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進展
しおりを挟む朝、登りの特急に乗るのはお互い行き来するようになって初めてだ。
以前は海人君は金曜の夜こっちにきて、日曜の終電で帰っていたのだが、最近は月曜の朝帰ることも増えた。
「朝の登りって満席なんだね」
「大丈夫?辛くない?」
「うん」
「混んでるから一緒に来てもらうか悩んだけど、樹お兄ちゃんがスマホ壊すから…」
「う…ごめんなさい」
「スマホ買うまでタブレットでメールしかないか…何かあったらすぐ送って、僕からも送るからちゃんと見てね」
「…はい」
ホテルのチェックインまで時間があるので、海人君のいるA大の医学部図書館に行くことにした。昔のものから最新のものまで、医学の多岐に渡る分野が全て揃っており、ついついお昼を食べるのも忘れて読みふけってしまった。
あ、メール。確認しなきゃ。
すると海人君から数時間前にメールが来ていた。何だろう。
佐伯教授から例の件でメールが届いたので転送するよ、とのこと。
僕のLINEが既読にならず、心配して海人君の院内メールの方に送ってくれたらしい。せっかくここにいるなら…メールでアポをとって会いに行く事にした。
「小椋と申します。16時に佐伯教授とお約束しているのですが…」
受付に声をかけると
「学生さんですね!どうぞ!」
??…まあ、普段着だし。仕方がない。
白衣着てても研修医と勘違いされる事はよくある。
「お邪魔します」
「やあ、来てもらえてよかったよ!」
「この度は本当にありがとうございました、まさかあの条件で5人も集まるなんて」
「この中から小椋君の医院に合いそうな人を選んで声をかけよう。小椋君自身で声をかけてもいいし、私が仲介してもいいよ。」
「あ、だけどね、一人高齢の人がいるんだ…」5人のプロフィールを見ると
「佐伯源一朗さん…って、佐伯先生のお父様じゃないですか?!」
「誰かいい人紹介してもらおうと思ったら、自分が行くって言い出してね。つい最近、うちの医院も閉じたとこだから、少し退屈してたのかもしれないよ。でも、選ぶかどうかは小椋君次第だからね。」
若くして数々の研究成果や術式の考案などの業績を残し、小児外科学会や小児科学会の会長を務め、小児の分野といえば知らない者はいない佐伯源一朗先生。ご自身の医院を継がれてこのお年まで働かれていたのか…
「ホントに良いのですか?こんな有名人に田舎の小さな僕の医院に来て頂いて…しかもバイトだなんて」
「寧ろ父の方が君に興味を持ったみたいでね」
「そうなのですか、とてもありがたいと同時に恐縮ですが…よろしくお願いします。」
海人君の研修が遅くなるとのことだったので、ホテルでごはんを食べる事になった。
海人君にも、集まってくれた候補の方々の情報を見て一緒に決めて欲しくて持ってきたノートパソコンで情報を整理していた。
コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「ただいま」
「おかえり、お疲れさま」
「樹お兄ちゃん佐伯先生との話、どうだった?」
「それについてはごはんを食べながら話そう。ビールも買っておいたからお風呂先に入っておいで」
「わかった」
「このおじいちゃん、佐伯先生のお父さんなんだ!」
「おじいちゃんとは失礼な!このお方は小児科界隈の超重鎮だよ。あと…」
「えー!すごいじゃん!あと?」
「鬼の佐伯という裏のあだ名を知らない者もいない…」
「え…、怖いの??」
「患児にはとても優しい先生だそうだよ、一緒に働く者達にはとても厳しいとの噂を聞いたことがある。」
「ひょえ~、どうしよう」
