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①
1-1 現れる変態たち――主人公
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――みんなが好きなものは何だろうか――
スポーツだとか食べ物だとか動物だとか、いろいろとあるだろう。そのなかでも特に、好きな異性のタイプというのは重要なことだ。
俺だってある。それは純粋な心を持ち、隠微さを漂わせる発展途上の体。
年齢的には六歳くらいから十二歳くらいまでの間――言ってしまえば、小学生である。一般的には、ロリコンなどと呼ばれている部類の人間だ。さらに、一般的には引かれる存在でもある。
だが、だから何だ? それの何がいけない。ただ俺が好きで、恋愛対象として見ているのが、背が小さく、年齢が幼い女の子だっただけじゃないか。少なくとも俺は、そんな自分に誇りだって持っている。
それに、世間では年の差婚なんてものがある。場合によっては四十歳差という、親子以上の年齢差だってあるものだ。それに比べたら、高校二年生の俺との差なんて、どうということもないことだろう。
結局は愛。それがあれば何も関係なんてない。そして俺はその愛の故に、今こうしているのだ。
「はぁはぁ……まなちゃん……」
と息を荒げて、俺は下校中の、まなちゃん(9)のあとを付けていた。まなちゃんは、くりりとした瞳とさらさらのツインテールがチャームポイントの、地元小学校に通う三年生だ。
「やっぱりいつ見ても、まなちゃんは最高だな~」
鼻歌を歌いながら、帰っているまなちゃんを、幸せな気持ちで眺める。だがすぐに、気持ちを切り替えて、俺は辺りを注意ぶかく見渡す。
(……大丈夫だな)
ホッと胸を撫で下ろす。
一応言っておくが、これはストーカーではない。ただ、俺の好きな人が変なやつに変なことをされないように、見張っているだけだ。それをあんな最低な行為と比べないでほしい。
そう。俺はまなちゃんを守っているのだ。ただ、まなちゃんは恥ずかしがり屋だからこうやって、緊張しないようにあとをつけて、気づかれないようにし、普通の生活を送って貰えるようにしているけどね。
しかし、本当に可愛いなぁ~。抱きしめたい。
さっきまでは友達と一緒に帰っていたけど、別れてからはこう……なんか違うんだよ。自分一人だっていうことの、解放感というか、自由になったことで雰囲気が変わってるんだ。おかげで俺のあれもビンビンに……おっと、この話はやめておこう。今は自分の使命を全うしなければ。
*****
まなちゃんの家まで着いた。これで俺の役目も終わり……にはならない。
当たり前だ。そんなに簡単に終われば、俺なんていらないんだ。ここで帰るなんでただの馬鹿じゃないか。なんせ小学生だぞ? 帰った後も、遊びに出かけることはある。ないときもあるけど。
とにかく、そういうわけで俺は、まだまなちゃんの身の安全を守るため、こうしてないといけない。俺は、電柱に隠れて見張りを続けた。
しかしいつも思うことだが、俺がこうやってまなちゃんを見ているかぎり、ようちゃん(6)やえみちゃん(8)を守る人がいなくなってしまうのは、やはり忍びないな。まったく三人くらいに分身できないものか……。いや、それだけじゃ足りないんだけど。そんなことを考えているとまなちゃんが家から出てきた。
「ふう……。よかった。無事でなによりだ」
最近の世の中は物騒だ。もしかしたら、階段で転げ落ちてしまったり、まなちゃんを狙って家の中に入り、襲う変態がいたり、家の中に入った露出狂が、自分の粗末なあれを見せ付けたりしているかもしれない。まなちゃんほどの可愛さだ。ありえないことではない。みんながみんな、俺みたいな紳士ではないのだからな。
「お、おい……何だあれは!?」
俺はその光景を見て驚愕した。それはその美貌にではない。もちろん、いつもその姿には心を揺さぶられているけれど、そうじゃない。
俺は怨みがましい視線をまなちゃんの隣に向ける。
「誰だあいつ……気安く話し掛けやがって」
それは見覚えのない男。見た目的に大学生くらいだろうか。そいつがまなちゃんに話しかけていた。まなちゃんはどうやら知り合いのようだが、俺から見れば、あれは絶対卑猥なことを考えている。そういうやつだ。顔が物語っている。
そのうち何処か人気のないところに連れていって、集団でまなちゃんに禁忌を侵すに違いない。嫌がっても泣き叫んでも、止めずに、あまつさえそれも、自分の興奮の材料にする。そういうやつだ。それがやつの背後から溢れ出ている。
くそ! 離れろ! お前みたいなやつが話しかけていい子じゃないんだよ!
