銀蒼界聞録~Deep Lovers~

深楽朱夜

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「ただいまー」
「おかえりなさい、パンありがとう」
 目覚めた雄大の記憶を改竄し、無事家に送り届け離れた場所で成り行きを見届ける、パンの袋を持った雄大に母親が優しく労いながら家へと誘う。
 しっかりとした足取り、つい先程まで目が見えなかったとは思えない行動力、何よりも少し控えめだった笑顔が明るく華やかになったのを洸紀もまた心の底から嬉しく思っていた。
「行こうか」
「はい」
 ラフィエルに促され秦と共に歩き出す、忘れてしまっても自分が覚えていればいいと洸紀が笑顔で歩き出す。
「お前がいたから、あの子供の目が見えるようになったんだ・・・。俺達は忘れない」
「うん、洸紀君はすごいよ。僕も覚えているからね」
 2人の言葉がくすぐったかった、慰めでも洸紀には十分すぎるくらいだった。
「ありがとう」
 最後に一度だけ雄大の家の窓から明るく笑う雄大の笑顔を眺め、心の中で幸せにと願いながら住処へと戻る。

「おかえり・・・」
「セフィ・・・」
 家のリビングのソファに座っていたセラフィスが立ち上がり、3人を出迎える。
「何かあったみたいだな。悪い遅くなった」
 頬を掻きながら気まずげに言い、洸紀に抱きついた。
「ええ、セ、セフィ?」
「怪我とかはしなかったのか?」
 強く抱きしめられセラフィスの温もりに心地好さを感じる、優しい花の香りに気が遠くなる。
 酷く疲れているのを思い出しそのまま、セラフィスに身体を預け意識を手放す。
「あ、洸紀!おい」
 セラフィスが洸紀を抱き止め呼びかける、意識は戻っては来ないが秦が洸紀を預かり横抱きにしてセラフィスから貰い受けた。
「上で寝かせてくる・・・話しは2人ですればいい」
 ちらりとラフィエルに視線を送りリビングを後にする、後に残された2人に軽い沈黙が訪れた。
「セフィ?」
 ラフィエルの胸元に縋る様にセラフィスがしがみ付く、ラフィエルがそっと優しく髪を撫でる、いつもセラフィスが落ち込んでいるとそうやって髪を撫でてくれるラフィエルの手が好きだった。
「俺・・・シンや洸紀が哀しんで欲しくない。けど、昔みたいに皆で暮らしたいんだ。けど、その為には・・・」
「洸紀君が犠牲になってしまう・・・」
 ラフィエルの言葉にセラフィスの手が震える、天王から与えられたあの剣で洸紀を刺す事などセラフィスには出来ない。
「僕にも考えがある。セフィもう少し待っていて・・・」
 ラフィエルがセラフィスの頬にそっと口付ける、天王がセラフィスに何をしたのかはおおよそ検討は付く、セラフィの手を汚させるつもりは無い。
「ラフィ・・・」
「僕だって皆が大事だよ。出来る限りの事はするから」
 セラフィスを抱きしめる手に力を込める、かつてシンを失った時に誓った誓いを再び立てた。
 セラフィスの涙は見たくは無い、秦が再び同族を狩る姿も、そして洸紀のあの悲しみに満ちた笑顔も、不可能に近い願いだと自分でも良く分っている、けれど可能にしてみせる大切な仲間だから。
「うん、俺も頑張る。天王の思い通りに動かない」
 無理はするなと気持ちを込めてもう一度、セラフィスの額に口付ける、甘い花の香りにラフィエルが瞳を閉じた。