「ふふふ、大丈夫だよ、きっと。ただ威圧的なだけの人なら沢山の人に慕われたりはしないだろう?それに…」
「それに?」
「僕の学びたい事を沢山知っている人だと思うんだ。一人院長でやってきた佐伯先生から色々学びたい。」
「そっか、もしかしたら優しい方の佐伯先生、その辺りも考えてくれたのかな…」
「そうかもしれないね、ありがたい」
「僕も早く樹お兄ちゃんの役に立ちたいなぁ」
「もう沢山助けてもらってるよ、ありがとう。」
勉強は好きだし、長い間独学だったから苦ではないが、久しぶりに人に教えを乞う事が出来るというのは新鮮で早く知識を吸収したい。そう思った。
「お!珍しく樹お兄ちゃんが楽しそうだ」
「え、珍しい??そんなことないよ、海人君といるときはいつも楽しい。」
「よかったね」
「うん、海人君と動き出さなかったら、今の僕はないよ」
ふっと、優しい表情になった海人君が僕の肩を抱きしめてくれた。
沢山心配かけてきたから、今度は僕が恩返しする番だ。
「じゃあ、このお二人で決まりだね」
「僕からお声掛けするか、佐伯先生が仲介するかどちらでも良いと仰っていたのだけど、ここはお願いした方がいいかな?」
「うーん、そうかもね~、優しい佐伯先生や江崎先生への信頼もあって集まった人達だろうし」「だよね、そうしよう」
「さて、お風呂に入ろ」
「あれ、樹お兄ちゃんまだだったんだ」
「うん、何だかこの話早く海人君としたくて、落ち着かなかったんだ」
そう言って少し嬉しそうにお風呂に行った樹お兄ちゃん。
僕に候補者の人を紹介するためにプロフィールから情報を纏めたり、日中は医学部図書館で時間も忘れて本を読み漁っていたらしい。根っからの仕事人間、というか医学に命を捧げてるんじゃないかと思うくらいの医師。
すごく尊敬はしてるけど…また突っ走りすぎないように、注意深く見守らなければ。
しばらくして、ふぅっと一息ついて樹お兄ちゃんがお風呂から出て来た。
濡れ髪を拭きながら、というかほぼ濡れたまま上がってくる。樹お兄ちゃんは繊細そうにみえて、自分に関する事にはとても雑である。
「あ!もう!また髪びちゃびちゃなままあがってきた!」
拭いてあげようと樹お兄ちゃんの前にくると、何だかドキッとしてタオルを持つ手が止まってしまった。最近、すごく意識してしまう。
樹お兄ちゃんは、実はものすごーく綺麗で可愛いのだ…眼鏡をかけてない姿を見る機会が増えて、意識しはじめてしまったのかもしれない。
「?どうしたの??」
拭いてもらうのを待っているようで、こちらを見上げてくる表情がなんとも可愛い。
「いつもびちゃびちゃなんだから、えい!」
「わぁ!や、あー!やめてぇ」
これ以上見てたら僕(の色々)が保たないので、顔ごとタオルで包んでわしゃわしゃと髪を拭いてみた。
「もう、海人君、くるしいよぉ」
タオルを取ると、ちょっと涙目な樹お兄ちゃんがいて、これはこれで……墓穴を掘った。
「ごめんごめん」
つい、ぎゅっとハグしてしまった。すると、最近は、樹お兄ちゃんも慣れてきたのかぎゅっと返してくれる。
「かいとくーん?どうしたの?」
今、顔を見たら思ってること全部言ってしまいそうで、一旦落ち着こうとしていた。すると、僕のことが心配になったのか背中をさすってくれる。うう、落ち着かない…
「海人君、熱でもある?顔真っ赤だよ??」
7センチ下から僕の顔をのぞいてくる樹お兄ちゃん。顔が…近い。ど、どうしよう…
「だ、大丈夫だよ」
「わぁ!全然大丈夫じゃないじゃん!鼻血、鼻血!ほら、ティッシュ」
「え、嘘?!あー!ホントだ!」
なんやかんやで鼻血も止まり、僕も冷静になった。
「ふう、さて寝ますか…」
あ、そうだった。今日はセミダブルだった。昨日遅くにギリギリとれたホテル。これしかなかったのだ。こんな状況で一緒に寝られらだろうか。もういっそ、朝まで起きてようと腹を括った。
「海人君、大丈夫?」
隣で寝る樹お兄ちゃんが心配そうに見つめてくる。やっぱり綺麗な顔だ。
「樹お兄ちゃんって、告白されたこととかないの?」
「う、またその話…」
「だって、こんなに綺麗な顔してるのに。」
前髪を上げてみる。
「そういうことは女の子に言ってあげた方がいいんじゃ…」
しばらく眺めていると
「告白…というか、求婚なら何度か」
「なにぃ!」
「ふふ、みんな小さな患者さんだよ。今はきっとみんな僕の事なんか忘れてる、良いことだよ。」「なーんだ」
「でも一人…悔いの残る子がいる…」
「好きだったの?」
「僕は、嘘をついたんだ…」
樹お兄ちゃんの表情が曇ってしまい、聞いて良いものか悩んだ。しかし、過去と向き合う事が、全て悪い方向にいくわけではない、と樹お兄ちゃんの主治医が教えてくれたのを思い出す。
「聞いてもいい?」
「僕が医院を初めて最初の年、19歳の女性患者さんだった。」
「主訴は便秘と頻尿で近医を受診して、CFや血液検査をやり異常なし、膀胱炎の薬をもらって3ヶ月、何も解決しないと言ってうちに来たんだ。」
「19歳、年齢からあまり考えたくなかったけど、婦人科系の疾患を疑って腹部エコーをしてみたら…」
「やっぱり、卵巣が15センチ大に腫大していて、良悪に関わらず手術が必要だから大学病院に転院させることにしたんだ。」
「ずっと何だか分からなかった不調の原因がわかったからか、僕にすごく感謝してくれて…その時に言われたんだ、先生とお付き合いしたいって。」
「医者を美化してしまう患者さんには研修医時代とかにも会ったから、そういうことかなと思ったんだ。」
「だったらちゃんとお断りすればよかったのにね、僕は卑怯なことを言ってしまった」
「二十歳になって、元気になったらまたおいで…って」
「エコーで悪性と…それもかなり進行の早いタイプではないかと推察していたのに。転院させたらもう二度と会えない事はわかっていたのに。」
「後日、その子のお母さんが、彼女が亡くなったことを知らせに来てくれたよ。最後の最後まで、僕に会うのを楽しみにしてたと聞いて後悔した。」
目の前の樹お兄ちゃんの目には涙が溜まっていた。
樹お兄ちゃんが過去と対峙したときはいっぱい優しくしてあげたい。
胸元に抱き寄せると、樹お兄ちゃんは泣き出してしまった。
「樹お兄ちゃんは卑怯じゃないよ、僕もそうしてたと思う」
「樹お兄ちゃんはその時に出来る最大限の事をしたんだ、だから大丈夫」
背中をさすると更に泣いてしまった。
「ごめんね、辛い話をさせちゃって…でも、ありがとう」
「…ありが…とう?」
泣きながら不思議そうにこちらをみる樹お兄ちゃんが可愛くて、おでこにキスをした。
「僕は樹お兄ちゃんの全部を知りたい。辛いことも楽しいことも、全部。」
「だから、樹お兄ちゃんが泣きながら辛い思いをしても僕に話してくれることに感謝してる。ありがとう」
おまけに更に強く長くおでこにキスをすると
「へへへ、くすぐったい」
「もっとしちゃうぞ」
「やだ、おでこ取れちゃう」
そんなこと言われたら余計したくなったが、歯止めが利かなくなりそうで我慢した。
「僕の方こそありがとう」
そう言って、今度は樹お兄ちゃんが僕のおでこにキスをしてくれ、驚きのあまりフリーズしてしまった。
「いつも苦しい話を聞いてくれて、僕を優しく見守ってくれて」
更にさっき僕がしたように、強く長くおでこにキスしてくれた。
「僕も海人君のこと、沢山知りたい…」
ちょっと照れながら言う樹お兄ちゃん。
なんて…幸せなんだ、僕は…
「あー!また!」
