22 / 1,079
第一部 不毛の大地開拓 頑張ろう編
21 再利用と芋と香辛料
しおりを挟む市場に入り奥へと進みキャサナの店に向かう、迷うかもとも思ったが自動マッピングを使うまでもなくすんなり辿り着く。
「こんにちわー」
「あら、いらっしゃい。何か面白いものできた?」
「面白いか分かりませんけど、これ昨日もらった布で作ってみたんでよかったら…あのおばちゃんの分もあります」
新しいエコバッグからキャサナの分の花柄の布と、艶やかな赤い紐を使った巾着袋を渡す、キャサナに巾着袋の使い方を説明すると興奮気味に奥へ行く。
「ちょっと!アンタみてこれ!話してた子が来てこれを作ったんだって!」
「これは!君がこれをつくったのかい?」
奥から出てきたのはガタイの良い詠斗よりも頭2個分も高い男が出てくる、強面だが笑い方が豪快な気持ちの良い賛成だった。
「こんなすごいものが出来るんだな、あの端布で…。良ければ作り方を教えて欲しい。こん端布でも職人が丹精込めて織った物や縫った物だ、無駄になんかしたくないんだ…こんな風に新しい袋に作り替えてくれて、俺は…俺は…」
「ごめんなさいねぇ。この人涙脆くて…でも嬉しいのよ。さ、おばあちゃんにも見せにいきましょう」
「勿論良いですよ、おばあちゃんの分も作ったんです」
「きっと喜ぶわぁ」
早速3人でおばあちゃんの店に行くと昨日と同様暖かい笑顔で迎えてくれ、お茶を出してくれる。
「まぁまぁ、こんな素敵なもの貰って良いのかい?」
「はい、もちろん」
優しい色合いのクリーム色の布と白い紐の巾着袋を渡すととても喜び、早速作り方を皆に教える。
「意外と簡単に出来るのね、みんなきっと驚くわー」
「この髪紐もこんなふうに使えるのねぇ」
「はい、大きさとか変えたりするともっと便利に使えますよ」
「なるほど大きくしたり、小さくすれば飽きもこないな。早速作るぞ!ばあちゃん、髪紐沢山編んでくれ!」
「あいよー」
皆気合が入った所で小腹が減ったので、エコバッグの中から収納袋モドキを出し、皆にギョロリの串焼きと蒸し焼きやビワモドキや木苺を振る舞う。
「おいしいぃっ!」
「うまいっ!」
「こんな柔らかい魚初めて食べたわ!」
「これギョロリの串焼きと蒸し焼きです。結構おいしいですよねー」
『………は?』
3人が沈黙するギョロリと言えば高級珍味、非常に鱗が固く素材としても1匹中々の値段が付く代物である。
「なんだか若返ったきがするわぁ」
「え、ええ…お肌すべすべになった気がするわ」
「いやぁ、今日は良い日だ」
「ですね、他にも端布でこんな物も作ってるんです、今作っている最中ですけど。寝る時の掛け布にしようかと思っていて…」
収納袋モドキから布を縫合わせて作っていくパッチワークを出す、縫い合わせたばかりなのでまだ小さいが楽しく縫っている。
「これは!アンタこれはすごいわよ!ちょっとアンタしっかりしてよ!」
パッチワークを手に取り呆然としている夫の肩を強く揺さぶる、我に返り何も言わずパッチワークを詠斗に戻し走り去っていく。
「あーなったら止められないわ、私も行くわ忙しくなるわ!また来て!」
「俺も、まだ買い物があるので行きます。おばあちゃんまた来ます」
「はいはい、またおいで。私も髪紐編むからねぇ」
キャサナが手を振り去っていく詠斗も一礼し店を去り、次の店は野菜を扱う所折角だから種芋を幾つか購入し育てようと思っているからだ。
「よぉいらっしゃい、何をさがしているんだい?」
「種芋です、育てたくて…」
「初めてかい?」
「はい」
藁で出来たような茣蓙を引き胡坐を掻いた良く日焼けした男がニカッと歓迎しくれる、何種類もの芋が籠に入れられ食べたくなる。
「じゃあ、これとこれがおススメだ!育てやすくて荒れ地にも悪天候にも強い!」
小ぶりな芋を2種類渡される、鑑定 芋:育てやすくて美味 芋:環境に強い 美味 と出る、この種芋を5㎏ずつ購入し、すぐ食べたいので全種類の芋を2㎏購入する。
「兄ちゃんいっぱい買うなー、収納袋便利だよな!見習いの商人か!よしこれはオマケ!家族で作った干し芋だ、甘くてうまいぞー」
葉に包んだ干し芋を渡され代金を支払う、全部で6,000ログ相場は分からないが気持ちの良い接客で嬉しかったので、そのまま支払いホクホクして次は香辛料の店に向かう、探すのは簡単にスパイスの匂いが漂い詠斗の胃を刺激するからだ。
「いらっしゃい、若いお客様」
ニコリと詠斗の母親と同じ年ごろの女性が迎えてくれる、女性の店は狭いが木箱に入った色取り取りの香辛料が置かれていた。
「あ、どうもえと…塩ってあります?」
「あら貴方トタラナのルールを知らないの?」
「あ、はい…田舎から出てきてまだ日が浅くて」
何か拙いことを聞いてしまったのかここは、知らぬ存ぜぬをと通してみる。
「純粋な塩・・・・は商業ギルドのマスター達の商会でしか売られいないのよ…。加工した塩ならうちでも売っているのこのハーブの塩と果物の皮を乾燥させて細かくしたものを塩に混ぜたもの。はい、特別に味見させてあげる、手を出して…」
小さな木の匙で詠斗の手に、まずハーブの塩次に果物の塩を味見させてくれる。
「美味しい!両方とも!俺果物の方好きです!」
まさかズィーガーの商会でしか売られてないなんてとも思ったが、日本で売ってる塩よりも味があって美味しい。
塩2種類と辛めの香辛料を20,000ログ分買い、お茶を出してくれる。
「あ、このお茶香りが良いですね」
「でしょう、花の蜜を淹れているの沢山買ってくれたからご馳走しちゃう」
ハーブを練り込んで焼き上げた焼き菓子も貰いまた来ますと店を後にする、今日の買い物はこの辺にして人気のない路地に入り《不毛の地》最初に転移した場所に転移魔法を使い移動する。
178
あなたにおすすめの小説
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる