55 / 78
第1章
第55話 弾かれる同級生
しおりを挟む
図書館の2階でくしゃみをしながら今日も虫干し。
レイは寒さに身を震わせながら仕事だけを考えていようと決めていた。
あれからエディに手は出させず、我慢させた。王太子殿下がわざわざやって来るのだから中断せざるを得ないのは当然で、我慢するべきなのはわかっていた。
けれど、あんな、寸止めでやめられてどうすればいいかわからなかった。
絶頂に達せなかったから、今もまだ悶々としている。寝ても起きても全く鎮まることなく、エディの顔を見たらまずいと思って顔も合わせずに今日は出勤した。
エディが昨日巻き込まれた、というか当事者となった事件については何処も報じていなかった。新聞も普段通り、誰も噂話すらしていない。
あんなに血が出て被害者も多かったのに、緘口令を敷かれたから知らない一般市民が多い。
闇魔法なんて、使う人間がいると思わなかった。正しくは、使える人間がいるなんて。
とうの昔に廃れた魔法だ。闇魔法を操る人間は迫害され、正しくその力を知られることなく恐れられた者達によって惨殺されることもあった。
子供に受け継がれても使わぬよう、闇魔法については何も教えず、結果として廃れていった魔法。
結果として、恐ろしい昔話として伝わっているだけのものだ。
それを使って、エディだけじゃなく自身の娘まで巻き込み傷つけるだなんて。
「ヴァンダムさん、ヴァンダムさん」
「はい?」
名を呼ばれ、どうしたんだと虫干しをしている角の部屋から顔を出す。
レイを呼んだ同僚はジェスチャーでしゃがむように指示し、吹き抜けから1階を見下ろすようにこそこそと小声で告げてきた。
一体なんだろうか。そう思いながらちらりと覗き込むと、1階の受付には学生時代の同級生である女性と、覆面を被った見覚えのある高貴な男性の姿。
「あの方達がヴァンダムさんを呼んでるんですけど、流石に男の方は怪しすぎるので断っておいた方がいいですか?」
「い……いや」
レイは勢いよく立ち上がる。流石にあの人を待たせるわけにはいかない。
だって、あれは顔を隠しているけれどどう見たって王太子殿下。
「今、今行きます!!」
まずい、昨日の話についてかもしれない。レイは痛む腰なんて気にせずに、いつもは自分が怒る立場にも関わらず図書館の中を走り急いで二名のもとへと向かう。
だが、ひとつ問題が起きた。レイが近付けば近付くほど、同級生の方は離れてしまう。
ただ、同級生は驚いた声を上げもがいていた。よく見れば、宙に浮くような形でずりずりと、押し出されるような形で離れていっている。
……まさか、レイの腕輪にある何らかの魔法が作用している?
レイが立ち止まってみれば同級生が動くのは止まる。動けば離れる。……やはり。
「扉の近くにいる方すみません、開けておいていただけますか」
そんな謎の魔法によって外に放り出される同級生より王太子殿下の方が重要だろう。レイは同級生の動線の先にある扉を開けておいてもらい、王太子殿下へと近付いた。
「申し訳ありません、大変遅れました」
「かしこまらないでくれ、今日も非公式な場だ。……あの女性が離れている理由はわかるか?」
「……多分、エディの腕輪の所為だと思います」
「あいつ、まだ外させていないのか」
外す? レイは王太子殿下の言葉に首を傾げた。
そんな話聞いたことがない。なんだろうと思いながら、外した方がいいのかと青い宝石を見つめる。
「取った方がいいですか?」
「いや、いい。此処で外させると面倒な奴が来る。悪いが、一旦結界と回避の魔法だけ解除させてもらうぞ。あいつの魔法だから数時間しか保たんが」
王太子殿下は指先を腕輪に近付け、何やら魔法をかけたようだ。レイの目にはわからないが、何かを解除したらしい。
レイが腕輪を眺めていると、王太子殿下は受付に声を掛ける。
「すまないが、少々ヴァンダムを借りていくぞ。暫くしたら返す」
「失礼ですが、貴方様は」
「あーあー、大丈夫です! 俺の知り合いなので! じゃあ行ってきます!」
こんな場で身分ある者だと言えるはずがない。レイは慌ててクレス女史の言葉を遮り王太子殿下の背に触れて図書館の外へと連れ出した。
「申し訳ございません、お体に触れるなど!」
「いやいい、気にしていない。それよりも、話がしたい。彼女と共に」
王太子殿下はレイの無礼など気にした様子もなく、同級生を視線で差す。
