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火炙りになった元聖女
どうやら私は力を失ったようです
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翌日、私は異端審問所にいた。
公平性を期すために加護調べはここで行われる。
これで結果が決まるのね。
次期王妃になるのか。
それとも、治癒能力のないただの人間になるのか。
結果はわかりきってる気がするけど。
「聖女フローレンスよ、前へ!」
証言台に立ったが、ここに立つとなぜか罪人になった気分だ。
「これより、聖女フローレンスが真に治癒の加護を受けたか確認するため、加護調べを行う! 患者をここに!」
祭司様がそう命じると、何人かの傷痍軍人が運ばれてきた。
松葉杖をついていたり、包帯から血がにじんでいたりと、全員満身創痍だ。
「機会は3回! 聖女フローレンスが傷を治せなかった場合、すでに加護を失ったとして、追放、王子との婚約は破棄する物とする! 異議はあるか?」
「ありません……」
私が小さくそうつぶやくと、加護調べは無情にも始まった。
「始め!」
観客たちの好奇の眼差しが刺さる。
私は今までと同じように患部に手をあて、祈ったがやはり何も起こらない。
何度繰り返しても、治る気配はなかった。
司祭様の顔を見て、首を左右に振る。
いくらやっても無駄だ、私にはもう力がない。
「……フローレンスよ、それでいいのか?」
祭司様は開始を告げた時とは全く違う、優しい声で問いかけてくれたが、私の意思は変わらない。
「ええ……。私フローレンスは、聖女としての力を失いました……」
すみません、司祭様。
貴方が勧めてくださったのに、力をなくしてしまって。
私が諦めたとわかると、観客席から大きなため息が漏れた。
皆、聖女であり、未来の王妃である私の力を見に来たのだ、がっかりしても無理はない。
「フローレンスよ、本日を持って聖女の任を解き、王子との婚約を破棄する!」
こうして私は自由の身になった。
◇
これからどうしようかしら。
聖女の地位を失った私は衣食住なにも保証されていない状態で街に放り出された。
もう二度と、着てないかと錯覚するくらい着心地のいい服も、雲のようにふかふかなベッドにも、宝石を食べているのかと思うくらいきらきらして美味しかった食事も、私の手には届かない。
今あるのは、少しの小銭とボロ布で作られたかと思うような衣服のみ。
暖を取ろうとポケットの中に手を入れると、クシャっとした感触があった。
「なにかしら?」
広げてみると、そこには数日前にアンリからもらった手紙が入っていた。
「リチャードって案外近くに住んでいたのね」
その手紙に書かれた住所は、王宮の目と鼻の先だった。
とつぜん訪ねたら迷惑かしら?
いや、話せなくてもいい、彼を一目見ることさえできれば。
客を装って行ってみよう。
公平性を期すために加護調べはここで行われる。
これで結果が決まるのね。
次期王妃になるのか。
それとも、治癒能力のないただの人間になるのか。
結果はわかりきってる気がするけど。
「聖女フローレンスよ、前へ!」
証言台に立ったが、ここに立つとなぜか罪人になった気分だ。
「これより、聖女フローレンスが真に治癒の加護を受けたか確認するため、加護調べを行う! 患者をここに!」
祭司様がそう命じると、何人かの傷痍軍人が運ばれてきた。
松葉杖をついていたり、包帯から血がにじんでいたりと、全員満身創痍だ。
「機会は3回! 聖女フローレンスが傷を治せなかった場合、すでに加護を失ったとして、追放、王子との婚約は破棄する物とする! 異議はあるか?」
「ありません……」
私が小さくそうつぶやくと、加護調べは無情にも始まった。
「始め!」
観客たちの好奇の眼差しが刺さる。
私は今までと同じように患部に手をあて、祈ったがやはり何も起こらない。
何度繰り返しても、治る気配はなかった。
司祭様の顔を見て、首を左右に振る。
いくらやっても無駄だ、私にはもう力がない。
「……フローレンスよ、それでいいのか?」
祭司様は開始を告げた時とは全く違う、優しい声で問いかけてくれたが、私の意思は変わらない。
「ええ……。私フローレンスは、聖女としての力を失いました……」
すみません、司祭様。
貴方が勧めてくださったのに、力をなくしてしまって。
私が諦めたとわかると、観客席から大きなため息が漏れた。
皆、聖女であり、未来の王妃である私の力を見に来たのだ、がっかりしても無理はない。
「フローレンスよ、本日を持って聖女の任を解き、王子との婚約を破棄する!」
こうして私は自由の身になった。
◇
これからどうしようかしら。
聖女の地位を失った私は衣食住なにも保証されていない状態で街に放り出された。
もう二度と、着てないかと錯覚するくらい着心地のいい服も、雲のようにふかふかなベッドにも、宝石を食べているのかと思うくらいきらきらして美味しかった食事も、私の手には届かない。
今あるのは、少しの小銭とボロ布で作られたかと思うような衣服のみ。
暖を取ろうとポケットの中に手を入れると、クシャっとした感触があった。
「なにかしら?」
広げてみると、そこには数日前にアンリからもらった手紙が入っていた。
「リチャードって案外近くに住んでいたのね」
その手紙に書かれた住所は、王宮の目と鼻の先だった。
とつぜん訪ねたら迷惑かしら?
いや、話せなくてもいい、彼を一目見ることさえできれば。
客を装って行ってみよう。
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