樹お兄ちゃんの驚きの声にフリーズが解除された。
「えっ!なに?どうしたの?」
「鼻血!」
「だぁー、ホントだ!」
結局、明け方近くまで騒がしい夜になってしまった。
*CF…大腸内視鏡検査
翌日、寝不足ではあったが研修の時間は眠くなる暇もなく、昼休憩中、少し仮眠をとっていた。
「橘くーん」
「わ!中嶋さん…」
「わ!って何よ」
「だって…」
先日、彼女を思いっきり振ってしまったからとても気まずい。だけど、そのおかけで樹お兄ちゃんへの気持ちに気がづけた。
「もう気にしてないよ、なに、彼女といちゃいちゃして眠れなかったの?」
「そ、そんなんじゃないよ」
眠れなかったのは事実だけど、いちゃいちゃはまだ出来ていない。
「ふーん、なんだか欲求不満な顔してるわね」
「確かに…そうかもしれない」
「あらあら、お姫様は草食系なのかしら」
「どっちかというと絶食系?いや、仙人みたいな」
「あらら、でも離れないで一緒にいるんでしょう?」
「まあ…」
「それだけでもその子にとってはすごい事なんじゃないの?」
「そう思いたい…」
「私振っといてその子と幸せにならなかったら怒るわよ!」
「わぁ!ごめん!でも、なんか元気出た、ありがとう!よーし、午後も頑張るぞー!」
「橘君って単純…」
海人君を研修に送り出したが寝不足で大丈夫だろうか。昨日は何故か鼻血ばっかり出してたので貧血もあるかもしれない。
「樹お兄ちゃんはちゃんと寝てね」と言われたが、それもなんか申し訳ない気がして、今日も医院の再開に向けて準備をしていた。
何だか最近、海人君の様子がおかしい。
僕に優しいのはずっと変わらないけど、たまに見せる真剣な顔。見ると分からないけど、胸が熱くなる。
それに綺麗だなんて言われたのは初めてで、これは女の子だったらすぐに恋に落ちてしまいそうだ。と思いながら、容姿に自信のない僕は海人君に容姿的にも嫌われてなかったことが少し嬉しかった。
やっぱり…「海人君ってモテるんだろうなぁ」
何で僕と一緒にいてくれるのか、の問いに秘密と言われてしまったが、人が人と一緒にいる理由ってなんだろう。
友人、同僚、上司や部下、先輩後輩、家族、恋人…僕達はどれに当てはまるのだろう。厳密に言うとどれでもない。そのうち同僚または先輩後輩、となるだろうが。
こんな曖昧な関係、本来なら長く続かないだろうけど、不思議と心地良い。
どれも当てはまらないようで、実は全てが当てはまるような、そんな気がしてきた。
ん?恋人?については違うか…分からないけど
恋人って、どんなだろ。一緒にごはん食べたり、おでかけしてみたり、おうちでゆっくりしたり…
抱き合ったり、キスしたり…するのかな
「???あれ?」
これって全部、海人君と一緒にしてる…いや、キスはしてない。海人君がぎゅっとしてくれたり背中をさすってくれる時、すごく落ち着いて心地良いと感じている。
何でだろう…気がつくと海人君のことばかり考えてしまっている。今朝別れたばかりなのに、もう会いたい。
こんな気持ち、誰かに対して抱いたのは初めてかもしれない。
樹お兄ちゃんが折角ならお外で食べよう、と言ってくれて、今日は僕の研修が終わったら外でごはんを食べに行くことになっていた。
そう言う日に限って、緊急オペが入りその介助に入ることになりなかなか終わらなかった。
『今、A大で江崎君に会って、夜ごはん一緒に食べないかって聞かれたのだけど、一緒に行く?』『うん!了解!あ、でもこれから大腸穿孔の緊急オペで…僕が遅くなりそうだったら先に行ってて!』
オペ前にLINE返しておいてよかった。江崎先生なら樹お兄ちゃんに何かあっても冷静に対処してくれるだろう。それに、たまには僕以外の人とも接した方が良い。
とりあえず今は目の前に集中!