レイに近付いても弾かれなくなったコルネリス伯爵令嬢を眺め、久しぶりだと頭を軽く下げた。
「お久しぶりです」
「……ええ」
「?」
何故自分から離れていくような魔法の対象になったのかもわからないレイは、ただただ首を傾げる。
コルネリス伯爵令嬢が異様に緊張している理由もわからずに無言の時が流れていたが、それを王太子殿下がぱちんと手を叩いて止めた。
「女性もいるから、なるべく人目のある場所にしよう。ただし聞かれてはいけない。ヴァンダム、良い場所を知ってはいないか?」
「いやあ、俺はちょっと……」
寄り道なんて買い物くらいしかしないからわからない。レイは困ってしまう。
そんなレイの悩みに、コルネリス伯爵令嬢は一言声を掛けた。
「神殿では駄目なのですか」
「……いや、俺がちょっと」
「俺も昨日の今日では少しな」
エディと顔を合わせたくないからだが、もしや王太子殿下もそうなのか。
昨日、行為の最中にエディを訪ねて来た彼は、まさかとは思うが何かを聞かされたのでは。
「……昨日、何か聞きましたか」
「うむ、だからこそ会いたくない。君同伴では特に」
嗚呼、やはり。あいつは羞恥心なんてないんだろうか。レイは頭を抱える。
男性二人が神殿に行きたくない理由がわからないコルネリス伯爵令嬢は、少し困惑しているようだ。
仕方がない。王太子殿下は呟き、王城を指差した。
「あちらでもいいかな」
「……他に、場所がないのであれば」
「私も構いません」
共にレイを待っていたということでまさかとは思ったが、やはり目の前の彼が何者なのかも知っているのだろう。
コルネリス伯爵令嬢が頷くと、王太子殿下は笑う。
「ならば早くに済ませよう。君の腕輪がもし感知機能を備えていたら、面倒なことになってしまう」
たとえば、乗り込んでくるとか。
その言葉に、レイはふるりと身を竦ませた。
レイは寒さに身を震わせながら仕事だけを考えていようと決めていた。
あれからエディに手は出させず、我慢させた。王太子殿下がわざわざやって来るのだから中断せざるを得ないのは当然で、我慢するべきなのはわかっていた。
けれど、あんな、寸止めでやめられてどうすればいいかわからなかった。
絶頂に達せなかったから、今もまだ悶々としている。寝ても起きても全く鎮まることなく、エディの顔を見たらまずいと思って顔も合わせずに今日は出勤した。
エディが昨日巻き込まれた、というか当事者となった事件については何処も報じていなかった。新聞も普段通り、誰も噂話すらしていない。
あんなに血が出て被害者も多かったのに、緘口令を敷かれたから知らない一般市民が多い。
闇魔法なんて、使う人間がいると思わなかった。正しくは、使える人間がいるなんて。
とうの昔に廃れた魔法だ。闇魔法を操る人間は迫害され、正しくその力を知られることなく恐れられた者達によって惨殺されることもあった。
子供に受け継がれても使わぬよう、闇魔法については何も教えず、結果として廃れていった魔法。
結果として、恐ろしい昔話として伝わっているだけのものだ。
それを使って、エディだけじゃなく自身の娘まで巻き込み傷つけるだなんて。
「ヴァンダムさん、ヴァンダムさん」
「はい?」
名を呼ばれ、どうしたんだと虫干しをしている角の部屋から顔を出す。
レイを呼んだ同僚はジェスチャーでしゃがむように指示し、吹き抜けから1階を見下ろすようにこそこそと小声で告げてきた。
一体なんだろうか。そう思いながらちらりと覗き込むと、1階の受付には学生時代の同級生である女性と、覆面を被った見覚えのある高貴な男性の姿。
「あの方達がヴァンダムさんを呼んでるんですけど、流石に男の方は怪しすぎるので断っておいた方がいいですか?」
「い……いや」
レイは勢いよく立ち上がる。流石にあの人を待たせるわけにはいかない。
だって、あれは顔を隠しているけれどどう見たって王太子殿下。
「今、今行きます!!」
まずい、昨日の話についてかもしれない。レイは痛む腰なんて気にせずに、いつもは自分が怒る立場にも関わらず図書館の中を走り急いで二名のもとへと向かう。
だが、ひとつ問題が起きた。レイが近付けば近付くほど、同級生の方は離れてしまう。
ただ、同級生は驚いた声を上げもがいていた。よく見れば、宙に浮くような形でずりずりと、押し出されるような形で離れていっている。
……まさか、レイの腕輪にある何らかの魔法が作用している?
