一緒にいて姿を見ていられるように。自分が倒れるのは放っておいてくれればいいから。
まさか、魔力を渡すためとはいえレイにキスをされるなんて思っていなかった。キスじゃないと言っていたが、あんな熱烈に、舌を絡め合うようなディープキスをされて意識しないはずもない。
それもあり距離を詰めてしまいたいと思ってしまったのもある。
それが、抱いてしまえるほど進展できるだなんて。あの細くて小さな身体を穢す赦しを得られるなんて。
レイが不安になってしまったからだとはわかっている。迎えに行くと言ったのに連絡もせずに遅れて、現れたと思えば血だらけで。人が死ぬような事件に巻き込まれたからこそエディもいなくなると思ってしまったんだろう。
見合いに行くことすら不安がるレイが、愛おしくて仕方なかった。だからこそ、レイが望むことは全てして、レイ以外なんて見ていないと伝えられれば。
――だからこそ、呼び出すなんて許せない。
エディは沈静の魔法で落ち着いた身体を見下ろし、濡れた髪も魔法で乾かして衣装部屋に入る。
白い花束は、酔って帰った時にレイに渡したくて買ってきたものだ。タイミングを見て渡そうと思ったのに寝落ちしてしまい、仕方ないから此処に隠した。
後で渡して受け取ってくれるだろうか。拗ねて怒って、今日はもう駄目だなんて言われるかもしれない。
適当に服を見繕い、寒いからと着込んで玄関へ向かう。怒りを隠すこともなく玄関扉を開ければ、そこには王宮から出ることの少ないはずの王太子殿下が立っていた。
「何しに来た」
「突然お前が飛んだから安否確認をしろと。大方そうだろうと思ったが、またヴァンダムに呼ばれたか」
「レイからしたら、俺が連絡もなしに帰ってこなかったんだ。早く帰ると言っていたのに」
「お前なぁ……転移魔法の腕輪は外させろと言っただろ」
「嫌だ。それで、何でわざわざドリス本人が来たんだよ」
隣国で騒動を起こしてから、腕輪は外せと言われた。レイの腕輪も外させて、エディの任務を妨害するような真似はさせるなと。
誰がするか。これがあるからこそ自分は聖騎士として動けている。やりたくもない神殿を訪れるご婦人方の護衛警備も、聖女様とやらの身辺の世話もレイとの繋がりがあるからだ。
レイがいないから猫を被る必要もない。エディがじとりとドリスを睨むと、ドリスは呆れたように溜め息を吐く。
「お前の魔力が枯渇したと報告があった。侍医に見せる必要がある」
「いらない。休めば戻る」
「聖女殿が心配していた」
「必要ない。レイと一緒にいれば癒しは十分だから」
「……お前、ただの親友なんだろう。重いと嫌われるぞ」
「今日そうじゃなくなるはずだったのに今しがたお前に邪魔されたんだけど」
行為中に連絡をよこし、訪問までして邪魔をしたのは何処のどいつだ。
エディはレイに聞こえないよう、怒りを滲ませドリスの胸を指先で押す。
「途中でお前に邪魔されなかったら、『誓約の魔法』も使えたのに」
誓約の魔法。
かつて、結婚と同等の意味を持っていた魔法。身体を重ねた相手との間に掛けられる、他を愛した瞬間にその身を文字通り滅ぼすことになる魔法だ。
自分に向けて一方的に掛けることもできる。エディが他を愛してしまった瞬間に、この身を滅ぼすことになる魔法を掛けようとしていた。
魔力が少ない今でもできる、自分の心臓にのみ負荷を掛ける魔法を口にすれば、ドリスは驚きに目を見開いた。
「……まさか、冗談だろ?」
「冗談でこんなこと言わない。それで? それだけが用ならもう戻るけど」
「あ、ああ、いや、医者に見せるために馬車で来たんだが」
「何度も言わせないでくれ、いらない。聖女様にも、俺のことは構わないでほしいと伝えてくれる?」
神子だかなんだか知らないが、自分が聖騎士になったのはレイのためだ。レイが格好いいと言っていたから。
姿を見ただけで発情したような声を上げる女達なんて興味もない。エディが少しでも怪我をすればすぐに甘ったるい声で駆け寄って来る女の何処が誰にでも分け隔てない慈悲の聖女様なんだか。
エディが何のために聖騎士になったか、そして誰のことを想っているのかを理解しているドリスは溜め息を吐き、わかったと答えた。