ぐうぅ~
「江崎君、お腹空いたよね、先にどこかお店探して入ろうか?」
そういえばB大研修医時代、よく食べる江崎君は食堂のおばちゃんの人気者だという噂があった。「うむ、何が食べたい?」
「僕はそんなにお酒も飲めないし、ごはんも食べられないから…いつも海人君の食べたいものに合わせてるんだ」
「ふーん、じゃあ海人君の好きな物は?」
「うーん、唐揚げと焼肉とハンバーグとオムライスとラーメンと…中学生男子が好きそうな食べ物ならなんでも」
「う、俺も全部大好きだ」
「ふふ、沢山食べて健康的でいいじゃない」
「小椋はなんか食べたいものないの?」
「強いていえばパフェとかアイスとか…」
「中学生女子か」
結局、なんでも出てくる大衆居酒屋に席をとった。金曜日だから店内はとても賑わっていた。
「4人分ってことは、佐伯先生も来てくださるの?」
「うん、LINEしといた。緊急オペの迅速が終わったら来るってさ」
「あ、それってもしかして海人君が介助に入ってるオペかな?」
「そうかもしれん」
卵焼きや唐揚げ、焼き鳥盛に釜飯、サラダなど、二人が来るまでにお腹いっぱいになってしまうのではというくらいの量の注文が届いた。
「俺一人でも食べられるから、小椋は無理して食べなくても大丈夫だぞ」
「ありがとう…って、えー!!これ全部食べられるの?」
「うむ」
誇らしげに言う江崎君。流石、この大きい体なら納得だ。
「小椋、この前会ったときより元気そうだな」
「うん、そうだね、海人君のおかげだよ…でも」
「ん?」
「たまに心配になる」
「僕は海人君にとっての何者なんだろうかと」
「何者って?」
「友達、家族、師弟、恋人…どれでもないのに、何故一緒にいてくれるのかって」
難しい表情になった江崎君。
「あ、ごめん、変なこと言って」
「…変じゃない」
「変じゃない?」
佐伯先生とは師弟であり恋人である江崎君が、僕の考えに共感してくれることが意外だった。
「じゃあ、小椋にとって海人君は何者なんだ?」
「え…」
全く考えてなかった訳ではないけど、海人君にとっての僕、という所にとらわれ過ぎていた。
「おや、二人とも真剣な顔して何の話をしているのかな?」
「樹お兄ちゃん、お待たせ!」
「佐伯先生、海人君とご一緒だったのですね」
「たまたま出るタイミングが一緒でね」
「二人ともお疲れ」
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「じゃあ、改めて、乾杯」
「佐伯先生と江崎君には本当に感謝してます、ありがとうございます」
「僕からも樹お兄ちゃんのためにありがとうございます!」
「私達は知り合いをあたっただけ、一人は私の父だし…逆に…仕事は問題ないと思うけど、人柄的に君達に合うか心配な面も」
「それに関しては僕が望んだんです。僕は佐伯先生のお父様から、学ぶべき事が沢山あるように思えて」
「江崎先生の紹介してくださった鷹木先生は、どういった繋がりなんですか?」
「俺のB大で助教やってたときの専攻医の子」
「ってことは病理の方?」
「元々内科志望だったんだ。旦那さんの地元だからそっちで内科をやりたいらしい、小椋のことは地元でも有名らしくて一緒に働いてみたいと」
「へぇ!樹お兄ちゃん、すごい!」
「どこでそんな…知っていてくれたのだろう」
「君自身の努力の賜物だよ。見ていてくれる人はいつでもいるものだよ」
ここにいるみんなの優しさに、何だか込み上げるものがあった。
「樹お兄ちゃん?」
「小椋?」
「ごめん…」
「ふふ、気にしなくて良いよ」
「ありがとう…ございます」
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