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第3章 黒竜と歴史
雪辱ノ熊
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目視で確認するとそのタイラントグリズリーは尻尾が一本だった。災害級ではないようだが、ステータスプレートによるとB級らしい。
それが高いのか低いのか定かではないが弱くないのは明白だ。
その肝心のタイラントグリズリーは中々肉を食べようとしない。凶暴だとすれば直ぐに食いつくかと思っていたが予想以上に慎重のようだ。
(……しょうがねぇ…小細工なしでいくか…)
ザザッ
岩陰から飛び出てタイラントグリズリーを睨みつける。
もちろん相棒の村正を構えて…
タイラントグリズリーもこちらを睨みつけてくる。
お互い隙を伺っているのか中々動かない。
先に痺れを切らしたのはタイラントグリズリーの方だった。
その巨体に似合わない俊敏な動きで亮太へと突っ込んでくる。
そのまま爪で亮太を切り裂かんと迫る。
亮太は落ち着いて後ろに飛んで避けようとするが…
(!!!!)
咄嗟に後ろではなく横へ飛んだ。
ガリガリッ!!
空を切った爪から半透明の衝撃波のような物が飛び出し、後ろの岩に爪痕を残した。
「…あぶねぇ…後ろに飛んでたらやられてたな…」
先程後ろに避けようとした瞬間、頭に死のイメージがよぎったのだ。
「なるほどな…この腹の傷はあの攻撃で付けられたってわけか」
前に瀕死の重傷を負った時、どうやられたのか全く分からなかったが、ようやく謎が解けた。
だが、謎が解けたところで厄介なのは変わらない。
近づけば直接爪の餌食に、離れてもあの衝撃波が飛んでくる。さらに岩を削り取る程の威力もあるときた。
体制を立て直し、改めてタイラントグリズリーに向き直り、距離を詰める。
爪の直接攻撃も衝撃波もどちらも喰らえば瀕死は確実。ならば近付かなければ亮太に勝ち目はない。亮太に遠距離攻撃はないのだから。
タイラントグリズリーはまたも爪を振りかざす。
ギィィン
村正で受け止めるが亮太は吹き飛ばされた。
ザザァァァァ
空中で体制を整えてなんとか着地する。
「おいおい…クマのくせに器用じゃねえか」
今亮太が吹き飛ばされたのは力負けしたわけではない。爪に衝撃波を留めることで威力を上げていたために吹き飛ばされたのだ。
「まじでバケモンだな…なら…」
亮太はアップしたステータスをフルに使いタイラントグリズリーの周りを高速で移動する。
タイラントグリズリーもかなりの速さだが方向転換は苦手のようで亮太の速さにはついていけていないようだ。
困惑するタイラントグリズリーの隙を見て後ろから切り掛かる。
ズバッ!!
少し避けられたが左腕を深く切ることに成功した。
「ちっ…切り落としたかったんだが……まぁ切れることがわかっただけましか」
亮太は腕を切り落とすつもりだったのだ。
あの衝撃波を封じるにはそれしかないからだが、少し懸念もあった。
それは爪には村正で傷一つ付けられていなかったため、もしかすると身体も硬いのではと思ったのだ。
だが結果は上々だ。
切り落とせはしなかったものの、あの傷ではもう左腕は使い物にならないだろう。
グォラァァァァァ
タイラントグリズリーは腕を切られたことに腹を立てたのか威嚇してくる。
そのまま亮太との距離を詰めてくるが初めほどの速さはない。
亮太はまた高速で移動し、タイラントグリズリーの背後へ回り込むと右腕を切り落とそうと刀を振り下ろす。
スッ
刀は空を切った。
と、同時に思わぬ反撃を食らう。
「グハッ!」
亮太はなんとか刀で防御して威力を抑え、距離を取るが、タイラントグリズリーの爪が亮太の左腕を擦り、傷を負わす。
「クソッ!…そりゃねえだろ…」
亮太は自身の腕に傷をつけたタイラントグリズリーの左腕の睨みつける。
その左腕は完全ではないが治っていた。
「治癒能力かよ…」
それからはかなりの長期戦となった。
切っては離れ、切っては離れを繰り返し、攻撃を浴びせ続ける。
タイラントグリズリーは何度切られても回復し、亮太を食らわんと襲い掛かった。
その一進一退の攻防がしばらく続いたが、亮太は一つの突破口を見つけた。
タイラントグリズリーの治癒能力は確かに脅威ではあるが、無敵ではない。
切れば切るほど傷の治りが少しずつ遅くなっているのだ。
恐らく治癒能力にも限界があるのだろう。
そもそもタイラントグリズリーの治癒能力には弱点があったのだ。それは治癒の速さだ。もし、一瞬で傷を治癒されると流石に打つ手なしだが、左腕を切った時も治るのに少し時間が掛かっていたのだ。
今は傷が治るのに2倍以上の時間が掛かっている。
ここぞとばかりに亮太はタイラントグリズリーへ怒涛の攻撃を仕掛ける。
「ハァ!…ウラッ!…フン!…フッ!」
タイラントグリズリーに反撃の隙も与えないほどの乱撃が押し寄せる。
グゥオォォォォ………
ドシィィーン
タイラントグリズリーは弱々しく吠えるとその場に倒れ動かなくなった。
「ハァ…ハァ…ハァ……ふぅ」
息を整えて息絶えたタイラントグリズリーに近づいていく。
「…長かったな……だがこれで…リベンジは果たしたわけだ…」
少し感傷に浸る亮太。
それもそのはず…一度殺されかけた相手に勝つことができるまで強くなれたのだから。
それが高いのか低いのか定かではないが弱くないのは明白だ。
その肝心のタイラントグリズリーは中々肉を食べようとしない。凶暴だとすれば直ぐに食いつくかと思っていたが予想以上に慎重のようだ。
(……しょうがねぇ…小細工なしでいくか…)
ザザッ
岩陰から飛び出てタイラントグリズリーを睨みつける。
もちろん相棒の村正を構えて…
タイラントグリズリーもこちらを睨みつけてくる。
お互い隙を伺っているのか中々動かない。
先に痺れを切らしたのはタイラントグリズリーの方だった。
その巨体に似合わない俊敏な動きで亮太へと突っ込んでくる。
そのまま爪で亮太を切り裂かんと迫る。
亮太は落ち着いて後ろに飛んで避けようとするが…
(!!!!)
