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第09部 魔王たちの産声 歪

第04話 働くゴーレム達

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「おはよー、あー今日はホテルの内部の片付けとかだよね」
「おはよ、崇幸っちや千ちゃん達は子供達と祭りのゴミ拾い行ったわ」
「早!食ったら俺も行こ」
レストランの食堂で詠斗を懐記とラウラス達が迎えてくれる、今日でホテルを引き上げ畑に拠点を戻すつもりで行動している。
「今日は残り物炒めだわ」
「いいじゃん、いただきます!」
野菜や肉を甘辛く炒めた物、様々な魚煮込み、白米、具沢山味噌汁を乗せられたトレイを受け取り早速食べ始めた。

「魔法の勉強かと思ったらゴミ拾いかよ」
「うまい朝飯食わせて貰ったからいいだろ」
朝早くにグローリーにラインが来たと思えば今日は、孤児院の子供達や先生達とゴミ拾いをするから休みだと連絡が来てイザラとイデアも手伝いに駆り出され、今現在崇幸からゴミ袋を渡されゴミ拾いを行っていた。
祭りの後だゴミは此処彼処に放置されている、店のゴミ等も崇幸が処分してくれるとの事なので朝早くから皆商業ギルドに不要な物やゴミを運んでいた。
「人形とかおもちゃとかは引き取りますよー」
商業ギルドに前で崇幸がゴミやいらない物をスキルで処分し、再利用出来そうな物は回収しパンとミルクを渡している。
「どうぞー」
「ありがとう」
シアやシアがいた孤児院の子供達と一緒に、ミルクやパンをゴミを持ってくる《ホウラク》の人達に慰労を込めて渡していた。

「しっかしかなり落ちてんなーきたねー」
「だから綺麗にしている」
「終わったら風呂入ろうぜ、海見ながら入りたい」
「いいな」
イザラとイデアは率から貰ったトングでゴミを拾い、この辺りの住民はまだ寝ているのか静かだった。
ゴーレム達やヒヨコ達もゴミ拾いを行いせっせと働く、良く働くと関心しながらどのゴーレムもヒヨコも魔力多く一体でも脅威とされるような物だ。
「異界のやつもヤバいけど親父もヤバいな、何この鳥?消えないし」
「俺も魔法使うと馬が出る」
「はあ?なんで制御できねーの?」
「だから先生の所に行く」
「なら、俺も出したい」
「制御出来るから出ないなら良いだろう?」
「面白くね?魔法使うとなんか出るって」
「おもしろいしかわいい」
「たしかにーコイツらかわいい」
グローリーが出した物だから息子達はかわいいのか、ヒヨコ達その物がかわいいのかそれを聞いていたヒヨコ達も照れている、産みの親より遥かに感情表現が豊かなのにもイザラとイデアは笑い合った。

「おはようございます、皆さん。朝からどうしました?これを読めば良いんですか?分かりました。」
商業エリアをアルクラジカに数体のゴーレムとヒヨコ達が書類をラジカに渡す、ラジカが受け取ればスキップしながら去って行った。
渡された書類の表紙には『ゴーレムと動物達のかわいいお店計画』とある、ラジカは今日は平和だなと顔を綻ばせて蒐集家の店に向かった。