『秦、貴方も少し休んだら?』
 秦の脳裏にラピスの声が届く、秦の疲労を感じと取ったラピスが休息を促すが、首を横に振り洸紀の寝顔をボンヤリと眺めていた。
『そう・・・彼の事が気になるのね』
「ああ、結局聞きそびれたな」
『いつかは知る時が来るかもしれないわ』
「そうかもな」
「ん・・・」
 眉根を寄せ首を秦の方に向ける洸紀の髪をそっと指で梳く、柔らかな髪の感触を楽しむ。
『秦・・・』
 その様子を見たラピスに一抹の不安が心を過ぎる、それでも自分の相棒の在り方を信じている。
「分っている」
 ラピスの想いを感じ秦が言葉を紡ぐ、視線は洸紀を見つめたまま秦の本心を読み取る事が出来ない。
『秦、少し疲れたから私も寝るわ。おやすみなさい』
「おやすみ」
 ラピスの気配が遠ざかる、1つ息を吐き洸紀の手を取る。
 温かい感触に冷やりとした秦の手に体温が移る、心地良い温もりにその指に唇を寄せた。
「洸紀、俺にはお前の命を奪う事は出来ない。もしお前が地界に戻るのなら、その時は俺を殺せ」
 深い黒から深い蒼に変わった瞳を閉じ、ラフィエルが望まなかった形で2人が惹かれ合う。
 
「行ってしまうの?」
 深い眠りの中洸紀は『白銀の魔物』と向い合う、同じ部分など何処にも無い、けれど今なら分る目の前にいるのもまた自分自身だと。
「お前の内に還るだけだ」
「僕の内に」
 そっと自分の心臓の上に手を置く、『白銀の魔物』が洸紀に近付きその手の上に手を重ねた。
「貴方の手冷たい」
「お前の手は温かいな」
 伝わる手の冷たさとは違い、『白銀の魔物』の心が温かいのを洸紀は知った。
「雄大君を助けてくれてありがとう」
「人は温かいな、それを教えて貰った礼だ」
 洸紀が『白銀の魔物』の頬に指を這わせる、『白銀の魔物』が瞳を瞬かせ唇に笑みを浮べる。
「1つになろう。僕達は同じだから・・・もう貴方は何処にもいない。僕が貴方になる・・・」
「全てを背負う必要は無い。お前はお前でいい」
 その言葉に洸紀が笑みを浮べる、『白銀の魔物』の唇が洸紀に近付く。
「僕は秦を天へ還す」
「それがお前の望みなら、叶える為に力を手に入れろ」
 洸紀も目を閉じ『白銀の魔物』の唇を受け入れる、『白銀の魔物』が溶け込みと交じり合う。
「僕は貴方を恨まない、そう決めた。失った物も多いけど得た物だってあるんだ」
 『白銀の魔物』が消え洸紀だけが残る、一筋の涙が洸紀の頬を伝いそして『白銀の魔物』の存在がもう何処にも無い事を知った・・・。
「ごめんなさい、ありがとう・・・」

「洸紀・・・君の選んだ選択はもしかしたら、君の最愛の人を哀しませる結末を産むかもしれない」
 冥界の天空に存在する冥王の居城の一室、その中でハデスは独り洸紀の選択に対して、辛辣な言葉を紡ぐ。
「君はとても勇敢だよ、君の強さが羨ましく思う」
 ハデスの指で弄ばれる1輪の無色な花、『真睡花』・・・この世界以外の者ならば誰でも欲しがるであろう貴重な花、冥界の住人にとっては何の役にも立たない。
「それもまた愛情なのかな?ねえシャラ」
 『真睡花』に唇を寄せ藍色の瞳を暗く輝かせ、『時の扉』の番人の名を呼ぶ。
「それが洸紀の選んだ道なら、誰も口出しは出来ないでしょう」
 冥王以外にこの居室に入る事の許されているシャラが、何も無い空間から現われる。
 少し外見が透けているのは、本体を『時の扉』に残し分身を使って訪れているからだった。
「洸紀の強さが羨ましいよ」
「それは貴方が弱いからですか?」
 アメジストの瞳と藍色の瞳の視線が交わる、今迄シャラに名を呼ばれた事は非情に稀で、それはハデスという名はあくまでも王の総称であって本当の名前では無いからなのかもしれない。
「そう、僕が弱いから・・・僕は何も選べない。選べる強さが欲しかった」
「それが出来たら今貴方は此処にいないでしょう」
 ハデスが弄ぶ『真睡花』にシャラも指を這わせる、儚げな花が不安げに揺れた。
「冥王では無い僕に何の価値も無い。冥王として此処にいるから僕は求められている・・・」
「冥王としてでなければ貴方は存在出来ない・・・そして私もまた同じ」
 ハデスの口許へ花を添え、シャラもまたその花に唇を寄せる、影が1つに重なり唇を合わせない口付けをする。
 瑞々しい花の香りに互いが酔いしれる、どちらとも甘い吐息を吐き出しながら同じ科白を紡ぐ。
「・・・罪と罰の味がする・・・」
 互いに共有する罪と罰、その味に2人は束の間現実を忘れた・・・。

