ドラゴンとスライムに生まれ変わった二人は世界支配を目指したい

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3‐10 牢獄

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 捕まった。
 それがどんな事態になるかは俺には分からない。
 エルフの国。
 その一つの街。
 その中心地にある牢獄に俺とリリは別々に入れられた。牢獄ながらしっかりとした作りで清潔感がどこかある。ベットとテーブル、そして椅子。
 トイレなどは外にあるらしい。
 外には二人のエルフの監視。どちらも俺の対策をしてか、男。リリが向かいの牢獄で呑気に寝ているのが見える。
「エルフ以外の生物が国に入っただけでここまでのことをエルフはするの?」
 何となく、監視のエルフに聞いてみる。
 すると片方が答えてくれる。
「確かにやりすぎな点はある。でも仕方がない。今、この国は緊張状態にあるからだ」
「緊張状態?」
「少し前になるが、敵対関係にあったドラゴンの国が滅んだ情報を聞き入れた。エルフの国がその二の舞になってはいけない」
 ああ。
 そっか。
 そうだよ。
 ドラゴンの国が滅んだ情報が、近い国であったエルフの国が知らないわけがない。だから少しでも危険を排除するために強引に来たのか。
 どうしてその程度のことも考えつかなかったのだろう。
 頭が働いていないのだろうか?
「つまり俺たちを天使と思っているということ?」
「いや、違う。天使なわけがない。天使ならばスパイなど送らずに攻めて来るはずだ。ドラゴンの国を見る限り…………」
「おい!」
 もう片方のエルフが大きな声を上げる。
「その程度にしとけ。情報を与えたと見なされるかもしれないぞ」
「確かにそうだな。すまない」
「いや、分かれば良い」
 片方のエルフが口を閉じた。
 もう会話をしようという意思が感じられなくなった。

 それからは退屈な時間が過ぎ去る。
 以前、リリは起きるそぶりがない。
 最も例えリリが起きていたとしても会話できるわけではないから、リリの行動が一番楽な時間の潰し方なのかもしれない。
 でも急には眠れない。
 だから俺はずっとベッドの上で考え事をする。
 これからどうなるのか。
 ただそれだけを。
 そう思っているとふいに牢獄の扉が開く。
「着いてこい。尋問の時間だ」
 そして連れて行かれる瞬間、ふと俺は思い出す。
 ルフの草は自由自在に変身できる点。
 変身すれば、例えばリリの元の姿であるスライムなら牢獄の脱獄など簡単だ。そういった点にエルフたちが気づかないわけがない。
 つまりルフの草を知らないか、使用していると思われていないのどちらかになる。
 もしもここで、変身したらどうなるのだろうか?
 脱獄はできるかもしれない。
 でもそれは正しい決断なのだろうか。
「テバイ」
 起こされたリリがあくび交じりに牢獄の外に出される。
 そして俺の目を見て。
「気づいているでしょ? 私たちにとって牢獄なんか意味がないことに」
「お前は何を言っている?」
「だから使えば良い。あるいは捨てればいい。この力を」
 その言葉に。
 リリの判断に従うために。
 俺はルフの草の効果を捨てて、元の姿に戻った。
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