確かに顔はまぁまぁいいようだが、心が荒みきっているっているお前には、まなちゃんは似合わない! お前はもう、救い用がないほど腐っている!
「それで? これからどこに行く?」
まなちゃんをたぶらかしやがって……どうせお前はすぐ見捨てるんだろう? 使い捨て何だろ? 雑巾のようによぉ!
「えっとね、えっとね公園!」
「分かった。それじゃあ行こうか」
っち、やはりここは俺が出て止めに入るしかないな。そう思って、電柱から顔を出そうとしたとき――
「うん! お兄ちゃん!」
……ってなんだ。お兄様か。まったく~変な心配させないでくださいよ~もう~。びっくりしたじゃないですか~。
いや~よくみると、顔立ちがとてもよく似ていらっしゃる。凛々しいし、優しさというものが雰囲気から滲み出て来ています。
きっと、心も澄み切っているに違いありませんね。やっぱり俺の思ったとおり、まなちゃんのお兄様は、まなちゃんのお兄様が、代わりがいないほど、似合っておりますよ。
ふ……これはもう、俺がいる理由はなくなったな。俺だって、空気の読めないやつじゃない。後は兄妹水入らず、任せればいい。だから俺は、
「みのりちゃん(12)の所にいってこよう!」
そうして、手をつないで、歩いていく二人を横目に逆方向へと走っていった。
スポーツだとか食べ物だとか動物だとか、いろいろとあるだろう。そのなかでも特に、好きな異性のタイプというのは重要なことだ。
俺だってある。それは純粋な心を持ち、隠微さを漂わせる発展途上の体。
年齢的には六歳くらいから十二歳くらいまでの間――言ってしまえば、小学生である。一般的には、ロリコンなどと呼ばれている部類の人間だ。さらに、一般的には引かれる存在でもある。
だが、だから何だ? それの何がいけない。ただ俺が好きで、恋愛対象として見ているのが、背が小さく、年齢が幼い女の子だっただけじゃないか。少なくとも俺は、そんな自分に誇りだって持っている。
それに、世間では年の差婚なんてものがある。場合によっては四十歳差という、親子以上の年齢差だってあるものだ。それに比べたら、高校二年生の俺との差なんて、どうということもないことだろう。
結局は愛。それがあれば何も関係なんてない。そして俺はその愛の故に、今こうしているのだ。
「はぁはぁ……まなちゃん……」
と息を荒げて、俺は下校中の、まなちゃん(9)のあとを付けていた。まなちゃんは、くりりとした瞳とさらさらのツインテールがチャームポイントの、地元小学校に通う三年生だ。
「やっぱりいつ見ても、まなちゃんは最高だな~」
鼻歌を歌いながら、帰っているまなちゃんを、幸せな気持ちで眺める。だがすぐに、気持ちを切り替えて、俺は辺りを注意ぶかく見渡す。
(……大丈夫だな)
ホッと胸を撫で下ろす。
一応言っておくが、これはストーカーではない。ただ、俺の好きな人が変なやつに変なことをされないように、見張っているだけだ。それをあんな最低な行為と比べないでほしい。
そう。俺はまなちゃんを守っているのだ。ただ、まなちゃんは恥ずかしがり屋だからこうやって、緊張しないようにあとをつけて、気づかれないようにし、普通の生活を送って貰えるようにしているけどね。
しかし、本当に可愛いなぁ~。抱きしめたい。
さっきまでは友達と一緒に帰っていたけど、別れてからはこう……なんか違うんだよ。自分一人だっていうことの、解放感というか、自由になったことで雰囲気が変わってるんだ。おかげで俺のあれもビンビンに……おっと、この話はやめておこう。今は自分の使命を全うしなければ。