「王・・・次は私が」
「良いだろう・・・もうこれで終わりだ」
 静寂が広がる地界の城、地界の王とケルベロスの距離は近くそして遠かった。
 王の足元に跪き最後のチャンスを乞う、洸紀が選んでしまったのなら後は奪うしか選択は残っていない。
「行きます・・・」
 王の指に唇を這わせ闇の中に溶け込む、独り残された王は遥か遠くを見つめる。
「約束の成就を・・・君はまだ其処にいるのだから。光差さない闇の世界よりも、光り輝く世界を求めようとしている。遥かな昔からずっと、ずっと君こそが光を求めていた・・・」
 支配者の証である黄金の瞳から一筋の涙が頬を伝い、地面に辿り着く前に黒い結晶へと姿を転じた。
 それは最愛の友への別れの涙だったのかもしれない、もう戻りはしない時間に王は別れを告げた・・・。

「洸紀は何処だ」
 浅い睡眠から覚めた秦が1階のリビングに降り、ラフィエル達にこの家にいない洸紀の行方を尋ねた。
「少し散歩に行くってさ」
「しばらく1人になりたいみたいだよ」
 テーブルにセットされたティーポッドから紅茶を注ぎ、ミルクを入れてラフィエルが優雅な仕草で口にする。
「もうじき暗くなるぞ」
「そうだね、迎えに行こうかと思っていた所だよ。秦行って来てくれないかな?」
「ついでにミルクも」
「よろしくね。少し冷えて来たから早めに帰って来てよ、食事の用意しておくから」
 セラフィスとラフィエルの有無を言わせない笑顔に、秦が無言でリビングを後にし乱暴に音を立て玄関から出て行く。
「もう時期だな」
「そうだね・・・」
 秦と洸紀2人の距離が近付けば近付く程、2人の別れが辛くなるのがはっきりと分る。
 それでも求められずに、惹かれ合わずにはいられないのだろう、もう誰にも止められない・・・せめて、せめて2人の命が救われる事をラフィエルとセラフィスは祈る。

「秦・・・」
 家から少し離れた空き地に洸紀は1人夜空を見上げていた、訪れた秦に気が付き地上へと目を向ける。
 夜の中央界は今の洸紀にとって昼間の世界よりも遥かに居心地が良く、視界もはっきりと見える、自分の意識が徐々に変わっていく身体も同様に地界の住人に近付いている・・・いや還ろうとしている。
「寒くないのか?」
「ううん、これ位が気持ち良いよ」
「そうか」
 秦の指が洸紀の頬に触れる、互いの体温が低く温もりは無かった。
「秦も手が冷たいね」
「そうだな、嫌か?」
「ううん」
 秦の手に手を重ね秦の体温を感じる、この身体の中に自分の血が流れているのが不思議で堪らない、黒い血と白い砂の血決して交わる事の無い2つの血が互いの身体を巡っているからこそ秦と洸紀は出会った。
「少しずつ彼の記憶が僕に流れて来ているんだ・・・どうしてあの時彼の動きが止まったのか・・・」
「思い出したのかあの始まりの時を」
 秦の手に身を委ねながら静かに頷く、何時までもこうしていたいと洸紀は思う、秦も同じ気持ちだと手を通してつたわって来る。
「彼はね・・・王に呼ばれたんだよ。王に・・・あの人に」
「何故だ、あの混戦状態で呼んだりしたら、隙が出来るに決まっている」
「王は彼に言ったんだ『今いるその場所を破壊し天界に攻め込む』と・・・王は彼以外のその場に居る全ての天使、魔物を犠牲にし道を作ろうとしたんだよ。けど彼はそれを止めようとして、秦と相打ちになってしまった」
「地界の王は全てを見通す万能の瞳を持つ、その結果がこれか」
 全てを見通す地界の王が『白銀の魔物』と秦との一騎打ちに干渉して来た結果が今此処に在る。
「王の望みが天界を手に入れる事じゃ無いから」
「莫迦な、ではお前達は一体何の為に俺達と戦ったんだ」
 秦の手に重なっていた洸紀の指先に力が篭る、秦の表情に怒りと憎しみが表れ洸紀を責める。
「約束の為・・・王とした約束が全ての始まりだよ」
「何の約束をしたんだ」
「ごめん、思い出せない」
 ゆるゆると洸紀が首を振り秦の手が力なく離れていく、その感触を惜しみながら心から詫びる、本当はもう何もかも思い出していた、けれど洸紀がした訳ではない約束を言うのに抵抗は在る。
 地界の王と『白銀の魔物』、彼らは王と配下では無く友として交わした約束を洸紀は秦に言えなかった。
「気にするな、ずっと知りたかった事を知る事が出来て良かった」
 秦の口許に笑みが浮かぶ、始めて見た秦の笑顔に洸紀の目が見開く。
「初めて見た」
「何をだ?」
「ううん、何でも無い」
 すぐに何時もの無表情に戻ってしまい勿体無い気もするが、自分の心の内に仕舞っておこうと首を振った。
「そうか、洸紀・・・言いたい事がある。今でないときっともう言えないからな」
「何?」
 夜の闇に紛れ秦の瞳が蒼に変わる、鮮やかな蒼洸紀の好きな色、それはこの世界の蒼。
「ずっと考えていた事だ。洸紀お前が望むなら・・・」
 その先に続く言葉は洸紀にとって衝撃的なものだった、目を見開き秦を見つめ応える為の言葉を捜すが見つからない。
 テントチヲテキニマワシテモイイ・・・。
「し・・・ん。何を言っているの?そんな事無理だよ」
 声が震え自分自身の身体を自らの腕で掻き抱きながら震える、それは洸紀と秦にとって最も過酷な道を歩む選択だった。
「本気だ、天と地を敵に回して洸紀、お前と・・・」
 真っ直ぐな秦の蒼い双眸が戸惑う洸紀を映す、秦に言葉を返したいが喉でつまり上手く出て来ない、心は嬉しい気持ちで溢れていた。
「秦・・・僕は・・・秦が・・・」
「洸紀」
 洸紀の肩に秦の手が伸びようとしたその時、2人の頭上から怒りを露わにした声が降る。
 それは洸紀の良く知る人物、スーツ姿にノンフレームの眼鏡を掛けた青年の姿をしたケルベロスだった・・・。
「そんな事はさせません!」
「ケルベロス、来ると思っていたよ」
 ゆっくりと洸紀がケルベロスと対峙する、力強い何処か懐かしさを湛えた瞳でケルベロスを見つめる。
「洸紀貴方だけは、行かせない。魔物と天使・・・そんな関係狂っている。私は認めません!」
 冷静さを欠いたケルベロスと洸紀の間に秦が割って入る、その3人のすぐ側で異変を感じたラフィエルとセラフィスも現われた。
「秦!」
「2人とも無事か!?」
「御揃いで丁度良いですね、此処で全てを終わらせましょう」
 ケルベロスの青灰色の瞳が暗く輝き、4人を眺めながら片手を振り上げる。
「みんな・・・下がっていて。僕は彼と話しをしなきゃ」
「バカ!何言っているんだ!そんな危険な事させられない!」
 一歩洸紀が前に踏み出す、セラフィスがそれを止めさせようと声を荒げるが、ラフィエルと秦は洸紀の意志を汲み取り後退した。
「此処は洸紀君に任せよう」
「そんなラフィ!」
「退くぞ、此処は洸紀に託す」
 秦がセラフィスの肩に手を置き、ラフィエルが宥めさせながら2人から距離を置く。
 洸紀を心配する気持ちは皆同じ・・・、けれど怒りに滾るケルベロスと対話出来るのは洸紀しかいない。
 側で洸紀を支えたいと思う秦が、険しい面持ちで2人を見据えているのを感じセラフィスもまた洸紀を見守ろうと決意する。
「みんな、ありがとう」
「洸紀君・・・決して自分だけを犠牲にしようとはしないで欲しい。必ず道はあるから」
 ラフィエルの言葉に洸紀が笑顔で頷き、そしてケルベロスとの対話が始まる。
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