咄嗟に後ろではなく横へ飛んだ。
ガリガリッ!!
空を切った爪から半透明の衝撃波のような物が飛び出し、後ろの岩に爪痕を残した。
「…あぶねぇ…後ろに飛んでたらやられてたな…」
先程後ろに避けようとした瞬間、頭に死のイメージがよぎったのだ。
「なるほどな…この腹の傷はあの攻撃で付けられたってわけか」
前に瀕死の重傷を負った時、どうやられたのか全く分からなかったが、ようやく謎が解けた。
だが、謎が解けたところで厄介なのは変わらない。
近づけば直接爪の餌食に、離れてもあの衝撃波が飛んでくる。さらに岩を削り取る程の威力もあるときた。
体制を立て直し、改めてタイラントグリズリーに向き直り、距離を詰める。
爪の直接攻撃も衝撃波もどちらも喰らえば瀕死は確実。ならば近付かなければ亮太に勝ち目はない。亮太に遠距離攻撃はないのだから。
タイラントグリズリーはまたも爪を振りかざす。
ギィィン
村正で受け止めるが亮太は吹き飛ばされた。
ザザァァァァ
空中で体制を整えてなんとか着地する。
「おいおい…クマのくせに器用じゃねえか」
今亮太が吹き飛ばされたのは力負けしたわけではない。爪に衝撃波を留めることで威力を上げていたために吹き飛ばされたのだ。
「まじでバケモンだな…なら…」
亮太はアップしたステータスをフルに使いタイラントグリズリーの周りを高速で移動する。
タイラントグリズリーもかなりの速さだが方向転換は苦手のようで亮太の速さにはついていけていないようだ。
困惑するタイラントグリズリーの隙を見て後ろから切り掛かる。
ズバッ!!
少し避けられたが左腕を深く切ることに成功した。
「ちっ…切り落としたかったんだが……まぁ切れることがわかっただけましか」
亮太は腕を切り落とすつもりだったのだ。
あの衝撃波を封じるにはそれしかないからだが、少し懸念もあった。
それは爪には村正で傷一つ付けられていなかったため、もしかすると身体も硬いのではと思ったのだ。
だが結果は上々だ。
切り落とせはしなかったものの、あの傷ではもう左腕は使い物にならないだろう。
グォラァァァァァ
タイラントグリズリーは腕を切られたことに腹を立てたのか威嚇してくる。
そのまま亮太との距離を詰めてくるが初めほどの速さはない。
亮太はまた高速で移動し、タイラントグリズリーの背後へ回り込むと右腕を切り落とそうと刀を振り下ろす。
スッ
刀は空を切った。
と、同時に思わぬ反撃を食らう。
「グハッ!」
亮太はなんとか刀で防御して威力を抑え、距離を取るが、タイラントグリズリーの爪が亮太の左腕を擦り、傷を負わす。
「クソッ!…そりゃねえだろ…」
亮太は自身の腕に傷をつけたタイラントグリズリーの左腕の睨みつける。
その左腕は完全ではないが治っていた。
「治癒能力かよ…」
それからはかなりの長期戦となった。
切っては離れ、切っては離れを繰り返し、攻撃を浴びせ続ける。
タイラントグリズリーは何度切られても回復し、亮太を食らわんと襲い掛かった。
その一進一退の攻防がしばらく続いたが、亮太は一つの突破口を見つけた。
タイラントグリズリーの治癒能力は確かに脅威ではあるが、無敵ではない。
切れば切るほど傷の治りが少しずつ遅くなっているのだ。
恐らく治癒能力にも限界があるのだろう。
そもそもタイラントグリズリーの治癒能力には弱点があったのだ。それは治癒の速さだ。もし、一瞬で傷を治癒されると流石に打つ手なしだが、左腕を切った時も治るのに少し時間が掛かっていたのだ。
今は傷が治るのに2倍以上の時間が掛かっている。
ここぞとばかりに亮太はタイラントグリズリーへ怒涛の攻撃を仕掛ける。
「ハァ!…ウラッ!…フン!…フッ!」
タイラントグリズリーに反撃の隙も与えないほどの乱撃が押し寄せる。
グゥオォォォォ………
ドシィィーン
タイラントグリズリーは弱々しく吠えるとその場に倒れ動かなくなった。
「ハァ…ハァ…ハァ……ふぅ」
息を整えて息絶えたタイラントグリズリーに近づいていく。
「…長かったな……だがこれで…リベンジは果たしたわけだ…」
少し感傷に浸る亮太。
それもそのはず…一度殺されかけた相手に勝つことができるまで強くなれたのだから。
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