*****
まなちゃんの家まで着いた。これで俺の役目も終わり……にはならない。
当たり前だ。そんなに簡単に終われば、俺なんていらないんだ。ここで帰るなんでただの馬鹿じゃないか。なんせ小学生だぞ? 帰った後も、遊びに出かけることはある。ないときもあるけど。
とにかく、そういうわけで俺は、まだまなちゃんの身の安全を守るため、こうしてないといけない。俺は、電柱に隠れて見張りを続けた。
しかしいつも思うことだが、俺がこうやってまなちゃんを見ているかぎり、ようちゃん(6)やえみちゃん(8)を守る人がいなくなってしまうのは、やはり忍びないな。まったく三人くらいに分身できないものか……。いや、それだけじゃ足りないんだけど。そんなことを考えているとまなちゃんが家から出てきた。
「ふう……。よかった。無事でなによりだ」
最近の世の中は物騒だ。もしかしたら、階段で転げ落ちてしまったり、まなちゃんを狙って家の中に入り、襲う変態がいたり、家の中に入った露出狂が、自分の粗末なあれを見せ付けたりしているかもしれない。まなちゃんほどの可愛さだ。ありえないことではない。みんながみんな、俺みたいな紳士ではないのだからな。
「お、おい……何だあれは!?」
俺はその光景を見て驚愕した。それはその美貌にではない。もちろん、いつもその姿には心を揺さぶられているけれど、そうじゃない。
俺は怨みがましい視線をまなちゃんの隣に向ける。
「誰だあいつ……気安く話し掛けやがって」
それは見覚えのない男。見た目的に大学生くらいだろうか。そいつがまなちゃんに話しかけていた。まなちゃんはどうやら知り合いのようだが、俺から見れば、あれは絶対卑猥なことを考えている。そういうやつだ。顔が物語っている。
そのうち何処か人気のないところに連れていって、集団でまなちゃんに禁忌を侵すに違いない。嫌がっても泣き叫んでも、止めずに、あまつさえそれも、自分の興奮の材料にする。そういうやつだ。それがやつの背後から溢れ出ている。
くそ! 離れろ! お前みたいなやつが話しかけていい子じゃないんだよ!
確かに顔はまぁまぁいいようだが、心が荒みきっているっているお前には、まなちゃんは似合わない! お前はもう、救い用がないほど腐っている!
「それで? これからどこに行く?」
まなちゃんをたぶらかしやがって……どうせお前はすぐ見捨てるんだろう? 使い捨て何だろ? 雑巾のようによぉ!
「えっとね、えっとね公園!」
「分かった。それじゃあ行こうか」
っち、やはりここは俺が出て止めに入るしかないな。そう思って、電柱から顔を出そうとしたとき――
「うん! お兄ちゃん!」
……ってなんだ。お兄様か。まったく~変な心配させないでくださいよ~もう~。びっくりしたじゃないですか~。
いや~よくみると、顔立ちがとてもよく似ていらっしゃる。凛々しいし、優しさというものが雰囲気から滲み出て来ています。
きっと、心も澄み切っているに違いありませんね。やっぱり俺の思ったとおり、まなちゃんのお兄様は、まなちゃんのお兄様が、代わりがいないほど、似合っておりますよ。
ふ……これはもう、俺がいる理由はなくなったな。俺だって、空気の読めないやつじゃない。後は兄妹水入らず、任せればいい。だから俺は、
「みのりちゃん(12)の所にいってこよう!」
そうして、手をつないで、歩いていく二人を横目に逆方向へと走っていった。
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