「悪かった。今度謝罪の品を送る」
「レイが喜ばないものなら送り返すから」
「お前なぁ」
「次に俺を呼びだすことがあったら、その前にマクシムにその地位を渡す準備を始めた方が良いよ」
もし次レイと何かをしている時に邪魔をしたら、その時は何をするかわからない。
それを言外に匂わせ、ドリスを睨むとわかっているとばかりに手で制された。
「まさかそんなに進展できるなんて思わなかったんだ。マックスには渡さん」
「理解したなら早く帰ってもらえる?」
「王太子を追い出すなんてお前くらいだぞ」
「俺が追い出しているのはただの従兄であって王太子じゃない。こんな時間帯に公人が外をうろついているなんて知られたらどうなるか」
「わかったわかった、もう帰るから小言はやめてくれ」
いいから早く帰ってくれ。今すぐレイのもとに戻りたいんだ。
エディはドリスを追い返すと鍵を閉め、急いで客間へと戻る。外の風で少し冷えてしまった頬や手はそのままに客間へと飛び込めば、レイはシーツを剥がしたベッドに寝転び、頭まで布団を被ってしまっていた。
「レイ、ごめんね」
「……」
「本当にごめん、ドリスが来て」
「……知らない」
ほら、やはり。拗ねてしまった。それはそうだ、あんな状態で放置なんて、自分だって怒るし拗ねる。エディは布団を捲り中に入り込み、冷たくなってしまった手でレイの身体に手を這わせる。
冷たさにぴくんと身体を跳ねさせながらもレイは振り向きもしない。
「レイ、ごめん。こっち向いて?」
「やだ」
「続きしたい。ねぇ、レイ……」
「やだって、もうしないから」
耳許でなるべく甘く囁いても見てくれない。
本当に、ドリスの奴許せない。
乗って来た馬車の馬にでも蹴られてしまえ、あんな男。
レイが怒りながら夕飯を食べるからと厨房に逃げ出すまで、エディはレイに囁きながら縋り、許しを得たいと懇願し続けた。
魔力は時間が経つごとに回復する。己を律するために鎮静の魔法を使える程度には既に回復している。
一緒に風呂に入りたいと言ったのは、確かに下心もあるが本当に心配だったからだ。自分が風呂に入っている間、レイが気を失ってしまうのも怖かったから一緒にいて姿を見ていられるように。自分が倒れるのは放っておいてくれればいいから。
まさか、魔力を渡すためとはいえレイにキスをされるなんて思っていなかった。キスじゃないと言っていたが、あんな熱烈に、舌を絡め合うようなディープキスをされて意識しないはずもない。
それもあり距離を詰めてしまいたいと思ってしまったのもある。
それが、抱いてしまえるほど進展できるだなんて。あの細くて小さな身体を穢す赦しを得られるなんて。
レイが不安になってしまったからだとはわかっている。迎えに行くと言ったのに連絡もせずに遅れて、現れたと思えば血だらけで。人が死ぬような事件に巻き込まれたからこそエディもいなくなると思ってしまったんだろう。
見合いに行くことすら不安がるレイが、愛おしくて仕方なかった。だからこそ、レイが望むことは全てして、レイ以外なんて見ていないと伝えられれば。
――だからこそ、呼び出すなんて許せない。
エディは沈静の魔法で落ち着いた身体を見下ろし、濡れた髪も魔法で乾かして衣装部屋に入る。
白い花束は、酔って帰った時にレイに渡したくて買ってきたものだ。タイミングを見て渡そうと思ったのに寝落ちしてしまい、仕方ないから此処に隠した。
後で渡して受け取ってくれるだろうか。拗ねて怒って、今日はもう駄目だなんて言われるかもしれない。
適当に服を見繕い、寒いからと着込んで玄関へ向かう。怒りを隠すこともなく玄関扉を開ければ、そこには王宮から出ることの少ないはずの王太子殿下が立っていた。
「何しに来た」
「突然お前が飛んだから安否確認をしろと。大方そうだろうと思ったが、またヴァンダムに呼ばれたか」
「レイからしたら、俺が連絡もなしに帰ってこなかったんだ。早く帰ると言っていたのに」
「お前なぁ……転移魔法の腕輪は外させろと言っただろ」
「嫌だ。それで、何でわざわざドリス本人が来たんだよ」
隣国で騒動を起こしてから、腕輪は外せと言われた。レイの腕輪も外させて、エディの任務を妨害するような真似はさせるなと。
誰がするか。これがあるからこそ自分は聖騎士として動けている。やりたくもない神殿を訪れるご婦人方の護衛警備も、聖女様とやらの身辺の世話もレイとの繋がりがあるからだ。
レイがいないから猫を被る必要もない。エディがじとりとドリスを睨むと、ドリスは呆れたように溜め息を吐く。
「お前の魔力が枯渇したと報告があった。侍医に見せる必要がある」
「いらない。休めば戻る」
「聖女殿が心配していた」
「必要ない。レイと一緒にいれば癒しは十分だから」
「……お前、ただの親友なんだろう。重いと嫌われるぞ」
「今日そうじゃなくなるはずだったのに今しがたお前に邪魔されたんだけど」
行為中に連絡をよこし、訪問までして邪魔をしたのは何処のどいつだ。
エディはレイに聞こえないよう、怒りを滲ませドリスの胸を指先で押す。
「途中でお前に邪魔されなかったら、『誓約の魔法』も使えたのに」
誓約の魔法。
かつて、結婚と同等の意味を持っていた魔法。身体を重ねた相手との間に掛けられる、他を愛した瞬間にその身を文字通り滅ぼすことになる魔法だ。
自分に向けて一方的に掛けることもできる。エディが他を愛してしまった瞬間に、この身を滅ぼすことになる魔法を掛けようとしていた。
魔力が少ない今でもできる、自分の心臓にのみ負荷を掛ける魔法を口にすれば、ドリスは驚きに目を見開いた。
「……まさか、冗談だろ?」
「冗談でこんなこと言わない。それで? それだけが用ならもう戻るけど」
「あ、ああ、いや、医者に見せるために馬車で来たんだが」
「何度も言わせないでくれ、いらない。聖女様にも、俺のことは構わないでほしいと伝えてくれる?」
神子だかなんだか知らないが、自分が聖騎士になったのはレイのためだ。レイが格好いいと言っていたから。
姿を見ただけで発情したような声を上げる女達なんて興味もない。エディが少しでも怪我をすればすぐに甘ったるい声で駆け寄って来る女の何処が誰にでも分け隔てない慈悲の聖女様なんだか。
エディが何のために聖騎士になったか、そして誰のことを想っているのかを理解しているドリスは溜め息を吐き、わかったと答えた。
「悪かった。今度謝罪の品を送る」
「レイが喜ばないものなら送り返すから」
「お前なぁ」
「次に俺を呼びだすことがあったら、その前にマクシムにその地位を渡す準備を始めた方が良いよ」
もし次レイと何かをしている時に邪魔をしたら、その時は何をするかわからない。
それを言外に匂わせ、ドリスを睨むとわかっているとばかりに手で制された。
「まさかそんなに進展できるなんて思わなかったんだ。マックスには渡さん」
「理解したなら早く帰ってもらえる?」
「王太子を追い出すなんてお前くらいだぞ」
「俺が追い出しているのはただの従兄であって王太子じゃない。こんな時間帯に公人が外をうろついているなんて知られたらどうなるか」
「わかったわかった、もう帰るから小言はやめてくれ」
いいから早く帰ってくれ。今すぐレイのもとに戻りたいんだ。
エディはドリスを追い返すと鍵を閉め、急いで客間へと戻る。外の風で少し冷えてしまった頬や手はそのままに客間へと飛び込めば、レイはシーツを剥がしたベッドに寝転び、頭まで布団を被ってしまっていた。
「レイ、ごめんね」
「……」
「本当にごめん、ドリスが来て」
「……知らない」
ほら、やはり。拗ねてしまった。それはそうだ、あんな状態で放置なんて、自分だって怒るし拗ねる。エディは布団を捲り中に入り込み、冷たくなってしまった手でレイの身体に手を這わせる。
冷たさにぴくんと身体を跳ねさせながらもレイは振り向きもしない。
「レイ、ごめん。こっち向いて?」
「やだ」
「続きしたい。ねぇ、レイ……」
「やだって、もうしないから」
耳許でなるべく甘く囁いても見てくれない。
本当に、ドリスの奴許せない。
乗って来た馬車の馬にでも蹴られてしまえ、あんな男。
レイが怒りながら夕飯を食べるからと厨房に逃げ出すまで、エディはレイに囁きながら縋り、許しを得たいと懇願し続けた。
25
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる