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火炙りになった元聖女
私を幸せにしなくていいです、私と幸せになってください!
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「ねえリチャード、よく私が黒の広場にいるってわかったわね」
「みんな噂してたからすぐわかったよ。聖女だった女が火炙《ひあぶ》りにされるってね」
まあ噂にもなるか……。
火炙《ひあぶ》り自体は人気の高い娯楽だけど、最近あまりやってなかったものね。
それに、聖女なんて、普段目に出来ないような人が処刑されるとなったら噂にもなるわね。
「うん、よし! リチャードの用意してくれた服ちょうどよかったわよ」
私は馬車から降りると、リチャードに見せるようにクルクルと回って見せた。
「似合っててよかった。サイズも問題なさそうだし、行こうか」
リチャードと馬車に乗るなんて何年振りだろう。
いや、初めてかもしれない。
修道院にいた時は二人きりになんてなれなかったし。
「そうだ、リチャード」
「ん? どうしたの?」
「どうやって私に水をかけたの?」
「近くの建物に仲間がいてね。この馬車もその仲間が用意してくれたんだ」
「頼もしい仲間ね」
リチャードに仲間なんて意外だわ。
美術商みたいな色々飛び回る仕事をしているから、人脈があるのかしら?
「フローレンス、今日はお疲れ様。これから長旅になるから寝てた方がいいよ」
「そうなの? ならお言葉に甘えて」
アンリに会ったり、リチャードを治したり、燃やされそうになったりと今日は目白押しだった。
気が付けば、日は沈み、空が赤黒く染まっている。
梟《ふくろう》かしら……。
夜目の効く鳥が悠々と羽ばたいている。
もうそんな時間なのね。
「おやすみ、リチャード」
「ああ、おやすみ」
◇
リチャードに連れられ隣国に引っ越してから、もう二か月が過ぎようとしていた。
季節も着々と移り変わっている。
ここは前のところと違って綺麗ね……。
そんなことを考えながらぼーっと窓の外を眺めているとリチャードが話しかけて来た。
「どうしたんだい、物思いに耽《ふけ》って」
「ちょっとね、前あんなボロボロで危なそうな集合住宅に住んでたリチャードが、隣国ではこんな豪邸に住んでるなんてって」
「信じられないのかい?」
「ええとっても」
実際馬車で連れてこられたときはすごく驚いた。
見たことのないような何百着の服、隅々まで手入れの行き届いた宮殿のような家、そして極めつけは、高価なスパイスがふんだんに使われた見たこともないような料理。
聖女に与えられていた物もすごかったが、ここはそれ以上だ。
「ごめんね、嘘ついてて。任務のことは誰にもバレるわけにはいかなかったんだ」
「気にしてないわ。軍人は隠し事が多いものだし、リチャードのような高級将校になればなおさらでしょ?」
「ああ、仲間に対しても隠さなきゃいけないこともあるしね」
「ところであれから王宮はどうしたのかしら?」
数日前、私たちの家に一通の知らせが舞い込んできた。
◆
「嘘! 嘘よ! 王宮陥落なんて!」
「嘘じゃないよ、フローレンス。ほら、見てごらん」
新聞には確かに大きく、『王宮陥落!? 市民革命始まる!』と書かれていた。
けどまさか、ちょっと前まで私の住んでいたところで革命が起こるなんて……。
「ねぇ、王宮にはアンリや他の聖女だっているのよ? みんなどうなっちゃうの?」
「大丈夫だよ、革命のリーダーは王族以外降伏すれば手を出さないって言ってるらしいし」
記事の中には確かにそのようなことが書いてある。
「ねえもっと情報はないの?」
必死でページを捲ると、ある特集記事にたどり着いた。
今回の革命に関する考察や、被害が丁寧《ていねい》に綴《つず》られている。
「リチャード! ここの革命のきっかけになった元聖女って……まさか――」
「君のことだろうね」
記事にはこうまとめられていた。
『革命の根本的な原因は王による圧政だが、元聖女の処刑が革命の引き金になったとは言えないだろうか? 裁判を経ずに年端も行かぬ少女を火炙りにするという野蛮な行為が、これ以上王に政治を任せるわけにはいかないと、市民らを革命の道に導いたのだ』
「大丈夫、フローレンスが気に病むことじゃないよ」
リチャードは力いっぱい私を抱きしめてくれた。
ただ、抱きしめた瞬間にページを一枚抜き取ったのを私は見逃さなかった。
「リチャード、何のページを抜いたの?」
彼の胸の中でそっとつぶやく。
「隠さなくてもいいから私にも見せて」
彼の後ろポケットにぐしゃっと押し込まれたページを広げると、それは死亡者リストだった。
「まさか、私の知り合いが載ってるっていうの?」
彼に問いただしても、彼は何も言わない。
仕方なしに一人一人リストを確認していくと、『ア ン リ』と刻まれていた。
そのあとは、一晩中リチャードが背中をさすってくれたこと以外覚えていない。
◇
「王宮ね……。新政府が樹立したとは聞いたけど、どうなることやら」
「そうね」
「向こうでの暮らしが恋しいかい?」
「そんなことないわよ」
聖女ともてはやされてはいたが、王宮での労働環境はとても満足と言えるものじゃなかった。
力を使うことを制限され、本当に困っている人を助けられない名ばかりの聖女。
それに、聖女をやめた後も道具のように諸侯や他国との外交に使われることが決まっていた、自由のない生活。
そんなことをしていた、王が滅ぶことになって少しうれしいのよ。
ほんの少しだけね……。
「そいえばリチャード、どうして私があそこに住んでるってバレたのかしら? それに私を捕まえた男、私に加護が戻ったって知ってたのよ」
「誰かに力を使ったりしてないの?」
「いえ、リチャード以――」
アンリに見せたわ。
ただまさかアンリが……。
そんなわけ無いって信じたいけど。
「どうかした?」
「大丈夫よ。リチャード以外には見せてないわ」
今さらアンリを疑ったところで真実はわからない。
もう彼女が口を利くことはないのだから。
それに、アンリが王宮の人間だということを忘れて力を使った私も迂闊《うかつ》だったのよ。
「ところでフローレンス、さん」
「どうしたんですかリチャード少佐、いきなり改まって?」
急にかしこまって話しかけるリチャードがなぜかとてもおかしかった。
「君のことを幸せにする。だからこれからも一緒に暮らしてくれませんか?」
リチャードはサッと私に指輪を差し出してきた。
そういうことね。
「私を幸せにしてくれなくてもいいわ。ただ、私と幸せになって」
差し出してきた指輪をそっと薬指に着けると、リチャードと唇を重ねた。
【了】
「みんな噂してたからすぐわかったよ。聖女だった女が火炙《ひあぶ》りにされるってね」
まあ噂にもなるか……。
火炙《ひあぶ》り自体は人気の高い娯楽だけど、最近あまりやってなかったものね。
それに、聖女なんて、普段目に出来ないような人が処刑されるとなったら噂にもなるわね。
「うん、よし! リチャードの用意してくれた服ちょうどよかったわよ」
私は馬車から降りると、リチャードに見せるようにクルクルと回って見せた。
「似合っててよかった。サイズも問題なさそうだし、行こうか」
リチャードと馬車に乗るなんて何年振りだろう。
いや、初めてかもしれない。
修道院にいた時は二人きりになんてなれなかったし。
「そうだ、リチャード」
「ん? どうしたの?」
「どうやって私に水をかけたの?」
「近くの建物に仲間がいてね。この馬車もその仲間が用意してくれたんだ」
「頼もしい仲間ね」
リチャードに仲間なんて意外だわ。
美術商みたいな色々飛び回る仕事をしているから、人脈があるのかしら?
「フローレンス、今日はお疲れ様。これから長旅になるから寝てた方がいいよ」
「そうなの? ならお言葉に甘えて」
アンリに会ったり、リチャードを治したり、燃やされそうになったりと今日は目白押しだった。
気が付けば、日は沈み、空が赤黒く染まっている。
梟《ふくろう》かしら……。
夜目の効く鳥が悠々と羽ばたいている。
もうそんな時間なのね。
「おやすみ、リチャード」
「ああ、おやすみ」
◇
リチャードに連れられ隣国に引っ越してから、もう二か月が過ぎようとしていた。
季節も着々と移り変わっている。
ここは前のところと違って綺麗ね……。
そんなことを考えながらぼーっと窓の外を眺めているとリチャードが話しかけて来た。
「どうしたんだい、物思いに耽《ふけ》って」
「ちょっとね、前あんなボロボロで危なそうな集合住宅に住んでたリチャードが、隣国ではこんな豪邸に住んでるなんてって」
「信じられないのかい?」
「ええとっても」
実際馬車で連れてこられたときはすごく驚いた。
見たことのないような何百着の服、隅々まで手入れの行き届いた宮殿のような家、そして極めつけは、高価なスパイスがふんだんに使われた見たこともないような料理。
聖女に与えられていた物もすごかったが、ここはそれ以上だ。
「ごめんね、嘘ついてて。任務のことは誰にもバレるわけにはいかなかったんだ」
「気にしてないわ。軍人は隠し事が多いものだし、リチャードのような高級将校になればなおさらでしょ?」
「ああ、仲間に対しても隠さなきゃいけないこともあるしね」
「ところであれから王宮はどうしたのかしら?」
数日前、私たちの家に一通の知らせが舞い込んできた。
◆
「嘘! 嘘よ! 王宮陥落なんて!」
「嘘じゃないよ、フローレンス。ほら、見てごらん」
新聞には確かに大きく、『王宮陥落!? 市民革命始まる!』と書かれていた。
けどまさか、ちょっと前まで私の住んでいたところで革命が起こるなんて……。
「ねぇ、王宮にはアンリや他の聖女だっているのよ? みんなどうなっちゃうの?」
「大丈夫だよ、革命のリーダーは王族以外降伏すれば手を出さないって言ってるらしいし」
記事の中には確かにそのようなことが書いてある。
「ねえもっと情報はないの?」
必死でページを捲ると、ある特集記事にたどり着いた。
今回の革命に関する考察や、被害が丁寧《ていねい》に綴《つず》られている。
「リチャード! ここの革命のきっかけになった元聖女って……まさか――」
「君のことだろうね」
記事にはこうまとめられていた。
『革命の根本的な原因は王による圧政だが、元聖女の処刑が革命の引き金になったとは言えないだろうか? 裁判を経ずに年端も行かぬ少女を火炙りにするという野蛮な行為が、これ以上王に政治を任せるわけにはいかないと、市民らを革命の道に導いたのだ』
「大丈夫、フローレンスが気に病むことじゃないよ」
リチャードは力いっぱい私を抱きしめてくれた。
ただ、抱きしめた瞬間にページを一枚抜き取ったのを私は見逃さなかった。
「リチャード、何のページを抜いたの?」
彼の胸の中でそっとつぶやく。
「隠さなくてもいいから私にも見せて」
彼の後ろポケットにぐしゃっと押し込まれたページを広げると、それは死亡者リストだった。
「まさか、私の知り合いが載ってるっていうの?」
彼に問いただしても、彼は何も言わない。
仕方なしに一人一人リストを確認していくと、『ア ン リ』と刻まれていた。
そのあとは、一晩中リチャードが背中をさすってくれたこと以外覚えていない。
◇
「王宮ね……。新政府が樹立したとは聞いたけど、どうなることやら」
「そうね」
「向こうでの暮らしが恋しいかい?」
「そんなことないわよ」
聖女ともてはやされてはいたが、王宮での労働環境はとても満足と言えるものじゃなかった。
力を使うことを制限され、本当に困っている人を助けられない名ばかりの聖女。
それに、聖女をやめた後も道具のように諸侯や他国との外交に使われることが決まっていた、自由のない生活。
そんなことをしていた、王が滅ぶことになって少しうれしいのよ。
ほんの少しだけね……。
「そいえばリチャード、どうして私があそこに住んでるってバレたのかしら? それに私を捕まえた男、私に加護が戻ったって知ってたのよ」
「誰かに力を使ったりしてないの?」
「いえ、リチャード以――」
アンリに見せたわ。
ただまさかアンリが……。
そんなわけ無いって信じたいけど。
「どうかした?」
「大丈夫よ。リチャード以外には見せてないわ」
今さらアンリを疑ったところで真実はわからない。
もう彼女が口を利くことはないのだから。
それに、アンリが王宮の人間だということを忘れて力を使った私も迂闊《うかつ》だったのよ。
「ところでフローレンス、さん」
「どうしたんですかリチャード少佐、いきなり改まって?」
急にかしこまって話しかけるリチャードがなぜかとてもおかしかった。
「君のことを幸せにする。だからこれからも一緒に暮らしてくれませんか?」
リチャードはサッと私に指輪を差し出してきた。
そういうことね。
「私を幸せにしてくれなくてもいいわ。ただ、私と幸せになって」
差し出してきた指輪をそっと薬指に着けると、リチャードと唇を重ねた。
【了】
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