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病院

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ピーポーピーポー
救急車の音…

ザワザワ
皆の声…
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『ミユキ。おいで。』
ケントくん!今行くよ!あ…でも部活のやつ終わらせないと…
『何を言っているの?ミユキ。よく見てごらん。』
あれポスター、完成してる?
ケントくん学園祭は?
『今から学園祭だよ。さ、いこう。』
うん!わぁ!ケントくん!わたあめ屋さんだってー!
こっちは射的!
みんな楽しそうだね!ケントくん!
『ミユキは?楽しい?』
楽しいよ!
私はお友達いないからみんなみたいな楽しさは分かんないけど、大好きなケントくんがいてくれるだけですっごく楽しいよ!
『そうか。よかった。』

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―――キ   …ユキ……ミユキ
「ん?ここは?」
見覚えのない天井。お布団。ここは…?
「ミユキ?大丈夫か!?」
目を覚ますとケントくんがいきなり抱きついてきた。
自分自身をよく見ると右腕に点滴口には酸素マスクがついていた。
「私は…?」
「倒れたんだよ。急に。
俺どうしたらいいか分かんなくて…」
心配してくれたんだ。
「ありがとう。ケントくん」
ずっと看病してくれたのかなぁ??
私の親は離婚していて、お父さんについて行ったの。
お父さんは再婚する予定の人とずーっと遊んでいて、3年くらい帰ってきていない。
だから看病してくれる人はいない。
もし看病してもらってたらどれくらい寝てたんだろう。
「あ、先生呼ばないと…」
「あのさ、ケントくん。私ってどれくらい寝てたの?」
お医者さんを呼びながらケントくんは
「あぁ。3日間だ。」
「3日間!?
それまで私を誰がお世話してくれてたの?」
「俺だ。」
うちの親は来るはずないし、友達いないし、分かってたけど…
「ごめんね!ありがっ!!」
クラッ

立とうとしたら目眩がした。

「ミユキっ大丈夫か!?」
ドタドタ
「ハナジマさん!??大丈夫ですか!?
目が覚めたと連絡が…
今すぐ先生の所へ…!」

えっお、大げさじゃっ!?
そして私は急いで先生の所に連れていかれた。
「…ど、どういう事…??」
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