レイが立ち止まってみれば同級生が動くのは止まる。動けば離れる。……やはり。
「扉の近くにいる方すみません、開けておいていただけますか」
そんな謎の魔法によって外に放り出される同級生より王太子殿下の方が重要だろう。レイは同級生の動線の先にある扉を開けておいてもらい、王太子殿下へと近付いた。
「申し訳ありません、大変遅れました」
「かしこまらないでくれ、今日も非公式な場だ。……あの女性が離れている理由はわかるか?」
「……多分、エディの腕輪の所為だと思います」
「あいつ、まだ外させていないのか」
外す? レイは王太子殿下の言葉に首を傾げた。
そんな話聞いたことがない。なんだろうと思いながら、外した方がいいのかと青い宝石を見つめる。
「取った方がいいですか?」
「いや、いい。此処で外させると面倒な奴が来る。悪いが、一旦結界と回避の魔法だけ解除させてもらうぞ。あいつの魔法だから数時間しか保たんが」
王太子殿下は指先を腕輪に近付け、何やら魔法をかけたようだ。レイの目にはわからないが、何かを解除したらしい。
レイが腕輪を眺めていると、王太子殿下は受付に声を掛ける。
「すまないが、少々ヴァンダムを借りていくぞ。暫くしたら返す」
「失礼ですが、貴方様は」
「あーあー、大丈夫です! 俺の知り合いなので! じゃあ行ってきます!」
こんな場で身分ある者だと言えるはずがない。レイは慌ててクレス女史の言葉を遮り王太子殿下の背に触れて図書館の外へと連れ出した。
「申し訳ございません、お体に触れるなど!」
「いやいい、気にしていない。それよりも、話がしたい。彼女と共に」
王太子殿下はレイの無礼など気にした様子もなく、同級生を視線で差す。
レイに近付いても弾かれなくなったコルネリス伯爵令嬢を眺め、久しぶりだと頭を軽く下げた。
「お久しぶりです」
「……ええ」
「?」
何故自分から離れていくような魔法の対象になったのかもわからないレイは、ただただ首を傾げる。
コルネリス伯爵令嬢が異様に緊張している理由もわからずに無言の時が流れていたが、それを王太子殿下がぱちんと手を叩いて止めた。
「女性もいるから、なるべく人目のある場所にしよう。ただし聞かれてはいけない。ヴァンダム、良い場所を知ってはいないか?」
「いやあ、俺はちょっと……」
寄り道なんて買い物くらいしかしないからわからない。レイは困ってしまう。
そんなレイの悩みに、コルネリス伯爵令嬢は一言声を掛けた。
「神殿では駄目なのですか」
「……いや、俺がちょっと」
「俺も昨日の今日では少しな」
エディと顔を合わせたくないからだが、もしや王太子殿下もそうなのか。
昨日、行為の最中にエディを訪ねて来た彼は、まさかとは思うが何かを聞かされたのでは。
「……昨日、何か聞きましたか」
「うむ、だからこそ会いたくない。君同伴では特に」
嗚呼、やはり。あいつは羞恥心なんてないんだろうか。レイは頭を抱える。
男性二人が神殿に行きたくない理由がわからないコルネリス伯爵令嬢は、少し困惑しているようだ。
仕方がない。王太子殿下は呟き、王城を指差した。
「あちらでもいいかな」
「……他に、場所がないのであれば」
「私も構いません」
共にレイを待っていたということでまさかとは思ったが、やはり目の前の彼が何者なのかも知っているのだろう。
コルネリス伯爵令嬢が頷くと、王太子殿下は笑う。
「ならば早くに済ませよう。君の腕輪がもし感知機能を備えていたら、面倒なことになってしまう」
たとえば、乗り込んでくるとか。
その言葉に、レイはふるりと身を竦ませた。
27
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる