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皇帝生誕九十年祭
第三十六話 オリギナの調査
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「これは、火薬の痕跡だね」
「インパクトシェイカー以外の攻撃魔法は感知できませんね」
「あのクソガキ、火薬何て持ち込みやがったのか」
シュンカとレトス、近衛兵による現場検証だ。シュンカはカテイナの魔力を知っているため、魔力検査の人員として呼び出された。シュンカ自身も皇帝陛下にかかわることと招集にはすぐに応じた。
「彼は火薬を持っていないよ。彼のことは城壁の外の時点から監視していた。荷物無し、服に忍び込ませるにしても今度は威力がおかしい。建屋の爆散は火薬によるものだ」
「それにこの血痕、彼自身がダメージを受けてます。それもかなりの重傷、よくもまあ、インパクトシェイカーにゲート、正確にこれだけの魔法を駆使できたものです」
「何が言いたいんです?」
「一度目の爆発は彼が意図してやったんじゃないのさ。現場の証拠だけだとね。あとは二度目のインパクトシェイカーに巻き込まれた人員への聞き取りだね」
「全員、城の救護棟に収容されています。命に別状はなく、事情聴取は可能です」
レトスはにっこり笑うと、救護棟に向かう。シュンカや近衛兵もそれに続いた。
カテイナに吹っ飛ばされた人員は四名、重傷二名、軽傷一名、すでに現場復帰済みが一名だ。
「ひどいね」
「本当に」
「全くです」
「このレベルで近衛の師団長ですか?」
「えっ?」
「とっさの防御、回避、受け流し、レベルが低いね。さらに言うなら予感はできたろう?これができてないならヒラからやり直したまえ」
「ちょっと……」
「ケガの原因は平和ボケですか? 鍛錬不足だとしたら、全隊員を鍛えなおさないと」
「うげぇ……」
ベッドで横になっている三名が申し訳ないと頭を下げる。復帰したのはかの第一師団長だ。彼だけはカテイナの力を正確に把握していた。彼も事情聴取と言うことで病室に来ている。
「それで、君たちの見たカテイナ君の状態を確認したいのだが?」
「それは私が答えましょう」
第一師団長がレトスの問に答える。カテイナも爆心点から吹き飛ばされていたこと。重傷だったこと。近寄ったら激昂されたこと。
「なるほどねぇ……そうするとまずいな」
「同感です。私も失敗しました。駆けつけるのが早すぎて、完全武装で彼の前に立つべきではなかった。武装解除はクラウディアに指示して前例があったのに……面目ない」
「そうだねぇ。かなりの率で彼がオリギナの張った罠だと考えてるね。そして彼の性格は――」
「暴れん坊です。やられたと思ったならやり返すでしょうね」
その場の全員がため息をつく。
「カテイナ君の居場所はつかめているかね?」
「現在、大使館内に居ます。そこまでは魔力感知で調べられました。皇帝陛下のご命令で調査完了まで手を出すなとのこと、近衛の第一と第二師団で隠密包囲中です」
「伝令――! 大使館からジブリル殿が出てきました。現在ジオール城前で皇帝陛下に謁見を申し入れています」
「流石に早いねぇ。できれば我々で動向を伺いたいけど。それどころじゃないだろうし、皇帝陛下にこの事情を説明する間だけでもジブリルさんと話をできないだろうか」
「――よい――全員、謁見の間に、参集のこと――」
いきなりこの場の誰でもない声が響いた。静かに、囁くような声だったが全員がその声を聴いている。
議論をしていた集団に対して囁くような声を的確に漏らさず伝えるその技量。魔法技術の天才たちが集う魔法帝国オリギナにおいて、使用した魔力を感知させないという並ぶことのできない技。そんなことが可能な人物は帝国広しといえどただ一人しかいない。
その場の全員が姿勢を正して起立する。
