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第2章 異界と異形
武具精製
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カンッカンッカンッカンッカンッ
洞窟内に鉄を打つ音だけが響いている。
今亮太は様々な鉱石を打つことで純度を高めている。
試行錯誤した結果、何とか鉄を打つためのハンマーを作り出す事に成功してからはひたすら武具を作り、職業が中級鍛治師になり、ようやく玉鋼の加工に取り掛かることができる様になった。
亮太はひたすら鉄を打ち続けた。
この鉄を打つ音が耳、手を伝って身体中に響き、今ではとても心地よいさざ波の様に感じる。
今日は玉鋼を主体に魔力伝導率の高い翡翠晶、非常に良くしなるウーツ鋼、それらを効率よく接合させる粘着石を使い刀を作ることが目標だ。
翡翠晶は使うか迷った。魔力伝導率とはなんなのか、いまだステータスの魔力については謎が多い。恐らく魔法が使える様になるのだろうが、使えたことはおろか使い方さえ分からない。しかし将来を見越すとあったほうがいいのではないかと思い加えることにした。
パチッパチッパチッパチッ
溶鉱炉は凄まじい温度を放っている。
純度を高めた鉱石が溶鉱炉の温度に耐えきれずドロドロに溶けていく。
亮太は大量の汗をかきながら粘着石を投入し全ての素材を接合させる。
粘着石は無くてもかまわないが、今までの経験上、使った方が固まった時に壊れにくいのだ。
叩いては熱し、叩いては熱しと作業を繰り返し刀の形に変えていく。
そうして刀の刀身の部分が完成した。
鍔も玉鋼と翡翠晶で作り、柄と鞘は森で見つけた神木と呼ばれる神が宿るとされている木と魔物の皮、帯や下緒(帯につけるための紐)は緑色の大蜘蛛、ドレッドスパイダーの糸で作った。
「…やっと完成した……失敗はしていない…むしろ今までで一番良くできたくらいだ」
亮太は完成したばかりの刀を持ち上げて呟いた。
「…この刀の名は…村正……」
あらかじめ名を決めていたわけではないが、なんとなくそんな名前の様な気がしたのだ。生存本能によるものなのかどうかは亮太には知る由もない。
「まずは…この刀の切れ味を調べるか…」
洞窟を出てしばらくするとイノシシ擬き、否、ステータスプレートによるとユニコーンボアという魔物がいた。
「…さて…頼むぜ相棒…」
鞘から刀身を抜き、刀を構えると同時にユニコーンボアが突っ込んできた。
突っ込んでくるユニコーンボアを右に避け、そのまま横に一閃する。
スパッ
よほど切れ味が良いのかあまり切った感触がなく、また刀身には殆ど血が付いていなかった。
ユニコーンボアを見ると真っ二つになっていた。
「…おいおい…すげぇ切れ味だな…刃こぼれもなし…か」
あれほど苦戦したかつての強敵は今や雑魚同然だった。武器とは偉大な物だ。
その日から亮太はレベル上げを重点的に行った。
村正を使えば殆どの魔物は楽に倒すことが出来たが、亮太はそれではダメだと気付いた。
武器に頼り過ぎれば自身の実力が上がらないからだ。
なので、村正の性能のみに頼らないように相手の動きをしっかり見極めたり、急所を狙ったりと自身の技術の向上を目指して戦った。
その結果がこれだ。
名前 佐伯亮太
年齢 21
職業 中級鍛治師
レベル 36
体力 E
魔力 G
筋力 D
耐久 F
敏捷 F
器用 B
精神 C
技能
生存本能、超記憶、異常状態耐性、隠密
称号
異世界人、麒麟児、幸運、大物喰い、???
中級鍛治師
平均的な武具の精製が可能。筋力、器用なや補正。武具の扱いも多少上手くなる。
洞窟内に鉄を打つ音だけが響いている。
今亮太は様々な鉱石を打つことで純度を高めている。
試行錯誤した結果、何とか鉄を打つためのハンマーを作り出す事に成功してからはひたすら武具を作り、職業が中級鍛治師になり、ようやく玉鋼の加工に取り掛かることができる様になった。
亮太はひたすら鉄を打ち続けた。
この鉄を打つ音が耳、手を伝って身体中に響き、今ではとても心地よいさざ波の様に感じる。
今日は玉鋼を主体に魔力伝導率の高い翡翠晶、非常に良くしなるウーツ鋼、それらを効率よく接合させる粘着石を使い刀を作ることが目標だ。
翡翠晶は使うか迷った。魔力伝導率とはなんなのか、いまだステータスの魔力については謎が多い。恐らく魔法が使える様になるのだろうが、使えたことはおろか使い方さえ分からない。しかし将来を見越すとあったほうがいいのではないかと思い加えることにした。
パチッパチッパチッパチッ
溶鉱炉は凄まじい温度を放っている。
純度を高めた鉱石が溶鉱炉の温度に耐えきれずドロドロに溶けていく。
亮太は大量の汗をかきながら粘着石を投入し全ての素材を接合させる。
粘着石は無くてもかまわないが、今までの経験上、使った方が固まった時に壊れにくいのだ。
叩いては熱し、叩いては熱しと作業を繰り返し刀の形に変えていく。
そうして刀の刀身の部分が完成した。
鍔も玉鋼と翡翠晶で作り、柄と鞘は森で見つけた神木と呼ばれる神が宿るとされている木と魔物の皮、帯や下緒(帯につけるための紐)は緑色の大蜘蛛、ドレッドスパイダーの糸で作った。
「…やっと完成した……失敗はしていない…むしろ今までで一番良くできたくらいだ」
亮太は完成したばかりの刀を持ち上げて呟いた。
「…この刀の名は…村正……」
あらかじめ名を決めていたわけではないが、なんとなくそんな名前の様な気がしたのだ。生存本能によるものなのかどうかは亮太には知る由もない。
「まずは…この刀の切れ味を調べるか…」
洞窟を出てしばらくするとイノシシ擬き、否、ステータスプレートによるとユニコーンボアという魔物がいた。
「…さて…頼むぜ相棒…」
鞘から刀身を抜き、刀を構えると同時にユニコーンボアが突っ込んできた。
突っ込んでくるユニコーンボアを右に避け、そのまま横に一閃する。
スパッ
よほど切れ味が良いのかあまり切った感触がなく、また刀身には殆ど血が付いていなかった。
ユニコーンボアを見ると真っ二つになっていた。
「…おいおい…すげぇ切れ味だな…刃こぼれもなし…か」
あれほど苦戦したかつての強敵は今や雑魚同然だった。武器とは偉大な物だ。
その日から亮太はレベル上げを重点的に行った。
村正を使えば殆どの魔物は楽に倒すことが出来たが、亮太はそれではダメだと気付いた。
武器に頼り過ぎれば自身の実力が上がらないからだ。
なので、村正の性能のみに頼らないように相手の動きをしっかり見極めたり、急所を狙ったりと自身の技術の向上を目指して戦った。
その結果がこれだ。
名前 佐伯亮太
年齢 21
職業 中級鍛治師
レベル 36
体力 E
魔力 G
筋力 D
耐久 F
敏捷 F
器用 B
精神 C
技能
生存本能、超記憶、異常状態耐性、隠密
称号
異世界人、麒麟児、幸運、大物喰い、???
中級鍛治師
平均的な武具の精製が可能。筋力、器用なや補正。武具の扱いも多少上手くなる。
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