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第6章 新天地と冒険者
地球原語
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ある日依頼を受注してギルドを出ようとしたところで興味深い話が聞こえてきた。
話をしているのは昼間からギルドの酒場で酒を呑んでいる冒険者たちだ。
重要な話題がこういう場で手に入るのは鉄則だろう。
「知ってるか?最近コーチンの街で活躍してるギルド」
「知ってるぞ…あれだろ、最近なかなか良い功績を残してるんだよな…」
「俺は知らねえな」
「一人一人の冒険者階級も高いと聞くぜ」
「そうなのか?…そいつぁ結構頑張ってるじゃねえか」
「そうそう…確か名前は……なんだっけ?」
「イマジナリーだよイマジナリー」
(イマジナリー!!!!)
「どう言う意味だろうな?」
「さぁな…聞いたことねぇわ」
(まさか!)
咲良は驚きの表情をしている。
(イマジナリーって地球の言葉じゃねぇか。ということはそのギルドのメンバーは異世界人……これは確かめる必要があるな…)
イマジナリーとは地球の言葉、英語である。
この異世界ではまず聞くことのない発音なのだ。
「あの、一杯奢るのでその話詳しく教えてくれませんか?」
話をしている男たちに咲良は話しかける。
「奢ってくれんのか?太っ腹じゃねぇか兄ちゃん…今の話に興味あんのか?」
「えぇ、知ってることだけでいいので」
「イマジナリーに入りたいのか?」
「まぁそんなところです」
酒場の店主に良質なエールを人数注文し、冒険者達に渡す。
エールは地球で言うビールに近い発泡酒で、質により値段が変わる。咲良が注文したのは一杯銀貨1枚もするエールだ。
「おっ!いいのかい?こんな上等なもん奢ってもらって」
「もちろんです」
「そうかい。イマジナリーってのはな、だいたい半年ほど前に設立したらしくてな、なかなか腕の立つ冒険者が揃ってるらしいぜ」
「詳しいんですね」
「そりゃな…俺はそのギルドがあるコーチンにいたからな」
「なるほどね…それで?」
咲良は問い詰める様に男に聞く。
この世界に来てようやく得れる手掛かりなのだから仕方のないことだろう。
「そう急くな…なんでもギルドメンバーは設立以来殆ど増えてねえんだと」
「増やす気は無いと…」
(信憑性が増したな…異世界人同士で固まるのはあり得る話だからな)
「なんでかは知らねぇけどな。仲間意識が強いのかね」
「人数は分かりますか?」
「正確には知らねぇけど…40~50人くらいだったかなぁ」
「なるほど」
「そういえば!」
冒険者の男は何かを思い出した。
「近々この王都にも支部を建てるとか言ってたような」
「ここに?時期はわかりますか?」
「いやそこまでは。俺が知ってるのはこれくらいだな」
「そうですか。貴重な情報でした。ありがとうございます」
咲良は机に銀貨を3枚置く。
思いの外有益な情報だったので追加報酬だ。
「良いってことよ。良い酒の肴になったしな!また俺が知ってることで聞きたいことあったら聞きな!酒はもらうけどな」
「ふっ……では」
ギルドを出るが咲良の頭の中はイマジナリーのことでいっぱいだった。
(半年前ってことは時期的に考えてもあり得ない話じゃない)
「おーい!」
(人数にしても仮にあの教室にいた奴らなら大体数は合ってるからな)
「おーい!」
(とりあえず一歩前進だな)
「あの…無視しないでくれませんか?…」
「ん?…あぁサイモンか…どうした?」
「どうしたってずっと声かけていたんですがね…」
思いの外思考に没頭していたようでサイモンの声に気付かなかった。
「悪りぃな…考え事してたわ」
「まぁいいです。それよりも…前話してた事覚えていますか?」
「?…なんの話だ?」
「ギルドマスターに会わせると言う話です」
「………あぁ、そんな話あったな…」
超記憶を持っているとはいえ、その記憶を引き出すのに僅かな時間を有した。
「まったく…今から時間ありますか?」
「生憎今は依頼を受けていてな…明日にしてくれ」
「そうですか…わかりました。でしたら明日昼頃にギルドで待っています」
「わかった…また明日だ」
サイモンと別れ依頼に出向く。
今回の依頼はゴブリン5体の討伐だ。
咲良にとっては朝飯前の依頼だ。ゴブリンを見つけるのに時間が掛かる依頼とされているが、咲良には生存本能があるので見つけることは容易いため依頼は1時間足らずで終えた。
「へぇー明日ギルドマスターに会うのか」
依頼を終えて帰路につき、カゼルと談笑する。
「あぁ…成り行きでな」
「先日の報酬ってところか?」
「それと階級も上がるかもってよ」
「マジか!そりゃ良かったな!」
「まぁ恐らくそれだけじゃないだろうが…」
咲良は意味深につぶやく。
「他にもあるのか?」
「大体想像は付いてるがな」
「例えば?」
「E級の冒険者がオークの群れを全滅なんて普通はあり得ないからな…」
「あぁ~なるほど…そりゃ怪しいな!」
あまり深刻そうに捉えていないカゼルに咲良は少しムッとする。
「笑い事じゃねぇよ」
「何にせよ楽しみじゃねぇか!」
「人ごとみたいにいいやがって」
「ははっ!悪い悪い…でもよ、実際ギルドマスターに会えるなんて中々ない事だからな」
実際、ギルドマスターと面会するには、そのギルドに所属し、ある程度の功績を挙げなければならない。
ギルドに所属していない冒険者が、しかもE級の咲良が面会するのは異例中の異例だ。
「憂鬱でしかねぇよ」
「土産話楽しみにしとくぜ」
悪い予感しかしない咲良は気分が下がる。
話をしているのは昼間からギルドの酒場で酒を呑んでいる冒険者たちだ。
重要な話題がこういう場で手に入るのは鉄則だろう。
「知ってるか?最近コーチンの街で活躍してるギルド」
「知ってるぞ…あれだろ、最近なかなか良い功績を残してるんだよな…」
「俺は知らねえな」
「一人一人の冒険者階級も高いと聞くぜ」
「そうなのか?…そいつぁ結構頑張ってるじゃねえか」
「そうそう…確か名前は……なんだっけ?」
「イマジナリーだよイマジナリー」
(イマジナリー!!!!)