「「「「皇帝陛下の仰せのままに!」」」」
その場の全員が部屋を飛び出した。
「インパクトシェイカー以外の攻撃魔法は感知できませんね」
「あのクソガキ、火薬何て持ち込みやがったのか」
シュンカとレトス、近衛兵による現場検証だ。シュンカはカテイナの魔力を知っているため、魔力検査の人員として呼び出された。シュンカ自身も皇帝陛下にかかわることと招集にはすぐに応じた。
「彼は火薬を持っていないよ。彼のことは城壁の外の時点から監視していた。荷物無し、服に忍び込ませるにしても今度は威力がおかしい。建屋の爆散は火薬によるものだ」
「それにこの血痕、彼自身がダメージを受けてます。それもかなりの重傷、よくもまあ、インパクトシェイカーにゲート、正確にこれだけの魔法を駆使できたものです」
「何が言いたいんです?」
「一度目の爆発は彼が意図してやったんじゃないのさ。現場の証拠だけだとね。あとは二度目のインパクトシェイカーに巻き込まれた人員への聞き取りだね」
「全員、城の救護棟に収容されています。命に別状はなく、事情聴取は可能です」
レトスはにっこり笑うと、救護棟に向かう。シュンカや近衛兵もそれに続いた。
カテイナに吹っ飛ばされた人員は四名、重傷二名、軽傷一名、すでに現場復帰済みが一名だ。
「ひどいね」
「本当に」
「全くです」
「このレベルで近衛の師団長ですか?」
「えっ?」
「とっさの防御、回避、受け流し、レベルが低いね。さらに言うなら予感はできたろう?これができてないならヒラからやり直したまえ」
「ちょっと……」
「ケガの原因は平和ボケですか? 鍛錬不足だとしたら、全隊員を鍛えなおさないと」
「うげぇ……」
ベッドで横になっている三名が申し訳ないと頭を下げる。復帰したのはかの第一師団長だ。彼だけはカテイナの力を正確に把握していた。彼も事情聴取と言うことで病室に来ている。
「それで、君たちの見たカテイナ君の状態を確認したいのだが?」
「それは私が答えましょう」
第一師団長がレトスの問に答える。カテイナも爆心点から吹き飛ばされていたこと。重傷だったこと。近寄ったら激昂されたこと。
「なるほどねぇ……そうするとまずいな」
「同感です。私も失敗しました。駆けつけるのが早すぎて、完全武装で彼の前に立つべきではなかった。武装解除はクラウディアに指示して前例があったのに……面目ない」
「そうだねぇ。かなりの率で彼がオリギナの張った罠だと考えてるね。そして彼の性格は――」
「暴れん坊です。やられたと思ったならやり返すでしょうね」
その場の全員がため息をつく。
「カテイナ君の居場所はつかめているかね?」
「現在、大使館内に居ます。そこまでは魔力感知で調べられました。皇帝陛下のご命令で調査完了まで手を出すなとのこと、近衛の第一と第二師団で隠密包囲中です」
「伝令――! 大使館からジブリル殿が出てきました。現在ジオール城前で皇帝陛下に謁見を申し入れています」
「流石に早いねぇ。できれば我々で動向を伺いたいけど。それどころじゃないだろうし、皇帝陛下にこの事情を説明する間だけでもジブリルさんと話をできないだろうか」
「――よい――全員、謁見の間に、参集のこと――」
いきなりこの場の誰でもない声が響いた。静かに、囁くような声だったが全員がその声を聴いている。
議論をしていた集団に対して囁くような声を的確に漏らさず伝えるその技量。魔法技術の天才たちが集う魔法帝国オリギナにおいて、使用した魔力を感知させないという並ぶことのできない技。そんなことが可能な人物は帝国広しといえどただ一人しかいない。
その場の全員が姿勢を正して起立する。
「「「「皇帝陛下の仰せのままに!」」」」
その場の全員が部屋を飛び出した。
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