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第8章 黒竜の雛と特級冒険者
氷剋昇華
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「何か方法はないか?…なぁクロ、姿を変えたりは出来ないよな?」
「キュウ?」
「そりゃ無理か…知識が移行していれば可能性はあったんだが」
部屋に戻りクロについて考えるがやはり堂々とするのが一番かと思った時、問題を解決しうる魔道具がある事を思い出した。
「これだ…すっかり忘れていたな」
咲良は拡張袋から銀色に輝く指輪を取り出す。
銀匠の腕輪
ミスリルで作られた腕輪。自動寸法、気配遮断、視線誘導、迷彩の魔方陣が刻まれている。
この銀匠の腕輪は咲良がクロノスに鍛治を教えてもらっている時にたまたま出来た副産物だ。気配遮断、視線誘導、迷彩を組み合わせることで相手の視界に入らなくなるという代物だ。自動寸法はサイズを自由に変えることが出来る。
咲良が銀匠の腕輪を使わないのは魔道具を使わなくても気配を消すことは容易い事だからだ。さらに完全に見えなくなるわけではなく、視界に入り辛いというだけなので気配察知に長けた者なら見破ることはそこまで難しくない。
「クロ、これを腕につけておいてくれ。ないよりはマシだからな」
クロは咲良から銀匠の腕輪を受け取ると腕に通す。するとサイズがクロの小さな腕にピッタリ合う大きさになった。
「キュキュ!」
「そうか、気に入ったか」
咲良は嬉しそうに腕輪を突いているクロを微笑ましげに見つめていた。
「しっかりと機能しているようだな」
銀匠の腕輪を装着した瞬間からクロの気配が消えたと錯覚するほど薄くなった。だが咲良がクロを見失うことは無い。咲良とクロは何らかの繋がりがあるようでクロの居場所や感情が手に取るように分かる。導き手としての効果と、咲良の魔力と氣がクロに流れているからなのかもしれない。
「一先ず問題は解決したな。後はクロがどこまで戦えるかなんだが…」
クロは自由に飛べるようになったようで部屋の中を飛び回っているが戦う力がある様には思えない。
「生まれたばかりのクロに戦わせるのは無理があるか…」
暫くはクロが成長するのを待つことにした。こればかりは焦っても仕方のない事だからだ。
「クロ、少し出掛けたい。付いてくるだろ?」
「キュ!」
咲良はクロと一緒にアーランの外れに出向く。
「キュゥ?」
クロが何をするの?と聞くかの様に鳴く。
「魔法の鍛錬だ。あまり本格的にする時間がなかったからな」
「キュワ!」
「クロも使いたいのか?どうだろうな…見たことは無いがクロノスは使えると言っていたからな。今すぐは無理だろうがいずれ使えるようになるさ」
咲良はその場で目を瞑ると自身の魔法である氷剋を発動する。一気に周りの温度が下がっていくがクロには影響がないように操作する。
(やはりまだまだ先があるようだな。これも鍛錬次第か)
咲良はそのまま目の前の空気を凍らせて氷塊を生み出す。それを小さく分解すると操作して飛ばず。それはまるで氷の蛇が空中を泳いでいるかの様だった。
「キュイ!」
クロはその様子を見て面白がっているのか飛び回る。
咲良は更に氷晶と霰の2種類の氷の粒子を生み出すと、玉の様に纏めると高速で回転させる。
ジャリジャリジャリジャリ
氷晶と霰が高速でぶつかり合う音が辺りに響く。すると違う音が徐々に聞こえてくる。
バチッバチッバチッ
高速で回転する玉の中で稲妻の様な物が走る。
咲良は2種類の氷を接触させる事で静電気を生み出していたのだ。地球と原理が同じなら雷を発生させられるはずだったのだが…
(くっ…これ以上早くは無理だ…)
雷を発生させるには更に回転を上げなければならないが、覚醒したばかりの咲良にはそこまで操作出来なかった。魔力を操作する時とは少し違った感触なので、覚醒した瞬間から使えるとはいえ限度はある様だ。
(ま、鍛錬次第では可能性があることが分かっただけでも良しとするか)
「クロ!待たせたな。退屈だったろ」
咲良は鍛錬を終えてクロに声を掛ける。クロは初めは咲良の魔法をマジマジと見つめていたが、飽きたのか地面に降りてウトウトしていた。
「キュウ…」
まだ眠たそうにしているが、パタパタと羽ばたいて咲良の肩に留まった。
「さて、これからどうしようか。もう少しアーランに留まるのもありだな」
ギュルルルゥゥ
クロの腹の虫が咲良の耳に入ってくる。
「ふっ…さっき食べたばかりだろう。クロは大食漢だな」
咲良は拡張袋に保存しておいた魔物の生肉をクロに差し出すと、美味しそうに肉にかぶりついた。
「アーランにもギルドがあったな。依頼でもこなすか」
クロが食べ終わるとアーランのギルドを探しに出かけた。
「キュウ?」
「そりゃ無理か…知識が移行していれば可能性はあったんだが」
部屋に戻りクロについて考えるがやはり堂々とするのが一番かと思った時、問題を解決しうる魔道具がある事を思い出した。
「これだ…すっかり忘れていたな」
咲良は拡張袋から銀色に輝く指輪を取り出す。
銀匠の腕輪
ミスリルで作られた腕輪。自動寸法、気配遮断、視線誘導、迷彩の魔方陣が刻まれている。
この銀匠の腕輪は咲良がクロノスに鍛治を教えてもらっている時にたまたま出来た副産物だ。気配遮断、視線誘導、迷彩を組み合わせることで相手の視界に入らなくなるという代物だ。自動寸法はサイズを自由に変えることが出来る。
咲良が銀匠の腕輪を使わないのは魔道具を使わなくても気配を消すことは容易い事だからだ。さらに完全に見えなくなるわけではなく、視界に入り辛いというだけなので気配察知に長けた者なら見破ることはそこまで難しくない。
「クロ、これを腕につけておいてくれ。ないよりはマシだからな」
クロは咲良から銀匠の腕輪を受け取ると腕に通す。するとサイズがクロの小さな腕にピッタリ合う大きさになった。
「キュキュ!」
「そうか、気に入ったか」
咲良は嬉しそうに腕輪を突いているクロを微笑ましげに見つめていた。
「しっかりと機能しているようだな」
銀匠の腕輪を装着した瞬間からクロの気配が消えたと錯覚するほど薄くなった。だが咲良がクロを見失うことは無い。咲良とクロは何らかの繋がりがあるようでクロの居場所や感情が手に取るように分かる。導き手としての効果と、咲良の魔力と氣がクロに流れているからなのかもしれない。
「一先ず問題は解決したな。後はクロがどこまで戦えるかなんだが…」
クロは自由に飛べるようになったようで部屋の中を飛び回っているが戦う力がある様には思えない。
「生まれたばかりのクロに戦わせるのは無理があるか…」
暫くはクロが成長するのを待つことにした。こればかりは焦っても仕方のない事だからだ。
「クロ、少し出掛けたい。付いてくるだろ?」
「キュ!」
咲良はクロと一緒にアーランの外れに出向く。
「キュゥ?」
クロが何をするの?と聞くかの様に鳴く。
「魔法の鍛錬だ。あまり本格的にする時間がなかったからな」
「キュワ!」
「クロも使いたいのか?どうだろうな…見たことは無いがクロノスは使えると言っていたからな。今すぐは無理だろうがいずれ使えるようになるさ」
咲良はその場で目を瞑ると自身の魔法である氷剋を発動する。一気に周りの温度が下がっていくがクロには影響がないように操作する。
(やはりまだまだ先があるようだな。これも鍛錬次第か)
咲良はそのまま目の前の空気を凍らせて氷塊を生み出す。それを小さく分解すると操作して飛ばず。それはまるで氷の蛇が空中を泳いでいるかの様だった。
「キュイ!」
クロはその様子を見て面白がっているのか飛び回る。
咲良は更に氷晶と霰の2種類の氷の粒子を生み出すと、玉の様に纏めると高速で回転させる。
ジャリジャリジャリジャリ
氷晶と霰が高速でぶつかり合う音が辺りに響く。すると違う音が徐々に聞こえてくる。
バチッバチッバチッ
高速で回転する玉の中で稲妻の様な物が走る。
咲良は2種類の氷を接触させる事で静電気を生み出していたのだ。地球と原理が同じなら雷を発生させられるはずだったのだが…
(くっ…これ以上早くは無理だ…)
雷を発生させるには更に回転を上げなければならないが、覚醒したばかりの咲良にはそこまで操作出来なかった。魔力を操作する時とは少し違った感触なので、覚醒した瞬間から使えるとはいえ限度はある様だ。
(ま、鍛錬次第では可能性があることが分かっただけでも良しとするか)
「クロ!待たせたな。退屈だったろ」
咲良は鍛錬を終えてクロに声を掛ける。クロは初めは咲良の魔法をマジマジと見つめていたが、飽きたのか地面に降りてウトウトしていた。
「キュウ…」
まだ眠たそうにしているが、パタパタと羽ばたいて咲良の肩に留まった。
「さて、これからどうしようか。もう少しアーランに留まるのもありだな」
ギュルルルゥゥ
クロの腹の虫が咲良の耳に入ってくる。
「ふっ…さっき食べたばかりだろう。クロは大食漢だな」
咲良は拡張袋に保存しておいた魔物の生肉をクロに差し出すと、美味しそうに肉にかぶりついた。
「アーランにもギルドがあったな。依頼でもこなすか」
クロが食べ終わるとアーランのギルドを探しに出かけた。
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