「どう言う意味だろうな?」
「さぁな…聞いたことねぇわ」
(まさか!)
咲良は驚きの表情をしている。
(イマジナリーって地球の言葉じゃねぇか。ということはそのギルドのメンバーは異世界人……これは確かめる必要があるな…)
イマジナリーとは地球の言葉、英語である。
この異世界ではまず聞くことのない発音なのだ。
「あの、一杯奢るのでその話詳しく教えてくれませんか?」
話をしている男たちに咲良は話しかける。
「奢ってくれんのか?太っ腹じゃねぇか兄ちゃん…今の話に興味あんのか?」
「えぇ、知ってることだけでいいので」
「イマジナリーに入りたいのか?」
「まぁそんなところです」
酒場の店主に良質なエールを人数注文し、冒険者達に渡す。
エールは地球で言うビールに近い発泡酒で、質により値段が変わる。咲良が注文したのは一杯銀貨1枚もするエールだ。
「おっ!いいのかい?こんな上等なもん奢ってもらって」
「もちろんです」
「そうかい。イマジナリーってのはな、だいたい半年ほど前に設立したらしくてな、なかなか腕の立つ冒険者が揃ってるらしいぜ」
「詳しいんですね」
「そりゃな…俺はそのギルドがあるコーチンにいたからな」
「なるほどね…それで?」
咲良は問い詰める様に男に聞く。
この世界に来てようやく得れる手掛かりなのだから仕方のないことだろう。
「そう急くな…なんでもギルドメンバーは設立以来殆ど増えてねえんだと」
「増やす気は無いと…」
(信憑性が増したな…異世界人同士で固まるのはあり得る話だからな)
「なんでかは知らねぇけどな。仲間意識が強いのかね」
「人数は分かりますか?」
「正確には知らねぇけど…40~50人くらいだったかなぁ」
「なるほど」
「そういえば!」
冒険者の男は何かを思い出した。
「近々この王都にも支部を建てるとか言ってたような」
「ここに?時期はわかりますか?」
「いやそこまでは。俺が知ってるのはこれくらいだな」
「そうですか。貴重な情報でした。ありがとうございます」
咲良は机に銀貨を3枚置く。
思いの外有益な情報だったので追加報酬だ。
「良いってことよ。良い酒の肴になったしな!また俺が知ってることで聞きたいことあったら聞きな!酒はもらうけどな」
「ふっ……では」
ギルドを出るが咲良の頭の中はイマジナリーのことでいっぱいだった。
(半年前ってことは時期的に考えてもあり得ない話じゃない)
「おーい!」
(人数にしても仮にあの教室にいた奴らなら大体数は合ってるからな)
「おーい!」
(とりあえず一歩前進だな)
「あの…無視しないでくれませんか?…」
「ん?…あぁサイモンか…どうした?」
「どうしたってずっと声かけていたんですがね…」
思いの外思考に没頭していたようでサイモンの声に気付かなかった。
「悪りぃな…考え事してたわ」
「まぁいいです。それよりも…前話してた事覚えていますか?」
「?…なんの話だ?」
「ギルドマスターに会わせると言う話です」
「………あぁ、そんな話あったな…」
超記憶を持っているとはいえ、その記憶を引き出すのに僅かな時間を有した。
「まったく…今から時間ありますか?」
「生憎今は依頼を受けていてな…明日にしてくれ」
「そうですか…わかりました。でしたら明日昼頃にギルドで待っています」
「わかった…また明日だ」
サイモンと別れ依頼に出向く。
今回の依頼はゴブリン5体の討伐だ。
咲良にとっては朝飯前の依頼だ。ゴブリンを見つけるのに時間が掛かる依頼とされているが、咲良には生存本能があるので見つけることは容易いため依頼は1時間足らずで終えた。
「へぇー明日ギルドマスターに会うのか」
依頼を終えて帰路につき、カゼルと談笑する。
「あぁ…成り行きでな」
「先日の報酬ってところか?」
「それと階級も上がるかもってよ」
「マジか!そりゃ良かったな!」
「まぁ恐らくそれだけじゃないだろうが…」
咲良は意味深につぶやく。
「他にもあるのか?」
「大体想像は付いてるがな」
「例えば?」
「E級の冒険者がオークの群れを全滅なんて普通はあり得ないからな…」
「あぁ~なるほど…そりゃ怪しいな!」
あまり深刻そうに捉えていないカゼルに咲良は少しムッとする。
「笑い事じゃねぇよ」
「何にせよ楽しみじゃねぇか!」
「人ごとみたいにいいやがって」
「ははっ!悪い悪い…でもよ、実際ギルドマスターに会えるなんて中々ない事だからな」
実際、ギルドマスターと面会するには、そのギルドに所属し、ある程度の功績を挙げなければならない。
ギルドに所属していない冒険者が、しかもE級の咲良が面会するのは異例中の異例だ。
「憂鬱でしかねぇよ」
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