「こんな物ですかね、やはり毒ダンジョンに行かないと面白くない」
蒐集家の店の1階部分の陳列が終わり、薄ら笑いを浮かべている。
直したゴーレム2体と食事を運んでくれるゴーレム達ですぐに準備が整う、ゴーレムが蒐集家の服の裾を掴み自分達も行くと意思表示を示す。
「それは、助かります。よろしく」
ゴーレムには毒も効かない、学習能力も高い上に崇幸のゴーレム達は味覚や嗅覚まで非常に優れている。
「少ししたら向かいます、2階と3階はスペース空いていますから何か店でもやりますか?」
1人で商売するのに5階建ての建物を渡してくる辺り、嫌がらせにも思えるが修復中のゴーレムもどうせ、こちらに来るだろうからと提案する。
暫しゴーレム達で考え、蒐集家にやりたい事を伝えた。
「なるほど、花屋と絵の具…画材屋ですか?素晴らしいですね、採集にその辺りの材料も併せて採っていきましょう」
ゴーレム達ははしゃいでいる、自由にしたら良いと蒐集家は思う、自由は誰しにも与えられた権利なのだから。
「俺も行くぞ」
「……おはようございます」
「おはよう」
蒐集家の気分に水を差す美声、振り替えれば大河が立っていてゴーレム達は歓迎していそいそお茶の準備をしている。
「採集などつまらないですよ」
「それは俺が決める」
「お好きに、それとこれを崇幸さんにこちらはグローリーさんに渡して下さい」
「これは布か?」
「ええ、寝具…枕カバーやシーツに向いてます。パジャマにも最適です。少しの魔力で温度調整可能で速乾性や吸水性に優れています。植物の柄の物はグローリーさんに、子供もいますから」
「わかった、これを…数が欲しいな。用意出来るか?」
「明日には用意出来ますよ」
「金は風早から受け取ってくれ」
反物の蒐集家の服の柄の様な生地と無地の生地を受け取り収納にしまう、茶の準備が終わったのかカップをカウンターに並べてくれた。
「ありがとう」
「ありがとうございます」
それぞれ礼を言いカップに口付ける、爽やかな清涼感のあるお茶でのみ心地がすっきりしていて良かった。
「朝飯は?」
「いただきましたよ、サンドイッチでした」
「いつ行くんだ?」
「いつでも」
「行くぞ」
「はい」
「転移出来るだろう?千歳さんを呼ぶ」
「はいはい、お好きに」
ゴーレム達も準備し、大河がスマホで千歳に連絡を行った。

「崇幸さん、ゴーレム達が面白い企画書を持って来てくれましたよ」
「お、どれどれ……字可愛いな!なるほど!ちょっと時間貰うぞ!」
「はい」
ラジカからゴーレムの企画書を受け取り、読み込んで表情を明るくする、左胸に止まっている千眼も一緒に読んでいた。
「大河君から電話だ。はい…今からね、わかった。今行くよ…今から毒ダンジョンと採集に向かうそうだから、僕も行くよ」
「私も行きます」
「お、掃除も終わったし俺も行こう。採集はファンタジーの定番だ」
「俺も行く!」
「俺も」
「2人が行くなら行くよ…」
「なら、北の毒ダンジョンに行く前の予習にするとしようか、僕と崇幸さんは採集しているから」
「そうですね、魔法の実地に丁度良いですね。ライガルさんも呼びましょう」
大河からの電話を切り千歳が伝えると、ラジカもスマホでライガルに連絡を取る、グローリーも一緒にいたカーテス達に毒ダンジョンに向かう事にしたと伝えた。
「あぅー」
「ん?どうした?ベル?」
『ベル様が私が崇幸お父様達と採集に行きたい気持ちを汲んでくれたようです』
「お、そうか!嬉しいぞ!」
「俺も行く」
「お父さん、僕も行きたいです!」
「お、皆で行こうか!ピクニックだな」
「モギも行って良いですか?」
「蒐集家君に来て貰うか、ん?タイタンとプロメテウスの感触…ぬいぐるみみたいだな?柔らかい」
舵が子供達が行くならとトイと一緒にシアも声を上げ、ベルンもモギを連れて行きたいと、ならばカーテスやウォルゾガもとちょっとした集団遠足になりそうなので、詠斗と率が懐記の所に弁当を頼み転移した。
『はい、寝る時も離さないのでネスさんのぬいぐるみを参考にプロメテウスと共に形状変化しました』
「そうか!すごいな!」
「あーう」
崇幸がふかふかなタイタンとプロメテウスをベルごと抱き締める、シアも嬉しそうに崇幸に抱き着いていた。
「あ、タナトスも連れて来て良いか?流石に外にでなさ過ぎだろう?」
「それなら、ゴーシュ殿に確認しましょうか?」
「おー」
ウォルゾガが折角だからタナトスもと言えば、ラジカが頷いてゴーシュに連絡していた。
何やら大事だなーと晴海は思いつつピクニックを楽しみに、晴れた空を眺めた。
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